2042.日本国の刷新・再生



◯ 「日本国の刷新・再生」(35) ―21世紀研究会― (nss0506.txt)
                     n21cq@yahoo.co.jp

★ 『昨今の日本政治を斬る、精力を投入する方向を再構築すべき』★



★ 『要旨』
 1、United Nations安保理事国入りを目指すのは、精力の無駄使いです。

 2、郵政事業を官の関与の枠外に位置させる、つまり、郵政民営は正当でも
、順序と手法が適切さを欠いています。

 3、China等の謀略を受けて、靖国参拝や歴史認識問題に関して、メディア等
が日本の国論を二分するように騒ぐことは、愚の骨頂です。

 4、補助金・福祉(社会保障)等への歳出投入を断固として大幅に削減しな
いと、日本国家財政が完全に破綻します。

 5、交通(空・陸・海)及び通信の安全性確保は、緊急課題です。

 6、エネルギーと人口対策は、一刻の猶予もありません。

 7、明治維新に匹敵する「発想の転換」が必要です。武士(公務員)を徴兵
制(徴員制=公務員の無給奉仕制)とする位の覚悟を要します。



★ 『本文』

◇ 1、日本はUnited Nationsの安全保障理事会における常任理事国入りを目
指して、独国・インド・ブラジルと手を携え、途上国等に媚びを売って(秋波
を送り続けて)来ました。しかし、米国が「常任理事国は日本プラス1〜2カ
国」との無理な発言をするに至り、その夢は挫折したと申せます。

 1-1、United Nationsは、戦勝国連合とも呼ばれていますが、安保理で拒否
権を持つ五大国の内、真の意味での戦勝国は、米国一国ではありませんか。

 1-2、China(北京共産党政権)は1945年当時、国家自体が未成立です。英国
・仏国・ソ連は最終敗戦に至らなかったに過ぎず、戦争で勝ったとは言えませ
ん。ソ連はその後一度解体され、現露国(ロシア)は、新規まき直しの新生国
家です。

 1-3、United Nationsでは種々の協議・会議は開催されていますが、United
Nationsの最高指揮官と指揮命令系統は定まっておらず、United Nations自体
の軍隊は全くありません。かかるUnited Nationsに、日本の命運を委ねること
はできません。

 1-4、世界は条約や裁定事項に、格好だけをつけていますが、事実上の無法
地帯です。「実力=腕力、つまり、軍事力・財政力・諜報外交力の総合」が支
配しているのです。

 1-5、他国と戦闘をすることは避けねばなりませんが、United Nations問題
で政治やメディアが騒ぐ以前に、日本国自身が「真の実力」を付けることに、
精力を傾注すべきであります。


◇ 2、近代国家の場合、「官」が商売(収益事業)をすることは、全面的に
廃止すべきです。「官」は、儲けを念頭に置く「民」では不可能な分野(国防
・治安・外交・諜報等)に、特化(専門化)すべきであります。

 2-1、明治初頭のように、近代国家の基盤インフラが全くない場合は、官業
でスタートする必要がありました。郵政・製鉄・鉄道・銀行・製糸等の主要産
業の発足には、「官」が適していました。

 2-2、経済が多少発展すれば、収益事業(商売)は、官より民が断然適して
います。明治初頭の官業は、その後時間をかけて、その殆どを「民」に払い下
げました。

 2-3、郵政事業は、官ではなく完全に民に移行させるべきです。「民営化」
は、一見民営風を装う「官業」であり、議員や官僚が自分達の権能・影響力・
選挙票田を残そうとする姑息な誤魔化し手法と言わざるを得ません。

 2-4、完全「民営」への断行以前に、地盤整備が欠かせません。ずばり言っ
て、大リストラ(3分の1程度への総人件費削減)をして置かないと、必ず失敗
します。

 2-5、郵政が現状の従業員数を維持するためには、他業種に進出する以外に
生きる道はありません。だぼハゼのように業種を拡大し、最後は大赤字に転落
します。「官」は親方日の丸の観念が抜けきれず、「民」の経営感覚が末端ま
で浸透しないからです。

 2-6、郵政事業を民営として成功させるには、先ず「首切り」(規模の大縮
小)という、適切な順序と手法が絶対に必要であります。明治維新で、武士を
廃止した(禄を取り上げた)場合と同様と申せます。


◇ 3、ChinaやSouth Koreaは、靖国参拝や歴史認識問題を持ち出して、日本
の世論を二分し、日本の精力を消耗させようと画策している(謀略を図ってい
る)と考えて置く必要があります。

 3-1、メディア・マスコミが騒げば騒ぐ程、China等の外国勢力に利すること
となります。日本人の殆どは、本来(メディアが過剰反応しなければ)、靖国
参拝を当然と思っています。

 3-2、靖国参拝や歴史認識が原因で、ChinaやSouth Koreaとの貿易・交易・
人の往来・進出・投融資等が、停滞・縮減しても良いではありませんか。日本
では、ChinaやSouth Koreaからの輸入が途絶えても、致命的な困窮は全くあり
ません。

 3-4、日本の輸出先に、ChinaやSouth Koreaに固執する必要はありません。
投融資は、今後これら二国向けは当分の間停止し、既に出した資金・資本・拠
点等は、早急に撤退すべきでしょう。

 3-5、国論を二分する(小田原評定型)国家は弱まり、国民の意思が団結す
る国家が強くなります。メディア・有識者・議員等がバタバタ騒ぐことは「愚
の骨頂」であり、結果として外国に加担し、「売国奴」に近づいていることを
悟るべきであります。


◇ 4、日本の官の財政(国家・地方自治体・官関与の組織団体等)は、通常
の手法(景気を良くして自然増収を待つ等)では、既に回復不可能に陥ってお
ります。

 4-1、経営不振の大学・瀕死の企業を助ける産業再生機構・極めて非能率な
農業(とその関連組織)等に、資金(補助金等)を投入する余裕が、官の財政
には全く残っておりません。

 4-2、国家予算の最大の支出は福祉社会保障費であり、ここを抜本的に縮減
し、真に困窮している日本人(日本国籍を有する人)だけを救済する、困窮を
装う偽の連中への救済支援は一切排除する、これ以外に道はありません。


◇ 5、JR西日本福知山線での大事故・JAL航空機の大事故一歩手前の異
常事態(タイヤパンクやエンジン停止)・何時海賊の被害に遭うかも知れない
海上の輸送、これらの安全性が揺らいでいます。

 5-1、先般の偽キャッシュカードに続き、今回はカード情報が流出し、不正
違法な使用で混乱が発生しております。情報保管場所や通信途中に対する不正
侵入が関係していると考えられます。

 5-2、情報を含む防衛・治安対策は、国家政治の重要課題です。国家国民共
に、諸外国は信頼できるというような「平和ボケ」の気持ちを一掃することが
肝要です。反対派の足を引っ張る「揚げ足取り」国会議員手法は排除して、情
報の分散(複数系統の)管理を含む本当の「国防」に取り組むべきです。

 (注) 情報の分散管理とは、氏名・住所・生年月日・銀行名・口座番号・パ
スワード(暗証番号)等の各種情報を、複数の系統に分散管理して、一括した
情報の流出による「悪の発生」を防止することです。


◇ 6、石油危機(価格暴騰)とエネルギー資源に対する世界的規模での争奪
闘争が始まっています。日本では、燃料電池・風力発電・ソーラーシステム・
蓄熱等のエネルギー対策が、発表されています。しかしこれらは、産業用の電
力に大きく貢献する可能性は決して高くありません。

 6-1、エネルギーの抜本策は、太陽のエネルギー、つまり、水素核融合の平
和的利用に行き着きます。遠い将来のこととして、指をくわえて見ているだけ
では、到底成功しません。

 6-2、水素核融合に早く真剣に着手し、成功させた国家国民が、21世紀後半
及び22世紀の世界の覇権を握ります。

 6-3、日本経済が発展し日本国民が目先裕福になったとしても、少子少孫化
で、日本民族が減少して行けば、必ず国力が低下します。縮小均衡は、事実上
非常に困難であり、国家財政が窮乏化している場合は、国家の存立自体が危機
となります。

 6-4、福祉社会保障予算の多くを廃止し、その資金を「人口対策」に振り向
け、優秀な日本民族の人口維持を企図する「覚悟の政治」が欠かせません。人
口の安定と共に、次世代教育が非常に大切であり、20年以上の我慢と努力を要
します。


◇ 7、明治維新では、廃藩置県の断行と共に、武士(現在なら公務員)制度
をなくし、その禄(給与)を廃止しました。その資金で徴兵制という名の無給
に近い兵士(軍人)を集め、武器弾薬軍艦等を整えました。

 7-1、幕末の時代、徳川幕府及び殆どの藩は共に財政赤字で苦しんでおり、
黒船等の海外勢力に対抗する武器弾薬軍艦を調達できない状況にありました。
現在の国家と地方自治体に似ています。

 7-2、公務員を原則として無給(人件費ゼロ)にします。18歳以上の日本人
の全員が、何年間かは必ず公務員となって無給で奉仕し、官の人件費を限りな
くゼロに近づけます。「徴員制=公務員の無給奉仕制」の採用であります。

 (注) 戦闘機・ミサイル等の高度武器兵器の操作員、諜報要員、その他の専
門職で、一般国民の無給奉仕の交代制では、対応できない経験と熟練を要する
公務員(兵士等)の例外があります。

 7-3、前項の仕組みを導入すれば、国家財政の約半分を占める人件費が絶対
的に軽減され、財政再建の目途が見えて来ます。明治維新の武士廃止と徴兵制
の現代版であります。

(nss0506.txt完)
==============================
「良い国日本の再興」 日本戦略の研究会(日戦略研)
  2005年06月第4週               npslq9@yahoo.co.jp


★ 表題: イラン大統領選挙の結果と米国のNorth Koreaへの食糧支援
 050628          寄稿: エドモン・ラマン enql@yan.jp

◇ イランとNorth Koreaとは遠く離れており、一見関係が薄いように思われ
ます。ところが、イラン大統領選挙に於いて、保守強硬派のアハマディネジャ
ド氏が、決選投票で穏健現実派のラフサンジャニ氏に圧勝したことは、米国の
東アジア戦略に大きな決断をさせたと見ております。

◇ 米国は、最初の投票で第1位のラフサンジャニ氏の当選を願っていました
が、これが無理と判明し、東アジア(North Korea等)問題を早急に片付けて
、身軽になる必要に迫られました。

◇ 米国は、旧来のChina経由の「対North Korea」説得を一時棚上げにして、
米国独自とSouth Koreaを活用しての「大規模全面空爆」という恫喝(ドウカ
ツ)に近い「駆け引き」により、金政権の「負け=事実上の降参、核開発の廃
棄」を認めさせた、と考えられます。

◇ 文頭の決断の具体的な内容とは、前項の降参と引き替えに、米国がいつも
念頭においていた、多数の空母とグアム島からのB52戦略爆撃機等による「大
空爆計画」を中止して、逆に「食糧援助」を決心したことであります。

◇ North Koreaの食糧不足は非常に深刻で、その影響が軍人に及び、金政権
としても目前に迫った米国の空爆よりも、核廃棄の方を選択せざるを得なかっ
たということです。従いまして、六カ国協議の重要性は薄れ、形ばかりのもの
に化したと見ております。

◇ 米国は従前から熟慮していた中東の全面的な制圧(イラン・シリア等の占
領)へ、精力を傾注する方向が固まったと申せます。中東地区に於ける戦闘戦
乱は、今後拡大必至の情勢となります。

◇ 日本への差し迫った危機(North Koreaからのミサイルの飛来)は、当分
の間無くなります。しかし、米国は当面対China対策の関心度が希薄であるた
め、Chinaの軍事拡張と覇権戦略は益々盛んになります。

◇ 日本の対China軍事対応は、米軍の「核」への全面な依存体質を脱皮して
、より高度な(ミサイル・核を含む)軍備を完備して、Chinaとのバランスを
保ち、平和を維持する必要性が一段と増しております。



★ 表題: 覇権国家の体力が弱まるとき、新興国家群が隆起する、日本の防衛
の根幹を考え直す必要がある
 050628          担当: 鈴木良吾 sqll5@yahoo.co.jp

◇ ソ連が崩壊しその覇権力が弱まると、域内には多数の国家群が成立しまし
た。エストニア・ラトビア・リトアニア・ベラルーシ・ウクライナ・モルドバ
・グルジア・アルメニア・アゼルバイジャン・トルクメニスタン・ウズベク・
カザフ・キルギス・タジク等がそうであります。

◇ 米国は1945年の頃、全世界を呑み込む程の実力を有していましたが、ベト
ナム戦争の無駄な消耗を契機にして、財政と貿易の双子の赤字に悩むようにな
り、全世界を相手にする力量を失いつつあります。

◇ ChinaやNorth Koreaの勝手放題と中東産油国に関連するイスラーム圏(イ
ラン・イラク・ゲリラ団等)の石油利権、この双方を完全にコントロールする
為の財力が不足して来ました。

◇ 米国の軍事力は、依然として際だって強力ですが、ランドパワー(大陸国
家)の内部に深入りを続けていると、人材(兵士軍属等)の損傷・コスト負担
・米国内の世論に耐え難くなります。

◇ 米軍の抜本的な再配置・集約・効率化は、以上のような観点から今後一層
促進されます。従って、日本の防衛にとって米軍頼みは、益々困難となります
。日本は他国に侵攻しないのですから、効率的な防衛戦略のためには、小さい
予算と比較的少人数で、効率的なバランス防衛(インドとパキスタン間の核武
装対決型)を可能とする必要があります。

◇ 前項の目的達成には、「戦略核・ミサイル・化学兵器を含むハイテク」の
技術重視に進むこと、及び「諜報情報戦略」を選択せざるを得ません。敗戦時
に押し付けられた「平和憲法」の解釈に拘泥していては、日本国家と日本民族
の滅亡に繋がります。

◇ 日本民族が概ね壊滅し、生き残った国民の全ては侵略国の奴隷となり、紙
の憲法だけ焼け跡に残った、かかる状態を許すことは絶対にできません。



★ 表題: 東京裁判を正しく総括すれば、A級戦犯や靖国問題の疑念が解消す
る
 050628       担当: キャサリン・クー cc3ln@yahoo.co.jp

◇ 東京裁判(極東国際軍事裁判)に関しては、多くの見解や意見が発表さて
います。サンフランシスコ講和条約(日本国との平和条約、昭和27年4月28日
条約第5号)の第11条(戦争犯罪)の『accept the judgements』の解釈を巡っ
ても、論争があります。

◇ judgementには、「裁判」と「判決」の双方の意味があります。前項の講
和条約の日本文は「裁判」を採用しています。しかしながら、judgementsと複
数になっている以上、多数の判決の集合体である「judgements、諸判決」が英
文の趣旨に添います。

◇ 東京裁判は戦争の延長線上にあり、敗戦国日本が異議を唱え、「裁判」自
体を拒否する状況にありませんでした。かかる意味で通常の裁判とは全く異な
ります。「判決」が執行されることを確保するために記載された条文が、講和
条約の第11条と解すべきであります。

◇ その後国会は 党派を超越した圧倒的多数で、死刑を執行されなかった戦
犯を赦免し、昭和33年までに戦犯全員の釈放に繋がりました。A級戦犯を日本
国内の罪人扱いにしないこととなりました。戦争裁判は講和が成立すれば、そ
の後は、裁判と判決の内容に拘束されることはありません。従って名誉を回復
することに、一切の制限はありません。

◇ 元来、刑事裁判に於いて、法律(条約)が成立する以前の行為に対しては
、刑罰を科すことができません。いわゆる「事後法」(後から作った法令で、
過去の行為を罰すること)は認められません。この点でも東京裁判は、常軌を
逸脱しています。

◇ ポッダム宣言(1945年7月26日)の「10」に於いて、既成の国際法のルー
ルに掲げられた戦争犯罪(俘虜虐待等)を追求・処罰できます。にもかかわら
ず、東京裁判では、「平和に対する罪」「人道に対する罪」が提唱されたと言
われています。しかし、かかる犯罪は国際法上存在しません。戦争自体が、戦
勝国といえども平和を乱すものであるからです。

◇ 更に東京裁判では、「満州侵略の共同謀議」が問題(犯罪の構成要因)と
なっています。『日本が嫌がる溥儀を無理に皇帝にして満州へ侵略した』、と
いうものであります。

◇ 占領軍の強い意図により、東京裁判では証拠として採用されなかった『紫
禁城の黄昏、Twilight in the Forbidden City』(ジョンストン著、1934年発
刊)を読みますと、「溥儀等の満州族が、日本の力を借りて(活用して・支援
を受けて)自分達の国家を造ろうとした、つまり、満州族の独立運動が根幹」
であることが明白になります。

◇ 著者R.F.ジョンストン氏は、溥儀の帝師として1919年から1925年まで生
活を共にし、溥儀が前項の本の序文で最高の評価をしている人です。1874年ス
コットランドのエディンバラ生まれ、オックスフォード大を卒業し、公正且つ
真摯な態度をもって、Chinaに精通した紳士(1938年に死去)です。

◇ 東京裁判時に、溥儀は、ソ連の恫喝により『自分は日本の関東軍に脅迫さ
れて、嫌々皇帝になった』という趣旨の嘘の証言をし、「紫禁城の黄昏」の信
憑性を否定しました。もし、ジョンストン氏の生きた証言があれば、東京裁判
の判決は様変わりしていたに違いありません。

◇ インドのパール判事(東京裁判判事のなかで唯一の国際法の専門家)は、
「事後法」「平和に対する罪」等を根拠に、A級戦犯の全員無罪をはっきり主
張されました。

◇ A級戦犯の日本国内の罪は、当時多少あったと仮定しても、現在は一切消
滅しています。靖国神社に祭ろうとも、何の問題もありません。外国の国家や
国家幹部に、とやかく言われる根拠はありません。かかる国家とは、挨拶程度
の付き合いに留めるべきであります。



★ 表題: 農政大改革をしないと、日本の食糧確保が成功しない
 050628          担当: 岸田与志 qxd44@yahoo.co.jp

◇ 21世紀は、資源・食糧・水・エネルギーを、各国が争奪する世紀となりま
す。日本で概ね万全に近いのは「水」だけであり、他は抜本的な対策を必要と
します。

◇ 1945年敗戦後、占領軍が指導した「農地解放」「自作農強化」「パン・動
物性蛋白・脂肪食」の悪い面が吹き出して、日本の食糧自給率は、非常に低下
しています。

◇ 食生活を、「脂肪過多・肉類の食べ過ぎ」から「米食中心の日本食」に戻
すことが極めて重要です。この戦略だけでも、食糧自給率は格段に良くなりま
す。しかもこれは、日本人から成人病を減らし、年取っても健康を維持するこ
とに直結します。

◇ 米食中心にするには、現在存在する農業の生産方式(自作農)を、大規模
企業経営方式に大変革して、海外米に価格面でも対抗でき、十分輸出可能な水
準に低下させる必要があります。

◇ 前項の目的達成には、農協・全農・全中等の農業団体組織は、一度全部を
解体消滅させ、農地法のその関連法案は、全て破棄する必要があります。農水
省も全く出直すことが肝要で、大改革を企画・実施・断行する人間が、幾人か
暗殺される覚悟が必要です。

◇ 農業関連の補助金・支援金等は早急に全部廃止します。存続を画策する個
人・団体・組織・集合体等からは、逆に多額の強制寄付(赤字国債償還用)を
徴求します。現状の農業システムでは、日本人の食糧自給が不可能ですから、
解体する外はありません。

◇ 農業へのハイテク技術の応用が可能になっています。都会でも「アグリ工
場」ができます。水と光線(太陽又は人口光線)に、多少の肥料があれば、植
物・食糧の生産が十分可能です。

◇ しかし日本の国家事業として、大々的に米作等の農業生産を拡大するには
、現在の農地法や農業システムが障害となります。従って、これらの全面的な
改廃が欠かせません。21世紀の世界で日本人が生き残るには、たとえ輸入が途
絶えても食糧確保ができる体制作りをすることが、真から重要であります。

(2005年06月第4週完)
==============================
骨太の方針/経済失政の隠れ蓑ではないか   
   
  仕組みを変えたが運営は失敗した。「小泉改革」はこう結論付けられそうな気配だ。政
 府が「骨太の方針二〇〇五」を閣議決定し「小さな政府」を打ち出したところ、財務省
 は今年三月末の国の借金が七百八十一兆五千五百十七億円に上ることを発表した。
希望的観測にすぎない  (世界日報掲載許可)

 前年比七十八兆四千三十八億円の増加で、国民一人当たり六百十二万円の借金となる。
 小泉内閣はこの財政赤字の膨張を理由に「小さな政府」を「骨太の方針」で明記し、
 「歳出削減の手綱を緩めない」決意を表明した。だが、見落としてならないのは小泉政
 治の経済失政だろう。

 小泉政権が発足した〇一年四月二十六日の日経平均株価は、一万三九七三円だった。そ
 の後、一万円の大台を割る株価低迷は克服したものの、今日一万一五〇〇円程度と不振
 が続いている。

 「骨太の方針」は、「バブル後を抜け出した日本経済」と希望的な観測を語り、経済成
 長が1・9%と政府目標の2・1%に近づいていると自己評価している。だが、原油価
 格上昇の重圧がかかる米国、最近の反日チャイナ・リスクをかかえる中国の二大貿易国
 を相手に、楽観は許されない。

 また、政権が発足した〇一年度にはマイナス成長、〇二年度は0・8%だった低成長の
 ツケがある。「改革には痛みが伴う」として積極財政論を排除した小泉政策の下で、民
 間が血のにじむリストラを挙行し企業の帳簿を黒字に変えたに過ぎない。デフレ経済が
 進行する中、雇用者賃金も安くなった。

 このため所得税収の目減りがはっきりと表れている。〇一年度は十七兆円台だった所得
 税収は、〇二年度以降は十五兆円の大台を割り込んだままだ。一九八三年ごろの不景気
 以来の落ち込みである。これに消費税収が十兆円弱とほぼ横ばいで推移していることを
 見れば、国民は所得が減少した分、貯蓄を取り崩しながら消費水準を維持しているわけ
 で家計事情は苦しくなっていると言わざるを得ない。

 その意味では、「骨太の方針」が世界経済の回復や雇用・所得環境の改善、民間需要の
 緩やかな回復を展望しているのは楽観的ではないのか。また、財政事情の悪化の背景に
 は、経済成長の低迷とそれに伴う歳入減という経済失政の要因も含まれている。小泉内
 閣は、そのことを反省しなくてはならないはずだ。

 ところが政府が示した今年の「骨太の方針」は、相変わらず単純な処方箋を示している
 にすぎない。民間で先行したリストラを公務員で行うということだ。首相の肝入りで公
 務員の人件費の「削減」が盛り込まれたが、この国家予算の二割を占める歳出を節約す
 る考えに反対する世論は少数で、改革断行のポーズにはなるだろう。同方針の優先順位
 の上位に位置付けられている郵政民営化も同じだ。

 しかし、景気刺激策により歳入を増やすことをせず、官に属そうが民間であろうが痛み
 を国民に強いる小泉流のワンパターンに変わりはない。しかも、「骨太の方針」では
 「国民負担の増加をめぐる議論はいずれ避けられない」とし、その前に「政府自らが身
 を切り、効率化を図る」という発想なのだ。

責任放棄の経済政策

 だが、国民に痛みを負わせ、経済成長は芳しからず、財政赤字はさらに膨れ、自らの任
 期中は消費税増税を行わず、論議も先送りにするのは、責任放棄といえる。「骨太の方
 針」は、「今後、一、二年が日本経済の分かれ道」と説くが、それが首相の経済失政の
 隠れ蓑(みの)になりかねない。
       Kenzo Yamaoka


コラム目次に戻る
トップページに戻る