2122.中国の分裂について



E: 国際戦略コラムno.2117.中国の分裂について   
   
 F さん
こんにちわ。中国人の王です。
ご掲載いただき、ありがとうございます。
Fさんのコメントには、複数のテーマを触れたようです。
私は共産党員でもないし、国を体表してるというわけでもないです。
単なる一人の普通の中国人の視点から、簡単にFさんと議論してみ
たいと思います。

1、
「中国人は政治の話を拒否します」につきまして、
ここには公式的な場所と非公式的な場所の区別があります。
公式的な場所(例えば、ビジネスの宴会)の場合、政治的な話題を
しないのが普通です。
言っても無意味じゃないかと多くの人が思うからです。
非公式的な場所(例えば、友達同士のパティ)の場合、政治的な話
を持ち上げてもぜんぜん問題ありません。
非公式的な場所で共産党の不満を言ったため、政府に逮捕されたこ
とは非常に珍しいです。
一言で言えば、今の中国には、テレビには政治にかんする言論はあ
まり見かけていないが、民間にはみんな平気で議論しています。

2、土地に巡って、政府と住民の対立
政府は地域開発のことに重視し、住民は個人の利益を重視します。
政府の利益と住民の利益この二点は必ずしもうまく調整できるとい
うわけでもありませんので、紛争が出てきます。
これはどこの国も同じです。日本にも三里塚・芝山連合空港反対同
盟の事件がありました。
中国はなぜ激しいかというと、やはり「住民は土地の使用権をもち
ますが、所有権をもちません」というのが中国土地政策ですから。
土地に巡って、政府と住民の対立は激しかったが、それに関する法
律ができ、現在ずいぶん緩和になってきました。
しかし、たまたま対立事件が起きます。ただ、それによって、政権
を覆すということは考えられません。

3、戸籍制度
以前、中国特有の戸籍制度があるので、農村から都市部から引越し
するのは難しかったです。
今、農村から北京や上海などの大都市以外の都市に簡単に引越しす
ることができるようになります。

4、経済格差
沿岸部と内陸部、都市と農村の経済の格差は注目されています。
これは確かなことです。しかし、政府も一所懸命改善しようとして
います。私は農村出身ですから、農村のことはやや詳しいです。
2005年から、中国の大部分の農民は何の税金を払わなくてもい
いです。中国語が出来る方は下記の新聞をご参考ください。
http://china.dayoo.com/gb/content/2005-01/17/content_1901023.htm
http://www.southcn.com/news/dishi/guangzhou/shizheng/200411240023.htm
農業の零税金は中国数千年の歴史にはなかったことです。

5、中国の発展について
中国と日本の事情がずいぶん違うので、日本の発展に真似って、発
展させることは恐らくできません。
そして、今日本の現状は必ずしも中国理想な未来図でもありません。
では

王
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(Fのコメント)
王さん、ありがとうございます。王さんは中国の現状認識が正確で
すね。しかし、最初に王さんが私に示したのは、中国の現状を見に
中国にきてくださいと言いましたが、それの答えは残念ながら、中
国への旅行はムダと言うことですね。
知らない異国人に政治的な話はしないと言うことは、中国に行って
も政府への反論が聞けないということですよね。カナダ国籍の中国
の方とは相当親しくなったのにも関わらず、政治的な話はしなかっ
たのです。中国は民主主義ではないので政治的な話はしないと、そ
の方は言っていましたよ。

その方によると、5%以下の大学に進学した農民層の若者だけしか
大都市に住めない、海外留学にも行けないとのことでした。土地が
国家の物で農民に所有権がないために、立ち退きも簡単にできると
、米国企業の工場誘致の話で言っていました。それが、今の農民紛
争になっていると見ている。

そして、農民から税金を取らないということは、都市住民と都市の
企業から税金を今以上に多く取る事になるのですが、米国の独立宣
言と同じで、金を出すからには政治に参加させろ ということにな
ると思うがどうですか。

もし、税金だけ取って北京政府の権力構造から排除すると、歴史が
証明しているように、大きな紛争になるでしょうね。絶対に北京政
府と上海・広州などの大都市連合の権力闘争になる。その解決は、
民主化して権力構造に企業家や上海などの都市住民を位置づけない
といけないでしょうね。そして、このような声は既に上海にあると
見るのですが、その声を北京政府は無視しているのではないですか??

日本を手本にしなくてもいいのですが、中国が軍国主義や独裁主義
で、国民の希望を見ない政治をして、国民の不満が溜まって、その
不満を海外侵略、特に台湾侵略戦争で逸らすことになるではないか
と、周辺諸国は怖ろしく思っているのですよ。そこがキーでしょう
ね。

特に不満を抱えた人たちがいて、政治闘争になっていると新唐人TV
や大紀行で知っている。しかし、この不満分子に台湾だけでなく、
上海閥も加担すると本当に中国動乱が起こると見ている。

その中国動乱の準備を日本、ロシア、米国、東南アジアでしないと
、中国は核ミサイルを持っているために台湾侵略戦争を起こすと、
周辺国にも核ミサイルが降ってくるのではないかと心配なのです。

もう1つ、外国に対して、特に日本に対して、中国の評論家はどう
して無知なのでしょうね。(最後に日経記事を転載します。)
評論家は政治的にそう言わないと共産党から排除され、処刑される
からですよね。言論の自由がないと諸外国への認識がおかしくなる
典型ですね。国内でも認識が間違えていて、同様なことが起こって
いるように感じるのです。ここも言論の自由がないことでの大きな
弊害でしょうね。
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2005.09.20 UPDATE (nikkei-bp)
X国大使館で見た、中国の“対日強硬派”の素顔 

「もしもし、こちらはX国大使館です。大使が貴殿をディナーに招
待したいとおっしゃっています。ご都合はいかがですか」――。
数カ月前のこと、筆者は何だか狐につままれたような、しかしなか
なか得難い貴重な経験をした。それは、北京にある某国大使館から
の、1本の電話で始まった。実際の国名を出すのは差し障りがある
かもしれないので、ここではX国としておこう。

▼「今日の議論のテーマは、日中関係です」

X国大使館からの電話は、実はこれが2回目だった。1回目は今春の
ことで、「大使とのアフタヌーンティーに招待したい」という誘い
だった。しかし、筆者はX国大使と全く面識がない。そこで「お声
ががりは光栄ですが、どんな集まりなんですか」と問うと、「北京
在住の外国人ジャーナリストを招いて意見交換がしたい」と言う。

実際に出かけたところ、筆者のほかにも日本、韓国、インドなどア
ジア諸国のジャーナリストが数人来ていた。X国大使は、とても腰
の低い気さくな紳士で、ふだんつき合いのない他国のジャーナリス
トの意見が聞けたという意味でも、結構楽しめた。

だから、2回目の電話を受けた時には、同じような集まりだろうと早
合点して、何も聞かずにOKした。ところが当日の夜、X国大使公邸に
着いてみると、どうも様子が違うのである。

12〜13人がけの大きな丸テーブルに顔を揃えたのは、X国人である大
使と大使館の関係者、日本人である筆者を除いて、あとはみな中国
人だった。そのうち2人とは、席に着く前に名刺を交換できた。どち
らも中国の政府系メディアの若手記者だった。残りの中国人は一体
誰なのか、その時点では皆目見当がつかなかった。

そして全員が席に着くや、X国大使は突然こう切り出したのだ。

「ようこそいらっしゃいました。今夜は、皆さんと一緒に興味深い
テーマについて議論したいと思います。それは日中関係です」

▼常軌を逸した対日批判を聞かされ…
オイオイ、聞いてないよ――。筆者はそう心の中で叫んだ。断って
おくが、筆者の守備範囲は経済、それも個別具体の企業の戦略など
ミクロの分野が中心だ。政治や外交は専門外である。にもかかわら
ず、正体不明の中国人を相手に、X国大使の前で日中関係を議論させ
られる羽目に陥るとは。

しかし、招待してくださった大使の手前、今さら席を立つわけにも
いかない。ここは腹をくくって、まずは中国側の意見に耳を傾ける
ことにした。

ところが、「最近の日中関係をどう思うか」という大使の問いかけ
に対する彼らの発言を聞いて、驚いてしまった。日本に対して厳し
いことを言うのは予想できたが、彼らのうち2〜3人の意見は、ほと
んど常軌を逸脱していたからである。

「小泉純一郎首相の靖国神社参拝は、中国人民の気持ちを深く傷つ
ける行為であり、絶対に許されない」

「昨今、日中関係がギクシャクしている原因は、すべて日本側にあ
る。中国には一切責任がない」

ここまでは理解できる。中国外務省のスポークスマンの記者会見な
どでもおなじみの“公式見解”だからだ。しかし以下のような発言
には、大いに首を傾げざるを得なかった。

「日本社会は急速に右傾化している。日本政府は軍事大国化を目指
し、軍備を増強している」

「日本の外交政策は、常に背後から米国に操られている。日本は米
国の同意なしには何一つ決められない」

「日本人という民族には致命的な欠陥がある。それは戦略的な思考
が欠落していることだ」

▼根拠に乏しく議論にならず

一体、何を根拠にそう断言できるのか。彼らは、日本の現状につい
て断片的な知識を持っているだけで、きちんと検証していないのは
明らかだった。話し方も、まるで紙に書いた原稿を読み上げている
ようで、説得力を感じない。しかも、相手の目を見ずに一方的にし
ゃべり続けるから、双方向の議論にならないのである。

半ばあきれながら聞いていると、隣の席に座っていたX国の外交問題
研究者という人物が、筆者に小声でこう問いかけてきた。

「彼らのような過激論者(extremist)をどう思うか?」

なるほど、これで合点がいった。X国大使は、論理性や客観性に欠け
る過激な対日強硬論者を、承知のうえで招待客のリストに加えてい
たのだ。

そうと分かれば、素人の筆者にも反論のチャンスがある。経済の論
議でも同じだが、過激論者の弱点は、合理的な論拠に乏しいことだ。
そこで、彼らにこう質問してみた。

「皆さんのご意見には、何か具体的な根拠があるのですか。例えば
、日本の右翼団体の構成員が急増しているといったような明確なデ
ータをお持ちなのでしょうか」

結果は予想通りだった。彼らは筆者の問いかけを黙殺したのである。

時間はあっという間に過ぎ、やがて晩餐会はお開きとなった。結局
この夜は、彼らが一体誰だったのか分からずじまいだった。そこで
翌日、X国大使館にメールを送り、出席者の名前をぜひ知りたいと頼
んだ。

送られてきたリストを見て、もう一度驚いた。そこには、国際問題
の専門家として中国の新聞やテレビにも登場する有名な学者や、政
府系有力紙の論説委員などの名前が並んでいたのである。

筆者はそれまで、彼らは日本に対するそれなりの知識を踏まえたう
えで、あえて対日強硬論を唱えているのだと考えていた。知識人な
ら、それが当然である。しかしX国大使館で垣間見た彼らの素顔は、
残念ながらそうではなかった。立場や考え方がどんなに違っても、
面と向かって話を聞けば、問題に対するその人物の理解度は肌で感
じられるものだ。彼らは、政治や外交に関する理論的な専門知識は
あっても、肝心の日本の現状に対する深い知識が欠けているとしか
思えなかった。

これは全く残念なことである。というのも、彼らはメディアを通じ
て中国の一般市民の対日観をリードしているだけでなく、政府や共
産党の対外政策に対しても一定の影響力を持つと目されている人々
だからだ。
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中国の対日歴史観に違和感 米国務副長官 日中と専門家協議を提言

 【ニューヨーク=長戸雅子】ゼーリック米国務副長官は二十一日
、先の米中首脳会談に関連してニューヨーク市内で講演、第二次世
界大戦をめぐる中国の対日歴史観について、「かなりのギャップを
感じるところもある」と違和感を表明、日米中三カ国の歴史専門家
による協議で認識格差を緩和できるのではないかと提言。米政府高
官が日中間の歴史認識摩擦に関して踏み込んだ発言を行うのは珍し
い。

 同国務副長官はまた、「閉ざされた政治が将来もずっと中国社会
の姿となることはあり得ない」と予測し、「国民に信頼され、説明
責任を伴った政府となるよう政治的な移行が必要」と、共産党一党
独裁体制から民主体制への移行を促した。

 第二次大戦をめぐる日中間の歴史認識に言及して、「中国にとり
、日本との歴史認識問題が敏感な問題であることは理解できる」と
述べる一方で、満州事変(一九三一年)を糾弾する中国・瀋陽にあ
る「9・18歴史博物館」を訪れたことを例に挙げて、米国が参戦
した一九四一年からソ連軍の日本侵攻までの年代順記述が飛ばされ
ていた点を指摘、「中国が語る歴史にもかなりのギャップがあると
認識した」と疑問を示した。

 そのうえで「三カ国の歴史家による協議を始めることで、こうし
た『誤解』を少なくすることが可能だ」と述べ、日中両国の歴史認
識をめぐる問題に、米国が一枚かむことが解決の一歩になるとの考
え方を提示した。
(産経新聞) - 9月23日2時53分更新
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ここからは、北朝鮮に対して、超強気で当たるほうが、戦略的じゃ
ろう。             虚風老
   
イラク戦争の頃は、北朝鮮は、明日は我が身という危機感があった
じゃろう。
その時、日本が経済制裁すれば、暴発(座して死を待たずとか言っ
て)して、その矛先が日本に向う危険性があったんじゃ。みんな巻
き添えにしてやるちゅうぐらいのな。

しかし、今の状況は、アメリカはイラクで泥沼に入り、イラン問題
を抱え、世界世論も、大量破壊兵器について大嘘をついたアメリカ
に冷たい。
そのうえ、国内での問題(ハリケーン等)が山積し、財政赤字も膨
らんでおる。ネオコンの思惑は、あたりまえといえばあたりまえだ
が、外れつつある。(イスラエルの思惑は別かもしれぬが、、、、。

韓国は戦争になると国家と民族の破綻なので、必死になって、相手
に媚びを売り、それによって、もうとり込まれようとしておる。
中国は、アメリカ外交でのカードとして利用しておる。

北朝鮮は、それらを踏まえて、アメリカによる攻撃はないと確信し
て、(韓国の地上軍が動かなければ戦争計画にならないしの。)
要求を釣り上げておる。
米国は、動けないので、外交上の体面を取り繕うために、6か国協
議案で、玉虫色のスタートラインを認めた。まあ、アメリカの北朝
鮮への外交は、イスラム圏と北朝鮮の核の繋がりが切れさえすれば
、国内で評価的に失点にならなければいいといいぐらいまで落ち込
んでおる。

しかし、北朝鮮は、軽水炉が建設されるまで、核廃棄はしないと言
っている。
これは、時間稼ぎと、エネルギー・食糧支援を単に手に入れるだけ
の手段でしかないことを意味しておるの。

また、ピョンヤン宣言を利用して、日本から金を引き出そうとして
いるが、懸案事項には、拉致も入るし、北朝鮮の大量破壊兵器(核
・ミサイル保有)も入ることを強く主張しなければならぬ。

北朝鮮が、核廃棄を先に進めないというなら、
これからは、日本は、経済制裁(送金禁止・船舶の入港拒否)をし
て強圧的にしていく方がいい。中国・韓国が、北朝鮮を支えたり、
迂回路があるので、効果的な圧力にはならないが、いらぬ金を出さ
なくてよくなる。
核兵器が廃棄されたら、経済制裁解除。拉致問題にケリがついたら
、国交回復。ぐらいにゆっくり構えてええんじゃ。

そして、この段階では、北朝鮮は米国からの攻撃は無いと確信して
いるから、暴発はないといえるじゃろう。
日本に単独で対決しようにも、通常戦力では雲泥の差で日本が強い
しの。
しかも、通常弾頭のミサイルなんて、200発あったって、まった
く恐くないんじゃ。
そのうえ、米国に攻撃=空爆する理由を与えてしまうから、行われ
ることはないといえる。
警戒すべきはテロだが、それは徹底的に保安体制をとることじゃ。
そうすれば、日本も緊張感が走るし、少しは、薬物汚染や、みょう
ちきりんな犯罪なんぞも減るじゃろう。

その上、北朝鮮は、果実を得られる、自分達はほぼ安全と、逆に欲
が出ているから、それをパーにしてしまう物理的攻撃を仕掛けて
これるもんじゃない。(口では口汚なく罵るであろうがの、そんな
の屁のかっぱにしとけばええんじゃ)

もともと、北朝鮮と国交回復することに、東アジアの安定以外のメ
リットは無いといえる。核を持った状態の、金正日体制がある限り
、東アジアに安定は存在しない。

日本は、感情的にならずに、ここは黙って、単独でも思い切った圧
力を掛けることじゃと思うな。(少しは周りの国が、日本を、なだ
めすかすぐらいでええんじゃなかろうか。)
                      虚風老
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(2ちゃんねる)
848 :本当にあった怖い名無し :2005/09/24(土) 13:57:45 ID:k0olOtbr0
 先週、中国でビジネスをしている知人から興味ある話を聞いた。2010年の上 
海万博終了後、中国から共産主義が無くなるというのである。知人は上海で医療ビ 
ジネスに携わっているが、監督署の上海衛生局の高級幹部と仲が良く、ある日、彼 
がこう話したという。「もはや、中国は統治システムとして共産主義は放棄しなけれ 
ばならないところまで来ている。2010年の上海万博が終わったら共産党独裁は 
放棄して、多党型の西側民主主義体制を採用するだろう。これは政府部内で公然の 
秘密となっており今、その準備体制が着々と進んでいる」。これが事実だとしたら驚 
くべきことである。あと5年後に、ソ連に続いて、中国からも共産主義が無くなる 
のだ。その衛生局の高級幹部はこうも話したという。「現在の胡錦濤総書記こそ、 
ゴルバチョフであり、彼はそろそろ、その役割を始めるであろう」と。 

849 :本当にあった怖い名無し :2005/09/24(土) 14:22:53 ID:MrPA9K910
>>848 
ふむ、それが失敗して上海暴動→上海万博中止→中国分裂かな。 
上海は胡錦濤派と対立する江沢民派閥の拠点だしね。 

852 :本当にあった怖い名無し :2005/09/24(土) 14:57:47 ID:MrPA9K910
中国の話題になってると思ったらこんな記事が 
【中国】都市部収入、地方の6倍 低所得層の不満、爆発寸前の“黄信号”に 

 中国で収入格差の拡大が深刻化している。沿海部の都市住民と内陸部 
の地方農民の格差は六倍に達し、最富裕層と最貧困層の格差にいたっては 
実質的に数十倍にも上るなど、低所得層の不満が爆発寸前の警戒域に 
入ってきた。 

 中国共産党中央党校は現在の収入格差によって「黄信号」がともっており、 
「このまま有効な措置をとらなければ『赤信号』に突入する」と強い調子で 
警告した。中央党校がこのような警告を行うのは極めて異例。収入格差が 
大きな不満を生み、農民暴動が多発しているだけに、中国指導部が極めて 
強い危機感を抱いていることがうかがわれる。 
(中略) 
 中国では二〇〇三年末現在で、一人当たりGDPが一千ドルを突破したが、 
同誌の指摘した通り、暴動が多発している。 

 周永康・中国公安相によると、昨年一年間だけで約七万四千件のデモや 
抗議行動、暴動、暴力事件が記録されており、これらの事件に三百七十万人 
が関与した。一九九四年は約一万件だっただけに、この十年間で七・四倍にも 
膨れ上がっている。 

 これについて、同誌は「かなりの人々、特に最富裕層が『官』と癒着。大企業も 
『官』と結託して独占的地位を築き、新規参入者を排除し、国有企業の経営者と 
公務員は、各種の不正な手段を用いて国有資産を食い物にしている」などと主張。 
「すべての人々が豊かになるための『機会の平等』が失われている」と指摘している。 

 同誌は「中国における収入格差は〇三年以降、急速に拡大し、すでに黄信号 
がともっている状態だ。有効な措置をとらなければ、五年以内に赤信号が点灯 
することになろう」と、強く警告している。 
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■【正論】初代内閣安全保障室長・佐々淳行 6者合意は対北宥和策への逆戻り   
   
 同盟国にも無視された拉致問題   ≪ほぼ消えた制裁の可能性≫
 再度休会とみられていた北朝鮮非核化のための六カ国協議が急転直下合意に達したと聞
 き驚いたが、その内容を知るに及んで憤りを覚えた。

 日本の主張は他の五カ国により全く無視された。とくに盟友と思っていたアメリカ、ブ
 ッシュ大統領と側近たちには深く失望し、信頼が揺らいだ。なんのことはない、これで
 は民主党のクリントン大統領の犯した対北朝鮮宥和政策への逆戻りではないか。

 あの時、ブッシュ親子を含め在野の共和党幹部は、いっせいにクリントン政権の弱腰外
 交をナチスドイツの領土拡張を容認した歴史の失敗になぞらえ、「ヒトラーなきミュン
 ヘン会談」と激しく非難した。イラクの泥沼化、ニューオーリンズのハリケーン対策の
 手落ちで、ブッシュ政権の支持率は40%を切り、内政で苦境に立っていて対北朝鮮外
 交での失敗が許されないのは分かるが、これではアジアにおける最も忠実な最大の同盟
 国・日本の期待を裏切る超大国のエゴイズムである。

 日本が終始主張し、アメリカの理解と協力をあれほど懇願した「核・ミサイル・拉致の
 一括解決」への道は、これで閉ざされた。報道された限りでは、この合意文書にはミサ
 イルのミの字もなく「拉致」は日朝の二国間問題として冷たく突き放された。国連安保
 理や人権委員会への提訴も、老いゆく拉致被害者家族が訴え続けた「経済制裁」の可能
 性もほとんど消えた。

≪中国の“半島支配”も容認≫

 原子力平和利用の美名の下に、クリントン政権はKEDO(朝鮮半島エネルギー開発機
 構)の枠組みによる軽水炉の建設を約し、自らは拠金せずに、協議については蚊帳の外
 だった日本に十億ドルの拠出を割り当て、完成までの間のエネルギー補給のため毎年五
 十万トンの重油の供与を実行して、しかも核兵器保有とアメリカにも到達するテポドン
 ・ミサイルの開発を許し、北東アジアの軍事緊張を高めるという大失敗を犯した。

 公表された共同声明の骨子をみると、米朝国交正常化の方向線上で「日朝は平壌宣言に
 従い、過去の清算、懸案事項の解決を基礎に、国交正常化のための措置を取る」とあり、
 さらに「日米中韓露五カ国は北朝鮮へのエネルギー支援の意向を表明」とある。

 ブッシュ大統領も、ライス国務長官もヒル代表も、日本の終始一貫した外交姿勢が「拉
 致問題の解決なくして、北朝鮮との国交正常化、経済支援なし」であることは知らない
 はずがない。中国と南北朝鮮の激しい反日運動を知らないはずがない。となると、今回
 の合意は「中国の朝鮮半島の優越的支配」を実質的に認めたことになる。

 日本の国益を脅かす、ノドン・ミサイルの「今そこにある脅威」や生物・化学兵器の存
 在からくる不安、拉致問題に関する国民の怒りは、まさしく同盟国アメリカによって無
 視された。同じようなことがニクソンの日本頭越しの米中国交正常化交渉の際にキッシ
 ンジャー秘密外交により行われたことを思いだす。

 今年は日露戦争戦勝百周年記念年だが、「桂・タフト協定」の百周年でもある。この“
 秘密協定”は、まさに「頭隠して尻隠さず」の例えどおり、六カ国協議参加の日本を除
 く五カ国はみな知っているのに、肝心の日本国民にはあまり知られていない。

≪桂・タフト協定の裏返し≫

 一九〇五年、日本がロシアに勝ちそうだとみたアメリカのセオドア・ルーズベルト大統
 領は、陸軍長官ウィリアム・ハワード・タフト(後に第二十七代大統領)を東京に派遣
 し、アメリカが十九世紀末に行ったハワイ王国併合とフィリピン属国化の“帝国主義的
 ”侵略を桂太郎日本帝国総理大臣に承認させ、お返しに「日本帝国の朝鮮半島優越的支
 配」を承認するという、相互承認の秘密協定を結んだ。

 裏切られた李王朝は米国に抗議したが、それもむなしく一九一〇年の「日韓併合」とな
 る。今回の六カ国合意はまさにその裏返しだ。百年前、アメリカは日本を選んだが、今
 度は中国を選んだ。

 韓国の盧武鉉大統領まで、北朝鮮、中国に同調して日本は孤立した。国連常任理事国入
 りの失敗ともども、日本外務省は責任を負うべきだ。中国や韓国が日本の「歴史認識が
 不足」というのも盧武鉉氏の急激な反日・反米政策への転換も、背後には日本の「桂・
 タフト秘密協定」への怨念(おんねん)と疑念が潜んでいる。

 今回の合意は、対米一辺倒では、日本の自主独立は結局守れないことの証左ともいえる。
 日米安保を保ちつつも、小泉自民党の圧勝をバネに憲法を改正し自存自衛の道を選ぶべ
 き秋(とき)が来ている。(さっさ あつゆき)産経新聞
      Kenzo Yamaoka
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混迷する盧政権と日韓関係   
   
 反米親北親中に募る危惧/反日カードも支持長続きせず
外交評論家 村岡 邦男
内需不振と青年失業者の増加  世界日報掲載許可

 韓国の盧大統領は、強運、強情、攻撃的、大衆に直接訴える政治手法など、小泉首相と
 多くの相似点が指摘されるが、八月末で五年の任期の半ばを過ぎたところ、政権基盤は
 安定せず迷走を続けている。

 まず、盧政権二年半の足どりを見てみよう。

 大統領就任から昨年四月の国会総選挙までの一年二カ月は基盤整備に費やされた。民主
 党を基盤に、折から韓国を吹き荒れた反米の嵐に乗って大統領当選を果たしたものの、
 政界一匹狼の悲しさ、金大中前大統領の影響力が残る同党の全面支持を得られず、脱党
 して一昨年十一月ウリ党を創党した。その時、彼に従った議員は四十七名のみであった。

 政策面では既得権益の打破を掲げて野党、経済界、大新聞と対立した。特に分配重視の
 政策のため経営者は設備投資を手控え、内需不振と相まって低成長、青年失業増大を招
 いた。指導力と経験不足は明らかで、支持率も急落した。

 自陣営の選挙資金不正受領が発覚すると、「自分たちの使った不正資金がハンナラ党の
 十分の一を超えれば大統領職を賭けて政界を引退する」と開き直った。これを契機に野
 党との確執が高まり、昨年三月、国会は大統領弾劾訴追案を可決し、職務を停止させた。
 だが、国民はこれを国会の横暴ととらえて反発し、四月の総選挙ではウリ党が国会二百
 九十九議席中の百五十二を占めるという奇跡的な大勝を収め、大統領は復活した。

ウリ党に有利な選挙制度狙う

 その後現在までの一年四カ月に革新、親北朝鮮、反米、反日の盧路線が正体を現した。
 内政では、日本統治時代の親日分子の追求、朴政権時代に抑圧された左翼容共人士の名
 誉回復に力を入れた。共産政権成立後の東欧諸国でよく見られた歴史書き換えの韓国版
 である。昨年十月には親北組織・活動を規制してきた「国家保安法廃止」、政権批判を
 続ける大手新聞の規制を狙った「言論改革法」などの、いわゆる四大改革法を国会に提
 出した。いずれも国論を二分する問題法案で、与野党の対立は激化した。

 盧大統領は昨年七月、小泉首相との会談で「任期中は歴史問題は公式的に争点としては
 提起しない」と表明したが、本年に入り竹島問題が持ち上がると、過去の糾明、謝罪と
 賠償要求の音頭をとり、韓流ブームを横目に政府関係は過去最低レベルに落ち込んだ。
 対米関係も昨年十一月、「北の核開発に理解」を示したロサンゼルス演説以後急降下し、
 本年三月には「韓国は今後日米・中ロの間でバランサー(均衡者)として立つ」意思を
 表明するに及び、米韓同盟は瀕死状態に陥った。

 盧大統領にとって痛手だったのは、今年五月、六議席の補欠選挙で与党ウリ党が一議席
 もとれず惨敗し、国会での多数を失ったことである。彼は最近「与野党対立の政治風土
 を改革する」と称して第二党ハンナラ党との大連立政権樹立を唱え、野党から首相を選
 び首相に権力を委譲し、自分は政治の第二線に下がる、野党が求めるなら「権力を投げ
 出す」、など異常な発言を続け、国民も、与党を含む政界さえも、その真意を測りかね
 ていた。

 だが盧発言の狙いが、政権参加をエサに、ハンナラ党の支持基盤である慶尚道でもウリ
 党が議席をとれるよう、現在の小選挙区制を中・大選挙区制に改めようとするものであ
 ることが明らかになると、国民はこれを「大統領の職場放棄」と冷やかに受け止めた。
 大統領の支持率も八月末の時点で24%(否定的評価61%)と低迷し、与党ウリ党の
 支持率も20%で、ハンナラ党の28%に差をつけられている。

 九月七日、盧大統領は朴ハンナラ党代表と会談し協力を要請したが、朴は政策合意なく
 して連立は不可能、選挙区制改編だけでは地域主義は解消できないと、盧提案をことご
 とく退けた。朴の人気は上がり、盧は面目を失った。任期の後半は甚だ芳しくないスタ
 ートとなった。

盧氏に比べて小泉氏は常識人

 小泉首相との比較に戻ると、両者の決定的な相違は、小泉が保守本流に身を置き、常識
 的、漸進的であるのに対して、盧は国会の経験も短く、あらゆる既成価値の破壊を目標
 とし、敵を多くつくっていることである。特に北朝鮮の脅威がまだ完全には解消してい
 ない現在、韓国の安全保障と経済繁栄の基盤であった米韓同盟を離れ、中国にすり寄ろ
 うとしていることに多くの国民が強い危惧の念を抱いている。

 韓国では反日が支持率回復の即効薬である。本年三月、対日強硬策を打ち出したときに
 も、支持率は10〜20%も上がった。ポピュリスト政権が人気低迷に悩むとき、何を
 起こすか分からない危険をはらむ。この政権の下での日韓関係改善は容易ではないだろ
 う。

 しかし、隣国との関係をあと二年半も漂流させることは許されない。小泉首相には韓国
 との関係改善を外交上の最優先課題の一つにすることを望みたい。政権レベルの関係修
 復はともかく、両国国民の利益になる実務的な問題の前進に最善の努力を尽すべきであ
 る。特に日韓自由貿易協定(FTA)の早期締結は、アジア地域で両国の指導力を問わ
 れる急務である。
       Kenzo Yamaoka

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