2046.石油代替エネルギー技術での進展



石油価格の異変が起きている。この対策を早急に進める必要がある
が、この石油代替エネルギー技術は日本が先導している。 Fより

徐々にこの日本で、石油に変わるエネルギーの全容が明らかになっ
てきている。石油価格が60ドル以上になると、ここで紹介する石
油代替エネルギー技術が日の目を見る可能性が増してきている。

日本は石油開発をしないために中東の紛争と関係しないで世界的な
テロに巻き込まれないようにしている。もう少し、中東のイスラム
圏との関係を疎遠にし、しかしエネルギーの自立化を行うことが必
要である。

それには電磁気に伴う量子波動エネルギーを利用して、低エネルギ
ーで水を分解して水素を取り出し、その水素を燃料電池で電気に変
換して、ナノゲートカーボンを利用した電気二重層キャパシタに蓄
電して、交流化して電気モーターで自動車を動かすような技術を確
立することでしょうね。

風力発電や太陽光発電などの自然エネルギーより、電磁気に伴う量
子波動エネルギーの方が、安定的なエネルギー供給ができるために
断然に優れている。しかし、このエネルギー生成装置自体は大きい
ために、一度水素に変換して、市場に供給する必要がある。燃料電
池は直流電気を生成するが、家庭の電気は交流電気であるために、
交直の変換が必要になるが効率が70%と現在の技術ではエネルギ
ーロスが大きい。しかし、この変換を98%の変換効率にする技術
は既にNTTデータが持っている。今まで蓄電池の充電可能回数が
少ないために、この交直変換効率のよい装置が利用できなかったみ
たいである。

どうも、いろいろな技術を統合すると日本の未来の石油代替エネル
ギーは万全になっているように感じるが、心無い人たちがその技術
を信用しないし、邪魔をするようである。しかし、そこにしか未来
がない。日本政府がこの技術研究を支援することでその技術が促進
することになると思うがどうであろう。石油が益々逼迫してくる。
中国が石油を大量に買うために、石油を巡る戦争にもなる可能性も
高い。これを防止するのは日本の量子波動エネルギー技術である。

その裏側にはアインシュタインの相対性理論を越える量子波動エネ
ルギーを含む統一場の理論の確立が必要であるが、どうも天文学や
量子力学などから、この分野の研究が進み今まで証明できない力に
ついて分かり始めている。

交直変換に利用している技術も、今までの理論では証明できない電
磁気応用技術である。今後、量子波動エネルギーの力をどう引き出
すのかが問題のような気がする。

また、山口潔さんから次のようなメールをいただいている。
水も同様の技術を使って、低エネルギーで水素と酸素に分解できま
す。水素酸素のガスに火をつけると燃えて、エネルギーを出します。

そのエネルギーの元は物理空間の量子波動に伴うものです。19世
紀の人に原子力エネルギーの話をしても理解できないのと同じに、
現代の人に量子波動エネルギーの話をしても理解できません。
しかし、このエネルギーは確かに存在し、私たちはこのエネルギー
を利用しています。決して無から有が生じている訳ではなく、エネ
ルギー保存則は成立してます。
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日経新聞(6/24)の朝刊の記事。

次世代電源キャパシタ 蓄電量10倍、充電も速く、パワーシステ
ムが開発 ハイブリッド車向け

 パワーシステム(横浜市、寺尾一郎社長)は、短時間で充電が可
能な次世代電源「キャパシタ」の性能を高める技術を開発した。蓄
電量(エネルギー密度)は従来の十倍。ハイブリッド自動車に搭載
している電池と置き換えて使えば、燃費改善につながり、電源の寿
命も向上する。今秋から自動車メーカー向けにサンプル出荷する計
画。

 佐賀大学の芳尾真幸名誉教授と共同で開発した。

 電極の炭素系材料の表面をナノテクノロジー(超微細技術)を応
用して加工した。電極の表面積が拡大して性能が向上した。現在使
われている活性炭電極と比べ、エネルギー密度が1キログラム当た
り20ワット時と十倍に向上した。特別な材料を使わないため、従
来のキャパシタと同程度のコストで製造可能という。

 ガソリンエンジンと電気モーターを併用するハイブリッド車の電
源には現在30キログラム程度の重さのニッケル水素電池が主に使
われている。従来のキャパシタを使うと重さ200キログラムにな
ってしまう。今回の成果でニッケル水素電池とほぼ同レベルに軽量
化でき、搭載できるようになる。

 ニッケル水素電池は充電に1時間程度かかる。一方キャパシタは
約1分間で充電でき、自動車減速時に発生するエネルギーを電気と
して効率よく蓄えられる。その分、燃費が改善する。

 また、普通の電池と異なり、化学反応を伴わず蓄電するため、充
放電を数十万回繰り返しても容量が低下せず、寿命が長い。生産か
ら廃棄までに排出する二酸化炭素もニッケル水素電池の五十分の一
に抑えることができるという。
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『財界にっぽん』 2004年10月号 
水を燃やしてエネルギーとして活用する時代の夜明け 非線形磁場
の理論が生んだ21世紀のエネルギー革命
http://www2.tba.t-com.ne.jp/dappan/fujiwara/article/energy_revolution.htm

水を燃やすという夢の実現
藤原 倉田さんは色んな興味深い発明を実現して、科学の先端領域
に挑んで来た物理学者だけに、今日は過激な議論の展開を期待しま
す。あなたは過去十数年にわたりプラスチックの油化という、製油
所でやるトッピングの逆を行く装置に挑んでいたが、二年前には水
を燃やす装置を作って、私は目の前で水が燃えるのを観察しました。
あの時は水を燃やすために先ず油で加熱して、温度が上昇してから
水を燃料として使い、触媒反応で水を燃やすプロセスだったが、最
近は水から水素を分離して燃やすとか…。 

倉田 そうです。あの頃は水を燃やす上で色んな準備して、プロセ
スにおいても極めて複雑でしたが、最近は単純だが大きな効果が出
ています。具体的にいえば、水素と酸素にはそれぞれ原子波動があ
って、幾つかの分子が集まると共鳴して物性波を出すから、それで
水の振動数を確定するのです。振動数というか共鳴数を見つけた上
で、ある種のイオン係数を充てて共鳴させ、シンフォニーを生むよ
うな形に工夫したら、簡単に水が水素と酸素に分離するのです。 

藤原 普通の水は0℃で潜熱を出して氷から水になるし、100℃にな
ると水から水蒸気になって相移転をするが、磁気共鳴を使って水を
水素と酸素に分けて、低温で単純な相移転を実現したわけですね。 

倉田 簡単に言えばそういうことです。水は普通に熱すると4300℃
で熱解離して水素と酸素に分かれると知られています。現在の段階
でわれわれがたどり着いたレベルでは、380℃で水素と酸素の熱解離
を実現し、水を燃やすという夢を実現している次第です。 

藤原 われわれの世代が持つフレームの問題だが、私が学校で学ん
だ物理や化学の教科書によると、水は水素と酸素が燃えて出来た化
合物で、水素と酸素の分離は2000℃に熱した時でも、せいぜい2%程
度だと書いてあった。 
 しかも、われわれが学んだ熱力学の法則だと、水は酸化という化
学反応の最終生成物だから、水を燃やすのはエネルギー的に不可能
だが、倉田さんのシステムでは380℃という低温で、水素と酸素が
100%熱解離するのですね。 

倉田 そうです。これまでの熱力学は水は燃えないと教えたので、
私は水を燃やす前段階として炭化水素を使って、炭化水素から炭素
を外して水素を分離し、それを燃料源にすることから手をつけまし
た。最初の段階でとりあえず成功した方法は、4000℃で水素と酸素
に分解するイオン化だったが、油のフレームが1500℃の時に水を触
媒に通したら、この温度で水素を分離することが実現しました。
ベンゼン環は1300℃の高熱がないと壊れないが、生体内では体温で
分解された酸化が進むのでして、これは酸素か触媒として機能して
いるお陰だから、酸素に相当する触媒を作ろうと考えた。
でも、炭化水素から水素を分離しても炭素が残ってしまい、炭酸ガ
スが出る問題は解決しないから、これは単なるステップだと気づき
ました。そこで、水は水素と酸素から出来ているから、原点に立ち
戻り小さなエネルギーを使って、水を低温で熱解離させることに挑
戦しました。そして、量子力学の非線形電磁気学と触媒を組み合わ
せたら、380℃で水を燃やすことが出来たのです。 

藤原 それにしても、そんな低温で水素と酸素に分けて、水を燃や
すのに成功したのはすばらしいことです。 

仮説作りと実証に挑むサイエンスの使命
倉田 われわれの仕事は装置を作りデー夕を集め、仮説が実験的に
成り立つことを証明することであり、改良の結果より良い修正理論
が生まれ、一段と優れた実験装置が出来上がるのです。また、この
苦労の積み重ねで新発見や新発明が生まれ、理論を技術に移して世
間の役に立つのだが、技術として完成しない限りは評価されません。
従来の学問体系で計算して答えが合わなければ、それはダメだと否
定されることが多く、折角の良いアイディアが葬り去られます。 

藤原 科学は不思議な現象を説明する営みだから、オカルトや摩訶
不思議と呼ばれる世界に挑戦して、説明になる理論を仮説として作
るのです。文明の歴史は旧仮説と新仮説の闘いであり、論争と実証
を通じて学問が進歩したし、それが人類の遺産として文明を発展さ
せて来た。だから、論証のために作った装置が実際に役立つならば
、それ自体が輝かしい科学の勝利になります。 

倉田 私もそう思って30年以上も頑張りました。だから、後はこの
装置をより良いものに改良して行き、380℃より低い温度で熱解離を
実現して、水を水素と酸素に分けて利用することです。現在は石炭
や、石油がエネルギー源だが、その代わりに水を利用する時代が始
まれば、環境問題の解決を手に入れることが出来るのです。京都会
議で地球の温暖化が問題になり、CO2の排出を制限することが決まっ
たのに、日米共に両手を挙げて賛成できなかったが、水をエネルギ
ー源にすることで解決でき、今より酷い環境汚染はなくなります。 

藤原 現在は経済活動が価値の中心だから、環境保全より経済発展
を優先にしているので、生態環境としての地球は汚れています。20
世紀のことを別名で石油の世紀と呼ぶように、国際政治は石油と天
然ガスを巡って動き、石油ビジネスは地上最大の産業として君臨す
るが、水素をエネルギー源にするに至っていません。でも、倉田さ
んが水を燃やす技術を完成して、エネルギー問題の解決の道を開い
ていただけでなく、環境問題の悪化も阻止するわけだから、これは
地球の未来にとって実に素晴らしいことです。 

倉田 経済と環境は文明を前進させる両輪だから、経済性を持たせ
ることが必要だと考えて、エネルギー問題に私は全力を傾けました
。だが、従来は炭化水素がエネルギーの主体だったし、今は燃料電
池が脚光を浴びていて、一気に水素エネルギーに向かわないけれど
、熱解離で水素を燃やせば解決になります。 

藤原 アメリカがイラクを侵略した背景には、カスピ海周辺からペ
ルシア湾地域の石油資源を押さえて、エネルギー源を支配する意図
があります。こうして米国は炭化水素を確保するために、相変わら
ず侵略戦争を繰り返しているが、水の惑星の地球上には水が無限に
ある。だから、水を燃やしてエネルギーを確保できるということで
、アメリカの野望は破綻してしまうでしょう。 
 ところで、水の熱解離で水素を取り出すアイディアは、最終的に
水を燃やす技術の実現に結びついたが、背後にある科学理論に相当
するものとして、どんな発想があったかを知りたいですね。 

古典力学から量子力学への発展
倉田 そうですか。私は高校生の時にアメリカに渡りまして、大学
で量子物理学を専攻し科学者の道を選びました。18歳の時にアイン
シュタインの「相対性理論」を読み、この理論に電磁気学が入って
いないと気づき、非線形電磁場の理論を博士が入れなかったのは、
どうしてだろうと不思議に思いました。 

藤原 ポアンカレがトポロジー(位相幾何学)に取り組んでいたが
、当時は未だニュートン力学が君臨していたし、常微分方程式で考
える時代だったから、アインシュタインもそれに気づかなかったの
でしょう。それに彼の数学の能力は余り高くないから、最初の夫人
や恩師のミンコフスキー教授に助けられて、「相対性理論」の方程
式を作ったのと違いますか。 

倉田 私はそうだとは思いません。ファラデーの目覚しい実験に基
づく研究とか、マクスウェルによる電磁場の理論が既にあったから
、その危険性をアインシュタイン博士が理解したので、賢明な彼は
電磁波を外したのだと思います。人類は愚かで技術を悪用する者も
多いし、電磁兵器を使い敵を制圧しかねないから、人類の滅亡に繋
がると予想したために、彼は電磁気を「相対性理論」の中に入れな
かったのであり、触れてはいけないと考えたのでしょう。 

藤原 そうかなあ…。19世紀末から20世紀冒頭にかけての頃に、ア
インシュタインが原爆の惨禍を予想するとか、電磁兵器について心
配したというのは考え過ぎです。殺人光線のアイディアはずいぶん
昔からあって、神話の中にも登場しているのは確かだが、果たして
彼がそこまで危惧したかしら…。 

倉田 賢明な彼なら考えたと私は思います。でもね、「相対性理論
」に磁性体が入っていないのを発見して、18歳から23歳頃の私は有
頂天になり、「アインシュタインの知らないことを見つけた」と考
えました。だが今になってよく考えてみると、アインシュタインは
磁性体について知っていたが、これを明らかにしたら大変だと考え
たために、それを伏せようとしたと確信できます。 

藤原 そうですか。実際問題として、イラク戦争では電磁兵器が使
われたし、微弱な電磁波で脳の機能を狂わせるのに、超伝導や超流
動を使うハープ兵器も登場して、軍事技術は恐ろしい様相を呈して
います。 

倉田 それでは話を元に戻すことにして、私がなぜ量子力学に自分
の足場を置いて、エネルギー問題に取り組んだかを話します。近代
における科学の歴史を振り返って見ると、ニュートンの力学のお陰
で社会は発展を遂げ、熱力学は見事なまでに整理されている学問だ
から、誰がやっても美しい答えが出て来ます。そして、古典物理学
の成果である熱力学の土台の上に、アインシュタインの「相対性理
論」を経由した形で、1920年代に量子力学が誕生しました。現にシ
ュレディンガーが波動力学を唱えて登場したが、それは「ゆらぎ」
から「うねり」そして、「渦」という具合に小さなエネルギーから
大きなエネルギーが生まれて、それが自然の姿であると論じたわけ
です。波動力学は新しい学問であるため答えがはっきりしないが、
基本さえきちんと捉えているならば、未来の凄い夢に繋げるものを
秘めているのです。 

藤原 熱力学は複雑性から逃げて単純化したから、現象の理解は分
かり易い上に説明も明快に出来ます。だが、自然は実に複雑な関係
で成り立っているし、色んな具合に相転移が組み込まれているので
、三体問題より遥かに複雑だと言えます。その典型が生命活動にお
ける各種の現象であり、植物の葉緑素は太陽の光と水をもとに、炭
酸同化作用で炭水化物を作っているし、血液中の鉄と体液中のリン
を触媒にして、哺乳類は呼吸とメタボリズム(新陳代謝)を行い、
秩序とカオスの流転で生命の維持をしています。 

倉田 その通りですね。マッチで紙を燃やすには450℃の熱が要るが
、われわれの身体は37℃弱という常温の中で、物を食べてエネルギ
ーに変換しています。動物の呼吸も広い意味での光合成であり、こ
の酸素を燃やして炭酸ガスにするという、生命活動における燃焼の
プロセスも、磁気による波動性の問題を軽視しているために、現代
の科学は十分な説明をしていません。 

藤原 波動が世間でブーム化している割には、波動理論をきちんと
押さえた学問が未発達だから、そこに電磁力学の未来が潜んでいま
す。ところで、水を燃やしてエネルギー源にする発想では、電磁共
鳴が問題の鍵を握ると思うが、理論上のアウトラインを説明して貰
えたら、有難いと思うのですが如何ですか。 

電磁共鳴と原子転換の秘密
倉田 生命現象をモデルに使えば分かり易いが、小さなエネルギー
を効果的に使うことによって、スピン量子の運動で磁気共鳴が起こ
り、それが大きなエネルギーに変わっていくのに、そのことを忘れ
果てているのです。しかも、大きなエネルギーの領域は計量化し易
いので、熱力学のやり方で理解しようと考えて、大きな単位での変
化として捉えるために、非線形的な考え方で終わってしまう。そこ
で技術ではなく科学の原点に立ち戻り、物質の陽子や中性子の問題
を突き詰めたことで、原子転換の問題に結びついたのです。 

藤原 原子転換と言えばケルブランの仕事が有名で、生体内でナト
リウムがカリウムやマグネシウムに、カリウムがカルシウムに変わ
る反応を見つけて、原子転換が現代の錬金術だと示しました。 

倉田 そうです。また、中性子の仕組みについて知ることで、常温
常圧でも核融合が起きることが分かるし、それが原子転換であるこ
とからしても、生体内では当たり前に起きている現象です。素粒子
(クォーク)も磁性NSの問題にと組み換えて、スピン磁気の励起に
焦点を当てるなら、波動性が物質の核心にあることが分かります。
また、水の結合電子の固有振動数に合わせて、磁気共鳴させるよう
に条件を整えれば、結合電子が弱いエネルギーで軌道から弾き出さ
れ、分解とイオン化で大きなエネルギーが生じます。物質は総ての
面において磁性体ですから、20年前までは理論の組み立てをやって
、私はニュートリノに質量があると論じたりしたので、理解されな
いで徹底的に叩かれました。 

藤原 でも、最近はニュートリノに質量があると認められて、倉田
さんも変人扱いから解放されたのだから、胸を張って原子転換論を
やって下さい。それにしても、パウリがベーター崩壊の仮説を1933
年に作り、中性子が崩壊して陽子になる時に電子だけでなく、電気
的に中性なニュートリノが生まれると論じてから、70年も過ぎたわ
けだから「今は昔」ですね。 

倉田 全くそうです。私と同じ発想で磁性科学に挑む研究者では、
米国のサックスという学者が良い仕事をしているし、英国のエバン
スも非線形電磁気学を開拓して、量子現象におけるスピン担体のコ
ントロールで、化学結合を切るという理論を発表しています。現在
は最先端科学に挑む研究者として、彼らもアカデミーの世界に受け
入れられているが、エバンス教授はノースカロライナ大学を追われ
て英国に戻ったし、私も長期間どん底生活を強いられて、ペテン師
だと悪口を浴びせられただけでなく、色んな形で妨害や嫌がらせを
受けました。 

藤原 それはパイオニアに共通する宿命であり、ほとんどの場合は
生きている間には評価されないで、悲惨な人生を送るのが世の常で
す。モーツァルトは共同墓地に投げ込まれているし、交流発電を発
明したニコラ・テスラの場合は、二十世紀文明に最大の貢献をした
のに、未だに正統な評価を受けていません。 
 でも、倉田さんは水を燃やす装置の完成により、エネルギー革命
を生み出した功労者として評価され、これまでの苦労が報われると
思いますよ。 
倉田 そう願いたいですね。貧乏だった時は研究費が欲しかったが
、科学者は金儲けが下手に決まっているからそれなら仕事に打ち込
めと言うことで、ひたすら試行錯誤を繰り返したものです。しかし
、どん底生活が長く続いたことにより、雑念が無くなって頭が冴え
たお陰で、自分は一体なにをやっているかと自問したために、金よ
りも良い仕事が優先だと考えたら、居直りの精神が強く湧きあがっ
たのです。今から思えば実に良い経験でした。 

藤原 ハングリー精神はやる気を奮い立てます。そこで背水の陣を
敷いてチャレンジしたことによって、全身の細胞の磁気スピンが励
起したから、その意気に水の中の水素原子が共鳴したのでしょう。 

倉田 それなら素晴らしい。本当に嬉しい天からの授かり物でした。 

古代の叡知と錬金術のメタファー
藤原 母岩と言うように岩は総ての母であり、地球上の岩は太陽光
と水で風化して、大地を覆う土になったのが地球の歴史です。私が
地質学をやったから強調するのではないが、生命の始まりは粘土だ
と信じており、細菌などの微生物は粘土が進化したものです。だか
ら、地球の磁場と重力に支配されながら、長期間にわたる進化の過
程を通じて、細胞分裂の果てにヒトになるまでの触媒効果で、鉱物
は生命活動を支えて来ました。電磁力学と触媒の組み合わせという
意味で、電磁共鳴の場の中に水を置くと共に、触媒を使って水を燃
やす倉田さんの装置は、粘土鉱物が決め手になったと思います。 

倉田 何を意味するか良く分からないので、粘土鉱物と電磁共鳴の
関係について、もっと具体的な形で説明してもらえませんか。 

藤原 それではズバリ言ってしまいます。電磁場と触媒の組み合わ
せで水を燃やすのは、倉田さんのノウハウの核心であるし、触媒に
秘密を解く鍵があると思うのです。 
 そこで、触媒はセラミック化しているのかという点や、どんな鉱
物組成で成り立っているかについて、差し障りがない範囲で教えて
下さい。 

倉田 そういうことなら分かりました。11種類の元素を組み合わせ
溶融と融合をし、多孔質に作ったセラミック触媒ですが、水の中に
入れると猛反応を起して、水素の泡が続ぞくと湧き出すのです。物
質の基に中性子や陽子とかクォークを始め、ニュートリノなど色い
ろありますが、四つの基元素から総ての元素が成り立ち、原子転換
によってウランまで行くわけで、変化の原動力はNSの磁性共鳴にあ
ります。 
 これから先は企業秘密になってしまいます。 
藤原 四つの基元素という考えは四大と同じで、ギリシアのエンペ
ドクレスが唱えた四元素説を思い出すが、それは錬金術の発想とも
共通ですね。 

倉田 錬金術師たちは水銀や硫黄を考えたが、私は四つの基元素が
総ての根幹であるから、金の基になるのは塩素だと考えます。そし
て、四つの基元素の表と裏の組み合わせによって、原子転換で146ま
で行くと考えるので、新しい元素が未だ見つかるはずです。そう考
えて機械屋と違う装置を作ったら、液体を気体に変えるエネルギー
が激減して、熱解離で水が燃えたという次第です。 

藤原 倉田さんの話を聞いていて思い出すのは、若い頃に読んだバ
ルザックの「絶対の探求」とか、ゲーテの「親和力」などの文学作
品であり、共に主題はメタファー化された錬金術への憧憬です。
しかも、最近見たフランス映画に「バルザックとシナのお針小娘」
があり、映画のメッセージは読書の重要性だが、本を読んで文革の
圧力に耐えた点で、倉田さんの生き方に重なって来ますよ。 

倉田 バルザックといえば「人間喜劇」ですね。そうそう、フラン
スといえばルルドの泉の水があって、この聖水の性質について調べ
たら、活性水素が普通の水に較べ60倍もあり、それが聖水の秘密だ
と分かりました。私が作った触媒を水の中に入れることで、活性水
素が続々と出るだけでなく、ルルドの聖水に良く似た性質になるの
です。 
 触媒と電磁共鳴作用を働かせたことで、水素と酸素に分かれて水
が燃えた以上は、この組み合わせが秘密の鍵だと思います。 

藤原 私も去年ルルドに行って水を汲んで来たが、あの水はピレネ
ー山脈を構成するジュラ紀の石灰岩で、CaがMgに変質してドロマイ
ト化した、自然の手による錬金術が生んだ産物であり、地球が原子
転換で実現した大傑作です。 

倉田 それにしても自然の営みは偉大ですね。人間が全力を上げて
やっとたどり着いた新境地が、大自然の中には既に存在しているの
に、われわれは技術の威力を不当に過信している。また、人間は文
明の発展に自惚れていて、万物の霊長だと地球を汚染して恥じない
が、所詮は釈尊の掌中の孫悟空と同じです。 

藤原 ミネラルは活性触媒の主人公であり、生命は前に言った通り
粘土が起源だし、孫悟空は岩から生まれた哺乳類の猿です。しかも
、「西遊記」の中には錬金術の話が数多く登場して、行いを通じて
因果関係を悟る点で、科学のプロセスと共通するもので満ちていま
す。水を燃やす発想が錬金術に結びついて、最後にルルドの聖水で
水素イオンが出たし、水の循環と同じで出発点に戻りついた感じで
、どうやら話が完結の形になりました。どうも有難う御座います。 


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