1856.2004年の回想



毎年恒例の2004年の回想をしましょう。  T&Fより

T:2004年も大変な年でしたね。だんだん戦争などの激動度が
  増して悪くなる。米国はイラク戦争に負けているようですね?

F:2003年3月下旬から戦争が始まり、そして、当初予測した
  とおり、ゲリラ戦になって、米国は苦戦している。どうもファ
  ルージャの戦争でも、大きな損害が出たようですね。米国の威
  信はずたずたになっている。このため、新しい欧州諸国と持ち
  上げられたポーランド、ウクライナなどが撤退するようである
  。

T:2003年の回想で、福音派のハルマゲドン推進を心配しまし
  たが、今年は大統領選挙でブッシュが勝ちました。これで、益
  々、福音派・ネオコンが勢いづくのではないですか??

F:悲しいことですが、そのとおりですね。共和党でもエリート層
  のアーミテージやパウエルが居なくなるので、さらにネオコン
  や攻撃的リアリスト(覇権維持のために戦争をする派)の天下
  になりますね。その支持母体が福音派ですが、イラク戦争で犠
  牲者が多数になると田舎にいる福音派の信者が犠牲になってい
  ることと、イラク戦争に駆り出された福音派信者の兵が戻り、
  無意味な戦争と非難し始める可能性がある。

  徴兵制がないために、金持ち達の息子が居る大学での反戦運動
  は無いので、兵員を確保できれば米国はイラク戦争を継続でき
  るが、その兵員を確保できなくなる可能性がある。この兵員と
  して、日本の陸上自衛隊に目をつけてている。

  それとイラク戦争から撤退したら、米国の覇権は風前の灯火に
  なることをライスなどの攻撃的リアリストたちは知っている。
  このため、中東戦争も拡大し、かつ中国との戦争も想定する。
  これしか、米国の覇権を維持することができない。経済力がな
  いために、米国が強い戦争で覇権を維持する。テロという脅威
  を作り、それで世界を統制しようとしている。

T:Fさんによると、シリアやイランに拡大するというが、もしイ
  ラク戦争で撤退となると、どうなるのですか??

F:イスラエルへのゲリラの移動を考えることが必要で、ネオコン
  たちやイスラエルのシャロンは、これを一番恐れている。
  イスラム・ゲリラには給与が出ている。戦争報奨金もある。
  このように国家に準じた組織で動いている。それが世界宗教と
  して纏まっているイスラム教の助け合いの組織がある。この軍
  事部門の統括がビンラディンかその後継者なのであろう。

  そして、どうもこの組織を統制しているのが、サウジかパキス
  タンの情報機関で、米国がその情報機関をコントロールしてい
  るように感じる。

  このため、シャロンは労働党のペレスを引き入れて、和平工作
  をせざるを得ない状態になっている。イスラエルに焦点が当た
  ってきた。この先はシリアかイランが関わるのでしょうね。も
  しかすると、サウジアラビアも関わる可能性がある。この裏の
  シナリオを米国が書いている。どうも、中東のシナリオを変更
  した可能性が高い。

  攻撃的リアリストは中東戦争後、米国建て直しは中国との戦争
  しかないと考えている。米国の弱点もイラク戦争で知ったため
  に、陸上攻撃は他国軍にさせる必要を感じている。このため、
  日本の陸上自衛隊を米陸軍の替わりに使おうとしている。

  第2次日中戦争に持ち込み、日本が核攻撃されて滅亡しても、
  米国本土が攻撃されなければいいと考えている。もしくは、米
  国本土はミサイル防御ができて、大陸弾道ミサイルは防御でき
  るようにして、中国を攻撃するとしている。

  日本は中国近傍にいるために、大陸弾道ミサイル防御以上に難
  しい。このため、核攻撃には核攻撃という手段が無い状態で、
  中国を刺激するのは一番いけないことである。米国は今の状態
  では、日本を助けないですよ。米国本土防衛ができないで戦争
  したら、米国民を犠牲にするために戦争をしない。ということ
  で、米国が参加しない日中戦争を米国ネオコンは仕掛けてくる
  のです。これに乗ってはいけないのですよ。

  このため、台湾独立で台湾が攻撃されても、米国は通常戦争の
  範囲以上になりそうであれば、手を引く。このため、中国は核
  戦争も辞さずという反国家法を制定して、米国を牽制している
  のです。国粋主義者、台湾親派の方も、このぐらいは予測して
  行動して欲しいのもである。なぜ、中国が反国家法を制定しよ
  うとするかもです。中国は裏に米国がいることを知っている。

  今の国粋主義者は日本国家にとって一番危険な存在になってい
  る。愛国心を強調する人たちが一番危険である。冷静な分析を
  しないで、感情だけで行動することが軍事上一番危険であると
  いう見本になっている。それに引きずられる日本の政府も評論
  家もなさけないですね。というより、日本に軍事戦略学が無い
  ことが危険ですね。まともな学者もいない。

T:将来予測は、明日聞きたいと思いますが、日本経済はどうでし
  ょうかね??

F:このままでは難しいですね。少子化が定着して、世界的に日本
  の将来はないと見られている。当分は大丈夫であるが、どうす
  るのか世界が見ている。私は移民を認めろと言い続けている。
  FTAなどでも中国に負けているのは、移民問題と農産物輸入
  の問題の2つですが、労働者の移動がある程度できれば、FT
  Aは纏まっている。アジアで中国と競合関係になって、一番い
  けないのが日本の閉鎖性でしょうね。何も問題を解決しない。

  ユダヤ人を中心とした国際人の定着を促進するべきであろうと
  言っている。このためには、イスラエルから脱出するユダヤ人
  に好条件を提出して、来てもらうことがいい。米国も歓迎はず
  。このことが次の日本の発展に寄与すると思っている。

T:明日もこの続きをしてもらいます。それでは今日は、どうもあ
  りがとうございました。よいお年を!!!
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与党リクードと野党労働党が連立合意―イスラエル(世界日報)
和平進展に期待も

 【カイロ18日鈴木眞吉】イスラエルの与党リクード(党首・シャ
ロン首相、議席数四十)と野党労働党(党首・ペレス元首相、議席
数十九)は十七日、連立政権を樹立することで合意した。合意文書
への正式な署名は十九日の予定。

 シャロン政権は十二月一日、来年度予算を巡る対立から、中道政
党シヌイ(議席数十五)の閣僚らを罷免して少数政党に転落してい
たが、今回労働党系野党の三議席を加えて六十二議席とすることに
より、国会(百二十議席)で安定多数の議席を獲得することになる。

 内閣改造は来週中にも行われる見通しで、労働党には内相や建設
相など八つの閣僚ポストが与えられるという。なおペレス党首は副
首相として入閣する予定。両党の連立は二〇〇二年十月以来となる。

 シャロン政権の基盤強化に伴い、ガザ地区からのユダヤ人入植地
撤退計画のスムーズな進展が期待されると共に、対パレスチナ和平
を一貫して推進してきた労働党の政権参加により、和平交渉進展へ
の期待も高まりそうだ。 
2004/12/18 21:02 
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トニー高橋の西方見聞録 
【Dec, 25 2004】 Vol.113 発行部数 3000部
イラク武装勢力の財布事情

戦国時代と化したイラクでは武装勢力が2003年夏ごろから暴れ
始め、誘拐や殺害を繰り返している。その武装勢力はどのように出
来上がっているのか、中身を知る事が出来た。

「全ては職がないことが原因。俺は女房と6人の子供を食べさせる
ために闘っているだけだ」最近まで半年、バグダッドや郊外で闘っ
ていた、ビン・ザルーニ(28)さんは言った。

レバノンに反抗組織の事務所を持ち、イラクに行って闘っていると
いう彼は、以外にも組織の経理事情をあからさまにした。

「日給は10ドル。夜間手当ては50ドル前後、ファルージャやサ
マラなどのスンニトライアングル戦闘手当ては50―100ドル前
後」彼は言う。

モスクにスカウトマンが口コミで募集。組織の人事で面接を行い、
3,4日の研修をして、5―6人の組織で行動する。各グループにリ
ーダーがいて、月末28、29日になると経理から決済を受ける。

「成功報酬は、ロケット弾命中で400ドル、迫撃弾は100ドル
、米兵殺害に3000ドル、地対空ミサイルで飛行機撃墜に2500
ドル」彼は説明した。

更に、イラク軍や警察殺害は2000ドル、シーア派幹部殺害は
1000ドルの報酬があるらしい。

100とも300とも言われる武装組織は大きく4つに分かれ、ス
ンニ派のサラフィー、アラブ義勇兵が集まるワハビー、サダム残兵
、そして町のチンピラになるそうだ。

「組織はしっかり統制されているが、すべて財政能力によって士気
の高低が起きる」と彼は指摘した。兵達も給料が不安定になること
によって武装勢力から離れたり、違う組織へ転職するらしい。

また、緊張を維持するために、ローテーションや闘争地域の回転が
速く、1人の友達も味方も作れないほど緊迫しているそうだ。

現実主義で戦う彼らの頭は全て家族や身内のためにあるようだ。

「トマトが2キロで1ドル強、鳥は1羽2ドル強、羊は一頭80ド
ル。つまり1週間闘って羊を買おうと言う感覚だ」彼は付け足す。

現実、武装勢力もカネのために戦っているようだ。一方、連日、10
―20人の市民が爆弾や銃撃戦による巻き添えで死傷している。
これらに関して、武装勢力は1つの仕事として思っているに過ぎな
い。もっと他に実利ある商売があれば喜ぶのであろうが、戦国時代
は、許してくれなさそうだ。


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