2007.日本国の刷新・再生



◯ 「日本国の刷新・再生」(34) ―21世紀研究会― (nss0505.txt)
                     n21cq@yahoo.co.jp

★ 『JR西日本の暴走横転激突事故を検証・総括する』★


★ 『要旨』
 1、電車運転士の不適当操作(高速運転維持区間の選択・ブレーキをかける
タイミングとその強度)が、事故の第一の原因ですが、それを惹起した要因遠
因は多岐にわたります。

 2、ゲージ(軌間=レール幅)・カント(カーブにおける左右レールの高低
差)・カーブ半径・速度(列車の時速)、この相互間のバランスを無視した走
行が、第二の原因です。

 3、車体と台車をつなぐ方式・バネの形状及び、車両全体の総重量と車両上
下の重量配分が、コストダウンと乗客の快適さに役立つとしても、高速走行に
は不適当であったことが、第三の原因です。

 4、列車ダイヤに余裕が少なすぎ、つまり、安全運転のためには、停車時間
と各駅間の運行(走行)時間が不足し、定時(ダイヤ通りの)運転が困難であ
ったことが、第四の原因です。

 5、JR西日本の経営指針には、「安全」の標語がなく、JR東日本とJR
東海に負けないように、「稼ぐ」「効率」「利益至上」に傾斜していました。
規則違反の運転士教育が不適切で、これが第五の原因(最大の遠因)となって
います。

 6、JR西日本がスピード・利便性・乗り心地を重視、安全性軽視に走った
背景には、現地住民(乗客)の方の嗜好(選択)が関係しております。

 7、JR西日本の今後の会社運営指針について、示唆する事項(時間短縮=
スピードアップから他のサービス方式へ)を述べます。



★ 『本文』

◇ 1、2005年4月25日(月)9時3分、JR福知山線(愛称宝塚線)の宝塚駅を
定時に出発した7両編成の快速電車(5418M、JR東西線・片町線(愛称学研都
市線)経由の同志社前行き)は、伊丹駅のオーバーランによる1分半の遅れを
挽回するため、運転士の気持ちが焦っていたと推測されます。

 1-1、猪名寺・塚口駅付近を最高速度(時速126キロ前後)で走行し、名神高
速道をくぐった後の右カーブにおいて、高速のまま非常ブレーキを作動させた
ため、規定の時速70キロへの正常な減速に失敗し、右車輪を浮かしながら、左
側へ約45度横転状態のまま暴走し、同9時18分頃、線路左手そばのマンション
(尼崎市潮江5丁目)一階の駐車場部分に突入するように激突しました。

 1-3、死者107名、負傷者は約500名を越え正確な数は未確定です。これは、
旧国鉄分割後では、日本で最悪の鉄道事故であります。


◇ 2、ゲージ(軌間=レール幅)を「G」mm、カント(カーブにおける左右
レールの高低差)を「C」mm、カーブ半径を「R」m、列車の秒速を「V」mと
した場合の鉄道工学上の公式は、次の通りと言われています。

CgR=GVV (VVは、Vの二乗の意味、速度の二乗に比例します。gは、
地球の重力で9.8です)

 列車の速度を時速「S」kmで表示しますと、(V=S÷3.6、時速108kmであ
れば秒速30mとなります)C=G×(S÷3.6)×(S÷3.6)÷(9.8×R)、つまり、

カントを求める式は、 C=G×S×S÷127R となります。

 2-1、JR在来線のゲージ(軌間)は、当該福知山線を含めて全て1067mmで
あり、事故現場の必要な「カント Cant」の理論値は、下記の計算の通り、326
.65mmとなります。設置されていたカント97mmの高低差では、安全運行にとり
大幅に不足していることが明白であります。(108kmは、カーブ起点付近の列
車時速、当該カーブは半径300m) 1067×108×108÷127÷300→326.65mm

 2-2、事故現場での「安全速度」を上記の公式(SS=127RC÷G)に当て
はめますと、58.85kmとなり、108km(カーブ起点付近の時速)の55%程度の速
度でないと、絶対的な安心は得られないことになります。但し、現実的には車
輪にフランジ(車輪内側の突起部分のこと、レールの内側との接触で脱線を防
止)があり、もう少し速度(70キロが限界?)があっても耐えられます。
SS=127×300×97÷1067、これを開平(√、ルート)しますと、58.85km

 2-3、日本の鉄道開発時代の混乱(ゲージ一本化の失敗)が、下記の通り現
在でも続いています。現在の列車の「高速化による安全性確保」と「相互乗り
入れ」の利便性を勘案すれば、当初から全て1435mmのゲージ(軌間)を採用す
べきであった、と言わざるを得ません。

 (注1) 関西・関東等の主な鉄道のゲージ(軌間)は、次の通りです。
 『1435mmを採用するもの』―関西の私鉄に多い、
JR新幹線・阪急・阪神・京阪・近鉄(主要路線12本)・大阪地下鉄・京浜急
・京成・新京成・北総開発・都営(浅草線)・メトロ=旧営団(丸の内及び銀
座線)・横浜市営・西鉄(大牟田線)等
 『1372mmを採用するもの』
京王(井の頭線を除く)・都営(新宿線)・都電・東急(世田谷線)
 『1067mmを採用するもの』―関東の私鉄に多い
JR在来線・メトロ(丸の内及び銀座線を除く)・東武・西武・都営(三田線
及び大江戸線)東急(世田谷線を除く)・小田急・相模・京王(井の頭線)・
埼玉高速・名鉄・南海・近鉄(ローカル路線7本)・西鉄(宮地岳線)・福岡
市地下鉄・江ノ電等

 (注2) 経営主体の異なる企業間における、列車の相互乗り入れの概要は、
次の通りです。関東が多く、関西は少ないです。(数値はゲージ、mm)
東武東上線・森林公園――メトロ有楽町線・新木場、1067
西武池袋線・飯能――メトロ有楽町線・新木場、1067
JR中央線・三鷹――メトロ東西線――JR総武線・津田沼、1067
埼玉高速・浦和美園――メトロ南北線――東急目黒線・武蔵小杉、1067
都営三田線・西高島平――東急目黒線・武蔵小杉、1067
京王相模線・橋本――都営新宿線・本八幡、1372
小田急本線・本厚木――メトロ千代田線――JR常磐線・取手、1067
東急田園都市線・中央林間---メトロ半蔵門線---東武日光線・南栗橋、1067
東急東横線・菊名――メトロ日比谷線――東武伊勢崎日光線・東武動物公園、
1067
京浜急本線・羽田空港---都営浅草線---京成押上線・青砥/成田空港、1435
 (以上首都圏)
大阪地下鉄堺筋線・天下茶屋――阪急京都線/千里線・高槻/北千里、1435
大阪地下鉄中央線・大阪港――近鉄東大阪線・生駒、1435
 (以上関西圏) 


 2-4、競輪場のカーブ地点・モーグル(氷上の多彩なジャンプ回転競技)の
土手(バンク)の傾斜(鉄道のカントに相当)は、非常に大きなものです。列
車が高速でカーブを走行すれば、大きな遠心力を前提として大きなカント(左
右のレール高低差)が不可欠です。

 2-5、国土交通省では、余り大きなカントは容認していない(ゲージ1067mm
の場合はカント105mmまで?)と聞いていますが、カーブで停車した場合の車
両と乗客の安全性を勘案しつつ、カーブでの高速安定走行に適するためには、
大きい「カント」を基準に、レールを敷設する必要があります。

 2-6、今回の横転事故は、ゲージ(軌間)・カント(左右レールの高低差)
・カーブ半径・速度(列車の時速)、この相互間のバランスを無視して、無理
な高速走行に依存せざるを得ない時間短縮のダイヤ編成を断行し、目先の儲け
主義に走ったことが、結果として、安全と人命軽視になった訳であります。


◇ 3、横転事故を起こした電車は、207系(206もほぼ同様)というステンレ
ス製の通勤快速型の車両で、旧来の100〜103系の鋼鉄製電車に比較し4〜5トン
軽くできています。

 (注3) 5418M電車の編成は、1−4両目がZ16編成、5−7両目がS18編成で、次
の通りとなっておりました。
1両目、クハ(運転台付き、モーターなし)207−17、車重約26トン
2両目、モハ(モーター付き)207−31、車重約36トン
3両目、モハ(モーター付き)206−17、車重約36トン
4両目、クハ(運転台付き、モーターなし)206−129、車重約26トン
5両目、クモハ(運転台付き、モーター付き)207−1033、車重約37.5トン
6両目、サハ(運転台もモーターも共になし)206−1019、車重約24トン
7両目、クハ(運転台付き、モーターなし)206−1033、車重約26トン

 (注4) パンタグラフは、2両目と5両目にあり、モニター制御装置(速度
・アクセル・ブレーキ等の操作及び機器の異常情報を記録)が、1,4,5,7両目
にそれぞれ搭載されており、事故当時の状況解明に役立っています。

 3-1、当該事故車両は、車体と台車の緩衝部分がボルスタルス(空気バネ)
方式を採用しているため、従来の板バネ(貨車の主力・0系新幹線車両)・軸
箱守式(103系)・モノリンク(223系209系の電車でコイルバネを使用)等に
比較し、乗り心地は良いのですが、横揺れや遠心力に弱いという欠点がありま
す。

 3-2、207系車両は、エアコンを天井部分に配置して、効率化を図ったため、
車両の重心が高く、安定性を欠く設計となっています。コストダウンに役立ち
、乗客を快適にする効果はありますが、電車を高速で走行させると、特にカー
ブにおける危険が増大します。


◇ 4、列車ダイヤが過密(本数が多すぎる)という見解がありますが、本数
は、首都圏のJR中央線快速等の方が多く、的外れであります。

 4-1、列車ダイヤに余裕が少なすぎる、つまり、停車時間と駅間の運行(走
行)時間にゆとりがなく、安全運転が極めて困難な(無理な走行を余儀なくさ
れている)ことが、今回の横転事故を誘発した、と言わざるを得ません。


◇ 5、JR西日本という会社自体のモラル・方針が、稼ぎ・効率・利益優先
に拘泥し(私鉄に追い付き追い越せ、顧客を奪取せよ作戦)、「安全」の観念
が不足し、ATS(自動列車停止装置)の改良型設置を先延ばしし、規則違反
を犯した運転手育成方法(運転技術・マナーよりも、心理圧迫的な日勤教育を
採用)に手抜かりがありました。

 5-1、JR西日本は、狭いゲージ(軌間1067mm)で高速走行安定性を欠く線
路構造にありながら、速い(乗車時間の短縮)・利便性あり(乗り換え不要又
は乗り換え時間短縮)を武器に、高い(運賃割高)・危険な運行(走行)を容
認していました。


◇ 6、JR東西線片町線の直通運転及びJRのスピードアップ等を契機に、
JR西日本は、20%乗客を増やし、私鉄は逆に、20%の乗客減となったと言われ
ています。

 6-1、つまり、JR西日本は、スピード・利便性・乗り心地をエサに乗客を
獲得し、無理な(時間に追われる乱暴な)運転の結果、万一事故が発生すれば
、その時勝負だ、という安全(人命)軽視の社風にあったと申せます。

 6-2、関西住民の相当多くの人は、運賃と安全性よりも、速度と利便性を重
視されていたことになります。ちょっと(5−15分)早めに家を出て、安全性
の高いゲージ1435mmの私鉄を選択する人が減少し、高いカネを払って、人命軽
視でも、目先の便利さを提供するJR西日本の方を重宝、と思われていたと推
測せざるを得ません。

 (注5) 宝塚・川西――大阪間のJRと阪急の比較表
JR宝塚―JR大阪、25.5km、480円、快速で約23分
阪急宝塚―阪急梅田、24.5km  270円、急行で約35分
JR川西池田――JR大阪、18.7km、320円、快速で約15分
阪急川西能勢口―阪急梅田、17.2km、260円、急行で約20分

 (注6) 列車が新幹線・ジェットコースター・飛行機に近づく高速を運行す
る(例えば時速200kmまでスピードを上げる)ためには、次のような条件が必
要であります。
・ゲージ(軌間)を広くする、1067mm→1435mm(新幹線・関西私鉄並みに)
・レール自体と線路下の路盤(枕木等)を高速に耐え得るものとする
・カーブを緩くする(カーブ半径Rの値を大きくする)
・急なカーブの場合は、必ず緩和カーブをもうける
・カント(レールの左右高低差)を大きくとる(例、ゲージ1067mmの半分程度
、カント533mmを採用すれば、半径300mの事故現場でも、約138kmの高速に耐え
られる)
・フランジ(車輪内側の突起)を長く丈夫な構造にする
・脱線防止ガードを設置する
・車両自体を低重心にする(エアコン等の重い機器は天井から床下へ)
・車体と台車の接続とバネ形状を、遠心力に強いもの(板バネ等)にする
・立ち乗りを禁じ、座席を新幹線・高速バス・旧来の客車と同様の向きに変更
し(ベンチ式長いすを廃止)、乗客にはシーベルトの着用を義務付ける
・停車駅を減らして、発車停車時の速度減少を圧縮する
・運転士の二人制を採用する
・CTC(列車集中制御)方式を採用する
・保線管理(置き石対策等)を強化する


◇ 7、JR西日本の現況は、前項(注6)のような高速運行に適する諸条件を
満たしておりません。かかる条件を相当程度満たすためには、莫大な設備投資
を要し、収支の採算が極めて困難と推測されます。

 7-1、JR西日本は、ゲージ(軌間)が1067mmと狭く、もともと高速運行に
適しないことを心に深く刻み、時間短縮(スピードアップ)を全面的に廃止し
、安全性(赤信号及び速度超過でブレーキが作動するATS―Pの設置、停車
時間の延長)・快適さ(乗り心地と従業員の応対)・乗り換え時の便利さ・運
賃引き下げ等を優先させることが緊急課題であります。

 (注7) ATSに関する性能
ATS旧型は、一般的にATS―Sと呼ばれ、JR各社での正式名称は異なっ
ています(例、東日本は―SN・東海は―ST・西日本は―SW・九州は―S
K)。しかし、実質的な差は殆どなく、原則として、赤信号の場合はブレーキ
が自動的に作動するものです。従って、速度超過には反応しません。
ANS―Pになると、上記本文(7-1)のように、速度超過の場合でも効果が
あります。

 7-2、日本の人口減を念頭において、乗客数に応じた企業規模とする等、旧
国鉄時代の悪しき企業風土を完全に一掃することが肝要と考えられます。

(nss0505.txt完)
==============================
「良い国日本の再興」 日本戦略の研究会(日戦略研)
  2005年05月第4週               npslq9@yahoo.co.jp


★ 表題: 「田中流(ナガレ・承継者)と小泉改革の暗闘」
 050524      寄稿: ピーター・スミス ptsm0@infoseek.to

◇ 小泉純一郎氏の「自民党をぶっ壊す」という発言の真意は、田中角栄氏に
始まる田中流(ナガレ)とその承継者を倒す、つまり、「土建と逓信(郵政)
国家」の日本を改変する、換言すれば、建設・運輸・郵政の族議員(通称抵抗
勢力)と、それを取り巻く官僚連中の無力化を図るということとなります。

◇ 前項の画策は、改革結果の功罪・損得及び成果とは無関係に断行されてい
ます。小泉純一郎氏が道路公団及び郵政事業の民営化に、何処までも固執して
、絶対に譲らない態度に現れております。これは正に「政治路線の権力闘争」
と言わざるを得ません。

◇ 小泉純一郎氏の背後には、巨大な国際組織の影(陰)があると推定してお
ります。田中流(ナガレ)に対抗する三木元総理の流(ナガレ)は、日本の検
察に米国の諜報を関与させ、「ロッキード疑獄」を立件して、田中角栄氏を失
脚させました。更に、小泉氏を総理総裁に押し上げてくれた田中真紀子氏(田
中角栄氏の長女・元外務大臣)を追い出し、最近では「日歯連の献金事件」を
表面化させて、田中流(ナガレ)の橋本派の牙(影響力)を除去しました。

◇ 小泉純一郎氏の靖国神社参拝持続は、China 側を怒らせ、日本からChina
へのODA(政府開発援助)を途絶えさせ、結果としてChina からのキックバ
ック(見返り)が田中流(ナガレ)に環流する道を断つ意図を感じます。――
筆者は、China へのODA廃止自体には賛同しますが、小泉手法には、違和感
を持っております。

◇ 米国のフーバー研究所にも在籍していた、優秀な経済学者・植草一秀氏を
相当期間にわたって捜査員(刑事)に尾行させ、その失脚を謀ったのは、単な
る「のぞき見のわいせつ行為」の摘発ではありません。

◇ 前項には、二つの意味意図を感じております。第一は、政府の緊縮財政に
反対の論陣を続ける植草一秀氏を追い落とすことです。第二は、少しでも脛に
傷を持つ(後ろめたいものがある)議員・官僚に対する強い警告です。つまり
、「小泉改革」に反対する者は、『些細なミスでも、遠慮なく摘発するぞ』と
いう脅しであります。

◇ 郵政改革に反対の議員と官僚は、極めて多数います。しかしながら、最後
まで身体を張って(政治ないし官僚生命を賭けて)、阻止を断行する人材は非
常に少ないです。形だけ小泉純一郎氏に花を持たせて、小泉改革の「内容を無
にしよう」と目論んでいる議員・官僚が大多数であります。

◇ 現在の日本にとり、大改革は絶対に必要です。しかし、改革の内容を間違
えると、大変なことになります。日本は北アルプスの細い稜線(縦走路)を、
風雨に煽られながら、手探りで歩いているようなものです。

◇ 左右のどちらに傾いても谷底に転落します。一つの谷は、巨大な「国際組
織の言いなり」となり、日本が解体・崩壊の道へ落ち込む危険です。他の一つ
の谷は、改革とは名ばかりで「実」を伴わず、旧来路線の継承で放漫財政のム
ダ使いを続ける「財政破綻」への道です。


★ 表題: 「議員と官僚は、邪悪な共犯者」
 050524              寄稿: 比企浩美 hqhm@csc.jp

◇ 日本が財政破綻への道を歩んで止められない出発点は、国家予算の要求・
審理・決定の過程にあります。各省庁の担当者や幹部は、一円でも多くの予算
を獲得しようと懸命です。少しでも多くの予算を獲得した者が、有能な人材と
評価されるからです。

◇ 財政の健全化のためには、歳出の削減が至上命令です。財務省の主計官が
どんなに頑張って、正論を大きく通そうとしても、応援団の議員・政治家が関
与(口出し)して、政治闘争の場と化し、「予算編成に関する力学」によって
、旧来と大差ない不合理な(費用対効果の低い)予算原案に落ち着いてしまい
ます。

◇ 小泉純一郎氏の大改革の号令も、カネ(予算)の面は殆ど無視されていま
す。予算が、国家や国民の未来のためにならず、一部国会議員の次回当選のた
めに、流用されているケースが多発しています。結局、議員と官僚がつるんで
(邪悪な共犯者となって)、日本の国家財政を食い物にしていると言わざるを
得ません。

◇ 与党とその議員は、現在のシステムが長く続くことで、利得を得ている人
が支持(投票)している仕組みで成立しています。もし、財政削減を本当に断
行し、日本の財政を正常化すれば、自分達が居所を失うと考えています。

◇ 民主主義と選挙制度は、「闇の勢力」が中世型の封建国家を倒すために人
為的に創作したものです。一見理想的に見えるため、日本を含む世界各地で採
用されていますが、殆どの国家社会で「財政危機」を既に招いてしまったか、
或は現在招きつつあります。

◇ バブル以降の日本は、民主主義と選挙制度の欠陥面だけが増幅され、既に
戻り(引っ返し)難い、ぬかるみの迷路に迷い込んでいます。相当数の「心あ
る日本人」が、死を賭して、革命的な改革に突入する外はないでしょう。


★ 表題: 「テレビとパソコンの接近融合」
 050524            担当: 菅貞蔵 kntz0@yahoo.co.jp

◇ 日本放送の敵対的な買収事件(ライブドア対フジテレビ)によって、テレ
ビとパソコン(インターネット)の接近融合が、脚光を浴びるようになりまし
た。

◇ テレビは、発信者が少数且つ固定的(放送免許・電波割り当て・放映時間
という枠)で、更に、情報通信が原則として一方通行的(発信者から受信者へ
のみ)であります。

◇ このまま放置すれば、インターネット(パソコン)の自由度、番組の多様
性(数十〜数百チャンネルの報道・スポーツ・娯楽・音楽・ドラマ)、双方向
発信性(いわゆる受信者も簡単に発信可能)によってテレビは追い付かれ、や
がて追い越される危険があります。

◇ 政府(官僚)のインターネット規制によって、当分の間は、テレビの権威
を保つ可能性があります。しかし、誰でも何時でも、過去の番組やドラマ等さ
えも、パソコンを活用する利用者の都合で、内容(コンテンツ)を見(アクセ
スし)・保存(ダウンロード)し、編集することが可能となれば、必ず、テレ
ビの視聴率は急落し、広告収入は大幅減となります。

◇ テレビは、スイッチを入れると直ぐに見ることができ、安直で簡単ですが
、受動的なメディアです。一方、インターネットは、キーボードと指を使って
、処理する能動的なメディアです。グーグル等の検索機能を活用しますと、相
当高度な専門的な情報をも取得できます。

◇ インターネット(パソコン)の一般大衆化と通信速度の向上(ブロードバ
ンド化)は、テレビ放送業界だけでなく、出版企業と書店経営及び図書館利用
に対して、売上の減少や利用者の減少対策という重大な改革を迫ることとなり
ます。郵便事業(信書をあまり発送せず、電子メールを活用)と著作権に対す
る大きな影響も否定できません。


★ 表題: 「専業主婦より専業主夫=教育者を推奨する」
 050524          担当: 岸田与志 qxd44@yahoo.co.jp

◇ 2004年の内閣府の世論調査で、「夫は外で仕事、妻は家庭」という伝統が
揺らいでいるとの結果が出ました。女性の社会進出意識もありますが、夫婦共
稼ぎをしなければ、生活が苦しいという現実も予想されます。

 (注1) 前項の趣旨「夫は外で仕事、妻は家庭」に賛成及び、どちらかとい
えば賛成の合計です
 昭和54年(1979年)は、72.6%、否定的が、20.4%
 平成16年(2004年)は、45.2%、否定的が、48.9%
2004年の場合、男性の賛成派は49.8%と反対派の43.3%を上回ったものの、女性
は賛成派が41.3%で反対派の53.8%を下回っています。

 (注2) 女性は、いつまで職業(仕事)を持つが良いか(2004年の内閣府調
べその他)
 ずっと続けるが良い―44.9%―が多い反面、結婚するまで―6.7%―、子供が
できるまで―10.7%―も、かなりあります。

◇ 女子大生を中心として、若い女性の間で、「専業主婦」を夢見る人が、次
第に増えています。キャリアウーマン、特に結婚後の仕事は、精神と肉体を非
常に消耗します。それより料理や掃除等の家事をこなしつつ、子育てと趣味で
、ゆとりのある人生を楽しもうというものであります。

◇ もともと、生物(特に動物)は、子孫繁栄(排卵出産と子育て)に、極め
て大きな精力を費やして来ました。現在の日本人は、動物の持つ本能的な原理
原則を捨てて、自分達だけの目先の欲望と快楽(マイホーム・趣味娯楽等)に
走り、子孫や国家社会、民族の将来のことを忘れ去ろうとしております。

◇ 古来の武将・指導者達は、乳飲み子の時は、乳母(メノト)に子育てをさ
せましたが、もの心ついた頃には、適当な傅役(守り役=有能な男子教育係)
を付けて、文武両道の英才・帝王学教育を実施したものであります。

◇ 当該民族にとって最も肝要なことは、優秀な子孫を育成することでありま
す。0−2歳の乳幼児の時期には、女性が子育てに適していましょうが、その後
は、家計を中心とする諸般の事情が許せば、「専業主夫」により、子供の精神
・胆力・知能・体力を鍛えることが、最高に良いと考えております。

◇ 庶民の場合、前々項・前項の理想形態は無理だとしても、少なくとも夫婦
のいずれかが、子育てに「専業」する必要があります。「夫婦共稼ぎ」「目先
の快楽追求」は、多くの場合子育てに失敗し(いびつな子が育つ)、その民族
の将来的な衰退・没落・滅亡の重大要因となります。

◇ 「専業主婦」と「専業主夫」のいずれが良いかは、当該夫婦(男女)の意
識・能力・環境によります。ただ、保育園・幼稚園において、男性保育士の人
気が非常に高いことを注目する必要があります。

◇ 家事と子育てを全うするには、相当の体力・智慧・努力・忍耐を要するも
のです。一般的に男性の方が高収入(家計上有利)というハンディ・キャップ
(不利益)を克服できれば、子供(子孫)のためには、「専業主夫」=教育者
の方を推奨します。

(2005年05月第4週完)

コラム目次に戻る
トップページに戻る