1952.日本国の刷新・再生



◯ 「日本国の刷新・再生」(32) ―21世紀研究会― (nss0503.txt)
                     n21cq@yahoo.co.jp

★ 『企業価値と信義則、ニッポン放送事件から、日本産業経済基盤の動揺を
考察する』★


★ 『要旨』
 1、ニッポン放送の新株予約権発行が、ライブドアによって差し止められま
した。今後は、日本の上場会社が常時、突然のM&A(合併・買収)の危険に
晒され、一夜にして転覆させられる危惧が高まっています。

 2、特定の第三者を対象とする「新株予約権」、及び「企業価値」を論点に
据えたのでは、企業防衛はできなくなりました。

 3、ニッポン放送・フジテレビ側が、勝てた可能性のある緊急非常対策を検
証してみます。新株予約権付与の対象者を「信義則に反する乱入者」以外の全
株主に拡大し、政財界・メディア・国民の声を味方につけ、現経営者の保身の
疑惑を排除することが肝要でした。

 4、「企業価値」の核心に迫り、会社私物化の観念を排除する必要がありま
す。会社を、使い捨ての消耗品(M&Aの道具・マネーゲームのおもちゃ・金
儲けの踏み台)とする考え方は、日本では間違っています。

 5、グループや国家は、「一部分の切り捨て」と「死守すべき信念」があり
ます。目先の欲(利害)に拘泥して、信念信条理念を失って行けば、やがて産
業経済基盤の多くを、「カネの外資」に制圧されることとなります。



★ 『本文』

◇ 1、ニッポン放送の新株予約権発行が、ライブドアによって差し止められ
ました。東京高裁は地裁の仮処分を支持し、ニッポン放送の保全抗告を棄却す
る決定を2005年3月23日に下しました。

 1-1、この事件は、日本の上場会社が今後は常時、突然のM&A(合併・買
収)の危険に晒され、防衛策には泥縄的ではなく、事前の綿密な対応策が不可
欠なことを意味する、重要な判例となります。

 1-2、外資・急成長企業者等による日本企業買収が、上記判例により非常に
容易になりました。日本の産業経済基盤である上場会社を、地震の襲来の如く
、一夜にして転覆させる手法が確立したことになります。

 1-3、日本の古い経営体質が打破されたと、単純に喜んでばかりはおられま
せん。産業経済基盤の動揺は、一般株主・顧客(一般国民)・役員(経営陣)
・従業員・関係者(タレント・出演者・作家等)の犠牲の上に、「一握りのカ
ネの亡者」や「国外からの乱入者」だけに利益を与える可能性が、著しく高ま
っています。


◇ 2、ライブドアの買収行動に対して、ニッポン放送がとった対応策(新株
予約権)と主要論点(企業価値)は適切でありませんでした。これが、今回の
仮処分事件に関するニッポン放送側(フジサンケイグループ)の敗因と思われ
ます。

 2-1、新株予約権の割当先を「フジテレビ」一本に絞ったため、紛争当事者
(ライブドア・ニッポン放送)に無関係の一般株主が、大きく割り損となりま
す。つまり、新株予約権は、フジテレビの経営権支配を主たる目的とし、「著
しい不公正な発行」に該当すると言わざるを得ません。

 2-2、ニッポン放送側が強く主張した「企業価値」の概念は、企業経営上の
問題であり、裁判所の判断に適しません。

 2-3、ライブドアの立会外取引(時間外取引)の違法性は、極めて黒に近い
「灰色」ではあっても、完全な法令違反ではないため、裁判所の判断を逆転さ
せる効果を発揮できませんでした。裁判所は、日本の将来を見通した大局的な
判断に立つことができず、現行の法令の下僕となり、曲芸的な裏街道を認め、
「法の精神=立法趣旨」を無視したものとなりました。

 2-4、フジテレビ首脳が行ったテレビ等での言動は、M&A対策を怠って来
たフジサンケイグループの現経営陣が、自分達の「保身を主にしている」との
印象を与え、政界・財界(経済産業界)・市場関係者・一般国民の十分な応援
(支援・エール)を得られませんでした。


◇ 3、ニッポン放送・フジテレビ側が、勝てる可能性が高かった緊急非常対
策を、遡って考えてみます。

 3-1、新株予約権は、ライブドアが立会外取引(時間外取引)により買収し
た「30%弱の株式、つまり極めて黒に近い部分」を除く、他の全株主(ライブ
ドアによる市場内取引の正当購入分を含む)に平等に割り当てるべきでありま
した。これならば、「著しい不公正な発行」の汚名を回避できました。

 3-2、外資を背景(スポンサー)とし、曲芸的な資金提供(リーマン・ブラ
ザーズ証券を引受先とする総額800億円の転換社債型新株予約権付き社債発行
、しかも、堀江社長個人保有のライブドア株式を貸株し空売りを容認)は、現
在の法令に照らして違法ではなくとも、友好的な売買を想定した証取法の「立
法精神」に明らかに反している点を強調すべきでした。

 3-3、法律は、最低限度の道徳的な規範であります。証取法の法令整備の隙
を突いたライブドアによる時間外(立会外)取引による株式取得は、株式公開
買い付け(TOB)制度の趣旨に反し、「信義則」を全く逸脱する、「違法す
れすれ」の行動と言わざるを得ません。

 3-4、「形式的に違法でないことが、即、正しい(合法)とは言い切れませ
ん」、まして「形式的に違法ではないように装った行為が、当然『合法』であ
る筈がありません」、「日本の企業経営は、事実上の『違反』を跋扈させる如
き判例が出されると、今後の運営に大いに支障がある」、このような、高所に
立つ政治経済的な論点を、ライブドアの企業買収行動に対する判断(裁判所の
決定)に当てはめるよう、政財界・メディア・国民の声を挙げて主張すべきで
ありました。

 3-5、企業(特に上場企業)は、現在の経営陣と高給取りの幹部社員を利す
るための存在ではなく、一般株主・顧客(取引先・視聴者・一般国民)・従業
員・関係者(タレント・出演者・作家等)に対して総括して奉仕すべきもので
あることを、ニッポン放送・フジテレビ側は、強調すべきでありました。

 3-6、つまり、外資の手先(先兵)となって踊るライブドアの買収攻勢が、
今後の日本経済産業界のためにならない(日本を危機に陥れる)ことを、証明
(疎明・各関係者の意見を結集)する努力に欠けていました。

 3-7、ニッポン放送・フジテレビ側は、「企業価値」の重要性を裁判上強調
する傍ら、「焦土作戦」行使の可能性をメディアに対して漏らすなど、極めて
不謹慎でありました。資産を分散(他に譲渡)させ、占領軍(念頭にライブド
ア)の実行支配価値を激減させる「焦土作戦」は、「企業価値」を逆に低下さ
せることが明白であります。従って、「焦土作戦の断行予告的な発言」は、産
業界・経済人の気持ちの離反を招き、裁判所が「企業価値」の当否判断を逃避
する原因を増幅しました。


◇ 4、ニッポン放送事件を契機として、「会社は誰のものか」「企業価値」
の論議が盛んになっております。「株式会社」は、第一義的には、株主のもの
と言わざるを得ません。米国には、こうゆう考え方が強いです。

 4-1、しかしながら、会社が大きくなり関係者が増え、国家社会に広く根を
張る存在となりますと(その典型例が株式市場への上場)、公共性を増加させ
るべきであります。会社は、その存在価値を失わない限り、長く継続すべき存
在です。単なる使い捨ての消耗品(M&Aの道具・マネーゲームのおもちゃ・
金儲けの踏み台)ではありません。

 4-2、米国型は株主の絶対的な優位が続き、会社自体の売買合併(M&A)
が広く当然のこととなっています。一方日本型は、現経営陣及び従業員重視指
向が強すぎ、株主・顧客(取引先・視聴者・一般国民)・関係者(タレント・
出演者・作家等)が軽視される傾向が続いて来ました。これは、年功序列・終
身雇用との関係が濃厚と申せます。

 4-3、先般からの商法・証取法の改定方向は、明らかに「米国型」を目指し
ています。旧来型の現経営陣及び従業員重視指向の首脳は、M&Aで一挙に放
逐される危険が増大して来ました。その典型例が、フジテレビやニッポン放送
であります。

 4-4、「企業価値」は先ず、財産的な価値が重要であります。会社の純資産
額(健全総資産から総負債を引いた金額)を叩き台に、社会的な存在価値(暖
簾・成長性)を加味したものとなります。上場会社なら平常時(経営権争奪等
の異常事態時期を除外)の『株価×総株数、おおむね株式時価総額』が重要な
目安となります。

 4-5、「企業価値」を高めるためには、先ず会社が利益をあげ、資産内容を
充実させ、株主とその他の全関係者に妥当な分配を実行し、会社の社会的な信
用を高めることです。これが経営陣の最大の仕事(役目)であります。

 4-6、経営者一族が会社を私物化に走れば、特に上場会社の場合、社会的な
糾弾(M&Aや非難)を受けることとなります。その例が堤一家の西武グルー
プとも言えます。


◇ 5、グループ(国家も同様)が、重大事態(存亡の危機)に陥った場合は
、涙をのんで(耐え難きを耐えても)、一部分の切り捨てを断行しなければな
らない時があります。

 5-1、1940年代の日本が正にそうでありました。最大の実力を誇る米国と闘
う(宣戦布告する)には、日支事変(日本とChina との戦争)は、和解等で即
座に終結する必要(日支事変での犠牲者の切り捨て)がありました。全面戦争
(対米中英蘭との戦闘)の持続が、日本の経済力・総力を消耗させ、1945年の
大敗北に至りました。

 5-2、前項の日本の失敗は、秀吉対毛利の戦いにおける「岡山の高松城」の
水攻めを全く学習していませんでした。光秀の謀反による信長の死(本能寺の
変)を知った秀吉が、突如として採用した「休戦和解戦法」によって、秀吉が
天下を奪取した歴史の教訓を無視し、逆の手法(全面的な応戦と救済方式)を
選んだことが、1945年敗戦の重要な一因と言わざるを得ません。

 5-3、フジサンケイグループ(日枝会長等の首脳陣)は、ライブドアによっ
て致命的な打撃を蒙った(再起不要の状態に至った)ニッポン放送を救済しよ
うとして、新株予約権の割当先を「フジテレビ」一本に絞る不適正な防御策を
使い、同グループを全面な解体に追い込む土壇場に近づけました。

 5-4、フジサンケイグループは、ニッポン放送をライブドアに献上する(ニ
ッポン放送を同グループから分離する)ことで、本体のフジテレビを死守し、
加えてフジサンケイグループの安泰を図る戦略(起死回生の方策)に大転換し
つつあります。

 5-5、具体的には、ニッポン放送が保有するフジテレビ株式の13.88%をソフ
トバンク・インベストメント(SBI)に、8.63%を大和証券SMBCに、い
ずれも貸株とします。この窮余の一策によって、ニッポン放送が保有していた
フジテレビ株式22.51%は、全て消滅します(議決権もなくなります)。

 5-6、前項の施策によって、ライブドアがニッポン放送を完全に支配下に収
めても、フジテレビに対する影響力(圧力)を行使することができなくなりま
す。

 5-7、フジテレビは、日本の大企業約50社に対して、同社の株式を追加又は
新規保有するように要請を始めました。フジテレビ自体の安定株主作りを推進
して、フジサンケイグループの基盤を堅固なものとする戦略であります。しか
しながら、この作戦が、現在のフジテレビ経営陣と幹部社員の保身を主たるも
のであれば、財界経済界(大企業約50社等)の足並みが揃わないと予測してお
ります。

 5-8、フジサンケイグループには、産経新聞(左翼色の朝日新聞と対決)・
扶桑社(月刊誌『正論』の発行)が含まれており、日本の将来を憂慮する政治
的な貴重な論陣を張っており、種々の意見(賛否両論)があるにしても、是非
存続させたいグループと申せます。そのためには、現経営陣が、私欲を捨て去
ることが肝要であります。

 5-9、日本国家と日本の企業群が、目先の欲(利害)に拘泥し、信念信条理
念を失って行けば、やがて産業経済基盤をなす多くの企業が、個別に(一本釣
り方式で)、「カネを最大最高のモノと考える外資」に制圧されることとなり
ます。
(nss0503.txt完)
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「良い国日本の再興」 日本戦略の研究会(日戦略研)
  2005年03月第4週               npslq9@yahoo.co.jp

★ 表題: 「朝鮮半島と日本の関係を再構築すべき」
 050329              寄稿: 柳 良真 llx@csc.jp

◇ 竹島(島根県隠岐島の北西約157キロメーターに位置し、東島・西島を含
む数十の岩礁)の領有権及び歴史認識をめぐる感情的な行き違いが拡大し、日
本と韓国(South Korea)の対立が激しくなっています。

◇ 金政権の北朝鮮(North Korea)と日本とは、拉致問題はもちろん、思想
・政治体制が全く異なり、当然ながら、相容れるところがありません。

◇ 朝鮮半島(North Korea、South Korea)と日本との齟齬(くい違い)は、
国家の成立過程と古代からの歴史及び地政学的な基盤が、大きく異なっている
ことに、根本的な原因があります。日本は純粋のシーパワー(海洋国家)であ
り、朝鮮半島の国家は海洋に大きく面していながら、China (大陸大国)の影
響を強く残したランドパワー(大陸国家)の色合いとなっております。

◇ 日本が朝鮮半島に積極的な手出しをしたことが過去に数度あります。半島
南部の加耶(任那)を支援、白村江(唐新羅対百済倭国)の海戦、豊臣秀吉の
朝鮮侵攻、明治時代の日韓併合、ところが、このいずれもが、結局、失敗(不
成功)に終わっています。

◇ 日本が朝鮮半島のランドパワーと付き合うのは、相手の港湾及び周辺まで
に留めるべきであります。陸に上がって事を起こす(投融資をする、製造工場
・販売の拠点を造る)ことは、中長期の観点で、採算に合いません。

◇ South Korea は、廬政権と一般国民共に、反米・反日・親中・親露・半島
合併(North KoreaとSouth Koreaの融合)の方向を指向して来ております。在
韓米軍は、早晩、全面的な撤退の時期が必ず到来します。

◇ 日本は、South Korea (韓国)を北(共産勢力)の防衛線と思わないこと
、つまり、North Korea とSouth Koreaとは共に、日本と対立する相手と思っ
て備えを怠らないことが肝要です。

◇ 『遠交近攻』(遠くの国と手を結び、近くの国とは何時でも対決できる準
備)の考え方が非常に重要です。味方と思っていた国家(例、韓国)に裏切ら
れた場合の被害は、実に甚大であります。

◇ 日本海は、正に対立の境界線です。ここに日本がイージス艦や原子力潜水
艦を配備し、ミサイル防衛を構築すべき時期が、既に到来しています。


★ 表題: 「地震被害の想定と抜本的な対策」
 050329          担当: 鈴木良吾 sqll5@yahoo.co.jp

◇ 政府の中央防災会議「首都直下地震対策専門調査会」は去る2月25日、首
都直下地震(東京湾北部を震源)が発生した場合の「経済被害想定」を、最悪
112兆円と発表しました。

◇ 112兆円の被害を計算した根拠は、10年前の阪神大震災マグニチュード7.3
と同等を想定していますが、地震の発生場所と規模(マグニチュード)は、人
間が決めるものではありません。従って、かかる計算は殆ど意味をなさないと
言わざるを得ません。人と機能が集中した東京等の大都会に発生した地震は、
国家の財政を一挙に壊滅させる極めて大きな威力があります。

 (注1) マグニチュード(M)は、地震のエネルギーを現す単位ですが、数
値の構成が次の通りとなっています。
 マグニチュードM1.0とM2.0とでは、エネルギーが32倍となります。つまり
、マグニチュードが0.2増加する毎に、エネルギーは2倍に増えます。M7.0は
M6.0に比し、32倍の力(エネルギー)があることとなります。

 (注2) 日本で最近発生したM6.7以上の地震は以下の通りです。
平成12年10月6日:  鳥取県西部   M7.3 負傷182
平成13年3月24日:  芸予      M6.7 死亡2・負傷288
平成15年5月26日:  宮城県北部沖  M7.0 負傷174
平成15年9月26日:  十勝沖     M8.0 負傷300超
平成16年9月5日:   紀伊半島東南沖 M7.4 負傷40超
平成16年10月23日:   新潟県中越   M6.8 死亡46・負傷4800
平成16年11月29日:  釧路沖     M7.1 負傷52
平成16年12月6日:  根室半島沖   M6.9  負傷12
平成17年3月20日:  福岡県西方沖  M7.0 死亡1・負傷750

◇ 現在の人間の能力では、地震の発生自体を阻止することは全く不可能です
。上記の (注2) に関する寸前の予知もできておりません。日本人は、地震に
よる被害を如何に最小限にするかを真剣に考えるべきです。

◇ 地震(ミサイル攻撃の場合もほぼ同様)の被害を最小にするには、人・住
居・建物・施設・機能等を大都会に集中しないで、各地方地域に分散すること
が最も肝要です。(地方分権ではなく、『地方分散』です)

◇ 通信手段の均一効率化(例、全国一律の電話料金、テレビ会議)・多様化
(有線・無線・電波・インターネット等)によって、東京等の大都会に集中し
て活動する必要性は激減しています。中央官庁・大学・工場・施設が大都会に
ある必然性はありません。分散して現過疎地に移動すべきです。例えば、外務
省が過疎地(甲)に移れば、それに随伴して関連先が移動する可能性がありま
す。金融庁が過疎地(乙)に変われば、少なくとも東京に空きが生じます。

◇ 一団(関連数家族以内の居住)を必ず1000平方メートル以上とすることで
す。マンション等の高層ビルの場合は、一戸の広さを200平方メートル以上と
します。これで東京等の大都会の居住者は、現在の数分の一となります。人が
激減すれば、地下鉄や高架道の必要性は激減します。建物間の空間も十分なも
のとなり、地震に伴って発生し勝ちな火災が、他に類焼する危険性は劇的に減
少します。

◇ 日本の地方には、まだまだ、十分な空き地があります。官庁・大学・企業
工場等が方々に分散して移動すれば、その地で雇用が必ず発生します。今後の
日本の再生再興は、地震とミサイル防衛の対策を考慮して、「地方分散国家」
を目指すべきであります。カネ食い虫の地下空間過密都市(その典型が東京・
大阪等の大都会)では、自然と共に歩む雄大な気質の「大志を抱く人間」を育
てることができません。


★ 表題: 「朝日・産経・日経・各新聞の理念と商売」
 050329           担当: 福井龍生 f9lcl@yahoo.co.jp

◇ 朝日新聞が反米・親中・親北・売日(売国奴)色で左傾的であること、ま
た、産経新聞が親米・反中・反北・国粋色で、右傾的あることは、一般に知ら
れております。

◇ 日経新聞は、純然たる経済誌を維持していると思いこんでいる人もあると
感じられます。しかしながら、最近の日経は、China 向けの報道が怪しく(眉
つばの記事が目立つように)なって来ました。(例、JFEのChina 進出で高
炉を建設)

◇ 靖国参拝に関する記事が、日経新聞で急増しています。例えば、「東アジ
ア共同体」を将来成功させるためには、『首相の靖国神社参拝をやめるか、A
級戦犯等を分離した祭礼施設が望ましい』という趣旨の主張であります。

◇ 日経新聞は、親中イデオロギーが無いと思われています。にもかかわらず
、日本財界のカネ儲け(商売優先の主義)のお先棒を担いでか、China 進出の
利点を強調し、欠点(問題点・危惧の部分)を敢えて掲載しない、ケースが増
大しています。

◇ 日本の経済人は、必ず日経新聞を精読しています。その記事内容が「媚中
新聞」と化し、十分な情報をもっていない中堅・中小企業に対して、China と
の関係(交易・進出)を誤って誘導する危険性が、非常に高まっています。

◇ China の内部は、良くない方の玉石混淆の混沌状況に近づいています。取
引(合弁)の相手の選択が不適当であれば、進退窮まる危険性が、今後急増し
て行きます。

◇ 日経新聞には、China の国内で、『華字日経?』の如き新聞を発行したい
との意欲を持っているとの噂もあります。新聞社は営業会社ですから、発行部
数を増やし、収益・利益を上げることが必要でしょう。しかし、目先の商売の
ために、「日本の尊厳や主権」を曲げて、売国奴的な行動に走るのは、止めて
頂きたく思います。


★ 表題: 「キルギスの政変と日本」
 050329     寄稿: ライオネル・ブント rlwundt@mcn.ne.jp

◇ キルギスのアカエフ大統領が亡命し、キルギス共和国が大荒れとなってい
ます。キルギス人はモンゴロイド系で、顔つきだけでなく、恥じらい・しぐさ
・他人への配慮ぶり等までもが、日本人に最も近い人々です。心情的には、遠
い国の騒乱とは到底思うことができません。

◇ キルギスは、中央アジア諸国五カ国(カザフ・ウズベク・トルクメン・タ
ジク・キルギス)の一つで、旧ソ連邦の一員でしたが、ソ連邦の崩壊で1991年
独立し、最も早く複数政党の民主化を進めて来ました。概要は次の通りです。


 (注) 面積約20万平方メートル(日本の半分強)、人口約500万人弱、キル
ギス人58%・ロシア系20%・ウズベク系13%その他、言語はキルギス語(古代ト
ルコ語系の膠着語で日本語と類似性ありウィグル語に近い)、イスラーム教ス
ンニ派が75%、首都ビシュケク、日本からの便は独国のルフトハンザ航空が便
利。

◇ 日本銀行から田中哲二氏(支店長級、現中央アジア研究所長)が、キルギ
スタン中央銀行の最高顧問兼大統領特別顧問として、派遣されていたことがあ
り、アカエフ大統領の信任が厚く、もちろん大変親日の国家(日本のODA累
計369億円)でした。

◇ 当初の民主化が、次第に一族への利益誘導に変化し、強権的な独裁手法が
国民(特に南部住民)の不満を買い、今回の亡命・政変に繋がりました。露国
のアカエフ支援が期待できず、アカエフ氏の巻き返しはあり得ないと見ており
ます。

◇ 反アカエフ陣営は、一枚岩ではなく、当面の治安悪化と混乱は避けられま
せん。今後の新政権が、反米?反露?イスラーム原理主義?、如何ように動く
か、目先、米露は静観状態です。新旧議員のそれぞれが議会を開催するなど、
主導権争いが激しく、暫定政権を造っても当分の間、混乱が続きそうでありま
す。

(2005年03月第4週完)


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