1942.米国の社会動向



植物人間のシャイボさんの栄養の供給か停止かで米国が1週間以上
議論をしている。          Fより

米国の社会は何か変である。民主主義は宗教とは違い、普遍的な法
律で生活を規定しているが、シャイボさんの一件を見ると、米国は
宗教の違いを考慮する判定をする方向にあると思える。

シャイボさんの宗教がカトリック教であったために、ローマのカト
リック本部の見解を聞いている。ローマからは死を認めるとなって
最高裁もその方向で判断が出ている。しかし、ブッシュはプロテス
タントであるために、シャイボさんの死を認めないと言い始める。
このように宗教の介入や政治の介入を許す方向にあり、民主化の原
則である法治主義が崩れているように感じる。このため、尊厳死を
巡る裁定は何度も変わっている。これは、宗教の介入と政治の介入
があり、その状況次第で裁定も変わるためである。

どうも、米国金融事情にも変化が出ている。FRBが金利を0.25%
引き上げ、年2.75%とすることを決めた。これで、FRBは6月以
降、今日まで7回続けて金利を上昇させてきた。普通、政策金利を
上げると、長期金利も上昇するのが常識なのですが、現在の10年
もの国債金利は4.6%であり、第一回目の金利引き上げのときよ
りも金利が低い。グリーンスパン議長にとっても謎だと、自身の議
会証言で言及するほどの不可思議なことが起こっているのだ。

世界全体で金余り状態にあり、商品市場、特に原油価格が高騰し始
めている。金融・商品市場は活気ついているが、GMも赤字になり
、米経済全体としては下降している。このため景気を維持するため
に政府が中心となって、金融系や報道やエンターテイメント、軍事
などを戦略的に世界に打って出ている。

石油資源を狙うのも、米国の政府が中心になって企画した。また、
軍事分野では、日本にSM−3とMD関連のシステムを売り、
F16をパキスタンや台湾に売り、イージス艦を台湾に売るようだ。
そして、米国でソニーのPSが売れなくなる。特許侵害のためであ
るが、今まで10年以上経ってから販売禁止である。これはマイク
ロソフトのXBOXを応援するために行っている気がする。
もう1つ、日本に関係することも米国政府が仲介しているように感
じる。

たとえばライフドアのニッポン放送株取得の動きは、孫さんが野球
の世界一を決める試合をマードックに会って協議したという報道か
ら始まっている。どうも、この話だけではなくフジとの提携の方法
を協議したように感じるのである。

マードックは昔から日本のテレビ局を1つ欲しいという希望があっ
た。それが数年前にテレビ朝日を手に入れようとして失敗している。
しかし、諦めていなかった。もう1つは、前の失敗から友好的な提
携や押収が必要であると感じていたはず。

しかし、その後、豪州がサマワに豪軍を送り、日本の自衛隊を守る
とハワード首相が宣言したとき、ハワード首相と小泉首相が電話で
話をしている。その時、小泉首相の談話に何か交換条件があるよう
な予感がした。

最後に登場したのがライフドアとそこに金を貸したリーマン・ブラ
ザーズである。ライフドアが証券市場にニッポン放送を買い占めて
いたときに、孫さんはフジの日枝さんと協議していたような気がす
る。この全体の筋書きをマードックかそのアドバイザーが書いてい
るのでしょうね。リーマンの裏にマードック有りでしょうね。

マードックが米大統領、豪ハワード首相を動かして、日本との取引
をしたようである。裁判所の判断がフジに不利であったのは当たり
前であるが、その後ホワイトナイトで、フジと提携できることにな
った。サンケイも親ネオコンであり、マードックもネオコンの主張
を取り入れている。この提携はタカ派同盟となり非常に良いのでは
ないでしょうかね。

なお、この記事は最初YSさんが感じて、私はニアニアしていたら
、その通りになっていった。ここの推理の多くがYSさんであるこ
とだけは明言しておきます。

このように米国は厳密な意味では自由市場主義でも無く、政治介入
した経済体制になり、管理的自由市場主義になっている様に思う。
軍事や政治、宗教の重みが強く、民間一般人が弱くなっている。
米国は世界に向けては、自由主義・市場主義と言っているが、完全
な自由市場主義からは離脱している。
さあ、今後もこの傾向が強くなっていくことになるのであろうか??

そして、日本も米国の影響を受けて、どのようになっていくのでし
ょうね。
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ソフトバンク社長、フジテレビとの連携に含み(nikkei)

 ソフトバンクの孫正義社長は26日午前、福岡市内でフジテレビジ
ョンとの提携について記者団の質問に答え、「互いにメリットがあ
るという機運が盛り上がれば是々非々で考えたい」と語り、前向き
な姿勢を示した。グループのベンチャーキャピタル、ソフトバンク
・インベストメント(SBI)がフジテレビの筆頭株主になったこ
とについては「(SBIとフジは)昨年から提携の話があり、それ
はいいこと」と評価した。

 孫社長はこの日開催のプロ野球、福岡ソフトバンクホークスと北
海道日本ハムファイターズとの開幕戦観戦のために福岡市を訪問し
た。ファンド設立などフジテレビとSBIの提携について、SBI
の北尾吉孝最高経営責任者(CEO)からは「事前には聞いていな
かった」とした。ただ、報道後に、日枝久フジテレビ会長に電話を
し「がんばってください」と伝えたことを明らかにした。
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孫オーナー、米メディア王とタッグ   アルル

クラブチーム世界一実現へFOX社会長マードック氏に直談判

ソフトバンクの孫正義オーナー(47)が18日、ワールドシリー
ズ王者と世界一を争う「クラブチーム世界一決定戦」の実現のため
豪州のメディア王、ルパート・マードック(73)=FOX社会長
=に直談判する秘策を明かした。米大リーグ(MLB)機構を初訪
問し、この日、帰国。東京・港区のホテルオークラで報告会見を開
き、3月16日に都内で行われる臨時オーナー会議で各球団に提案
する考えも同時に示した。マードックの賛同を得られれば、夢は実
現に近づく。
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三度ニヤニヤ        アルルの男・ヒロシ 

 確かに、「企業価値」はこっちの方が高まりますな。

(引用開始)

ニッポン放送はフジテレビ株を22・51%保有していたが、2月
25日に大和証券SMBCに8・63%を同様に貸しており、今回
SBIに残りの13・88%を貸したことで、ニッポン放送が現時
点で保有する株式はゼロになる。SBIは13・88%分の株式を
借りたことで、議決権比率では14・67%を握る筆頭株主になる。 

 SBIがフジテレビと結んだのは「株式消費貸借」と呼ばれる契
約で、ニッポン放送側から返還要求はできない契約となっている。 
http://www.yomiuri.co.jp/main/news/20050324it11.htm
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怪しい動き 投稿者:YS 投稿日:2005/02/22(Tue) 12:37

どうも米英と日米の関係がぎくしゃくしてるのかも。
豪国民を納得させるためにそれなりのおみやげ話も用意したんだろうな。
日本企業の誘致、あるいはマードックの日本受け入れかな。
そうなると今話題のニッポン放送がターゲット?
フジサンケイグループとマードックの組み合わせで強力右派連合になるな。

2005年02月22日(火) 
サマワの治安維持で増派 豪が日本の要請受け
http://news.goo.ne.jp/news/kyodo/kokusai/20050222/20050222a3790.html

2005年02月22日(火) 
「自衛隊の安全確保のため」 豪がイラクに450人増派
http://news.goo.ne.jp/news/asahi/kokusai/20050222/K2005022201480.html

豪軍がサマワで治安維持活動、450人増派へ
http://news.goo.ne.jp/news/yomiuri/kokusai/20050222/20050222i203-yol.html 
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ブッシュ支持率、過去最低に=尊厳死問題介入が響く?−米紙

 【ワシントン25日時事】米紙USAトゥデーとCNNが25日
公表した世論調査の結果によると、ブッシュ大統領の支持率は45
%となり、就任以来最低を記録した。前回調査(22日公表)の52
%から大幅に低下したが、同紙はフロリダ州での尊厳死問題に介入
したからではないかとの分析を紹介している。これまでの最低は
昨年5月の46%だった。 
(時事通信) - 3月26日7時1分更新
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米連邦地裁、プレステ販売中止命じる ソニー側は控訴へ(ASAHI)
2005年03月26日01時00分

 ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は25日、
ゲーム機「プレイステーション(PS)」と「PS2」のコントロ
ーラーの技術をめぐる特許権訴訟で、米カリフォルニア州オークラ
ンドの連邦地裁から両ゲーム機などの米国での販売差し止めと
約9070万ドル(約96億円)の損害賠償を命じる判決を受けた
ことを明らかにした。 

 SCEは判決を不服として高裁に控訴するとともに、販売差し止
めの執行停止手続きを取る、としている。 

 同地裁の24日の判決は原告の米ハイテク会社イマージョンの主
張に沿い、コントローラー部分を振動させてゲーム内の衝撃を伝え
る体感技術などに関するイマージョンの特許2件を、同意を得ずに
SCEが採用して特許権を侵害したと認定。PS、PS2のゲーム
機2機種に加え、コントローラー2機種、ゲームソフト47作品の
販売差し止めを命じた。 
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ドル・ペッグ制見直しも−マレーシア通貨   
   
 人民元の動向にらむ
 マレーシアが通貨リンギの米ドル・ペッグ(連動)制を見直すとの観測が強まっている。
 堅調な輸出産業の国際競争力と好調な外貨準備高、強い切り上げ圧力にさらされる人民
 元に押される形で、リンギ切り上げ観測が浮上してきた。
(バンコク・池永達夫・世界日報) 掲載許可
 マレーシアはアジア通貨危機勃発(ぼっぱつ)後の約一年後、一九九八年九月に一ドル
 =三・八リンギに固定するペッグ制度の導入を断行した。当時は否定的な意見も少なく
 なく、アンワール副首相(当時)が失脚するなど政権内の確執も起きたが、ドル・ペッ
 グ制は金融の安定をもたらす切り札として奏功し、国際収支の改善など大きな役割を果
 たした。
 あれから七年目を迎える今年、緊急避難的な措置でもあったドル・ペッグ制も転機を迎
 えつつある。

 二〇〇三年の秋にマハティール首相の後継として就任したアブドラ首相は、「マレーシ
 アは未来永劫(えいごう)、ペッグ制度を続けるわけではない」と、通貨リンギの固定
 相場制の見直しを示唆した経緯がある。

 リンギ切り上げ論の背景にあるのは好調な経済だ。〇四年の輸出額は前年比20・5%
 増の四千八百七億リンギ(一リンギ=約二十七円)、昨年末の外貨準備高も六百六十七
 億ドルでいずれも過去最高を記録した。

 また、人民元の切り上げ観測もリンギの切り上げ観測に拍車を掛ける結果となっている。
 〇七年七月、マレーシアも巻き込まれたアジア通貨金融危機の原因の一つは、〇四年の
 四割近い人民元大幅切り下げによってもたらされた、マレーシア産業界の輸出競争力の
 低下だった。

 こうした失敗の轍(てつ)を踏まないためには、「世界の工場」として巨大な生産基地
 となった中国の通貨動向をしっかり把握する必要がある。経済の安定成長路線を踏み外
 さないためには、輸出競争力の維持が不可欠。マレーシアの強力な競争相手である中国
 の人民元の展望を読むことなしに、新たな政策は打ち出せないからだ。

 その人民元は欧米諸国など国際的な切り上げ圧力にさらされ続け、中国の温家宝首相も
 今月中旬、「いつ、どういった方策を取るのかは意表を突くことになるだろう」と述べ、
 突然の切り上げの可能性を示した。

 もし人民元切り上げが断行されると、マレーシアは主力のエレクトロニクス分野の輸出
 で国際競争力をそがれることなくリンギ切り上げができることになる。

 また中国同様、マレーシアでも為替相場の切り上げを当て込んだ投機的な資金流入が懸
 念され始めている。思惑主導の短期資本流入が膨らめば、経済の波乱要因となるのは必
 死。マレーシア通貨リンギの切り上げ時期を間違うと、思わぬ経済の桎梏(しっこく)
 状況に陥らないとも限らない。
       Kenzo Yamaoka
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評価分かれるネオコンの配置転換   
   
  ブッシュ政権の指導的タカ派の退任と配置転換が、新保守主義(ネオコン)の衰退に関
 する推測に拍車を掛けている。その一方で、ネオコンは上昇し続けると見る向きもある。

 一方で「追放」と呼ばれ、他方ではネオコンの戦略的配置転換と表現されているのだ。
 ネオコンは、独裁政権、特に中東の独裁政権に対して米国が強硬な政策を取ることを望
 んでいるとみなされている。

 最近の変化として、ブッシュ大統領が世界銀行総裁に指名したポール・ウルフォウィッ
 ツ国防副長官と、ジョン・R・ボルトン国務次官(軍備管理・国際安全保障担当)が国
 連大使就任のため退任することが挙げられる。

 1月には、ペンタゴンで背広組の3番目にランクされるダグラス・J・ファイス国防次
 官(政策担当)が辞意を表明、今年の春、もしくは夏に退任する。

 ウルフォウィッツ、ボルトン両氏の異動は、ブッシュ大統領の世界観を共有する米高官
 によって国際機関が刷新されなければならないと考えている人々には、概して好意的に
 受け止められた。

 「これらの配置はある方針のもとに進められている」とチャック・ヘーゲル上院議員
 (ネブラスカ州)は語った。「大統領は、これらの人々をカギとなるポストに据え、国
 連と世界銀行の力をてこに、自らの考えにしたがって世界を定義し、転換しようとして
 いる」というのだ。

 ネオコンの一掃と見る向きもある。

 コラムニストのパット・ブキャナン氏は先ごろ、「ブッシュ時代において、ネオコンの
 時代が終わろうとしているかもしれない」と書いた。

 ブキャナン氏は、ロバート・ゼーリック米通商代表が、ボルトン氏に代わりコンドリー
 ザ・ライス国務長官の代行となり、ウルフォウィッツ氏は国防総省を離れると指摘。ま
 た、ネオコン派のスティーブン・キャンボーン国防次官(情報担当)が辞任を検討して
 いると言われていることに言及。

 同氏は、これらの変化の理由は「ネオコンが9・11同時テロのはるか前に計画し、簡単
 に勝てると思っていた戦争が挫折してしまったからだ。彼らはこの計画に、中東に帝国
 を築くという夢と自らの名声を懸けていた」と記している。

 ウルフォウィッツ、ボルトン両氏を長年知るワシントンにある保守派団体のリーダーは
 非公式に語った。「もし私がネオコン派であれば、ネオコンが追放されているように思
 うだろう。しかし、ウルフォウィッツ氏を世銀総裁に置いたことは、ホワイトハウスは
 彼を嫌っていないし、悪いやつと思っていないことを物語っている。しかし、彼が世銀
 で、ウィルソン(米第28代大統領。国際協調主義を信奉し、国際連盟創設を提唱)的な
 国家建設のようなことをやらないだろうことも事実だ」

 国連蔑視(べっし)もまた、ほとんどの伝統的保守派に共通している。ボルトン氏の次
 期国連大使指名に対する大いなる喝采(かっさい)の半面、不平がほとんどなかったの
 はそのためだ。

 匿名を希望した共和党のある議員は、「(ドナルド・H)ラムズフェルド(国防長官)
 は、ボルトン氏が国防総省に来ることを望まなかったし、コンドリーザ(ライス国務長
 官)も彼女のナンバー2としてボルトン氏が国務省にいることを望まなかった。しかし、
 保守派は、彼が政府内のどこか高いポストにいることを望んでいる」と語った。

 しかし、別の共和党議員は、「ボルトン氏は、国連大使ポストと同時に閣僚級待遇を与
 えられなかったが、レーガン元大統領がジーン・カークパトリック女史を国連大使にし
 た時も同様だった」と非公式に述べた。(3月22日)
    Kenzo Yamaoka
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ボルトン米次期国連大使指名の意義   
   
 ヘリテージ財団特別研究員 ナイル・ガーディナー氏に聞く
「ならず者国家」に強いメッセージ/国連改革で効率・透明性を追求
 ブッシュ米大統領はこのほど、「強硬派」といわれるジョン・ボルトン国務次官を次期
 国連大使に指名した。北朝鮮やイランの「核」問題など、国際的な安全保障にかかわる
 難問が山積する中、第二次ブッシュ政権の外交政策において「国連」の占めるウエート
 が増すとの見方が広がっている。ボルトン氏指名の意義について保守系シンクタンク
 「ヘリテージ財団」特別研究員ナイル・ガーディナー氏に聞いた。

(聞き手=ワシントン・三笘義雄・世界日報)掲載許可

 ――ジョン・ボルトン国務次官が米国の次期国連大使に指名されたが、その一番の理由
 は何か。

 国連改革を願うブッシュ政権の意思の表れだと考える。ボルトン氏はワシントンの“重
 量級人物”だが、国連に関する幅広い知識を持っている。米国の国益を積極果敢に推し
 進める決意を抱いて国連に乗り込むだろう。

 ――イラク・フセイン政権時代に実施された「石油食料交換計画」のスキャンダルやコ
 ンゴの国連平和維持軍による性的虐待問題などが明るみになり、国連の信用が大きく揺
 らいでいる。

 国連は危機的な状況にある。米国民の国連に対する信頼度は、史上最低レベルに落ち込
 んでいる。ボルトン氏の重要な役割は、国連をより責任ある、効率的で、透明性ある組
 織にすることだ。

 さらには、(加盟国中で最高額の)国連分担金を支払っている米国の納税者は、その金
 額に見合うだけの価値を国連に見せてもらいたいと考えている。

 ――米国主導でイラク戦争が始まり、二周年を迎えた。一期目のブッシュ政権は、国連
 安保理の他の理事国の反対をよそにイラク攻撃に踏み切ったことで、“単独行動主義”
 などと批判されてきた。二期目のブッシュ政権の国連に対するスタンスに変化はあるか。

 米国は国連と協力していくというブッシュ政権のスタンスに変化はない。しかし、国連
 が米国の外交政策に拒否権を行使する場合、米国は国連に対して実際的なアプローチを
 取ることになる。イラク問題に関しては、国連安保理が自らの決議をイラクに履行させ
 ることに失敗した。それ故に、米国は「有志連合」と共に行動した。

 ――あなたは、二期目のブッシュ政権の外交において、国連の役割が大きくなると主張
 しているが。

 イランやシリア、北朝鮮といった「ならず者国家」によって、国際的な脅威が広がって
 いる。そうした国々に対処する上で、特に、安保理の役割が大きくなっていくだろう。
 米国は、それらの「ならず者国家」に強いメッセージを送るため、議論を安保理に移す
 ことを視野に入れている。これからの四年間は、米国の外交は国連が中心的な舞台とな
 るはずだ。

 ――ボルトン次官の次期国連大使指名も、それを見越してのことか。

 ボルトン次官は、「ならず者国家」について深い知識を持っている。そして、ボルトン
 氏の強みは、北朝鮮やイランなどの専制的な独裁者にも立ち向かっていく意欲を持って
 いることだ。ボルトン氏が持ち込む明快な道徳的見識によって、国連に新風を吹き込む
 ことになるだろう。

 例えば、米国は国連に対し、スーダンにおける大量虐殺について本気になって取り組む
 ことや、世界各地の人権の実態について明確な見解を示すことを強く求めていくだろう。

 ボルトン氏は、何よりもまず、世界で最も人権侵害している国々がメンバーとなってい
 る国連人権委員会の大改革から取り組むべきだ。

 ――ブッシュ政権は、北朝鮮の核兵器開発問題についても、安保理付託を視野に入れて
 いると考えるか。

 ブッシュ政権は、北朝鮮に関しては、六カ国協議を継続するだろう。もちろん、ボルト
 ン次官は、北朝鮮を含む「ならず者国家」に対して、強硬な外交政策を追求していくと
 思う。

=略歴=

 1970年生まれ。英国出身。英オックスフォード大卒業後、98年に大英帝国史の研
 究で米エール大の博士号取得。2000−02年、サッチャー英元首相の外交政策アド
 バイザー。テロ・イラク・同盟関係などのコメンテーター。米主要紙への寄稿も多数。
 現在、米保守系シンクタンク「ヘリテージ財団」の特別研究員(アングロ・アメリカ安
 全保障政策)。


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