2102.石油ピーク論



石油ピーク論とは、石油も有限資源であり、無くなるという論である。
                         Fより

石油はなくなってきている。中国やインドの発展でその需要が伸び
たことにもよるが、石油が高騰している。しかし、石油が高騰する
と生産量が増えて、価格が均衡するのが普通であるが、どうも石油
の生産量が減っている。どうも質の良い石油から質の悪い、コスト
のかかる石油にシフトしているが、その石油生産も減少している。

地球の人口が70億人となり、どんどん人口が増えたのは食糧の増
産ができて、人口増に見合う食糧を人間は手に入れることができた
ために、人口が増加できたのですが、この背景に石油があるのです。

言い換えると、石油は現代農業を支えているのである。従って石油
減耗は日本の食、自給率40%の脆弱な食の安全を危うくする。そ
して石油は合成化学工業の貴重な原料でもある。このように、石油
は現代文明の「生き血」なのである。

石油価格が1バレル70ドルになり、どんどん高騰しているが、こ
の石油に代わるエネルギー源としては、当面石炭火力と原子力発電
しかない。将来的には自然エネルギーであろうが、風力も太陽光も
石油を凌ぐことは出来ない。このため、原子力の復活になるのでし
ょうね。

それと、石油依存の自動車も電気自動車が主流になる時代がそこま
で来ているように感じる。ハイブリット車でトヨタ・ホンダは一歩
リードしているが、ガソリンが1リットル200円以上になったら
、電気自動車を選択肢に加えられる可能性がある。燃料電池車は間
に合わないため、最初に電気自動車が登場してくる。

日本は中国のように世界的に石油を求めて行動をしていない。国家
戦略的に随分暢気に構えているが、この行動を正当化するには他の
エネルギー開発をしている必要がある。それもとうとう、その必要
な時期が迫っている。石油は石油化学の原料としてしか使わないと
いうような制限を付けて、エネルギーとしては原子力などを使用す
るしかない。

石井氏のHP
http://www007.upp.so-net.ne.jp/tikyuu/
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東電と富士重、電気自動車を共同開発(ASAHI)
2005年09月03日08時27分

 東京電力と富士重工業は2日、富士重が開発中の電気自動車「ス
バルR1e」をもとに、東電向けの業務車を共同で開発すると発表
した。軽乗用車に新開発のリチウムイオン充電池を搭載。ベース車
に比べ走行距離などの性能を一定水準に抑える代わりに価格を引き
下げる。早ければ07年度に導入する。 

 富士重は標準仕様のR1eを10年に発売する計画。東電が先駆
けて購入し、そこでの走行データをR1eの開発に役立てるという。
東電仕様は1回の充電で走れる距離が80キロと、標準仕様の120
キロより短くした。定員も4人から2人に減らし、価格を抑える。 

 東電が開発する充電器によって、15分で容量の8割を充電でき
るという。06年3月までに試作車10台を製作し、同年9月まで
走行試験を実施する。 

 東電は1960年代後半から三菱自動車などと電気自動車を開発
しており、05年3月末で246台を保有している。 
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石油バケツ 底見えた?
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sci/20050816/ftu_____sci_____000.shtml
 何十年も前から「30年後になくなる」「40年後になくなる」
と言われ続けてきてまだなくならない石油。でもいよいよ本当にバ
ケツの底がみえてきたようだ。“石油ピーク”である。しかし石油
に代わるエネルギー源はいまだ見つかっていない。 (吉田 薫)

 石油メジャーが七月末に発表した石油・ガスの生産が軒並み減少
し、関係者を驚かせた。四−六月の四半期生産量は、シェブロンが
前年同期比で6%減少。エクソンモービルの生産量も4%の減少だ
った。価格が上がっているのだから、掘れば掘るほど利益は上がる。
それなのに、メジャーの生産量は減り始めている。

 超大型の油田が中東に発見されたのは戦後まもないころ。発見の
ピークは一九六四年ごろだった。それ以後四十年、新たな発見は減
り、生産量と消費量はどんどん増えている。

 二〇〇四年末の原油確認埋蔵量は一兆二千億バレル。それを現在
の生産量で割った可採年数は四十九年だ。

 現在掘られている油田・ガス田の生産量は、今後年率4−6%ず
つ減るとみられる。拡大する需要と供給のギャップを埋める必要が
ある。エクソンモービルでは「需要を満たすには、二〇一五年まで
に一日一億バレルの新資源を加えなくてはならない」としている。
現在の生産量が石油とガス合わせて一日一億二千万バレル。メキシ
コ湾やアフリカ沖など、増産や発見の可能性が残されているところ
もあるが、かなり困難な数字であることは疑いない。

 フランスの地質学者C・J・キャンベルは、七年前の論文で
「二〇〇四年ごろ生産のピークを迎え、原油価格は高騰する」と予
想していた。当時主流だった楽観論よりも、こうした悲観論の方が
予測としては当たっていた。

 人類はこれまで、利用可能な石油資源の半分にあたる一兆バレル
を消費した。残りの石油資源はこれまでのように良質ではない。天
然ガスも石炭もいずれなくなる。石炭の質はすでに落ち始めている
という。

 それに対し、代替エネルギーはまったくこころもとない状態だ。
石井吉徳東大名誉教授(資源開発工学)は「大油田から掘り出す石
油がエネルギーとして優れているのは、取り出すことのできるエネ
ルギーと、そのために必要なエネルギーとの比(EPR)が高いこ
と。60対1にもなる。石油ピーク後に期待されているカナダの未
開発オイルサンドなどは、EPRが1・5程度で、石油とは比較に
ならない」と言う。

 原子力エネルギーは、長期間にわたって管理が必要な廃棄物の問
題があり、EPRについては議論が分かれている。核融合はまだ夢
物語にすぎない。燃料電池も代替にならない。肝心の燃料の水素を
天然ガスなど化石燃料から作るからだ。

 新エネルギー・産業技術総合開発機構は、バイオマス、太陽光、
風力などさまざまな小規模電源を組み合わせた「マイクログリッド
」と呼ばれる分散型エネルギー供給を青森県八戸市で実験中。愛知
万博でも実用に供されている。

 だがこれらは小粒だ。「エネルギーの好き嫌いを言っている場合
ではなく、全力で小泉首相の言う“脱石油社会”を今から考えなく
ては間に合わない」と石井名誉教授は話している。
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DATE 2005年05月11日 
三菱自動車インホイールモーターとリチウムイオン電池をコア技術
とした次世代型電気自動車の開発を推進 
 
〜後輪にインホイールモーターを搭載した
                 実験車『コルトEV』を開発〜
三菱自動車は、同社独自の電気自動車に関する技術開発構想として
、駆動系をコンパクトに収めることができる「インホイールモータ
ー」(モーターを車両のホイール部に内蔵)と、エネルギー密度な
どの性能面で有利な「リチウムイオン電池」をコア技術として位置
付け、これらの長所を生かした次世代型電気自動車の開発を推進す
ることとした。なお同社では、この構想に関連する技術や車両など
の総称を「MIEV(ミーブ、Mitsubishi In-wheel motor Electric 
Vehicle)」と名付け、ハイブリッド車や燃料電池車へ適用すること
も視野に入れて技術開発を進め、「環境の世紀」にふさわしいクル
マづくりを目指す。 

車両のホイール部にモーターを内蔵した、いわゆるインホイールモ
ーターは、トランスミッションやドライブシャフトなどの複雑なメ
カニズムを介さずに、各駆動輪の駆動力・制動力をきめ細かく独立
制御することが可能となるため、同社が『ランサーエボリューショ
ン』や『パジェロ』などで追求しているオールホイールコントロー
ル技術の進展に大きく貢献できる可能性がある。また他の長所とし
て、駆動部分がホイール内に収まることで、車両レイアウトの自由
度が飛躍的に高まるため、ハイブリッド車や燃料電池車へ展開する
際にも、大きな容積を必要とするバッテリー、燃料電池や水素タン
クの搭載スペースを確保しやすくなるなどのメリットもある。 

一方、同社が実用化に向けて長年取り組んでいるリチウムイオン電
池は、他の二次電池と比較して、エネルギー密度や寿命といった性
能面で有利であり、ハイブリッド車や燃料電池車を含む電気自動車
の走行性能や航続距離の向上、軽量化に大きく貢献する。 

三菱自動車は、この「MIEV」コンセプトに基づく研究車両の第1号車
として、コンパクトカー『コルト』をベースに、2基のインホイール
モーターを後輪に装着し、主電源としてリチウムイオン電池を搭載
した『コルトEV』を製作し、インホイールモーターシステムの開発
試験を既に始めている。さらに、4輪インホイールモーター駆動の実
験車用に、より高出力の新型インホイールモーターを開発中である。
なお『コルトEV』は、5月18日(水)〜20日(金)までパシフィコ横
浜で開催される「人とくるまのテクノロジー展2005」(主催:社団法
人自動車技術会)に出展する予定である。

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