1850.戦略を考える時の基礎



国粋主義者の間違いは、戦略を考えるポイントが感情論に大きく傾
いていることである。   Fより

戦略論は論理的な学問として、欧米、特に英国では確立している。
学問であるために冷静な論理で成り立っている。

この論理から見ると、日本が核軍備もなしに、戦争を今中国とする
というな勇ましいことを言う国粋主義者は、第2次世界大戦に負け
て感情的な勇ましさは物量や武器性能や工業力を乗り越えられない
ことを知ったはずであるのに、またもや負ける核戦争を中国に仕掛
けていることに気が着かないようだ。

中国に核ミサイルがあり、その防御がない間は日本から中国に戦争
の口実を与えてはいけないし、台湾独立というような無謀なことを
しないように日本も台湾を説得するべきである。中国は本気で戦争
をすると、台湾人は全員死亡することになる。米国がイラクで負け
ているのは、民主主義の道をイラクに開くというような穏健なこと
であるために、戦争に負けることになるのです。

これに反して、台湾人を全員死亡させると中国のような独裁国家の
指導者は考える可能性が高い。旧ソ連、北朝鮮をみれば分かる。
民主主義国家のような論理は中国に通じない。日本人全員を殺すこ
とも厭わない。チベットの情勢をみれば分かるではないですか??

このような中国と戦争になるような言論は、日本が中国人全員を殺
せる武器を持ったときにするべきである。それなしに中国と敵対す
るなら、米国崩壊と共に、日本は中国に滅亡させられる可能性が高
い。冒険主義過ぎる。日本にとって、何の得にもならないだけでは
なく、大きな害を及ぼしている。

米国のネオコンばかりではなく、欧州のエスタブリシュにまで日本
と中国をぶつけようと工作させられることになっている。日本にと
っても中国にとってもいいことではない。経済封鎖という戦争でも、
本当の戦争でも、両国民は疲弊する。第2次大戦で日本が戦争に突
入したのはABC経済封鎖であったことでも分かるとおり、経済封
鎖は本当の戦争になる可能性が高い。勝てない戦争をしないことが
、国粋主義者が好きな孫子の兵法ではないですか??

国粋主義者、反中主義者のバカな主張を真に受けて、中国と敵対し
て戦争をする気であるなら、日本人全員の死亡は近いですよ。
経済封鎖も一種の戦争ですから、本当の戦争になる可能性が高い。
それをやろうとしている。軍事的側面をあまりにも無視している。

恐怖の戦略で来ている中国に何も考えずに、国粋主義者は対応して
いる。日中戦争をすることの不利を無視している。感情論だけで国
家の存亡を決めている。今、一番日本で非国民なのが、この国粋主
義者たちである。日本をとんでもない道に追いやり、国民全員を危
険に晒している。それを愛国心と思ってやっていることに、大きな
憤りを感じる。

リアリストには2派あり、ライス国務長官は攻撃的リアリストであ
る。このため、米国が覇権を維持させるために、攻撃的な覇権確保
をしようとして、イラクの石油を狙って、イラク侵略戦争を起こし
た。これは世界で一番強い軍事力を持っているからできることです
。国粋主義者は、それと同じ戦略を日本でしようとしているように
感じる。

しかし、日本は現時点では防御的リアリストの主張する戦略でいく
しかない。このため、平和を志向して穏健に主張する。欧米やアジ
ア諸国と連帯して中国とも友好関係を維持して、中国に民主化を進
めるしかない。中国とまともに戦えるのは、米国しかない。日本は
できない。そうすると、中国と平和を志向するしかないのですよ。

このリアリスト研究ではYSさんやコバケンさんに論文を書いても
らうしかないが、戦略論におけるリアリズムの研究を日本でも行う
必要がある。地政学はリアリズムとして学問になっていることを、
知って欲しいし、その成果を活用してほしいですね。中国の戦略家
はこのリアリストを研究しているようですよ。日本が遅れているの
です。

シーパワーとランドパワーだけの古い論議をせずに、パワーの取引
やその対応などが学べるので、1842.国際安全保障学と戦略学
にある論文を読んで欲しいですね。まともな議論を冷静にして欲し
いのです。

1842.国際安全保障学と戦略学
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/k6/161217.htm


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