2013.歴史認識問題は、アジア諸国を味方に付けよ



「歴史認識問題は、アジア諸国を味方に付けよ」

中国の呉儀副首相が23日、小泉純一郎首相との会談を土壇場でキャンセルして帰国
した。
暴力デモ等の中国政府・民間の反日行動は、国際的非難を受けて一先ず収まったと思
われたが、これを受けて日中関係は再び緊張度を高めた。

今回の中国の行動は、外交常識からいって礼を失した行動であり、どんな理由を付け
ようとも、非難されて然るべきである。
この背景には、領土領海問題等々でのこれまでの日本の弱腰に付け込まれている面が
あり、それに対し一貫した毅然とした態度が不可欠である。

しかし、直接的には中国政府は直前の小泉首相等の靖国参拝問題についての発言が原
因としている。

◆歴史認識と外交的勝利
この靖国参拝問題については、国益を考えれば外交的に勝利をもたらす形で決着を付
けなければならない。

その要件は、次の3点である。
(1)日本が、威信を傷つけられる事のないようにする事。
(2)国際社会、なかんずくアジア諸国を納得させ、味方に付ける事。
(3)可能ならば中国・韓国の理解を得て、日本非難の材料を与えない事。

歴史問題について、「とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与え」
た事に対して、「痛切な反省の意を表し、心からのお詫びの気持ちを表明いたしま
す。」とした村山談話は、妥当なものである。

だが、日本が関わった一連の戦争が、帝国主義列強による植民地争奪戦の弱肉強食の
ルールに加わって行われた側面が述べられておらず、歴史的な背景の中での位置付け
を欠いている。
それが、日本人の中に少なからぬ違和感を抱かせると共に、何回謝罪してもアジア諸
国に表面的な反省としか受けとめられない背景となっている。
なお、敢えて対外的に述べる必要はないが、日本の侵攻と敗退が結果として欧米のア
ジア植民地支配を終わらせた側面は、日本人が歴史認識として持って置くべきであろ
う。

◆具体的方策
具体的には、ともすれば自虐と無反省の両極に引き裂かれ、双方の間を彷徨い寄る辺
なき日本人の歴史認識を整理し、健全妥当なものに方向付ける事が必要である。
このためには、道は遠くとも良識ある言論人からの多くの発言が待たれる。

また、その歴史観に基づき、帝国主義列強による弱肉強食のルールに加わった事を含
めた反省の表明により、アジア諸国のより深い理解を得るとともに、欧米諸国を牽制
し外野席的な無責任な発言を封じ、中国・韓国の囲い込みを図るべきである。

併せて、靖国参拝問題については、戦争犠牲者に対する慰霊であって、A級戦犯の行
為と先の戦争の開戦を正統化するものでない事を真摯に繰り返し説明し、中韓を含む
アジア諸国の理解を得るべく努めるべきである。

これらにより、(1)日本が、威信を傷つけられる事のないようにする事、(2)国際社
会、なかんずくアジア諸国を納得させ、味方に付ける事、を達成する事は外交的勝利
のための必須条件である。

その上で、中韓両国の完全な理解を得られなくとも、実際に総理大臣が参拝するべき
かどうかは、両国との関係、両国内の情況、国際世論の動向を見極めて、国益を賭し
て総理自身が判断すべき問題である。

小泉首相には、国際社会の笑いものにならぬよう、これまでのように参拝日をずらす
等、姑息な対応をせずに、行くにせよ行かぬにせよ歴史観と戦略性を伴った行動が必
要である。

                                   以上
佐藤 鴻全
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中国は何を目指している       老婆心   
   
親中派であった自分もデモ以来中国の言動を注意深く見るようにな
りました。
中国の今の行動は自国の労働力の安さを強調し、かつ自国の市場の
大きさを強調することで外資を積極的に導入し、国内の産業を一気
に増強し、合弁という形で民族資本も同時に形成させる。中国の英
才を海外留学させて海外の先進的な考え・技術を学ばせる。このよ
うにして、経済戦略は順調に進んでいる。
しかし一方、国内的には貧富の差が大きくなり汚職もあることから
、農民のデモが結構起こっているようで国内的にはひずみが出てき
ている。かといってこのようなことを利用し政府に反対する報道・
運動は出来ない状態であり、インターネットでもスクリーンをかけ
ここでも真実を国民が知ることが出来ないように情報管理を行って
いる。
ある意味、日本の明治維新・軍国主義時代・高度成長期が同時に進
んでいるような國と判断しています。
また、経済発展で得た金で、軍の近代化を推し進めている。
この国が更に発展し、軍備が十分に整ったとき、国内のひずみを修
正できず更にひずみが大きくなったとき、どのような行動をとるの
かと考えるとかなりの不安を覚えます。基本的に中国は覇権主義国
家であり、反日教育を行っていると言うことは、日本を敵国とする
事はいとも簡単なことであり、台湾攻撃の後、何らかの口実を設け
て日本に対する攻撃が行われることもあるのではと考えております。
皆様のお考えをお聞かせください。 
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中国は何を目指している       とら丸   
   
>親中派であった自分もデモ以来中国の言動を注意深く見るようにな
>りました。

同感です。

>また、経済発展で得た金で、軍の近代化を推し進めている。
>この国が更に発展し、軍備が十分に整ったとき、国内のひずみを
>修正できず更にひずみが大きくなったとき、どのような行動をとる
>のかと考えるとかなりの不安を覚えます。基本的に中国は覇権主義
>国家であり、反日教育を行っていると言うことは、日本を敵国とす
>る事はいとも簡単なことであり、台湾攻撃の後、何らかの口実を設
>けて日本に対する攻撃が行われることもあるのではと考えております。

中国が、わが国に対して不利益となる行動をとった場合、中国に対
する投資やODAなどを削減し、それをわが国に対して強調的な第
3国に振り向けるべきです。

そして中国がわが国に対して協調的立場を鮮明にすれば、これの逆
を自動的(協調係数のようなものを想定)に行う。

もし中国がわが国に対して軍事的圧力を強めれば、わが国は自動的
に米国との協調路線をより鮮明にする。

ただしわが国自国の防衛を米国に依存するのは好ましくないので、
最低限自国のみで防衛可能な軍備を整備する。

このように自立的にバランスをとればいいのではないでしょうか。 
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この辺の突っ込んだレポートはないのかしらん。 虚風老
   
 米・シンクタンク紹介をみていると、
日本としては、I I E(国際戦略研究所)が、注目じゃろうね。
米国との問題は、経済関係に集中しやすいからの。
この辺の動向は、常に押えておく必要があるじゃろうな。

民営化郵貯は、地方金融機関も資金運用をさせるというのを引き換えに、
どこに大口の運用させるつもりじゃろう。
国際金融資本側の、長期の計画では、「新生銀行」をその受け皿に
しようと計画したんじゃろうか?ありえそうな話ではあるな。名前
だけは、日本の銀行風じゃし、外資臭さを、で、溶け込ましておい
て、元長銀だからちゅうことで、その辺を日本側のエージェントに
称揚させて、世論の抵抗感を薄めるのかいね。知ってる人には評判
は悪いが、運用実績がいいというのを売りにしてるしの。まあ、何
兆も、日本国民の税金をつぎ込んで、不良債権全部キレイにしてや
って、貢ぎ物にたいに差し出したんじゃらね。(というより、金融
敗戦の賠償金か領土割譲みたいなものかの?)
この辺の動きがどうかな。キナ臭い。。。まあ、そうなれば、小泉
の郵政民営化の本質がみえるといえるじゃろう。
                     虚風老
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『九評共産党』

九評之一:共産党とは一体何物か
九評之二:中国共産党はどのようにでき上がったか
九評之三:中国共産党の暴政
九評之四:共産党が宇宙に反する
九評之五:法輪功への迫害における江沢民と中国共産党の相互利用
九評之六:中国共産党による民族文化の破壊
九評之七:中国共産党による殺人の歴史
九評之八:中国共産党の邪教的本質
九評之九:中国共産党の無頼の本性

http://www.hakudai.jp/
name=9ping
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 追悼齋藤昭彦さん       波江究一  
引用 
  ようへい

傭兵の家族繪姿を見あらはして

心決めおもむく死地とおもへれと
 涙に和えて寝やらぬわれを

世の末に捧げゐん夢うち貫きつ
 色無に頬臥せり笛練る山曲

傍迫る謀反響けり

ようへいのかそくゑすかたをみあらはしてこころきめおもむくしち
とおもへれとなみたにあえてねやらぬわれをよのすゑにささけゐん
ゆめうちぬきついろなにふせりふえねるやまわそはせまるむほんひ
ひけり

*斎藤昭彦氏の件は予想せられたこととはいへ、最悪の結末になれる
やうにて、なほ慎重に確認の上身柄引き取られんことを祈りたきと
ころではあります。合掌。  
http://blue.ap.teacup.com/roha/
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ヤルタ批判に見るブッシュ哲学   
   
 「安定より自由」
独裁への譲歩を拒否
 ブッシュ米大統領はこのほど、対独戦勝六十周年記念式典への出席でモスクワを訪れる
 のに先立ち、バルト三国の一つラトビアを訪問。演説の中で、東西冷戦の原点ともいわ
 れる「ヤルタ合意」(米英ソ三国首脳が一九四五年二月に締結)を強く批判した。「ヤ
 ルタ」をめぐっては、米国内では保守・リベラル両派の間で見解が分かれ、いまだに評
 価は定まっていない。ブッシュ発言によって改めて、古くて新しい問題に光が当たって
 いる。(ワシントン・三笘義雄)

 ブッシュ大統領は七日、ラトビアの首都リガで演説し、「中東欧で数百万人もの人々が
 捕らわれの身となったことは、史上最大の過ちの一つとして記憶されるだろう」と述べ、
 東欧のソ連支配を容認し、欧州分断のきっかけをつくった一九四五年の米英ソのヤルタ
 合意を批判した。

 ブッシュ大統領は「ドイツの多くでは、敗北が自由につながった。中東欧の多くでは、
 勝利は別の帝国の冷酷な政治をもたらした。欧州での対独戦勝利はファシズムの終結を
 印(しる)したが、抑圧は終わらなかった」と語った。対独戦勝利は、中東欧諸国にと
 っては、ソ連・共産主義による「抑圧」の幕開けにすぎなかった。

 さらにブッシュ氏は、欧州分断などその後の冷戦体制の“原型”をつくったヤルタ合意
 が「ミュンヘン協定、モロトフ・リッベントロップ協定の不正な伝統を受け継いでいる」
 と指摘した。三八年に行われたミュンヘン会談では、英国を中心に「戦争回避」のため
 にナチスドイツのヒトラーの要求を受け入れ、チェコスロバキア領土の一部をドイツに
 割譲することを認めた。この結果、ヒトラーの増長を招き、第二次世界大戦へと突き進
 んでいくことになる。ソ連、ドイツ両国外相の名前を冠したモロトフ・リッベントロッ
 プ協定は、独ソの相互不可侵をうたう一方で、両国によるポーランドとバルト三国の分
 割・併合の密約が盛り込まれた。

 ブッシュ大統領は、これらの延長上にあるのがヤルタ合意とした上で、「強国同士が協
 議した結果、小国の自由が犠牲となった。しかし、安定のために自由を犠牲にするこの
 試みは、欧州に分裂と不安定をもたらした」と語り、米国を含めた強大国が、世界秩序
 の維持を掲げて小国の運命をもてあそんだことを「史上最大の過ち」と振り返った。

 米大統領がヤルタ合意を正面切って批判し、自国の非を認めるのは極めて異例だ。ブッ
 シュ発言を受け、米国内ではインターネットのブログをはじめ、各種メディアで論議さ
 れてきたが、比較的冷静に受け止められたといえる。「ヤルタ」をめぐっては、戦後当
 初から共和党・保守派と民主党・リベラル派の間で見方が大きく分かれ、いまだに歴史
 的評価は定まっていない。ブッシュ氏の今回のヤルタ批判も、共和党の伝統的な“反ヤ
 ルタ観”の延長線上にあると見なされたようだ。

 共和党・保守派は、死期が近づいていた民主党のフランクリン・D・ルーズベルト元大
 統領(ヤルタ会談の二カ月後に死去)にはソ連のスターリンに対抗する余力はなく、結
 果的にソ連に「東欧を売り渡した」と主張。ルーズベルト氏の後継者トルーマン氏に対
 しても、共和党側は、民主党政権の対ソ弱腰外交が共産主義陣営の拡大を招いてきたと
 批判した。

 一方、民主党・リベラル派は、ヤルタ合意がなされた四五年二月時点で、ポーランドな
 ど中東欧はソ連軍の管理下にあったとして、ヤルタ合意は「現状追認」であり、欧州分
 断の原因ではないと擁護する。東欧からソ連を排除するためには新たな軍事衝突が避け
 られず、当時の米国にとって「現実的な選択肢ではなかった」という見方だ。また、ヤ
 ルタにおける米英ソ各国首脳の合意内容には、ナチスドイツから解放された国々で民主
 政権樹立をサポートすることが盛り込まれており、「スターリンがそれを無視したのが
 問題」という主張もある。

 ヤルタ会談では、ソ連の対日参戦の密約が結ばれたが、それについても保守・リベラル
 双方で評価が異なってくる。

 保守派は、米国はソ連なしでも対日戦争に勝利できたと強調。ソ連に対日参戦を許した
 ことで「中国と北朝鮮の共産化に道を開いた」(女性作家フィリス・シュラフレイ氏)
 と批判している。一方、リベラル派は、会談が行われた四五年二月当時、敗戦濃厚とは
 いえナチスドイツはまだ存在していたと指摘。対日戦に関しても、原爆はまだ完成して
 おらず、米軍には多大な犠牲が強いられる可能性が残されていたとして、ソ連と対日参
 戦の密約を結んだことは「国益にかなっていた」と主張する。

当面は中東が標的

将来は中国・北朝鮮か

 「ヤルタの亡霊を起こした」(ボルティモア・サン紙十一日付社説)とされるブッシュ
 大統領のヤルタ批判演説。大統領の真意はどこにあったのだろうか。それを解く鍵は第
 二次ブッシュ政権の外交政策の最重要テーマ「自由拡大」「圧政終結」にある。

 大統領は冒頭の演説の中で、「自由拡大」の波は、第二次大戦後の日独を皮切りに、中
 南米、アジア、中東欧に広がり、今日では拡大中東地域に達していると指摘。その上で、
 中東が「怒りと絶望」にとらわれた状態が続くならば、「さらに破滅的なテロをもたら
 す」と警告した。さらに大統領は「圧政に譲歩し、はかない安定のために自由を犠牲に
 するという前の世代の過ちをわれわれは繰り返してはならない。結局は、われわれの安
 全と真の安定は、他の人々の自由にかかっている」と強調した。

 つまり、第二次大戦末期から戦後にかけて、ソ連に譲歩したことで共産主義の伸長を許
 し、長い冷戦のきっかけをつくってしまった。また、中東の独裁政権に妥協し続けたこ
 とで、9・11米同時テロを誘発した。そうした「過去」を教訓にして、われわれは今、
 中東民主化のために立ち上がらなければならない、とブッシュ大統領は訴えている。

 またブッシュ演説は、いずれは中国、北朝鮮というアジアにおける共産主義の最後の砦
 (とりで)を突き崩す方向に向かう可能性を秘めていることも示している。
  世界日報 掲載許可
  
     Kenzo Yamaoka
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手詰まり感漂う 普天間移設問題   
   
  在日米軍再編のカギを握るのが、海兵隊普天間飛行場(沖縄県)の移設問題だ。日米の
 返還合意から九年が経過したが、名護市辺野古沖への県内移設計画はいまだ実現せず、
 見直しを求める意見も出始めている。だが、北東アジア情勢が不透明さを増す中、米軍
 の戦略的ニーズを満たす「新代替案」を見いだすのは容易ではなく、普天間移設問題は
 八方ふさがりの感が漂う。
(ワシントン・早川俊行・世界日報) 掲載許可

「沖縄に滑走路2本必要」
米国防総省−抑止力維持を重視
 ◆不安定の弧に対応

海兵隊第3海兵遠征軍の第1海兵航空団隷下36海兵航空群のホームベースとなっている
普天間飛行場=沖縄県ホームページから  
 「沖縄に滑走路は最低でも二本必要だ。一本になるなら米軍は沖縄にいる意味がない」

 沖縄県内にある米軍の飛行場は、普天間と空軍嘉手納基地の二本。行き詰まりつつある
 辺野古移設案の打開策として、嘉手納飛行場との統合論や海兵隊岩国基地(山口県)へ
 の県外移設案などが取りざたされているが、在日米軍再編計画の策定に携わる国防総省
 関係者は本紙の取材に対し、普天間飛行場の機能を沖縄県内で維持できない場合、米軍
 の作戦に大きな支障が出ると言い切った。

 米国は日本を中東から北東アジアまでの「不安定の弧」に対応する戦略拠点と位置付け
 ており、現在の抑止力を軽減させてはならないというのが、在日米軍再編に対する国防
 総省の基本スタンスだ。

 今月上旬、超党派議員とともに訪米した額賀福志郎・自民党安全保障調査会長は、ロー
 レス国防副次官と会談。「沖縄の負担軽減が重要だ」と指摘する額賀氏に対し、同副次
 官は「それは当然理解しているが、日米同盟にとって必要とする能力を損なうものにな
 ってはならない」との認識を示した。

 ◆狭まる選択肢

 普天間飛行場の移設先に関して、理論上は(1)海外(2)県外(3)県内――の三つ
 の選択肢があり、海外ではグアム、県外では岩国、県内では辺野古のほかに嘉手納や下
 地島、伊江島などが候補として考えられている。米議会の海外基地再編委員会は、今月
 上旬にまとめた報告書の中で、岩国か嘉手納への移設を提案した。

 だが、国防総省が求める「沖縄に滑走路を二本」という条件を当てはめると、選択肢は
 かなり狭まり、海外、県外、嘉手納統合は対象外となってしまう。

 同省が沖縄の基地機能の低下を警戒する背景には、北朝鮮の核開発問題が深刻化する一
 方、中国は急ピッチで軍事力の増強を続けるなど、東アジアの緊張が高まっていること
 がある。

 前述の国防総省関係者は「SACO(日米特別行動委員会)が合意された一九九六年当
 時より、北東アジア情勢は悪化している」と指摘。普天間飛行場の機能が失われれば、
 韓半島や台湾海峡での有事に対応できなくなると警告した。

 普天間飛行場は海兵隊ヘリコプター部隊の拠点。空陸部隊が緊密に統合された組織であ
 ることが海兵隊の特徴だが、ヘリ部隊と地上部隊の一体性を維持するには、沖縄本島に
 ヘリ基地を確保することが望ましいのは明らかだ。

 ◆至難の新代替案

 一方、日本政府は「辺野古沖以外の可能性は排除しない」(町村信孝外相)として、
 「新代替案」を模索し始めている。だが、米軍の戦略的ニーズを満たす移設先を探し出
 すのは至難の業だ。たとえ県内に候補地があったとしても、住民の理解を得るのは容易
 でなく、「第二の辺野古」のように行き詰まることは目に見えている。

 移設作業が一向に進まぬ状況に、米側はいら立ちを強めている。これについて、宝珠山
 昇・元防衛施設庁長官は「普天間飛行場は老朽化が進んでいる。日本政府が五−七年以
 内に移設すると約束したため、滑走路などの施設の改修も放置されているだろう。最前
 線にいるのになぜこのような処遇を受けなければならないのかと、部隊指揮官らが思っ
 ても不思議ではない」と指摘する。

 国防総省関係者によると、現在、西太平洋地域の航空施設再編に関する研究を政府系シ
 ンクタンクに委託しており、その結果が六月以降にまとまる予定。研究成果は最終決定
 ではないが、普天間飛行場を含めた個別施設の再編案を複数提示する内容になるとみら
 れ、米政府はそれを土台に本格的な検討作業を加速させる見通しだ。

     Kenzo Yamaoka
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対独戦勝60年に沸くロシア   
   
 国際的式典で首脳外交/相変わらず高い国民の不満
時事総研客員研究員 中澤 孝之
ソ連時代には想像できぬ式典  世界日報 掲載許可

 独ソ戦争戦勝六十周年という節目の今年はロシアにとって特別の年である。五月九日に
 はモスクワの中心、赤の広場で盛大な式典が挙行された。同式典には小泉首相ほかブッ
 シュ米大統領、胡錦濤中国国家主席、盧武鉉韓国大統領、アナン国連事務総長ら五十以
 上の国と国際機関の首脳が集い、ソ連時代を彷彿(ほうふつ)とさせる軍事パレードを
 見物した。

 ロシアでの戦勝記念の主な行事は五月二十三日、クレムリンでのブッシュ・シニア(元
 大統領)へのプーチン大統領から直々の第二次世界大戦勝利メダル授与で終わった。プ
 ーチン大統領は「栄えある大戦退役軍人としてのあなたにこのメダルを差し上げたい。
 あなたの搭乗機が撃墜されたエピソードを私は知っている」と述べた。ゴルバチョフ以
 前のソ連では想像もできない光景だ。ロシア国民は「平和の祝日、悪に対する善の勝利、
 圧制に対する自由の勝利」(プーチン大統領の式典演説から)を祝ったかに見えた。だ
 が、「戦勝記念日当日のモスクワは事実上閉鎖都市となり、町には警官があふれ、交通
 機関はストップした。市民は想像もできないほどの不便な一日を送らされた」(「モス
 クワ・タイムズ」紙五月十二日)と国民不在の祝日を皮肉る論調も現れた。

 外国から多数の賓客が集まった場所で、テロ事件など万一の不祥事が起きた場合、取り
 返しがつかない。当局が格別の厳戒態勢を敷いた事情も分からないではない。現にモス
 クワからグルジアに回ったブッシュ大統領が演説中に手榴弾を投げつけられるという事
 件が発生した。幸い不発に終わったが、本物の爆弾だったことが後で判明している。ブ
 ッシュ大統領は、「イラク戦争後、世界はより安全になった」と胸を張ったが、果たし
 てそうか。嘆かわしいことに、連日爆弾テロの起きているイラクは言うに及ばず、実際
 はどこで何が起きるか分からない物騒な殺伐とした危険な世界となってしまった。

戦勝記念日には好意的な国民

 ところで、ロシア国民の多くは、率直に、戦勝記念日の祝日を満足のうちに過ごしたよ
 うだ。十日後に発表された「世論調査基金」の調査結果によれば、79%つまり8割近
 くが式典に「満足」と答え、「満足していない」はわずか7%だった。満足の理由とし
 ては、「退役軍人に多くの関心が集まった」が21%、「祝日の雰囲気」16%、「祝
 日の準備、組織が万端」15%、「祝日行事(パレード、市民行進、花火など)」14
 %その他の順となっている。軍事パレードを直接見ていない市民が26%もいるにもか
 かわらず、87%の回答者がパレードに満足したと答えた。また、73%の回答者が式
 典でのプーチン大統領演説をテレビで見たという。世論調査でも、お祭り好きのロシア
 人の性格がよく表れている。

 祝日直前の四月末の世論調査(「レバダ・センター」)を紹介すると、まず、「五月九
 日とはどういう日と思うか」との設問に、「ロシアと他の旧ソ連の国にとっての国民的
 な祝日」が27%で最も多く、次いで「国家・公式的祝日」26%(特に年配者が多い)
 、「退役軍人にとっての祝日」25%(若年層の回答が多い)の順である。「この祝日
 の特徴となるのは何か」との設問に、「退役軍人への配慮」が59%と過半数を超えた。
 次いで「パレード、行進、花火、歓迎式典」21%、「平和の強化、すべての軍事紛争
 の撲滅」18%の順となっている。「ソ連は同盟国の支援なしに対独戦に勝てたと思う
 か」という設問に対して、「そう思う」が60%、「そう思わない」が32%だが、過
 去の調査に比べると、否定的な答えが増えている点が注目される(九一年には26%、
 〇一年21%、〇三年26%だった)。また、「戦勝記念に際して記念碑を立てるとす
 れば、誰に手向けたものがふさわしいと思うか」には、「ファシズムと戦ったすべての
 戦士」53%、「大戦期間中あらゆる国で戦没した人びと」38%の二つ合わせて九割
 を超えた。

 次に、「レバダ・センター」が調査した四月のロシア国民意識調査の一部も紹介したい。
 「ロシアは正しい方向に向かって進んでいる」と答えた者は、約三分の一の34%にと
 どまり、過半数の55%は「正しい方向に向かっていない」と回答した。「明日の日を
 信じない」は68%で、「信じる」29%をはるかに凌いだ(「絶対信じる」は2%)。
 また、「国の現状に満足」は24%で、不満は73%に上った。また国の経済政策につ
 いても、77%が「不満」で、「満足している」のは20%。ロシアのモラル面を「満
 足」とする回答者は14%、77%が「不満」と答えた。半年後の国の経済状態が「よ
 くなる」と見る答えは8%に過ぎず、「悪くなる」が20%、「変わらない」が66%
 という結果だった。概して、国民は何事にも悲観的のようだ。

プーチン大統領への期待低下

 さらに興味深いのは、「生活面でプーチン大統領からもはやプラスの結果は期待できな
 いという意見があるが、これに賛成か反対か」という設問に、「賛成」24%、「どち
 らかと言えば賛成」が39%で「賛成」合計が63%。これは、「どちらかと言えば反
 対」27%、「反対」6%の合計33%の倍に近い。ちょうど一年前の四月調査では
 「賛成」55%、「反対」37%だった。プーチン大統領の支持率は依然として高い
 (五月調査で69%)一方で、大統領に対する国民の期待度が低下しつつあることを示
 している。また、「プーチン大統領はいかなる階層の利益を代弁していると思うか」と
 の設問に、トップは「シロビキ(軍や連邦保安局など武力省庁幹部)」38%(一年前
 は40%)で、次いで「オリガルヒ(政商)、銀行家、大企業経営者」26%(同18
 %)、「国家官僚」23%(同22%)、「中流階級」22%などの順となっている。
 国民はプーチン政治をよく見ていると言っていいだろう。
    Kenzo Yamaoka
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ガザ撤退と在米ユダヤ社会   
   
 反対する正統派や右派/入植者の支援要請に応じる
獨協大学教授 佐藤 唯行
米の思惑に泣かされる入植者  (世界日報)掲載許可

 イスラエルは建国以来、五十七年の歴史の中でも、重大なひとつの選択を自ら選びとろ
 うとしている。それは言うまでもなく、今夏、その実施が予定されているガザ地区にあ
 るユダヤ人入植地からの全面撤退であり、ヨルダン川西岸地区内の同入植地からの部分
 的撤退である。

 これは軍事的な優先度が低く、またユダヤ教にとっても重要性が低いガザ地区を思い切
 って切り捨て、その分、安全保障上、より大切で、ユダヤ教徒にとり神聖な「旧約聖書
 ゆかりの地」を数多く含むヨルダン川西岸地区の支配に力を注ごうとする極めて現実的
 な戦略的選択といえよう。「全てを手に入れようとすれば、全てを失う」というユダヤ
 古来の金言をシャロンは文字通り実行しようとしているのである。

 そもそもシャロンが今回、撤退という苦渋の選択に踏み切らざるを得なかった背景には
 ブッシュ米大統領の意向が存在した。自ら進める中東民主化にむけての努力(イラク占
 領統治はその一部に他ならない)に対してアラブ・欧州諸国の支持をとりつけねばなら
 ぬブッシュはアラブ側への一定の譲歩を示す必要に迫られていたからである。

 こうしたブッシュ・シャロン両政権、それぞれの思惑の陰で泣かされているのが土地を
 追われる入植者たちである。彼等の反発は必至で、そのためシャロン政権は八月中旬に
 予定している撤退に応じない入植者に対しては軍を動員しての強制退去も辞さぬ構えを
 示している。

 こうした中、入植者たちは自分たちへの支援を募るために、目下、代表団をアメリカへ
 派遣中である。支援とりつけの対象として、彼等が狙いを定めたのは在米ユダヤ人口の
 一割強を占める宗教色の強い正統派ユダヤ教徒たちの連合組織、正統派ユダヤ教連盟で
 ある。

主要ユダヤ団体は撤退を支持

 在米正統派の多くはガザや西岸に入植している親類縁者を持ち、今回、立ち退きを迫ら
 れている人々に対して、とりわけ同情心を抱いているからである。同連盟は撤退問題に
 関して、公式声明を控えているが、個々の会員レベルでは撤退反対派が多いことは間違
 いない。これに対して在米ユダヤ人口の四割弱を占める世俗的かつリベラルな改革派ユ
 ダヤ教徒たちは撤退計画の最も熱心な支持勢力である。とはいえ、彼等は正統派の如き
 草の根の大衆動員力を持たず、圧力団体としての力量は正統派に及ぶものではない。

 主要ユダヤ人団体の多くは消極的な態度を採りながらも撤退支持にまわっている。歴代
 政権との結びつきが強く、最もエリート的な会員を擁するアメリカ・ユダヤ委員会(会
 員数五万人)は専務理事のデービッド・ハリスが個人的には静観を望むと発言しながら
 も、組織としては撤退計画を原則的に支持している。また反ユダヤ主義と闘う戦闘的な
 ユダヤ人団体、誹謗反対連盟のフォックスマン理事は「撤退支持のメッセージを述べる
 ことはつらいが必要なことだ」と述べ、今回の撤退計画はイスラエルの安全保障を促進
 するものであると、これを支持している。

 これに対して、撤退計画に公然と異を唱えているのが米国内におけるシオニスト右派を
 代表するアメリカ・シオニスト機構(略称ZOA、全盛期の会員数は二十五万人)であ
 る。

 ZOAは現在、撤退反対の広告キャンペーンを全米で展開中であり、今回の撤退を「強
 制立ち退き」と呼び非難している。会長のモートン・クラインは「我々はシャロンの流
 儀ではなく、神が望む仕方で解決するであろう」と語っている。また撤退反対の理由に
 ついてクラインは「テロを減らす」というパレスチナ側の約束はあてにならない点を強
 調している。実際、九四年にガザ地区内の入植地から部分的撤退がなされた際には、そ
 こにテロリストの根拠地が築かれ、イスラエルに対する新たなテロの波がそこから生じ
 たという苦い過去の教訓が「クライン発言」の背景にあったのである。

キリスト教右派もデモに動員

 こうしたZOAの立場を強く支持しているのは正統派ユダヤ教徒ばかりではない。篤信
 のキリスト教右派の信徒たちも、今回の撤退は神への冒涜であると信じているのである。
 四月中旬、テキサス州中部の田舎町クロフォードにあるブッシュの牧場にシャロン首相
 が訪れ、首脳会談が持たれた折、撤退反対を叫ぶ数千人のデモ隊が全米各地から集結し
 たが、その大半は実はキリスト教右派の信徒たちであったという。

 このように入植地撤退をめぐって在米ユダヤ人社会は二派に分裂している。撤退反対派
 は支持派にくらべれば数的に少ないものの、結束力とアピール能力においてたけており、
 またキリスト教右派をも同盟者として抱き込みつつある。果たして、彼等の影響力が海
 を越えたシャロン政権に撤退計画の軌道修正を迫ることができるのであろうか。今後の
 行方に注目したい。

     Kenzo Yamaoka
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今そこにある対米核テロの危機/大蔵雄之助   
   
 背景に傭兵・武器市場
お寒い米国のチェック体制
 去年の夏、アメリカで発行されたばかりの『ビンラディンのアメリカ核攻撃指令』(イ
 ースト・プレス刊)を二週間で訳した。この種の本は時事的な要素が強いので、時間が
 経過すると価値が急速に下がるからである。

 原題は「オサマの復讐」というもので、アルカイダの最高指導者であるオサマ・ビンラ
 ディンの生い立ちから、その資金源の麻薬ビジネス、パキスタン山中の隠れ家の生活、
 コーランの教えを掲げたアラブ社会に対するジハード(イスラム聖戦)の呼びかけ、そ
 して9・11に続くアメリカ核攻撃秘密計画を元FBI(米連邦捜査局)顧問のP・L
 ・ウィリアムズが独自の情報に基づいて詳細に記述している。

 私は翻訳の過程で数々の恐るべき新知識を得たが、時にはそこに展開される「新事実」
 に驚きと多少の疑念を禁じ得なかった。

 ところが、この本の発行から半年の間に、著者が書いていたことを裏付ける出来事が次
 々にあらわれた。

 最初は、彼が「アメリカ核攻撃のための休眠スパイ」と名指ししていた二人のアラブ人
 元カナダ留学生をFBIがテロリストとして指名手配したことである。

 次は、パキスタンの核開発の父と言われるアブドゥル・カディル・カーン博士と北朝鮮
 との結びつきである。ウィリアムズはカーンの助言がなかったら北朝鮮は核兵器の製造
 に必要な物資の調達さえできなかったろうと述べて、具体的な証拠を挙げていた。博士
 は国民的英雄であるために、ムシャラフ大統領は陰に陽にかばっていたが、ブッシュ政
 権の厳しい追及により、ついにアメリカの直接取り調べを許可したので、彼の核技術と
 北朝鮮のミサイル技術がバーター取引されたことがはっきりした。博士は目下軟禁状態
 に置かれている。

 第三は、斎藤昭彦さんがイギリスのハート・セキュリティ警備会社の要員としてイラク
 でアンサール・スンナ軍に殺害された事件である。斎藤さんは自衛隊の出身で、二十年
 以上フランスの外人部隊に勤務していた。日本のマスコミの報道はそこで止まっている。

 実は国際的に巨大な傭兵と武器のマーケットが存在しているのである。この本によれば、
 毎年九月にカリフォルニアで「運命の兵士展示会」が四日間開かれる。「SOLDIERS OF 
 FORTUNE」というのは、軍事能力を誇り、冒険を求める軍人のことで、彼ら傭兵志願者
 は、腕の達者な浪人の仕官先を探すように、世界中から集まってくる。そして、キャリ
 アーと技能に応じて契約が成立する。場合によっては数百万円の月給が支払われる。そ
 の代わりに一つ間違えば、消されてしまうこともある。

 不正規兵はどこの国でも罰せられる。にもかかわらず、ヨーロッパのほとんどの国は、
 警備会社という名の傭兵部隊を持っている。そこで使用される武器のうち、機関銃程度
 まではこの展示会場で現物が入手できる。それより大きい物や複雑な製品は中近東やア
 フリカで引き渡される。こうした背景を理解しないと、イラクやアフガニスタンの実情
 は分からない。

 もう一つ、五月二十五日にアメリカ上院での「コンテナー監視穴だらけ」の調査報告書
 公表がある。この報道では、アメリカに到着するコンテナーは全部の0・3%しか内容
 検査が行われておらず、税関が危ないと認定したコンテナーでさえも検査率は17・5
 %に過ぎないという。

 しかしながら、そんなことは、とっくにこの本に書いてある。アメリカの港には毎日一
 万六千隻の船が入り、年間二千百四十万dの物資の輸入がある。もしも全量を検査しよ
 うとすれば、天文学的な費用を要するだけでなく、港湾作業は停滞してアメリカ経済は
 崩壊する。だから、どんなに人間の入国審査と手荷物検査を厳重にしても尻抜けである。

 中でも危険なのが、ソ連の末期に秘密裏に登場したスーツケース型核兵器だ。ソ連の消
 滅で所在不明になっている小型核爆弾二十個をオサマ・ビンラディンは秘かに購入して、
 すでに大部分をアメリカに送り込むことに成功しているという。メインテナンスがどれ
 くらいきちんと行われているかに問題がないわけではないが、自爆テロを想定すれば起
 爆は比較的容易らしい。こうしたことがアメリカで発表されないのは国民の動揺を恐れ
 るからだろう。
 日本も「報復」の対象になりうる。そのアルカイダ理論はぜひ本書でお読み頂きたい。
(評論家)世界日報 掲載許可

    Kenzo Yamaoka


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