2129.世界構造の変化(1)



米国の衰退とドイツの変化で、どう世界は変化するかを見る。
                           Fより

米国世論がブッシュ政権のイラク戦争に懐疑的になっている。特に
民主主義のための戦争に反対だと意思表明している。これはイラク
の次にイランとの戦争をするというシナリオができなくなったこと
を意味する。

チェイニーに災害現場で「帰れ」という暴言を吐いた人間が全国か
ら賞賛されるということも起こっている。米国タカ派は米国内部か
らも評判が良くない。このストーリーからすると、このハリケーン
「カトリーナ」で米国は中東のことより国内へと関心をシフトする
可能性が高い。米国の世界的な活動が、徐々に衰退するような気が
する。内向きになっていくのでしょうね。

今まで、米国国内の災害を重視して、FEMAに予算をクリントン
政権では優先的に振り分けていたが、ブッシュ政権では大幅カット
した。しかし、今度のハリケーン「カトリーナ」でその方針を変更
し、FEMAに予算を付ける必要があることがブッシュにもわかっ
たようだ。テロ戦争も重要であるが、国内の防災も重要となるでし
ょうね。

米軍の世界的な再編縮小と米国国内の基地の削減で、軍予算を全体
的に削減して、ミサイル防衛などの米国の防衛を強化することと有
権者の税金を削減しようとしたが、このハリケーンの猛威で米国は
災害対策とニューオリンズの復興が必要になっている。

ブッシュ政権ではイラク戦争は公共事業と同じで、米国の景気を上
昇するために必要であったし、戦争経済には次の戦争が必要であっ
たためにイランを次の戦争に位置づけていたが、ハリケーンの復興
という本当の公共事業ができて、イラン戦争は必要なくなっている。

それより、米国は国内での貧富の差を放置しているが、国内の災害
で海外からの支援が必要になることは避けたいようである。しかし
、米国の財政赤字は放置できないレベルになっている。クリーンス
パンFRB議長も米国の赤字は制御できないレベルになっていると
言明している。このことでも内向きにならざるを得ない状況になっ
ている。

昔のモンロー主義に近くなる。中南米と北米以外には手も口も出さ
ないことになる。この米国大陸のベースがNAFTAで自由貿易圏
でしょうね。南北アメリカ大陸への米国の拡大でしょうね。

米国が中東で戦争しなくなるので、中東では戦争が起こらないかと
いうと違う。イラクのクルド人がトルコ、イランなどで活動し始め
て、この中東地域が戦争の季節を迎える。クルド人は石油を持つた
めに戦争資金は豊富であり、かつ米国が最新兵器を供給するのと、
米軍がクルド人に軍事訓練をして最新鋭兵器を売るのですから、米
国の傭兵のような立場になるためにトルコやイランは大変なことに
なると思う。トルコやイランのクルド人も立ち上がる可能性が否定
できない。小型核ミサイル供与の可能性もあり、油断はできない。

もう1つの動きはドイツで、キリスト民主党が第1党になり、労働
党との連立政権になるでしょう。恐らく、キリスト民主党は親米的
な路線、新自由主義的な政策を推進するので、今までのような仏独
連合でのEU運営から親米的な独英と反米的な仏という2つの勢力
のバランスでEU運営の方向にシフトする可能性が高い。

しかし、ここで米国の力が落ちると地域や文化の近い物同士が繋が
る関係になる。そうすると仏英・西欧連合対独・中東欧連合の2大
勢力に分割される可能性もある。ドイツはロシアからエネルギー供
給を受けているために、ロシアとの関係も見直すことになると思う。
                  (明日に続く)
==============================
<米外交演説>ライス長官が中東での民主改革方針強調

 ライス米国務長官は30日、米東部ニュージャージー州のプリン
ストン大学で米外交政策の基調演説を行い、世界の恒久的安全を保
障するのは「自由と民主主義」の拡大だけだと指摘するとともに、
拡大中東地域での民主改革を進める方針を強調した。また、民主主
義拡大には軍事力を含む「力」の背景が不可欠との認識も示した。
(毎日新聞) - 10月1日11時43分更新
==============================
武力での独裁打倒に反対 米で55%、イラク影響か

 【ワシントン30日共同】米国人の過半数が、イラク戦争のよう
に軍事力で独裁国の体制を打倒することに反対していることが、米
シンクタンク「シカゴ外交評議会」などが発表した世論調査で9月
30日までに分かった。旧フセイン政権を崩壊させた後、泥沼化し
たイラク情勢の影響とみられる。
 調査結果によると、軍事力行使に「反対」との答えは55%で、
「好ましい」の35%を上回った。民主化達成はイラク戦争の大義
にならないとの回答は74%に上った。
 ブッシュ大統領が2期目の外交政策の目標に掲げる「自由と民主
主義の拡大」についても、68%が「民主主義拡大で世界は安全に
ならない」と、懐疑的。どの国にとっても民主主義が最良の政体と
の答えは50%、世界各国で将来、民主主義が実現すると考えてい
るのは28%だった。
(共同通信) - 10月1日11時31分更新
==============================
イラク戦争受け米国民は軍事力行使に懐疑的に=世論調査

 [シカゴ 29日 ロイター] 米メリーランド大学系列の調査
グループが29日発表した世論調査で、イラク戦争により、米国民
の間に民主主義を広める手段として軍事力を行使することへの疑問
が広がっていることが分かった。
 調査では、回答者の72%がイラク戦争を受け、「民主主義実現
のための」軍事力行使に「より悪い感情を持つようになった」と回
答。「より良い感情を持つようになった」との回答は20%にとど
まった。
 また米国民のほぼ4人に3人が、戦争を起こす理由として旧フセ
イン政権の打倒と民主主義の確立だけでは不十分と考えていること
も分かった。
 調査グループを率いたスティーブン・カル氏は、「大半の米国民
は、テロと戦い、世界をより安全にするには民主主義の拡大が重要
とするブッシュ大統領の主張には納得していないようだ」と述べた。
 
(ロイター) - 9月30日10時35分更新
==============================
自由貿易圏創設へ始動=南米共同体首脳会議

 【サンパウロ30日時事】南米12カ国から成る南米共同体(CNS)は
29、30の両日、ブラジリアで第1回首脳会議を開催し、大陸ほぼ全域
をカバーする自由貿易圏の創設に向け準備を開始することで合意した。 
(時事通信) - 10月1日11時0分更新
==============================
相次ぐ大型ハリケーン被害 米、経済政策見直しも

赤字膨張「年金・税制」に暗雲
 【ワシントン=気仙英郎】米南部を襲った大型ハリケーン「カト
リーナ」と「リタ」による被害を受け、ブッシュ政権は経済政策の
変更を余儀なくされる公算が高まっている。米政府と議会はすでに
計六百二十三億ドルの復興対策費を補正予算で計上。今後もハリケ
ーン対策に全力を挙げる方針を打ち出す中、財政赤字が膨らむのは
確実な情勢だからだ。このままでは、ブッシュ大統領が二期目の経
済政策の柱として位置づけていた二〇〇九年度までに、財政赤字を
半減するという公約や、公的年金改革、税制改革なども頓挫しかね
ない。
 八月末のカトリーナの来襲以来この一カ月間に、ブッシュ政権と
議会は、二回にわたって総額六百二十三億ドル(約六兆九千百億円
)の補正予算を計上。さらに、被災者救済を目的とした総額六十億
ドル(約六千六百億円)規模の減税措置を打ち出した。復興には約
二千億ドルかかると試算される中、さらに五百億ドル(約五兆五千
億円)規模の第三次補正も確実な情勢にある。
 この結果、税収の増加で改善の兆しが見え始めていた二〇〇六会
計年度(〇五年十月−〇六年九月)の財政赤字見通しは当初の
三千九百億ドルから大幅に悪化し、史上最高を更新する可能性が高
くなっている。
 米経済への影響もじわりと出ている。米航空大手デルタ、ノース
ウエストの航空大手は、燃料費高騰に耐えきれず経営破綻に追い込
まれ、鉄鋼や石油化学など素材メーカーは、エネルギーコスト分を
製品価格に転嫁し始めている。今後、物価上昇が消費者の財布のひ
もを固くし、景気悪化に拍車をかけることが懸念される。
 さらに、ブッシュ政権の経済改革の柱である個人年金勘定の創設
を目玉とする公的年金改革や税制の簡素化に向けた動きも立ち往生
している。スノー財務長官も「本来、議論をつくさなければならな
い問題が、後回しにならざるを得ない」と語る。
 しかし、米政府や議会は、なお楽観的な見通しを崩さない。スノ
ー長官は常に、「〇九年度までに財政赤字半減との公約に変わりは
ない」と強調。米議会予算局(CBO)は二十八日、カトリーナ被
害で、今年下半期の実質GDP(国内総生産)伸び率は0・5%前
後押し下げられるものの、今年第4・四半期の成長への打撃は少な
いとの試算をまとめた。
 ブッシュ政権のバーナンキ米大統領経済諮問委員会(CEA)委
員長も同日、一部記者団に対し、「個人消費が今後も堅調に続くし
、復興事業で雇用の拡大が期待できる」と景気後退のリスクを打ち
消した。
 ブッシュ政権が強気を貫く背景には、順調に続いている景気の腰
を折れば、わずかに持ち直した支持率が再び下がり、政権基盤を失
いかねないためだ。
 ハリケーン対策が成功するかどうかが、次の経済改革実現のカギ
を握っているといえる。
(産経新聞) - 10月1日2時34分更新
------------------------------------------------------------
(提供)
●毛髪について悩んでいる方へのお役立ち情報(?) 
先日、久しぶりに弁護士の友達に会った時に、面白い話を聞きまし
た。薄毛に悩んでいたのに、ふさふさになっているんです。聞くと
、インディアンにはハゲがいないそう!そこで彼は、インディアン
に伝承する育毛の成分を使ったシャンプーを買っているそうです。
 http://www.emotent.co.jp/mag/767/


コラム目次に戻る
トップページに戻る