2031.北朝鮮の決断



先週の「2024.北朝鮮情勢について」の方向が確定した。Fより

今週1週間の記事を見ると、北朝鮮と米国で6ケ国協議の再開で合
意が出来たことが分かる。米国は北朝鮮に食糧援助を行うことも決
めている。韓国と北朝鮮の閣僚級会談でも「南北は朝鮮半島の非核
化は最終目標にする」と合意している。

とうとう、国際機関の食糧援助がなくなり、北朝鮮には食糧が尽き
て、降参した状態になっている。核実験というカードを切って、食
糧援助を引き出そうとしたが、その核開発の脅しが効かないために
、韓国に頼って米国と関係を繋ぎ、米国の攻撃を受ける寸前まで来
て、降参した。

米国は3隻の空母とステルス攻撃機を韓国とグラムに集結させて、
爆撃開始から24時間以内に北朝鮮のほぼ全域を壊滅する計画であ
った。小型の原爆を使う可能性もあったようで、韓国が米韓同盟を
破棄するとその時に攻撃開始であった。この事実を韓国は、米韓首
脳会談後、直ぐに北朝鮮に伝えたようだ。そして金正日総書記も負
けを受け入れた。

北朝鮮が出した条件は1ケ月間だけ、米国側が「圧制の拠点」とい
う言葉を北朝鮮に対して使わないことであり、それ以外は米国は何
1つ、北の条件を飲んでいない。北朝鮮の負けが確定したことにな
る。

これで北朝鮮は6ケ国協議で、核廃棄せざるを得ないことになる。
北朝鮮では軍隊の食料もなくなり、軍人が餓死よりいいと、37度
線を越えて韓国に亡命する事態にもなっている。国内は相当に悲惨
な状態になっているようである。中国も7月に胡主席が北朝鮮を訪
問することが決まった。中国は最後、自分が調停をしたという形が
ほしいだけで、積極的な交渉をしていないし、どちらかというと引
き延ばしを狙う可能性もある。「ずるい中国」と言われかねない。

しかし、これで米国も東アジアでの戦争を想定する必要がなくなり
、イランへの攻撃を目標化できることになった。イランの選挙では
対米強硬派のアハマディネジャド・テヘラン市長が大統領に選ばれ
た。米国はアゼルバイジャンの米軍基地を中心に対イランの情報活
動を活発化していると聞く。これで米イ戦争が3ケ月後から1年後
に起こることが確定したように感じる。東アジアは当分平穏な状態
になるでしょうね。このコラムのような米軍情報の公開で東アジア
での戦争を抑止できたことは、非常に良いことであると思うが。
自己宣伝になってしまったようだ。

この北朝鮮との紛争で台湾と日本にMD関係武器を売ることができ
たので、米軍事産業としても非常に良かったようだ。引き続き、中
国の脅威を前面に出して、日本・台湾に武器を輸出するようである。
またイスラエルの武器も日本・台湾が買わないと、中国にイスラエ
ルは寄っていくことになる。日本は考慮するべきであろう。条件は
勿論、中国への輸出を禁止してもらうことである。

日本は引き続き、日本国民を守るために中国への軍事対応をするべ
きである。
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朝鮮戦争55周年、北朝鮮が対米非難を自制(聯合ニュース)
2005/06/25 10:18 

【ソウル25日聯合】6月25日に朝鮮戦争勃発55周年を迎える
にもかかわらず、北朝鮮の対米非難が目立って減ってきている。北
朝鮮はこれまで、開戦の6月25日から休戦の7月27日までを「
反米闘争月間」と定め、米国に対する国民の敵対心をあおりながら
激しい対米非難を展開してきた。特に今年は55周年と節目の年で
あるという点で大々的な内部行事が行われると予想されてたが、今
のところほとんど目立った動きが見られない。 
 6月25日を翌日に控えた24日、北朝鮮では特別な行事もなく
、労働新聞が「朝鮮戦争を引き起こした責任からは絶対に逃れられ
ない」と題した論評で米国の戦争責任論を主張するにとどまった。
北朝鮮メディアはむしろ、第15回南北閣僚級会談の成果を相次い
で報じ、6・15南北共同宣言5周年の雰囲気を維持している。 

 北朝鮮がこのように対米非難を控えているのは、金正日(キム・
ジョンイル)総書記が6カ国協議復帰の意思を言及するに伴い、北
朝鮮なりに軟化した雰囲気を作り出すためとみられる。また、駐国
連北朝鮮代表部が7月中の6カ国協議復帰を前提条件に「暴政の前
哨基地」という用語を使用しないよう米国に要求してからは、朝鮮
戦争や核問題などを論じ米国を非難する公けな活動が大幅に減って
いる。北朝鮮への不用意な発言の自制を求める一方で米国を非難す
ることで、反撃の機会を与える可能性を考慮したものと解釈される。 

 ある脱北者は「6カ国協議再開の雰囲気が高まっている中、北朝
鮮が米国との関係を配慮し対米非難を自制しているようだ」としな
がらも、内部では各機関による反米教育事業が依然として続いてい
るとの見方を示している。 
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<北朝鮮>李根・外務省副局長が訪米へ 国際会議に出席

 北朝鮮の李根外務省米州局副局長は近く、有力シンクタンク「全
米外交政策会議(NCAFP)」が30日から2日間の日程でニュ
ーヨークで開く国際会議に出席する。関係筋によると、北朝鮮の核
問題をテーマにする同会議には米国務省からデトラニ北朝鮮担当特
使が出席する見通しで、米朝間の非公式接触の可能性もある。
(毎日新聞) - 6月24日10時17分更新
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中国の胡錦涛主席が7月訪朝、6カ国協議の日程確定か 
2005/06/23 12:11 

【ソウル23日聯合】中国の胡錦涛国家主席が、北朝鮮の6カ国協
議への復帰を確実なものにするため7月初めに北朝鮮を訪問する見
通しだ。韓日の外交筋が23日明らかにした。 
 匿名を名乗るこれら外交筋は同日、聯合ニュースとの電話インタ
ビューで「胡主席の訪朝で、こう着状態にある6カ国協議の突破口
となり、北朝鮮の(6カ国協議への)復帰日程が確定するだろう」
との見方を示した。ある外交筋は胡主席の平壌訪問について「北朝
鮮が核交渉への復帰を具体的に約束するとの前提で実現するもの」
と話している。金正日(キム・ジョンイル)総書記はこれに先立ち
、鄭東泳(チョン・ドンヨン)統一部長官との会談で、「米国が北
朝鮮を対話の相手として尊重するなら、早ければ7月初めにも協議
に復帰する」との立場を表明していた。 

 これまで3回にわたって6カ国協議を主宰してきた中国は、米国
をはじめとする協議参加国から、北朝鮮が協議に復帰するよう積極
的な外交努力を行うよう求められてきた。中国側は胡主席が「適切
な時期」に訪朝すると明らかにしているが、消息筋は、北朝鮮を交
渉のテーブルに引き出すための国際的努力に突破口が開かれるまで
は時期を引き延ばすとみている。 
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穀物配給1人1日200gの恐れ、北朝鮮で食糧危機

 【ワシントン=貞広貴志】世界食糧計画(WFP)ワシントン事
務所は24日、米政府が22日に発表した北朝鮮に対する食糧支援
に関連して声明を出し、「北朝鮮は収穫前の食糧不足時にさしかか
っており、WFPの(支援食糧)備蓄は危険な水準まで下がってい
る」と、他の関係国の緊急援助を求めた。

 北朝鮮で活動する最大の人道支援団体であるWFPは今年、飢餓
に瀕した650万人に食糧を配布するため50万4000トンの支
援を呼びかけた。だが、現時点では24万トンしか確保できておら
ず、その大半はすでに配分された。米政府が支援表明した5万トン
を入れても、まだ20万トン以上足りない計算で、すでに200万
人に対する支援の削減を余儀なくされた。

 声明によると、北朝鮮では経済改革の影響で、過去1年間だけで
米の価格が4倍、トウモロコシは5倍に跳ね上がった。北朝鮮政府
は国民への食糧配給を段階的に減らしており、1日1人当たりの穀
物配給は300グラムだったのが、2005年1月から250グラ
ムと最低必要カロリー量の40%の水準まで減らされ、さらに近い
将来、200グラムに減らされるとの情報があるという。
(読売新聞) - 6月25日20時54分更新
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米、北朝鮮に5万トン食糧支援 「6カ国」復帰暗黙合意か

 【ワシントン=樫山幸夫】米政府は二十二日、北朝鮮の核問題を
めぐる六カ国協議の中断から一周年という微妙なタイミングで同国
に五万トンの食糧支援を行うことを決めた。北朝鮮が今後、このシ
グナルにどうこたえてくるか。「米国が食糧支援というカードを切
ったからには、北朝鮮の六カ国協議復帰に関して何らかの良好な感
触をすでに得ているのではないか」(ワシントンの外交筋)という
憶測も米国内でささやかれている。 
 米国務省は五月の世界食糧計画(WFP)の緊急支援アピールを
受け、(1)北朝鮮の食糧不足量(2)同国以外の各国の食糧事情
(3)配分の監視体制−の三項目の基準に基づいて検討、支援を決
定した。
 米政府は、食糧が転用されて国民ではなく軍に配分されることを
懸念して監視体制を最重視。WFPが監視体制の強化を打ち出し、
北朝鮮がそれに協力を表明したのを踏まえ決定に踏み切った。米国
は北朝鮮に昨年五万トン、一昨年は十万トンの食糧を供与している。
 米国務省は支援に当たっての声明で、「北朝鮮当局の政策に対す
るわれわれの懸念とはかかわりなく、困難な状況にある北朝鮮国民
の救済が目的だ」と、あくまで人道支援で協議再開の問題とは関連
がないと強調した。
 だが、決定の時期が、六カ国協議中断一周年というだけでなく、
今月十七日に北朝鮮の金正日総書記が韓国の鄭東泳統一相に「七月
再開可能」と伝えた直後であることもあって、説明を額面通り受け
取る向きは少ない。
 北朝鮮の出方をめぐっては、米国内では、協議復帰に完全に応じ
てくるだろうという楽観論と、従来にも増して前向きな姿勢を示し
つつも、なおあいまいな態度を取り続けるのではないかという悲観
論が交錯している。
 ただ、米国から見た場合、食糧支援は安全の保証、武力不行使の
確約などとは別に、北朝鮮を六カ国協議に引き戻すための唯一、即
効性が期待のできる“切り札”だった。
 食糧を供与したものの協議復帰は拒否されるという事態、つまり
、支援食糧だけを北朝鮮に“つまみ食い”される事態になれば、米
国はメンツをつぶされるだけでなく北朝鮮を協議に復帰させる有力
な手立てをも失ってしまうことになる。
 それだけに、「米国が食糧支援カードを切ったからには、水面下
で北朝鮮との間ですでに協議復帰への暗黙の合意ができているか、
少なくとも米国が北朝鮮の出方に対して自信を抱いていることの証
拠ではないか」(同)という見方が米国内では広がりつつある。
 米政府は、協議中断一周年と大型食糧支援を背景に北朝鮮の動き
を注視し、同国が協議再開を拒否し続けるなら、その時こそいよい
よ、六カ国協議以外の「新たな選択」への移行を迫られる。
 今回の食糧支援はその意味で北朝鮮にとり、協議への復帰を表明
する最大で最後の機会となる。
(産経新聞) - 6月24日2時59分更新
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「朝鮮半島の非核化を最終目標に」・南北閣僚級会談合意文書
(nikkei)
 【ソウル=池田元博】韓国と北朝鮮による第15回南北閣僚級会談
は23日、12項目の共同報道文(合意文)を発表した。北朝鮮の核問
題について「南北は朝鮮半島の非核化は最終目標にする」と閣僚級
会談では初めて明記。「雰囲気が整えば、対話と平和的解決への実
質的な措置を取る」とし、6カ国協議を通じた平和的解決に向け一定
の道筋を付けた。

 共同報道文は、韓国と北朝鮮の首席代表である鄭東泳(チョン・
ドンヨン)統一相と権浩雄(クォン・ホウン)内閣責任参事が共同
記者会見し、発表した。南北の首席代表が会見の形で共同発表する
のは極めて異例。南北関係でも将官級軍事会談の再開で合意するな
ど、正常化へ大きく前進した。

 韓国政府によると、核問題で触れた「対話と平和的解決への実質
的措置」の前提となる「雰囲気が整えば」という言葉は、6カ国協議
の再開を意味するという。また「実質的措置」は「核廃棄などに関
するもの」と韓国側は説明している。 (01:33)
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13カ月ぶり南北会談始まる 閣僚級、核・経済で綱引き(ASAHI)
2005年06月21日23時01分

韓国と北朝鮮の第15回南北閣僚級会談が21日、ソウルで始まっ
た。韓国は南北対話を軌道に乗せるとともに、金正日(キム・ジョ
ンイル)総書記が6者協議への条件付き復帰に言及したことを受け
、核放棄へ向けた具体的な対応を促す考えだ。一方、北朝鮮は「民
族共助」を訴え、肥料支援や経済協力を重点的に迫ると見られ、核
問題でどこまで韓国の「説得」に耳を傾けるかが焦点となる。 

 「平壌で金正日総書記に会い、意味のある論議をした」(韓国首
席代表の鄭東泳(チョン・ドンヨン)統一相) 

 「偉大な金正日将軍に会ったのだから、統一の種がまかれたも同
然だ」(北朝鮮団長の権浩雄(クォン・ホウン)内閣責任参事) 

 閣僚級会談は昨年5月以来、1年1カ月ぶり。ソウル入りした権
内閣責任参事ら北朝鮮代表団は、会場のホテルで鄭統一相の歓迎を
受けた。 

 韓国側は、17日に鄭統一相と会談した金総書記から、米国の対
応次第では「7月にも6者協議に復帰する用意がある」との発言を
引き出したことを自ら評価。6者協議再開時に核解決の実質的進展
を促すための「重大な提案」を誘い水に、北朝鮮側から具体的な言
質を取り付け、合意文に盛り込みたい考えだ。 

 ただ、これまでの閣僚級会談で北朝鮮は「核問題は米国との問題
」として韓国との協議には消極的だった。金総書記の発言直後とは
いえ、すんなりと核問題の協議に応じるかどうかは不透明だ。一方
で「民族共助」を強調して韓国の民族心をくすぐり、米国との離間
策に利用する恐れもある。 

 金総書記と鄭統一相の会談翌日、北朝鮮はさっそく肥料15万ト
ンの支援を要請した。先月の次官級会談で合意した20万トン支援
は既に手に入れており、今回の会談で食糧など新たな支援を求めて
くる可能性がある。 

 韓国側は今回、将官級の南北軍事当局者会談や離散家族再会事業
など南北関係の修復にも力点を置き、対話のルートを固めた上で、
持続的に北朝鮮の軟化を誘う戦略だ。
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「圧制」言わねば6者協議復帰も 北朝鮮、1カ月以内に(ASAHI)
2005年06月21日12時56分

 北朝鮮の国連代表部高官は20日、米国側が「圧制の拠点」とい
う言葉を1カ月使わなければ、核問題をめぐる6者協議に7月にも
復帰するとの考えを明らかにした。韓国の通信社、聯合ニュースの
質問に答えた。 

 同ニュースによると、この高官は「米国が『圧制』発言を撤回す
るといわなくても、刺激する発言をしなければ一種の撤回と見るこ
とが可能だ」と述べた。 

 先月13日の米朝接触で米国務省のデトラニ6者協議担当大使が
「北朝鮮を主権国家として認める」との意思を伝えてきたが、その
直後に、より地位の高い米高官が「圧制」などの発言を重ねたため
、「米国の姿勢がはっきりしない」と述べたという。 
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米国務長官、圧政国家発言撤回せず・北朝鮮問題で

 【ワシントン19日共同】イスラエル訪問中のライス米国務長官は
19日、米FOXテレビとのインタビューで、北朝鮮が6カ国協議復帰
の条件として撤回を求めている「圧政国家」発言について「北朝鮮
の体制の本質は自明だ」などと述べ、撤回する考えがないことを明
らかにした。

 長官はまた、北朝鮮は「6カ国協議に戻らない口実を並べることを
好むが、これは核放棄を求める(北朝鮮以外の)5カ国の一致した声
に直面したくないからだ」と指摘。早急に6カ国協議への復帰を確約
するよう迫った。

 北朝鮮の金正日総書記が韓国の鄭東泳統一相と会談し、7月中にも
6カ国協議への復帰が可能と表明したと伝えられて以降、ライス長官
が北朝鮮核問題でコメントしたのは初めて。長官が「圧政国家」発
言を撤回する意思がないことを表明したことで、北朝鮮の反発を招
く可能性もある。 (00:02)
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金総書記、韓国統一相に食糧支援を直接要請・韓国紙(nikkei)

 【ソウル=峯岸博】韓国夕刊紙・文化日報は18日付で、北朝鮮の
金正日総書記が17日に平壌で韓国の鄭東泳統一相と会談した際、食
糧支援を直接要請したと報じた。韓国政府当局者の話として伝えた
。北朝鮮の「労働新聞」は18日付で、17日の会談を1面トップで掲載
した。朝鮮中央通信の報道を朝鮮通信(東京)が伝えた。 (22:14) 
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「6者協議に7月復帰も」 金総書記、韓国統一相に示す(ASAHI)
2005年06月17日22時06分

 北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記は17日、韓国の鄭
東泳(チョン・ドンヨン)・統一相と平壌で会談した。金総書記は
核開発問題について「米国が我が国を相手として認め、尊重するな
ら、7月中にも6者協議に復帰する用意がある」と述べ、米国の対
応次第では6者協議の再開に応じる考えを示した。「体制の安全の
保証が貫徹されれば、核兵器を持つ理由がない」とも述べた。ただ
、米国が新たな譲歩に応じる可能性は低く、再開までにはなお曲折
がありそうだ。 

 南北共同宣言5周年行事を終えて帰国した鄭統一相が17日夜、
記者会見で明らかにした。 

 金総書記は「我々は6者協議を放棄も拒否もしたことはない」と
したうえで、「この問題は米国ともう少し協議しなければならない
」と述べ、米朝間でさらに調整が必要だとの考えを示した。核問題
の平和解決方針で一致した10日の米韓首脳会談の結果については
「肯定的に評価」するとし、「今後の米国の態度を注視する」と語
った。 

 総書記は「南北非核化共同宣言(92年発効)は依然有効だ。非
核化は故金日成(キム・イルソン)主席の遺訓だ」と述べ、非核化
を捨てたわけではないと強調。「体制の安全の保証が貫徹されれば
、核兵器を持つ理由がない」として、「核問題が解決すれば核不拡
散条約(NPT)に復帰し、国際原子力機関(IAEA)などの国
際査察を受け入れ、徹底検証を受ける用意がある。すべてを公開し
てもよい」とも述べた。 

 また多国間による安全の保証についても「一理ある。慎重に検討
する」と述べた。 

 鄭統一相は、核問題の早期解決と南北関係の持続的発展を主要な
内容とした盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の口頭メッセージを伝達
。金総書記に6者協議への早期復帰を促した。さらに6者協議が再
開した場合、韓国政府として核問題の実質的な解決を促すため「重
大な提案」をする用意があると説明。総書記は「慎重に研究し回答
する」と述べた。 

 また南北関係をめぐって、金総書記は8月15日の日本による植
民地支配からの解放記念日に、北朝鮮・金剛山で離散家族の再会事
業を実施し、ソウルの解放記念日式典に北朝鮮から政府代表団を送
ることにも同意。南北の将官級軍事会談を再開させる考えも示した。 

 会談は平壌市内の大同江迎賓館で行われ、昼食も含めて約5時間
に及んだ。昼食には韓国の林東源(イム・ドンウォン)・元統一相
、朴在圭(パク・チェギュ)・元統一相らも同席した。
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アラブ諸国―保守派勝利のイラン大統領選で、強硬派のアハマディネジャド氏の躍進に警戒感   
   
 両候補で決選投票へ
 イランの大統領選が十七日に実施されたが、結果は予想を大きく覆すものだった。

 当初、穏健保守派のラフサンジャニ前大統領が、二位以下を引き離してトップ、二位に
 は改革派のモイン前科学技術相が立つとみられていた。

 ところが、ラフサンジャニ前大統領の得票はわずか21%、強硬保守派のアハマディネ
 ジャド・テヘラン市長が小差の19%で二位に付け、両候補の間で二十四日に決選投票
 が実施されることとなった。

 イランの英字紙テヘラン・タイムズは十九日、「選挙の奇跡」と題した解説記事で、
 「大統領選は政治的奇跡であり、国内外の政治アナリストらを驚かせた」と選挙結果が
 大方の予想を裏切るものであったことを指摘した上で、「米国など西側メディアの大々
 的なプロパガンダとボイコットへの呼び掛けにもかかわらず、イラン国民は一体となっ
 て、高い投票率でイランの敵に対抗した」と、62%という投票率を根拠に、選挙が民
 主的に実施され、正当なものであることを強く主張した。

 ブッシュ米大統領の「民主主義の基本的な条件」を欠いているとのイランへの批判を意
 識したもののようだが、一九九七年に改革派のハタミ大統領が大勝利したときの投票率
 が80%を超えていたことを考えれば、国民の政治への期待感は下がっているとみても
 よさそうだ。

 一方、サウジアラビアのアラブ・ニュース紙社説も同日、選挙結果について、「驚くべ
 きは、ラフサンジャニ前大統領の決選投票での相手が、テヘランの保守派市長マフムー
 ド・アハマディネジャド氏となったこと」と、同市長の躍進に驚きを表明。同氏が保守
 派の牙城、革命防衛隊に所属していたこと、保守系学生の指導者であったこと、同国の
 宗教支配層に近いことなどを挙げ、「米政府が、同氏の勝利に大きな懸念を抱いている
 ことは間違いない」と指摘、アハマディネジャド氏が大統領になれば、対米関係が悪化
 するとの見方を明らかにしている。

 改革派は八候補中、モイン前科学技術相とカルビ前国会議長の二人。ハタミ大統領の改
 革路線が挫折したことに失望した改革派支持の若者らが棄権したことが、同派敗北の一
 因とみられている。最高指導者ハネメイ師を筆頭とする聖職者支配が敷かれた同国で、
 改革は不可能とみた改革派の無力感と支配層への抗議の意思の表れだ。

 強硬派のアハマディネジャド氏の躍進に、改革派が大きな危機感を抱いているのは間違
 いない。同紙は、「改革派は、決選投票ボイコットの誘惑に駆られるだろうが、アハマ
 ディネジャド氏の勝利を阻止するためだけに、ラフサンジャニ前大統領支持に回るだろ
 う」と指摘した。

全く奇怪な選挙結果

 アラブ諸国では、イランに強硬保守体制が誕生し、シーア派の聖職者支配が強化される
 ことに警戒感がある。米国の進める「中東民主化」の流れにも反するものであり、ブッ
 シュ政権は保守派に対する非難を繰り返してきた。

 アラブ・ニュース紙は、「強硬派聖職者の中には、アハマディネジャド氏を支持する者
 もいるようだが、同国の精神的指導者の大部分は、ラフサンジャニ師を支持するだろう」
 と強調。「強硬なアハマディネジャド氏では、国民の間に危険な対立と分裂を招く可能
 性がある。米国との対立が激化する兆候があるときでもあり、ラフサンジャニ師のよう
 な柔軟で老獪(ろうかい)な大統領ならば、国民をまとめられるのではないかという期
 待がある」と、穏健なラフサンジャニ師の勝利に期待を掛けている。

 また、イランの仇敵(きゅうてき)イスラエルの右派系英字紙エルサレム・ポスト紙で、
 国際問題アナリストのバリー・ルービン氏は、「選挙結果は全く奇怪なものであり、解
 釈に苦しむ」としながら、選挙結果を、@高い投票率A予想以上の中道勢力の苦戦B強
 硬派の躍進C改革派の苦戦――の四点にまとめている。

 ルービン氏は、アハマディネジャド氏に警戒感をあらわにする一方で、「世界は穏健派
 のラフサンジャニ師に過大な期待をしてはいけないし、ラフサンジャニ師が勝利しても、
 それを言い訳にイランの危険な活動への注意を怠ってはいけない」と警告を発した。

保守派の不正を示唆

 米経済紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、千人以上の候補者が八人にまで絞られ
 た選挙制度そのものに疑問を投げ掛ける一方で、中東政策研究所(ワシントン)のパト
 リック・クローソン氏の「どこかしらうさんくさい」との言葉を引きながら、「(選挙
 結果は)選挙前の国内の雰囲気に関する報道すべてと矛盾する」と指摘、保守派による
 不正が行われた可能性を示唆している。

 ハタミ大統領の改革路線の下で、民主化が進むかに見えたイランだが、保守派は露骨な
 手段で改革を妨害、すでに国会では大多数を保守派議員が占める。大統領選敗北で、イ
 ランの改革路線は完全に息の根を止められた格好だ。
(外報部・本田隆文・世界日報掲載許可)
    Kenzo Yamaoka

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