1912.ふたつのイデオロギー



ふたつのイデオロギー =自由主義的民主制と市場経済=   
                        S子   

田中明彦著の「新しい中世」を読むと、冷戦終結により「自由主義的
民主制」(米国型社会優位)と「市場経済」(資本主義優位)という
ふたつのイデオロギーが世界の多くの人々の心を魅了して奪った。つ
まりソ連崩壊により共産主義の失敗と敗北が自明となり、人々の心が
そこから離れてしまい、それ故に勝利した米国側に大きく人々の関心
は向かった。

そして、グローバリズムによる相互依存が強まる中で、世界システム
をなす根源にこのふたつのイデオロギーが集約され、人々の帰属意識
やアイデンティティーというものが国家にこだわらず、このふたつの
イデオロギーに向かいはじめたのではないかと、私は思った。

端的に言えば、冷戦後このふたつのイデオロギーが世界の人々の共通
の価値観となり、それが多数派を占めてきたということだろうか。

テロは「自由主義的民主制」という米国型社会優位の世界的浸透に疑
問を投げかけ、それが全て良いというわけではないと個人や小さな集
団が反発している姿ととらえることができる。彼らはそこに帰属意識
やアイデンティティーを置き、自らの存在意義を主張しているように
私は思う。

そして、このテロが頻発して起こる国家というのは、「新しい中世」
で言うところの第二圏域(自由主義的民主制と市場経済の双方がとも
に成熟するまでには至っていない地域)や、第三圏域(秩序というも
のがまったく崩壊し、唯一近代的な存在は「軍」だけという地域)に
属するところが多いように見受けられる。

また、「自由主義的民主制」を容認、受容した個人や小さな集団は、そ
の才能を活かし開花させることができるところであれば、世界のどこ
へでも赴き、そこでの拠点を軸に活躍している。人の才能というもの
が本人の才覚よりも、いかに多くの人々の支持や共感を得るものであ
るのか、又はいかに多くの人々の心を虜にするものであるのかという
ことに則せば、それは国家や時代を超えて明らかだ。

むしろ彼らはそれを心得ているからこそ国家に固執しないと言えるの
だろうし、「自由主義的民主制」をうまく活かしながら、それを謳歌
し時代を代弁していると言えるだろう。

「市場経済」という資本主義優位社会において、資本家は結果的にマ
ネー戦争に陥り、競争を煽られて行き着く先は拝金主義が横行する社
会となる。「自由主義的民主制」の多数派支持を受けて今や第二圏域
諸国も「市場経済」に多く参入するようになった。

第二圏域諸国の労働賃金の安さから商品の低価格競争が過熱し、この
商品が世界に流通することで資本家と労働者という立場が明瞭化し、
それが見事に貧富の差を生じさせる結果となっている。そして、人々
の生活面でのこうした二極化構造が派生することにより、生産も消費
者対象に向けて高級商品と低級商品という極端なものになる。

また、こうした商品生産や高度物質文明に石油等の資源は欠かせず、
資源争奪戦へ向けての「市場経済」も熱くなる。しかし、世界相手の
「市場経済」で資本家は、自らの帰属意識やアイデンティティーを求
めてあらゆるところへくい込んでゆくために、更に価格競争は激化す
る。

それに伴って資源争奪戦も更に過熱する。それほど「市場経済」の根
本にあるマネーは人々の心を動かし虜にしてしまう魔力を持っている
。そうして巨大な資本を得た企業は国境を越え多国籍企業となり、国
家をも超える権力を手中にするようになる。

このようにして、「自由主義的民主制」と「市場経済」というふたつ
のイデオロギーでは、国家を背景にしながらも個人や小さな集団、企
業が勢い表舞台に踊り出ているのが今日的特徴だと言える。

しかし、このふたつのイデオロギーに世界の人々の価値観が集約され
共有できたからと言って、必ずしも平和をもたらさない。それはなぜ
か。

それは「自由主義的民主制」に反発する少数派がどうしてもこの価値
観を受け入れられない背景に多数派が理解を示さないからであるとい
うことと、「市場経済」の根本にあるマネーの魔力に取り付かれ、欲
望が留まることを知らずに世界の人々の心が動き続けているからであ
る。

そして、彼ら支配者はこの「自由主義的民主制」を利用して、「市場
経済」にできるだけ多くの資本家が参入することを望んでいる。彼ら
支配者は価格競争の激化をむしろ歓迎しており、資本家と労働者、つ
まり搾取する側と搾取される側の立場の明瞭さを望み、更にそこから
生じる貧富の差を狙っているのである。

その落とし穴に世界の人々の関心が向かっているのだから、彼ら支配
者にとっては飛んで火にいる夏の虫よろしく、笑いが止まらないだろ
う。

結局、米国が冷戦に勝利したことがこのふたつのイデオロギーを誕生
させ、それを世界の人々が共感をもって受け入れた。そして、それが
多数派を占めてきている。しかしながら、このふたつのイデオロギー
においての相互依存は必ずしも平和をもたらさない。むしろ相互依存
による世界経済の敏感性という点で脆弱さが浮き彫りになってきた。
さあ、私たちはどうすればいいのだろう。

冷戦終結による世界秩序崩壊で非国家パワーが台頭する「新しい中世
」に向けて、世界は今激動の最中にある。人々の心はまさに「動」と
なって拡大し続けている。彼ら支配者はそういう人々の心理状態をう
まく捉え利用しようとしている。

ライブドア堀江社長の日本放送株買い占め騒動は、そんな人の心の「
動」をうまく掴んで利用した事件のように私は感じる。そして、私た
ちの心が動けば動くほど彼ら支配者の罠に知らぬ間にはまっているこ
とを証明しているような事件のようにも思える。

だからこそ私たち日本人がとるべきは、彼ら支配者の罠にはまらぬよ
うに「動」とは正反対の「静」の姿勢でいることであると、私は思う
。私たちが「静」でいるためにしなければいけないことは、まず彼ら
と同じ土俵に立たないことが一番だろう。

特に「市場経済」における実体なき経済という結果商売は彼らの得意
とするところであり、罠を二重、三重と幾重にも仕掛けてくる。これ
に対抗するには、幾重に仕掛けられた罠を承知でそれをくぐり抜け通
す覚悟が私たちには必要だ。結果不道徳の連鎖が横行してしまうが、
彼らにとっては結果だけが全てであるから、いくらでも冷酷非情にな
れるのである。私たちはあらゆる不道徳を承知で実体なき経済に参入
する覚悟はいるということだろう。

しかし、農耕民族の日本人にはこれはふさわしくないと私は思う。や
はり日本民族は農耕民族であるが故に「ものづくり」という原点に戻
るべきと考える。私たちは、実体経済でこつこつとまじめに「ものづ
くり」と向き合って生きることだろう。

そして、この「ものづくり」にじっくり向き合うことで私たちは「静
」の心を得ることができる。「静」の心を得ることで私たちはものご
との本質と向き合い、それを見極める力を培うことができる。

実体なき経済がものごとの本質から遠ざかるものであるなら、「もの
づくり」という実体経済はものごとの本質を追究してゆくものだと言
えるだろう。そして、私たちの使命はこの「ものづくり」で得た日本
独自の文化を世界に浸透させてゆくことではないのか。

日本酒や寿司等の日本食ブーム、アニメ、漫画、日本映画のブーム、
歌舞伎等の伝統芸能の世界進出というこれらソフト戦略こそが、世界
の人々の心を捉え、心の摩擦を最小限に抑え、最もすんなりと世界の
人々の心に受け入れられやすいのではないか。

そして、このソフト戦略こそが日本民族にふさわしい奥ゆかしさを備
えた実にスマートな戦略であると、私は思うのだがどうだろう。

参考文献  「新しい中世」  田中明彦著 日経ビジネス人文庫
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『亜空間通信』971号(2005/02/18)
【シオニスト世界機構盟主ロスチャイルド公然日本進出ジャパン・ペーパー活用か言
論封鎖赦さず】
 
 わが家の唯一の宅配紙、『日本経済新聞』が、一昨日の朝刊で、再び、野村証券と
ロスチャイルドとの提携を報じた。
 
『日本経済新聞』(2005.02.16)
 ロスチャイルドと提携
野村証券が発表

野村証券は15日、英仏系の大手金融グループ、ロスチャイルドと企業の合併・買収
(M&A)の仲介業務で提携したと正式に発表した。顧客情報を共有するとともに営
業でも連携し、日欧間のM&Aを共同で仲介する。来年4月の商法改正により、外国
企業が株式交換で日本企業を買収しやすくなることから、野村は国境をまたいだM&
A業務を強化する。
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 上記の冒頭の「再び」の意味は、それ以前に私は、以下の投稿をしていたからであ
る。同じ話だが、1日前の記事で、まだ、予告であった。
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【ロスチャイルドと提携】日経【野村証券、M&A仲介で】
http://www.asyura2.com/0502/war67/msg/331.html
投稿者 木村愛二 日時 2005 年 2 月 15 日 08:38:44: CjMHiEP28ibKM

宅配の印刷物の方でも、一面記事である。

ついに、「2005年(木村愛二注:最初は2003年で今は2007年にずれ込んだ)問題」と
して知られる首都圏の事務所へのユダヤ資本の大量移住の恐怖の観測が、現実化し始
めたようである。

ユダヤ資本は、欧米で嫌われ、一番御しやすい日本を狙っているとの観測が、2000年
ごろから、しきりであった。アメリカ政府が準備した「ジャパン・ペーパー」の分析
も、ユダヤ資本の要望に応えたものと考えられる。

日本の闇社会での提携は、創価学会、統一教会、オウム真理教など、従来から、強い
連携がある。

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http://www.nikkei.co.jp/news/main/20050215AT2D1403I14022005.html
野村証券、M&A仲介でロスチャイルドと提携
 野村証券は英仏系の大手金融グループ、ロスチャイルドと提携することで最終調整
していることが14日明らかになった。日欧間を中心に、グローバルな企業の合併・買
収(M&A)の仲介業務で連携する。日本の全上場企業の6割超と取引のある野村と、
欧州に幅広い顧客網を持つロスチャイルドが相互に情報を共有、国境をまたいだM&
Aの増加に対応する。
 野村は国内だけでなく日本と海外を結んだM&A仲介を強化中。2001年には米投資
銀行のトーマス・ワイゼル・パートナーズ・グループ(TWP)と資本・業務提携し
た。ロスチャイルドとの提携で、日米欧を結んだ世界的なM&A仲介のネットワーク
を構築できる。ロスチャイルドは野村との提携で、UBSやドイツ銀行など欧州系の
大手金融機関に比べ手薄な日本での投資銀行業務を強化する狙いがあるとみられる。
15日にも両社が発表する見通し。  (07:06)
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 ロスチャイルドは、欧米のユダヤ資本の総本家の位置にある。日本は今、アメリカ、
ヨーロッパ連合と「3極」として並ぶ経済大国である。
 
 このユダヤ資本の総本家が、ついに、その名を剥き出しにして、日本に乗り込んで
くるのである。
 
 こうなると、すぐに想い出すのは、今から10年前の『マルコポーロ』廃刊事件であ
るし、その後の1999年の『週刊ポスト』謝罪事件である。
 
 この件では、電網検索で、以下の阿修羅空耳投稿が、すぐに出てきた。
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http://www.asyura.com/sora/bd3/msg/981.html
投稿者 明星 日時 1999 年 10 月 17 日 08:12:13:

広告掲載中止とは。。。。

◆ユダヤ団体、週刊ポスト記事に大反発

 【ロサンゼルス15日=石井一夫】小学館発行の週刊誌「週刊ポスト」の記事に抗
議しているユダヤ人人権擁護団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」(本部・
米ロサンゼルス)が、同誌に広告を掲載している日米の企業十社に対し、広告掲載の
中止を要請していることが十五日、明らかになった。同センターは四年前、文芸春秋
の月刊誌「マルコポーロ」を廃刊に追い込んでいるが、「今回も日本政府やイスラエ
ル政府への働きかけを計画している」という。
 同センター副所長のアブラハム・クーパー師によると、広告掲載の中止を要請した
企業は、松下電器産業、トヨタ自動車、日産自動車、本田技研工業、マツダ、サント
リー、キリンビール、住友商事の各米国現地法人計八社と、マスターカード、フィリッ
プ・モリスの米企業二社。十四日いっせいに手紙やファクスを送ったという。
 同センターが問題にしているのは、週刊ポスト十月十五日号の「長銀『われらが血
税5兆円』を食うユダヤ資本人脈ついに掴(つか)んだ」と題する記事。
 クーパー師は各社に送った文書の中で、「『長銀買収の裏にユダヤ金融資本の陰謀
があった』というもの」と要約し、「こうした反ユダヤ主義の虚報は、ホロコースト
(ユダヤ人の大虐殺)を正当化するためにヒトラーによって使われた」と記している。
 また、各社の広告掲載実態を指摘したうえ「週刊ポストをサポートすることは、同
誌の芳しくない記事に貴社を関係させることになる」としている。
 読売新聞社の取材に対し、同師は「広告掲載企業を通じて週刊ポストに圧力をかけ
てもらう」と話している。
 同センターは週刊ポストに対しても、記事の撤回と謝罪を求める文書を送っている
が、ポスト関係者によると、同誌は、「記事に関する問題点を具体的に指摘するよう
求める回答書」を十一日付で送付したという。これについてクーパー師は「誠実な回
答とは思えない」と話している。
 同センターは、世界的に最大規模の人権擁護団体で、会員は米国内だけでも四十万
人を数える。一九九五年に「マルコポーロ」誌がホロコーストの歴史的な存在を否定
する記事を掲載した時にも、これに抗議のうえ、各企業に文芸春秋の雑誌などへの広
告掲載中止を要請。各企業が次々とこれに応じ、同社は同誌を廃刊にし、社長が辞任
する事態となった。
 週刊ポストの坂本隆・編集長の話「センターからの抗議に対しては、すでに文書で
誠意ある回答をしている。広告に関することについては、事実関係がわからないので
コメントを控えたい」
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総本家の乗り込みの前に、2度の露払い、威力偵察が行われたと考えると、今の事態
は非常に分かり易くなる。

しかも、ユダヤ資本の支配下にあるアメリカの諜報機関は、総力を挙げて、日本の金
融界の実情を調査していたのである。それが、以下のような「ジャパン・ペーパー」
である。
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http://www5.ocn.ne.jp/?kmatsu/kirinuki/022bouryokudan.htm
「ジャパン・ぺーパー」の警告 流動化進まぬ不良債権 米政府、いらだち深める 
日経新聞2001.1.13 News反射鏡  編集委員田村秀男著

「うま年で思い出したが、日本人はガリバー旅行紀を読んだほうがいい」と知日派の
米国人が薦める。ガリバーは最後の冒険旅行で知性と理性に満ちた馬「フウイヌム」
が支配する国に漂着した。馬は欺嚇(ぎまん)と暴力の野蛮人間「ヤフー」を隔離支配
し、ときおり家畜として使役し、国は栄え安定している。ガリバーにとってはフウイ
ヌム国が理想の国で、永住したいとさえ願った。

ガリバーと同じくフウイヌム国を評価するこの米国人は二つの顔を持つ。大手米金融
機関の日本法人アドバイザー。もうひとつは米軍予備役である。危機管理のプロとし
て、不良資産を買い取る米金融機関に日本の裏社会対策を指南するかと思えば、アル
カイダ僕滅作戦を進める米軍部隊訓練の指揮にあわただしく出かける。いわばフウイ
ヌム国のヤフー対策前線指揮官である。裏社会が表のビジネス社会に浸透している日
本もアフガニスタンもこの人物の目には同じようなヤフー野放しの国に映る。彼ばか
りではない。「裏社会の国日本」という見方は米国政府やマスコミ、ビジネス界にか
なり定着している。

「日本は自力再建できない」。
今から一年前の米政権移行のとき、ブッシュ・チームが対日政策引き継ぎのためにク
リントン政権から手渡された「ジャパン・ぺーパー」にはそう書かれていたという。
ぺーパーのかなりの部分は日本の組織暴力団に関する綿密な調査に基づいて、不良債
権処理の困難さを分析している。「日本ではやくざが表社会に入りこんでいる」「組
織暴カシンジケートにコネを持つ政治家がいる」「裏杜会に取り込まれている宮僚も
いる」などだ。
ぺ-パーは国務省、財務省、国防総省、運邦捜査局(FBI)、中央情報局(CIA)など主要
機関が競い合うようにして日本の裏社会を調べ上げた成果である。組繊暴力団の舎弟
企業の関与で処理、流動化できない金融機関の不良資産の問題に、本腰を入れて取り
組む政治家、宮僚はまずいない、とぺ-パーは鋭く突いている。

事実、民間側もさまざまなトラブルを恐れて不良債権買い取りにはちゅうちょする。
代わりに米国の金融機関が不良債権を安く買い取る「ハゲタカ・ファンド」を設立し
て、つまみ食いする。裏社会を寄せ付けないためのノウハウをまとめてマニュアルに
しており、汚れた債権をあまり苦にしない。それでも、最近では米国のバブル崩壊で、
ハゲタカ・ファンドは日本よりも収益が高い本国への投資に目が向きがちだ。
ブッシュ政権はジャパン・ぺ-パーを重視しながらも、とりあえずは小泉純一郎政権
の改革に期待し、後押しする政策をとってきた。確かに特殊法人改革など一定の前進
はある。ところが、小泉政権のもとでも肝心の不良債権処理は進まない。裏社会がか
らむ不良債権をきれいに処理し、流動化する対策を後回しにして、公的資金の注入や
超金融緩和や円安容認によるインフレ推進に議論が集中する毎日だ。

ブッシュ政権は日本にいら立ちを深めている。日本要因のために国際金融市場の不安
は消えないし、景気低迷でことしの議会中問選挙では共和党の苦戦が必至だ。米国民
の支持獲得の点では日本よりも他のヤフー対策がはるかに優先する。アフガニスタン
の次はイエメン、ソマリアそしてイラクと反テロ戦争は終わらない。日本はジャパン・
ぺ-パーの予測を覆し、不良債権処理の抜本策を断行し、自力再生するしか道はない。
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(管理人)なるほどと思わず膝を打つ。そんな人もいらっしゃるはずだ。これは不良
債権処理の話だが、暴力団と言えば土建、土建と言えば道路・・・と、ことは「熊の
数より人口が少ない地方」での道路建設にも繋がるだろう。警察関係にも悪魔の手は
伸びているようだし、警察不祥事の原因にも関係がありそうだ。
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「ジャパン・ペーパー」問題を追っていたと言われる民主党の議員、石井紘基は、何
者かに刺殺された。事件の背後にいたのは、日本の暴力団なのか、CIAんなのか、そ
れとも、最も凶暴なイスラエルの秘密情報機関、モサドなのか。

これは、容易ならざる事態なのである。『マルコポーロ』廃刊事件から10年、「十年
一剣を研ぐ」想いで、シオニストの「偽の神」、ホロコーストの欺瞞を暴く努力を積
み重ねてきた私としては、まさに、正念場の感が強い。

 以上。
木村愛二:国際電網空間総合雑誌『憎まれ愚痴』編集長
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第2期ブッシュ政権と日米関係   
   
 米戦略国際問題研究所日本部長 ウィリアム・ブリアー氏に聞く
東アジアの米軍再編はまだ先/尖閣防衛に安保条約を適用
 第二期ブッシュ米政権がスタートしたが、対日政策に変化はあるのか。国務省日本部長
 を務め、駐日公使の経験もある米戦略国際問題研究所(CSIS)のウィリアム・ブリ
 アー日本部長に聞いた。(聞き手=ワシントン・早川俊行・世界日報)掲載許可

 ――国務長官がパウエル氏からライス氏に代わったが、ブッシュ政権の対日政策に変化
 は生じるか。

 長官が代わっても、変化はほとんどないだろう。ブッシュ大統領と小泉首相の関係が非
 常に親密なため、スタッフも大統領の意向をくんで行動する。また、米国の指導者は皆、
 日米関係が重要だと認識しており、良好な関係を維持していくことは間違いない。議会
 もそうだ。

 今、日米間に大きな問題はない。農業などの貿易問題が残っているが、関係を悪化させ
 るほどのものではない。

 ――知日派のアーミテージ氏の後任となるゼーリック次期国務副長官は、日本に厳しい
 考えの持ち主との見方もあるが。

 ゼーリック氏は通商代表部(USTR)代表の立場から、日本に対して厳しい発言をし
 ていた。通商交渉ではそうせざるを得ない。しかし、私は彼と一緒に二回ほど日本に行
 ったことがあるが、彼は日米関係が世界でどのような役割を果たしているかよく理解し
 ている。全く問題ないと思う。

 ――在日米軍の再編では、米陸軍第一軍団司令部(ワシントン州)のキャンプ座間(神
 奈川県)への移転などが検討されている。ブッシュ政権は世界戦略の中で、日本をどの
 ように位置付けているのか。

 私は米政府の東アジア戦略はまだはっきりしていないとみている。第一軍団司令部をな
 ぜ座間に移すのか、また、どういう役割を果たすのか、明確に説明されていない。兵力
 を展開しないで、司令部だけを移転しても意味がないと思う。日本は、米国のコミット
 メントの印として歓迎するかもしれないが。

 ――米陸軍第一軍団は日本やアジア・太平洋地域の安定に責任を持っているのではない
 のか。

 日本の防衛に大きな役割を果たしているのは、海軍と空軍だ。陸軍は今、人数も予算も
 不足している。そのような時期に、新たな役割を課すことはちょっと理解できない。

 ――尖閣諸島をめぐって紛争が起きた場合、米国は安保条約を適用して対処するか。

 まず、第一の責任は日本側にある。海上自衛隊は近代的な兵器やイージス艦も持ってお
 り、中国海軍より圧倒的に強い。航空自衛隊も同様だ。日本一国で尖閣諸島を十分防衛
 することができる。もしできないとなれば、米国は間違いなく安保条約を適用して、自
 衛隊とともに防衛することになるだろう。

 ――米中は現在、テロ対策や北朝鮮問題をめぐり良好な関係を維持しているが、今後も
 この関係は続くか。

 それは台湾問題の展開次第だ。だが、米中両国は台湾問題を爆発させないように行動し
 ており、米中関係は現状のままか、さらに良くなっていくだろう。

 ただ、問題の一つは貿易収支だ。繊維産業をはじめあらゆる分野の製造業が中国に移っ
 ている。空洞化問題によって反中的な運動が広がる可能性がある。

日中の「政冷経熱」は残念/常任理事国入り、最大の障害に

 ――中国は急速に軍事力を増強しているが、安全保障面で緊張が高まることはないか。

 先日、米軍の太平洋司令官が講演で、それほど心配すべき問題ではないと言っていた。
 中国の軍事力のレベルはまだまだ低く、長距離展開もできない。

 中国は強大な軍事力に囲まれているため、バランスを取り戻したいと考えているのだろ
 う。それ以上の意図があるかどうかは分からない。しかし、いずれにせよ軍拡競争は避
 けるべきで、日本、米国、韓国、中国が知恵を出し合うべきだ。

 日本と中国は文化が近いにもかかわらず、「政冷経熱」の状態にあるのを残念に思う。
 これは長期的には東アジアの秩序のために良くない。

 ――日本の憲法改正の動きを、米国はどのように見ているのか。

 米国は憲法改正は日本国民の問題であり、改正してもしなくてもいいと思っている。た
 だ、安全保障戦略に携わる人々は、改正を望んでいる。日米間の軍事的な協力態勢を強
 化することができるからだ。

 日本では憲法を改正して「普通の国」になるべきだという議論があるようだが、米国は
 そのようなことは気にしていない。米国は関与すべきではなく、改正するなら日本人の
 手による民主主義的なプロセスで行ったほうがいい。

 ――米国内にはこれまで、日本の軍事力強化に否定的な「瓶のふた」論があったが。

 それはもう古い議論だ。米国は日本が軍事大国になることを望んでいないが、日本がこ
 れからどうなっていくかについては、米国は基本的に打つ手がない。

 ――日本の国連安保理常任理事国入りについて。

 日本が常任理事国になるのは当然だ。しかし、そこに至るのは非常に難しい。一番大き
 な障害は中国だろう。「政冷経熱」の状態を解決をしなければ難しいのではないか。

 ウィリアム・T・ブリアー 1936年生まれ。35年間の外交官キャリアを経て、96年
 から現職。計18年間日本に駐在し、アマコスト、モンデール両駐日大使時代に筆頭公使
 を務める。また、国務省日本部長、情報調査局北東アジア担当部長、政策企画局上級顧
 問などを歴任。
       Kenzo Yamaoka
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汚職官僚と企業家の逃亡深刻化―中国   

 海外へ資産流出も
 政経分離の改革開放路線によるゆがみが激しい中国では、汚職官僚や企業家の逃亡や自
 殺が深刻化している。汚職官僚と企業家が結託して公金を横領、海外へ公的資産を流出
 させるなど、手口も悪質化し、外交官の海外逃亡も後を絶たない。(香港・深川耕治)
 党中央紀律委員会や公安当局の通報通達によると、昨年一年間で汚職官僚が逃亡あるい
 は自殺したケースは二千三百五十人(地方の省級幹部十二人、県級幹部二百四十六人な
 ど含む)。最近では孫偉・黒竜江省通河県貯蓄所長が公金約九百三十万元(一元=十三
 円)を横領してロシアで逮捕されて送還されたり、蔡豪文・吉林省延辺朝鮮族自治州交
 通運輸管理処長が約公金三百五十万元を北朝鮮のカジノで私用して逮捕されたりしてい
 るが、むしろ逮捕されずに逃亡中のケースが圧倒的に多い。(世界日報)掲載許可

 億単位の巨額横領事件を起こした高山・黒竜江省ハルビン中国銀行河松街支店長や范建
 華・中国航空証券有限公司河北保定市営業部主任、許宗林・西安達爾曼実業有限公司総
 裁、楽衛東・河南省西華県党委書記などは不明のままだ。官僚の海外逃亡は公式統計で
 も四千人を超えており、それに伴う資金の海外流出額は二億一千七百万ドルに上ると換
 算されている。

 腐敗の温床は官僚の利権体質とそれに群がる企業家の結託。党中央や国務院の報告では
 @高官名義での銀行での巨額融資Aプロジェクトの資金水増しB土地登記・転売・開発
 C証書類の発行D脱税──などが官僚と企業家による汚職の要因と指摘されている。

 国家会計監査署が昨年十一月に発表した調査結果によると、四大商業銀行を悪用した海
 外流出資金は総計一千三十五億元。国家外貨管理局が大都市部で調査した違法な外貨持
 ち出し額は昨年一月から九月までで二百七億六千万ドルに上る。

 違法な外貨持ち出しが容易な理由として約六万二千人に上る海外居住の党幹部やその家
 族の存在が挙げられる。党中央書記処が昨年末に開いた党高官家族の西欧への移民問題
 についての会議では、海外居住の党幹部や家族が持つ海外資産は二千億ドルに上ると警
 鐘を鳴らす。

 外交官が現地に政治亡命を求めたり、逃亡する例も増えており、軍内部でも物資横流し
 や訓練費の横領、軍用地貸し付け・転売など党高官の汚職と酷似する汚職など軍規違反
 で軍を離れる軍人は毎年一万五千人から二万人。官僚だけでなく軍にも汚職が広がりつ
 つある。

      Kenzo Yamaoka
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制裁対象国相手、中国が資源外交 石油対価に武器供与   
   
  ■政治的影響力の浸透狙い…米警戒
 経済成長に比例してエネルギー不足が深刻化している中国が、国外からの石油調達の対
 価として武器を供与するという“資源外交”を推し進めている。売却兵器は小火器から
 大量破壊兵器関連部品にまで及んでおり、産油国との政治、軍事的連携は強まる一方だ。
 供与先は、ブッシュ米政権が「主要なテロ支援国家」と見なすイランなど、制裁対象国
 に集中しており、専門家は「中国のエネルギー需要が国際政治に与える影響は今後さら
 に強まる」と警戒している。(長谷川周人・産経新聞) 

 日本の石油業界筋によると、中国は石油採掘権の確保を目指すイランやスーダンなどで、
 見返りに銃器やロケット砲などの無償提供という条件提示を繰り返している。入札価格
 が他国の企業と同水準でも、「軍が兵器を手土産に軍事外交を展開するから、“丸腰”
 の日本などは勝負にならない」(同筋)という。

 一方、英日曜紙サンデー・タイムズによれば、イランでは核兵器や弾道ミサイルの部品
 まで石油代金の一部に充てている。事実なら、地域の軍事バランスにも影響してくる重
 大な問題で、中東とのつながりを深める中国の狙いは「単なる企業収益だけではない」
 (同紙)ことになる。

 同紙は、世界第五位の石油輸出国で米国の総輸入量の15%を占めるベネズエラが近年、
 対米関係悪化とともに中国に急接近しているとも指摘。すでに四百億ドルの投資を決め
 た中国との蜜月関係は今後、「米帝国への新たな攻撃」(チャベス・ベネズエラ大統領)
 となり、米国のエネルギー安保を脅かすと警告する。

 中国が石油供給元を開拓し続ける最大の目的はむろん、経済成長の持続にある。事業主
 体の中国三大石油資本も、国際市場から年間百億ドル前後の資金を調達するとされる時
 代だ。ビジネスが過度に政治化すれば、投資家の離反を招き、経営の根幹は揺らぎかね
 ない。
 こうした実情を踏まえれば、中国による世界の資源買いあさりが直ちに米欧との政治衝
 突に発展する可能性は少ない。

 ただ、世界第二の石油輸入国の中国は、海外権益原油が全輸入量の22%に過ぎないか
 ら、さらなる権益拡大を目指そうとするのは間違いない。しかも、問題は、調達先がイ
 ランのほか、スーダンなど人権問題を抱えて米欧の制裁対象となる地域に集中している
 点だ。
 国際石油資本(メジャー)との経済的競合を避けるためとはいえ、そこに必然的に政治
 的対立の構図が生まれてくる。

 例えば、欧米は大量虐殺が起きたスーダンに圧力をかけるのに対し、その産油量の七割
 近くを権益として持つ中国は慎重だ。米国は昨秋、国連に石油禁輸措置を盛り込んだ決
 議案を提出したが、中国は拒否権発動をちらつかせ反対を貫いた。

 イランの核問題でも、ブッシュ政権は国連安全保障理事会への付託を視野に強硬姿勢で
 臨むものの、イランに数十の油田開発案件を抱える中国の反応は鈍い。米国も北朝鮮の
 核問題では対北交渉の窓口の中国の協力をあてにしており、苦しい対中配慮を迫られて
 いる。
 実際、米政府はこの一月、イランへのミサイル技術輸出に関与したとして、中国の軍需
 関連企業八社への経済制裁に踏み切った。米政府はしかし、官報に掲載した後は口を閉
 ざし深追いは避けているようにもみえる。

 日本の外交関係筋は「中国は対米関係が悪化する産油国にそっと近づき、政治的影響力
 の浸透を狙っており、ブッシュ政権は対中政策でますます難しいかじ取りを迫られるだ
 ろう」と指摘する。 
       Kenzo Yamaoka
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欧州経済が成長しない理由   
   
 「域内結束」が足かせに−欧州議会副議長
UPI
 各国大使や金融専門家、実業家らを前に、欧州議会の副議長に新任されたアレヨ・ビダ
 ルカドラス・ロカ氏は、十五分のスピーチの中で、欧州連合(EU)の四億五千万人の
 市民らが抱いている疑問に答えようとしていた。「どうして欧州経済は成長しないのか」

 十日に米国の首都ワシントンの大学クラブを訪れたロカ副議長は、欧州経済の厳しい状
 況を分かりやすく説明した。話の中で十九通りの統計数値を引用したが、そのすべてが
 同じことを示唆していた。つまり欧州経済は成長していないという事実だ。

 米国や日本など主要な相手国と比べ、欧州の生産力や成長率が後塵(こうじん)を拝し
 ているのは間違いない。二〇〇四年のユーロ圏の平均成長率は2・2%にすぎず、米国
 は4%、日本は2・6%の成長を記録した。

 二〇〇四年の国内総生産(GDP)でも、EUは1%の成長だったのに対し、米国は3
 %だ。「欧州の経済がなぜうまくいかないのか。どうして成長しないのか。なぜ十分な
 仕事がないのか」と同副議長はおおっぴらに自問した。

 欧州の市民はここ数年、自分たちの経済が弱いことを承知し、もっと競争できる生産力
 や成長レベルに達して、米国の後を追い掛けることにピリオドを打ちたいと願ってきた。

 その方策として二〇〇〇年に欧州議会は「リスボン戦略」を考案し、それはEU経済改
 革の指標となった。同戦略の目玉は、EUが「二〇一〇年までに、世界で最も競争力が
 あり、かつ力強い知識経済となる」というものだった。

 しかし五年が経過し、一部で成功の事例もあるが、多くの国家指導者がすでに言及して
 いるように「事態は芳しくない」(ロカ副議長)。欧州委員会のホセ・マヌエル・バロ
 ーゾ委員長が、先週ブリュッセルでの中間報告で述べたように、ロカ副議長も「リスボ
 ン戦略が成果を収めていないことを認めざるを得ない」と繰り返した。

 同副議長は成功していない理由の一つとして、リスボン戦略が「野心的過ぎた」ことを
 認め、経済改革はもっと「控えめで現実的な手法」で実施される必要があると強調した。

 石油価格の高騰など不安定な国際情勢の問題や、欧州でのさまざまなスキャンダル、9
 ・11後遺症などにも触れながら、ロカ副議長はEUには資源の多くを域内の結束強化
 に回さざるを得ない衝動があり、これがEU内の成長可能性を減殺してきたと説明した。
 域内結束という目標は、欧州モデルが基礎とする三本柱の一つで、他の二つの柱は安定
 と成長だ。

 結束の原理がEUという存在を「真に規定する原則」であることを認めつつ、ロカ副議
 長は資金を未成熟なプログラムに再配分しようとする傾向は、社会保障や福祉、年金、
 国民保健などの社会的プログラムに支出する非効率的な手法だとの見解を述べた。

 さらにロカ副議長は、三本柱のすべてを同時に発展させることはほとんど不可能だと説
 明した。責任の一半は加盟各国にもあり、必要な改革を試みた国でも、ドイツの社会保
 障改革のように、強い政治的抵抗に遭って見直しを迫られたり、引っ込めざるを得なか
 ったものも少なくない。

 さらにロカ副議長は、勤労者の数と労働時間の少ないことがEU全般に見られ、米国と
 比較すればそのことは明白だと指摘した。実際問題として同氏によれば、欧州の生産性
 レベルは米国をはるかに上回っているのだが、勤労者数が少なく、働いている時間も短
 いから、EUは後れを取っている。「要するにわれわれは怠け者だ」(同氏)

 加盟各国がGDPの3%以内に財政赤字を抑えなければならないという安定成長協定と、
 財政規律のルールが経済成長を抑えているという一部の批判に対してロカ副議長は、財
 政規律は国のダイナミズムに対する支障ではないと反駁(はんばく)した。むしろ「財
 政規律を維持している国はどこも状況が好転した」と語った。

 ロカ副議長が提出した課題に応えるような抜本的な経済改革を各国が実施できるかどう
 か。その辺に欧州経済が二十一世紀の世界でたくましく生き続けられるかどうかの鍵が
 ありそうだ。(世界日報)掲載許可
     Kenzo Yamaoka

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