1900.資源争奪戦の現状について



資源争奪戦を欧米中露はしている。この争奪戦を見よう。 Fより

石油や天然ガスなどのエネルギー資源だけではなく、資源としては
鉄、銅、亜鉛、アルミニュームなど鉱物資源も重要であるが、特に
現代社会で重要なのが希少金属でしょうね。鉄などは多くの地域で
産出しているために、政情不安定にどこかの原産国がなっても、
代替産出国があるが、希少金属は偏在しているためにそのような代
替がない。

このように希少金属の偏在性のために、その国を押さえることが重
要になっている。たとえば、クロムは南アフリカで83%産出して
いるし、南アフリカはマンガンも54%産出している。モリブデン
は米国、チリで69%産出、コバルトはコンゴ44%、キューバ
22%産出、バナジウムはロシア・南アフリカ80%産出である。

石油資源争奪戦争は中東のイラク、イランで行われているか今後、
行われる可能性があるが、希少金属も同様に各国の思惑が影響して
いる。特にアフリカ諸国の内戦を見ると、この裏に欧州と米国の影
を見ることが多い。アアフリカの内戦の裏に資源戦争があり、政権
やゲリラ活動資金として、欧州や米国の国家や企業が関わっている
ことが多い。

一応、アフリカの資源の分担が決まっていたが、米国が南アフリカ
を黒人国家にして、その鉱物資源をオランダ・英国から奪ったこと
は新しいことで知られていると思いますが、ダイアモンド資源の争
奪戦でもあるシエラレナネ内戦で、ここの国民が多数犠牲になって
いる。希少金属が多いコンゴも内戦が多いが、米仏蘭の資源争奪戦
ですね。

このように資源争奪戦としてアフリカ内戦を見る必要があるのです。
武器を手に入れるためには、多額の資金が必要であるが、その出し
手は、貧乏なアフリカの現地人ではないことは容易に分かることで
ある。この内戦を止めるためには、欧州と米国、欧州内での勢力分
野を決める必要があり、その調整の場として欧米秘密会談であるビ
ルバーバークが必要になったのです。しかし、米国が強大であるた
めに、欧州がまとまって米国に対抗する必要があり、欧州内での地
域調整の場としてEU統合を行ったのです。

そして、米国は中東全部の石油を米国が奪おうとしたために、欧州
が反発したのが、今回の米国のイラク侵略戦争と欧州の反発なので
すよ。そして、地域調整としてアフリカの石油が欧州で中東石油が
米国と決まったようです。今回のライス訪欧と来月のブッシュ訪欧
はその調整が済んだことで、欧米協調を再確認する訪問になってい
る。しかし、この資源争奪戦の場に日本の姿がない。これはいいこ
とであるが、資源の獲得に日本は備蓄で対応するしかないし、価格
変動に揺れることになる。

中国は資源獲得競争に参加するべく、世界を回り始めている。しか
し、それは米国や欧州とどこかで激突することになり、欧米諸国と
地域調整をする必要が出てくる。この場としてやはり、ビルダーバ
ーク会議を使うようですね。中国の参加はそのような意味も持って
いる。特に南米ベネズエラに対する石油資源獲得競争に米国は自勢
力地域に中国が手を出してきたと、不信感を持っている。

日本は、世界の共生の論理でいくのでしょうね。日本が全ての分野
で強いことはしない。資源や石油は欧米の企業から買うことで、欧
米諸国との摩擦を回避することの方がいいと思う。
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レアメタル備蓄
http://www.enecho.meti.go.jp/energy/mineral/mineral2.htm
 レアメタルは磁性材料や電子部品を作る原料として、電子工業に
代表される先端産業に利用されています。また、特殊鋼等の原材料
として鉄鋼業、機械工業には必須の資源です。
 しかし、レアメタルの生産国は政情不安定な国を含めて海外の少
数国に限定されており、供給構造は極めて脆弱となっています。
そのため、レアメタル7鉱種(ニッケル、クロム、タングステン、
コバルト、モリブデン、マンガン、バナジウム)について、国家備
蓄を行っています。 
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世界の環境ホット!ニュース(GEN) 141号
                                     2002年10月23日 別処珠樹
 過剰消費が資源戦争を起こしている

      偶像に触れてはならない。金箔が剥げて手に残る──フローベール

 先進諸国では、かなり前から消費の性格が変わってきたといわれます。必需品
 の需要=「必要消費」がある程度は満たされて、消費の中心が「過剰消費」に
 移ってきたからです。「選択消費」という場合が多いようですが、ここでは特
 徴を際立たせるために、あえて「過剰消費」と呼んでおきます。たとえば「海
 外旅行」は絶対に必要な消費というわけではありませんが、いまや売り上げ良
 好な商品の一つになっています。私自身は一度も海外に行ったことがないので
 すけれど、自分の家族もふくめて、まわりの人たちは一度や二度は海外に出か
 けていますね。

 あるいは携帯電話もそうではありませんか。私は携帯電話を持っていませんし、
 将来も使いたいとは思いませんが、25歳・20歳・17歳と、3人の子ども
 たちはみんな持っていますし、持っていないと生きていけないぐらいに思って
 いるらしい。これも私にいわせると過剰消費です。いうまでもなく、どこまで
 が必要消費でどこまでが過剰消費であるかを固定して考えることはできません。
 時代の状況によって必要なものの範囲が変化するからです。百年前なら固定電
 話は過剰消費だったでしょうが、いまではなくて済ますことはまずできません。
 ですから将来、携帯電話が必要消費になる時代が来ないとは断言できません。
 どこで線引きをするかっていうのですか。まあ100%近くの人がゼッタイ必
 要だ、これがなければ生きていけないと思ったら、それは必要消費としていい
 んじゃないでしょうか。

 現代の先進国経済は過剰消費が中心になっています。衣料・食品・住居といっ
 た必要消費は、まあなんとかなる。なんともならないホームレスの人たちがた
 くさんいるではないかという反論があることは、もちろん承知しています。い
 ま問題としているのは、何が社会の動きの中心になっているか、です。95年
 の統計で日本のエンゲル係数(食料費の占める割合)は24%ほどです。つま
 り、支出の半分以上を過剰消費が占めるようになっているわけですね。この過
 剰消費がどんな問題を引き起こしているか。

 「ワールドウォッチ研究所」が新しく出した研究によると、このような過剰消
 費が資源戦争を引き起こす原因になっています。
 ──携帯電話の製造に必要なコルタン鉱石、ダイアモンド、マホガニーなどの
 熱帯木材、その他の貴重な原材料をめぐって残酷な戦争が毎年行われ、二千万
 人の人たちが殺されたり、移住を余儀なくされたりしている。また、戦費とし
 て120億ドル以上が調達されている。たとえばコルタン鉱石を使えば使うほ
 ど、鉱石に対する支配権をめぐる争いが激しくなるから、結果として携帯電話
 を使う人は戦争に加担していることになる──

 携帯電話の被害にあっているのはゴリラだけではないようです。コルタン鉱石
 をめぐる争いでたくさんの人が死んだり原住地から追い出されているらしい。
 マホガニーでも、たぶん同じ問題がある。マホガニーで作った民芸品などには
 神秘的な力があるなどとしてもてはやされる。それが熱帯林のマホガニーをめ
 ぐる争いに拍車をかけている。おおきな図式でいうと、先進諸国の過剰消費が、
 途上国の資源をめぐる争いを激しくし、資源の枯渇に拍車をかけていることに
 なります。つまり先進諸国の過剰消費は、いまではその社会の本質であるかの
 ような概観を呈していますが、実はそれが途上国の苦しみの上になりたってい
 るという事実に、あらためてワールドウォッチが注意を促しているわけです。

 経済学者や政治家は、景気を回復するには、もっと消費を増やさなければなら
 ないなどと言っている。彼らは何の痛みも感じていないように見える。私たち
 の社会で持てはやされる偶像(アイドル)は、大なり小なりこういう性格のも
 のらしいですね。そして過剰消費は過剰廃棄を生む。

 ▼ワールドウォッチ研究所 http://www.worldwatch.org/
                       ご意見・ご質問・ご投稿 → gauss@kcn.ne.jp
登録・解除 → 学びと環境のひろば http://www.kcn.ne.jp/~gauss/
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イラク選挙成功の影響は僅か   
   
 到底不可能になる米軍の撤退/地球的軍事機構に組み込まれる
在仏・米コラムニスト illiam Pfaff(ウィリアム・ファフ)
割れるイラクの反米武装勢力

 一月三十日のイラク国民議会選が成功した。これにより、米・イラク関係が重大な局面
 を迎えた一方で、一つの重要な疑問が解けた。重大局面を迎えた米軍撤退をめぐる疑問
 だ。選挙当日のテロは限定的で、投票率も一定の基準に達した。その結果、武装勢力の
 テロ活動の性格について、違った見方が出てきた。米国人の殺害を目指す武装勢力と、
 同胞であるイラク人を殺害している武装勢力との間に違いがあるのではないかというの
 だ。

 米国と同盟国の撤退を望むナショナリスト武装勢力と、終末論的で無政府主義的な社会
 改革を誓う武装勢力とは常に意見を異にしてきた。終末論的武装勢力にとって、信仰の
 ないイラク人は、侵略者の米国人と同様、殺害すべき対象となる。恐らくナショナリス
 ト武装勢力は、投票日は活動しなかった。イラク人有権者を殺したくないからだ。これ
 が確かなら、ナショナリスト武装勢力を宗教的で無政府主義の狂信者らと引き離すこと
 は可能だろう。

 ナショナリストが望んでいるのは、イラク人のためのイラクだ。宗教的狂信勢力は、世
 界を変革し、新しいカリフ国家が世界を支配し、米国が自壊することを望んでいる。壮
 大な目標だが、ほとんど実現は不可能だ。これは、米国でのイラク論議でよく語られた
 内戦勃発の可能性が低いことをも示す。イラク人が政治的危機に対処する能力を備えて
 いることをよく示すものでもある。ナショナリストの目的が、外国占領軍の撤退だけで
 あり、米国の撤退を望むイラク政府ができれば、いつかこのナショナリストとイラク政
 府が協力することは可能だ。

 重要なのはここだ。イラクからの撤退問題で米国は割れているが、イラクでも同じよう
 に、米軍の占領に反対する勢力はナショナリストと宗教的狂信者に割れているのだ。

米軍事基地は無期限リースか

 ワシントン政界は米大統領選以来、出口戦略で沸いていた。民主党は選挙運動中、米軍
 のイラク撤退をほのめかせば、共和党から、裏切りとまでは言われないにしても、「反
 愛国的」として猛烈な攻撃を受ける可能性があるという理由から、まひ状態にあったが、
 すでに一部は回復している。

 エドワード・ケネディ上院議員のリードで、明白な事実を指摘するものが出てきた。つ
 まり、ケネディ議員が指摘したように、米軍の駐留は、トラブルの元であり、問題解決
 にはならない、というのだ。それに対しブッシュ大統領は、「慌てて逃げ出す」ような
 ことはしない、と繰り返し主張してきた。大統領は、イラクの新政府が求めれば、撤退
 するとも語ったが、テロを抑え込むまで「連合軍は必要である」ことを、イラク新政府
 が分かるようになることに自信を示した。

 死傷者が出ていることに対する国内の反応が厳しくなり、開票が終わって移行政権がで
 きてもテロがやまないなら、大統領は違った政策を模索するようになるのではないか、
 という見方がある。大統領は中間選挙で勝利し、イラク問題を解決して二〇〇九年の任
 期満了を迎えたいと思っている。しかし、大統領といえども自由にならないこともある。
 米政府内では組織と思想という大きな力が働いている。それはイラク侵攻以前からのも
 のだ。

 この力は、大統領でも、対抗したり、停止させることは極めて難しいほど強力だ。もと
 もとイラク侵攻の目的の第一は、米政府がイラクの石油生産への影響力を通じて、世界
 の石油価格を意のままに動かしたいと考えたことだ。第二は、恒久的な米軍基地を持つ
 必要性があること。米国はサウジアラビアの宗教界の主張、サウジ政府からの圧力を受
 けて、同国内の基地を閉鎖しており、イラクはその代替となる。米軍のイラクでの戦略
 的重要性に従えば、イラク内での軍の再配置が必要になる。米国は、フセイン政権が崩
 壊すれば、イラクは米国の言いなりの同盟国になると思っていた。

 ところが、テロは続き、米国の置かれた立場に変わりはなく、事態はかえって複雑にな
 ってしまった。この戦略の下で、十二の基地が建設中であることが報じられている。米
 国の報道官は、これらのイラクの基地が完成すれば、米国に無期限でリースされること
 になると指摘した。テロが続く中で、巨大組織である米政府はこれらの基地の建設を続
 けてきた。

イラクは変わっても米は不変

 同時にバグダッドのグリーンゾーンには、米国人総督にふさわしい大使館が建設されて
 いる。この大使館には、約四千人の職員が勤務する予定だ。イラクは、米国の地球的軍
 事機構に物理的に組み込まれようとしている。この軍事機構は、米国防総省が二十年間
 にわたって築いてきたものだ。これを止めることは可能だろうか。ブッシュ大統領が望
 んだとしても難しいだろう。ただ、大統領がそれを望むとはあまり考えられない。イラ
 クの新政府が、米国の撤退を望んでも、撤退は実現しないだろう。純粋に現実問題とし
 て、イラク政府の政策が変わることはあっても、米政府の政策が変わることはない。

 ケネディ政権の末期、ロバート・マクナマラ国防長官は、米国がベトナムから撤退すべ
 きであることを知っていた。しかし、政治機構が動き、マクナマラが撤退を主張したと
 しても、その主張はのみ込まれてしまっただろう。米国は変わらなかった。十年たって、
 国家的な政治危機、戦場での敗北、徴兵された米陸軍兵らの反抗という事態になって、
 撤退を余儀なくされた。

 これと同じ米国の政治機構が今、イラク問題に関与している。ブッシュ政権が、直ちに
 撤退することが可能と考えていても、考えていなくとも、撤退は到底、不可能なのだ。
 (世界日報)掲載許可
       Kenzo Yamaoka


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