1849.<安心>への道と木村コラム



政策の目的。<安心>への道を模索して…。

本来、政策の終局的な目標というのは、<安心>を得ることにある。
そして、誰がそれを得るのかということもある。
(本来国民みんなが、というのが、表向きの答えであろうが、現実
には、それを建前にしたある階層や、一部の利益集団の為というこ
とにもなりかねない。政治の本来の機能は、<調整>であるので、
それらの集団間の<安心>の分配が、主要な仕事になる。)

他国からの侵害の不安の為に、軍隊や外交がある。
食うことの不安から、確実な食料の確保の道(農水)がある。
病気の不安の為に医療があり、働けなくなった時の不安の為に厚生
政策が存在する。犯罪の不安の為に、法や警察が存在し、災害にそ
なえて国土政策がある。
国民の生活基盤が持て、かつ円滑であるように経済政策がある。
それらを能率的に運用する為に、行政組織がある。

不安の解消が速やかに、うまくいく為の技術的選択がある。
<不安>は外的条件で解法を得るものと、内的に解法を得ることと
の二通りのやり方がある。そして、多くは、死後や、解決されない
現実の不安の為に宗教にすがるのである。
(現世利益というのは、また別の動機であるが…。)

確かに、「苦」は、仏陀が解き明かしたように、最終的には<ここ
ろ>のハタラキとして処理されるから、内的解決が、確実な法であ
ろう。だが、内的なハタラキも、多くの場合外的条件にも影響され
ている。そして、内的な<不安>の除去についても、人によって一
様ではない。。仏陀が究極の方法を説いたとしても、現実との絡み
や、段階として、色々と方便が用いられるのが現実だ。

人は、様々な形で、不安を持つ。
原理主義者達が跋扈する世界は、自分達の<不安>が高まった時で
ある。互いの<不安>の衝突が、寛容を後ずさりさせ、世界を衝突
に導いている。
自分達の生活…、信条…、価値観…、尊厳…、未来。
そして、過剰な防衛が、排他と過虐を生む。

確かに、単純で、専心な信仰こそ、もっとも強い心の安定を得るこ
とが可能かもしれない。それは、判断の停止(苦痛のブロック)を
含むから、「宗教はモルヒネである。」という言葉もあながち嘘で
はない。だが、人は、不可知なモノに対して、常に畏敬と答えを求
めている。

唯物観では、外的な解法さえすれば、最後には<不安>を解消でき
ると考えていることになる。しかし、それは文明の歴史をみれば、
間違いだろう。人間の内部が、外部環境にかなり左右されるのは確
かだが、(恒産なくして、恒心なしというのは良くわかる言葉だ。
)しかしそれによって、完全な安心を得られるとは限らない。不安
には様々な要因がある。
それに、外的条件を停止状態にすることには無理がある。

時に忘れられているが、バイブル・コーラン(アブラハムの啓典)
の神は本来物理的・実体性がある考えられている。同様に悪魔も物
理性がある。これも、旧約の神が、霊的というより、とても物理的
な神であることによっている。

イエス・キリストがでて、それを霊的(精神性)の方に切り替えし
たが、キリスト教会が、基盤を得るために、旧約聖書を内に取り込
んだために、この、物性は残った。(イエスは、これを内化し、普
遍化した節があり、内化された神のハタラキは、実は仏(法)との
整合性も考えられないわけではない。)

我々は、コンピュータを扱うようになって、はっきりとした二つの
概念を得た。それは、「ソフト」と「ハード」という概念である。

「ソフト」は確かにモノによっているが物性はない。
「ハード」は、より複雑化するが、「ソフト」が無ければうまく働
かない。
ソフト=情報=言語・記号=関係=意志=イデアと考えることもできるし
ハード=物質=物理法則に従うモノ=存在=下部構造と見ることもできる。
この二つは、互いに依存・貫入しあっていて、分別できないが、違
う法則下にある。
(あるいは、異なった次元にあるモノが、重なり合ったモノととら
えることができる)
二つの関係は、並んでいる「モノ」=ハードと「並び方」=ソフト
の違いとも言える。原子や分子を野放図に置くか、規律的に並ばせ
るかで、ハタラキが違ってくる。この場合、「並べ方」という構造
様式は、極言すれば、<情報・言語>に属するともいえる。

そうすると、「法則」とは、「並び方」に強制力のあるイデアとも
いえる気がする。(これをして、宇宙の意志・ロゴスとかいうのは
、擬人化に見えるが、逆転して考えるならば、宇宙の意志(法則)
が物体を造り、生命を生み出しているのだから、人間の<意志>と
いうのは、その<意志・法則>を分有しているとも考えられるので
、それを<意志>と呼ぶのはふさわしいことかもしれない。)

外的(物質的)条件を整えることは、ハードの交換による性能の向
上や、スペックを上げたりすることにあたるのであろう。
そして、内的な変化とは、ソフトとして、人・あるいは社会の「メ
ンタリティ」の部分を書き換えることであろう。外部条件の変化に
つれて、ソフトも適正化するように、書き換えられていく。あるい
は、ソフトに合わせて、外部の仕組みが並べ替えられる。
そして、外部と内部の齟齬もやはり起きる。
外来のモノ同士、や外から異種のモノが貫入した時は、尚その摩擦
傾向は強く出る。ソフトは、人の歴史的文化の上に、因果として集
成しているから、基礎部分を理解しないで、押し付けることは混乱
や、機能不全をおこす。ただ、あるではなく基礎から積み上げられ
た秩序の理解と整合が重要だということになる。(歴史的、文化的
、社会的合意が必要なのだ…)

また、<安心>と言った場合、それは「停止」を意味するものでは
ない。生命は常に動的であって、その中で、<安心>を得るために
は、<安定>というものが動的な<ゆらぎ>の中にこそ存在するも
のであることを知らねばならない。
また、この<ゆらぎ>も、外的条件で大きく振れて、違うレンジの
安定条件へ移行することも知っておくべきだろう。

そして、社会もまた、生命現象の模倣のようなシステムだから、
やはり、ゆらぎから逃れ得ないし、大きな外的変化に対応して、変
化して、新しい安定条件へ移行していくのは止められない。

文化もまた、関係性の中で、形成される。
歴史的関係性(因果)、外部との関係性(縁起)、のの関係性の上
にあるから、固定的なモノはない。即ち<空>である。
政治も経済もまた、関係性の力学上にある。
理念は、観念(イデア)上にあり、事実は変幻する関係の総体にある。
統治は理念の追求にあり、戦略は、リアリズムに支えられねばならない。

禅による静止は、身体の停止(死)ではない。
脳内の仮想上の静態であり、そうすることによって、他のすべての
微細な動(五感や、時間、時代、人やモノの関係)態を見分け・見
定めることが可能になることだ。
そして、微細な動を見定めることは、宇宙を見定めることに他なら
ない。だが、それを見定める力は、個人の内面に起こる。
そして、それは動的な内に、静態を見出すメソッドを持つ。
そうすることによって、自己をつかみ、かつそれを宇宙に開くこと
ができるのだ。その方法を伝えることはできても、それを見出すの
は本人しだいであるが。

誰でも、<中心>というモノは自分にある。
それを主観といい、自分の属するところ・国が中心と見える。
しかし、考えてみよう。
球体の上に立っているものは、皆、中心を通る線上に立っている。
足元こそが中心軸なのだ。
時々、中心を他のものに預けてしまって、自分は辺境なのだとする
人がいるが、それは間違いだ。誰もがしっかりとした、中心軸を持
つべきなのだ。

しかし、この<中心>は、他の人、他の場所にもやはり存在する。
一世界=多中心というであることを押えておく必要がある。
独善に陥らぬためにも、他者の尊厳を理解しない人間に、自分の尊
厳は守れない。

ここのサイトで、本来、論じるべきことは、人が<安心>するため
の、外形的な条件を整えるための方策であろう。それを社会政策と
いう。大きな意味では、それに至る道を見つけ出すこと、それが戦
略なのだ。短期的視野と、長期的な展望を持つ。
人は、目的のために様々な闘いをするが、闘うことは、そこを過ぎ
れば、<安心>が手に入ることを前提としている。
「富」というのも、<安心>を得るための、重要な手段(選択を増
やすための)であっても、目標ではない。
外的(物質的)欲を無制限の獲得することも目的ではないが、物質
の確保は安定を得るための基礎条項(生存の継続するための条件)
にはなる。生き物は、食べなければ生きてはいけない。そして、個
による、永遠の生も存在しない。

ウサギはウサギの夢を見、獅子は獅子の夢をみる。それは、あたり
まえのことだ。それらの本性をまっとうすることが大事なのである。
ウサギは草を食み、獅子は、動物を食らう。
だが、すべては、草原と太陽と水に支えられている。
だから、一部の者が利益の独占や、支配という<欲>の為に、それ
らが住む草原を焼き払うようなことをしてはならない。水がなくな
るのを、できれば回避したい。
われわれが外部条件として扱い、注意しなければならないのは、草
原や、水が枯れないように地を整えることだ。

政治権力の移動は常にあった。国の盛衰も歴史的にありがちなものだ。
今や、多国籍企業は、国家の枠さえ乗り越えている。
また、情報もリスクも、軽々と国境を越えている。
ただ、われわれが、決定権を及ぼせる範囲(主権)というのが、「
国」という枠組みなのだ。それを大事にし、選択に微力をっつくす
ことでしか大きな選択に関与できない。

それでいて、地球規模での合意を得られなければ、誰もが直接的、
間接的な危機に陥る可能性がある。
貧しい者は、それを回避する手段が少なく、早く影響を受ける。
だが、富める者も、その危機から逃れえないだろう。

人が、動物の生活を離れたことが、自然を改変し、滅びへの道を歩
き始めたのだという意見もある。
ただ、人が、道具(言葉等も含めて)を使う存在であるというのは
変わらないだろう。人は、それを通じて創造行為(モノ事の並べ替
え)を行う。なるほど、「創造をする」という一点で、人は神の力
を、誰よりも受けとっているかもしれない。だからこそ、人が悪魔
の道(いのちの継続を破壊すること)入らないためには、自然に対し
、謙虚になり、感謝することを忘れてはならないのだ。

安楽とは、現在的な快感を得ることにあるが、安心とは、未来に向
っての立場である。<今>は、過去の集成であり、過去の何処かに
戻れるわけではない。未来を犠牲にして、過度の快楽を追求しては
ならない。我々ができるのは、今、眼前の選択だけであり、自由と
は、「自己決定権」を持っていることなのである。

確かに未来を見通すのは難しいだろう。
しかし、警告は発せられているはずだ。よく耳を傾け、何が本当に
重要なのか政策を選別することだ。
それらの焦点は、<いのち>の継続にあるのだ。
停滞的安定ではなく、新陳代謝のある持続なのだ。
個人、社会集団、国、人類、諸々の生物達…。

狭い利益だけを追って、壊してはならないモノがある。

経済をよく社会の基底というが、しかし、よくよく考えると、経済
理念もまた、神学上にのっていると思える。
現在世界を席巻している経済理論は、市場経済、金融経済である。
市場は見えざる神の手で、うまくいくというのは、先験的な予定調
和に基づいているし、市場の競争原理(優勝劣敗)は、神が味方す
るものが、勝つ。という神学に乗っている。
しかもそれは、勝ちさえすれば、それは神の恩寵であるという勝利
優先の心理を正当化する。そして、神―人―自然のヒエラルヒーが
あり、自然や、異なる人の集団(他者)への支配と収奪を正当化す
る。ここには、旧いバイブルの史観がある。

新しいバイブルは、人の精神(こころ)の勝利を謳い上げた。そし
て、そこに救済の道を開いた。しかし、俗権と共に歩むところから
、人を支配することに馴れてしまった。正義を一つとするところか
ら、人のこころを監禁してしまった。そして、物理的な神にまた覆
われてしまったのである。
また、それは今進んで、<力>を行使する神として、「金」をもっ
て神の力とすることになりつつある。

大きい政府・小さい政府論があるが、政府が行う、経済政策の選択
は、<分配>の傾斜の選択であるともいえる。

税や公共事業というのは、この傾斜率を決める、再分配システムで
あると言えよう。)つまり、経済政策では、この間のどれかの分配
の傾斜を選択しているのだ。

傾斜がフラットに近くなると、生産意欲が低下する。また、強制す
ることは、様々な自由(内的・外的)を奪うことでしか達成できな
くなる。自由度が低くなると、社会全体に停滞が起こる。
生命本来の力は、活性(欲はその原動力)なので、それに反すると
、いのちが萎えてしまう。

逆に傾斜がきつくなると、社会摩擦が大きくなる。
活性が、限界資源・範囲で物質的に活性し過ぎると暴走し、破壊・
自壊になる。活性化させる方向が問題なのである。
つまりこの傾斜を、適度な<揺らぎ>をもった状態で、運用するこ
とが必要になる。

今後の経済学は二つの視点を包含していなくてはならない。
一つは、地球資源の限界にのっとった=<物質的欲望の制御システ
ム>理論であり、もう一つは、<創造世界>の継続である。人は新
しく創造(並べ替える)ことをすることによって、人でいられる。

もし、欲望礼賛、拡大主義が続けば、それは衝突・力と圧迫の世界
になり、世界をひび割れの地震の巣とするだろう。(プレートテク
ノ理論ではないが、米国岩盤や、欧州岩盤、中国岩盤が世界にひし
めき合い、ちょうど日本でぶつかり合うようだ。それは、大震災を
おこし(原爆を起こし)様々な、歪みのエネルギーを日本の精神的
基底で爆発させている。)

近年流行った、モノからこころへの重心の移行が叫ばれたのも、
こんなところを先取りしている。ただ、日本人の心性の中には、古
来よりモノの中に神が宿るという考え方が潜んでいる。
モノを西洋人が見るそれではなく、人間と同質に扱う心性がある。
これは、日本的な霊性といえるだろう。それはけっして劣ったこと
ではない。現代科学は、宇宙と自然と、モノや人が同じ地平にある
ことを解き明かしつつある。

人間のスピリッツが、宇宙の一部を分有していると考えたギリシア
、ローマ時代の哲学の方が、逆に世界を理解するのに、すすんでい
たとさえも思える。

古来、神とは、<いのちの力>であった。世界とは<いのち>である。
これを評してアニミズムという言葉が使われるが、<いのち>を離
れて人が生きていく世界はない。

あらゆる生命の目的は、<いのち>の継続である。
<いのち>は、ただ<個>で支えられているものでは無い。
すべての<いのち>が絡み合っているのである。
<いのち>は全体性であり、独立しえない。あらゆるものが、<い
のち>を支えている

日本人が根底に持っている宗教観とは、つまるところ、<いのち>
への感謝なのだろう。
それは、世界多くの人達が根底にもっているモノでもある。
それは、祖霊に対しても顕れ、我々を生かしてくれている、周りの
自然に対しても素直に持つ感覚だ。その原初の感覚が大事なのだ。

日本の神道に面白い話がある。
皇室内で祭られる神様の内、大半は、ムスヒ(結霊、産生、掬び)
の神だということだ。
我々の祖先は、<いのち>を、結ばれたモノとして感じていたのだ。
われわれは、幾つもの魂が織りあって、<生>を得ている。
食べるということも、出会うということも、魂が合わさることに他
ならない。

だが、生きることにおいて、執着することは、苦しみの素でもある。
そして、仏は、<開く>=<とらわれない>ことを説いた。
<結ぶ>と<開く>という関係は、あらゆることに及んでいる。

生を受けて、我々はいろんなモノと結ばれる。
自分自身のありようと縁を自覚し、それを世界へ開いて行く。
そういう作業が、常に必要なのだろう。
自己が捉えられなくて、どうして<開ける>=正常に<関わりあっ
て>いけるだろうか?
また、世界の有り様を認識せずに、いつまで自身に固執することが
できようか?
我々もまた、世界の一部だというのに…。

混迷する世界情勢の中で、攻撃的な<力>の前に、人は指針を失っ
ているように思える。厳しい砂漠で生まれた宗教が、世界の終わり
を急ぎ、敵、味方に分け、自分達だけの救済を求めるとすれば、
ますます、世界は割れてしまう。
彼等が、自然と闘い、支配する原理を基礎にするならば、
美しい自然を持った、日本人は、自然という美しい<いのち>を守
り、共生することを目指しすことによって、静かに、人々を救えな
いだろうか?
そして、それは、日本の古くからある感性を甦らせることでもあるのだ。

清明な<水>を、美の最上のモノと意識し、幽寂を尊ぶ。
そこに日本人は、究極の<安心>世界を見るからだ。

<安心>は、不断に外的条件を整えることと、内的な変革を行い続
けることでしか達成できない。                

<いのち>の素晴らしさを思うならば、
われわれは、もう少し、世界と共に歩みたい。
そして、そうするには自分の内側に<力>がいるのである。
それは、あらゆるモノと<ムスブ>力であり、<開くことのできる>
力であろうと思う。
                     まとり
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ロッキード事件の謀略説を否定する極めていかがわしい本が出た 
           アルルの男・ヒロシ
 (貼り付け開始)
出版社 / 著者からの内容紹介
ロッキード事件はアメリカの陰謀だったのか?
今、30年間の封印を解く。

■初公開の米外交機密文書、関係者インタビューを通して、「角栄
失脚後30年のトラウマ」を解き明かす!
 なぜ日本の政治家 politicians は口をそろえて「アメリカに逆ら
ったら、田中角栄みたいに潰される」と言うのだろうか? なぜ「
CIAにスキャンダルを握られたらおしまい」と言うのだろうか?
 1974年、金脈追及で退陣した角栄は、その2年後、米上院 Senate
の小委員会で発覚したロッキード事件 Lockheed Scandal で葬り去
られた。この戦後日本最大のスキャンダル以降、「角栄はアメリカ
の逆鱗に触れた」という“アメリカ陰謀説”が流布 widespreadする
こととなった。最初にこの説を唱えた田原総一朗から、石原慎太郎
や中曽根康弘などの政治家に至るまで、今でもこの説を信じきって
いる。これが、現在の日本の対米追従の原因となっているのだ。

 しかし、これは真実 the truth なのだろうか? 膨大な米外交機
密文書と徹底した現地取材を基に、今、その真実に迫る。 
著者について
徳本栄一郎[Eiichiro Tokumoto]
1963年佐賀県生まれ。ロイター通信ロンドン本社、東京支局で、政
治・経済を担当後、ジャーナリストとして独立。著書に『スクウィ
ーズ』『無法外資』(ともに講談社)。住友商事・巨額損失事件や
オサマ・ビンラディンの実兄インタビューなど、多くのスクープを
重ねている。 

(貼り付け終わり)


著者の徳本栄一郎という人が、文藝春秋(!!!)に書いた記事を
、編集者の手を借りて、加筆した内容です。ロイター出身の記者と
あって、使いやすかったのでしょう。

要するに、「田中角栄はアメリカの虎の尾を踏まなかった」論で、
謀略説はありえないと一蹴している内容です。当時の関係者が「そ
んな謀略などあるわけない」と発言したのをそのまま文字にしたと
言うだけの本です。

このような、本が出てくると言うこと自体、ロッキード事件の演出
に関わった、アメリカのCIAの日本支部=文藝春秋社と立花隆と
そのお仲間たち、現在のCIAの対日工作班の脅え方が尋常ではな
いということだろう。真実が一般人にも漏れだして、反米感情が高
まることを懸念して、アメリカのジャパンハンドラーズのだれかが
、文春やその系統のジャーナリストに命令して書かせた本だろう。

確か、田中角栄の失脚については、キッシンジャー自身が関与を臭
わせる発言をしているはずだ。確か、毎日新聞のウィリアム・バー
の本に書いてあったはずだ。文藝春秋が、謀略説を認めるわけがな
いではないか。認めたら、彼らは自分たちがただのアメリカの手先
に成り下がったということがハッキリするわけだから。

文春では、塩田潮氏がこの分野について書いている(「田中角栄失
脚」)が、この本も塩田氏とは思えないくらい内容が薄い。立花隆
の取材について、適当に纏めただけの本である。

ベルンハルト殿下(今年死んだ)の関与を巻き込んでの国際的な政
治闘争が日本に飛び火した、「ロッキード事件」であるということ
に気付いているジャーナリストはどれほどいるのか。この徳本とい
う人(まあどうせ今回も編集者が殆ど書いたのだろうが)は、新野
哲也氏の一連の角栄著作を読んでいるのだろうが、参考文献では
おくびにも出していない。情けない限りである。

ただ、合衆国の英文資料が巻末にあるので資料としては価値がある。 
==============================
『亜空間通信』914号(2004/12/17)
【アメリカのイラク占領の読み逆目に早く気付き路線を変更しなければ日本は地獄の
道連れになる】
 
 私は、昨日(2004/12/16)、スンニ派の拠点とされていたファッルージャの戦いに、
ナジャフからシーア派の戦士が参加し一緒に戦ったという記事を紹介し、「アメリカ
は、フセイン政権さえ倒せば、多数派のシーア派は味方になると称していた。それが
逆目に出たのである」と断言した。

 以下がその昨日の投稿の抜粋である。
------------------------------------------------------------
ロシア経由:ナジャフのシーア派はファッルージャで一緒に戦った
http://www.asyura2.com/0411/war64/msg/863.html
投稿者 木村愛二 日時 2004 年 12 月 16 日 23:46:08:CjMHiEP28ibKM
[中略]
統一イラク戦士は意気高らかである。アメリカは、フセイン政権さえ倒せば、多数派
のシーア派は味方になると称していた。それが逆目に出たのである。

http://www.iraq-war.ru/tiki-read_article.php?articleId=33632
Iraqi Shiites fight on the side of insurgents in Falluja
By: Mustafa Amara on: 16.12.2004 [09:31 ] (287 reads)
[中略]
Iraqi Shiites fight on the side of insurgents in Falluja
Mustafa Amara, Azzaman.com, Iraqwar

Decenber 16, 2004 - Fighters from the Shiite holy city of Najaf have joined
in the fight in Falluja against U.S. troops, according to the head of an
influential non-governmental organization.
[後略]
------------------------------------------------------------

サダム・フセインの政権は、宗教の分派では少数派のスンニ派を基盤にしていた。ア
メリカのCIA謀略は、古今東西の支配の鉄則、「分割し統治せよ」を基本としている
から、少数派のスンニ派と多数派のシーア派の対立を利用し煽るのが、有効な手段と
して通用していた。

 ところが、以下の1)、2)の投稿が示すように、イラク人の間で、急速に統一の動
きが強まったのである。しかも、シーア派の拠点であるイラク南部、自衛隊の派遣先
のサマワでも、多数のデモが、「米国とその支持者の軍隊が撤退するまで戦う」など
と、間接的に自衛隊を批判しているのである。
1)------------------------------------------------------------
サドル師派民兵、勢力誇示 サマワで千人が集会 [共同通信]
http://www.asyura2.com/0411/war64/msg/870.html
投稿者 あっしら 日時 2004 年 12 月 17 日 02:08:04:Mo7ApAlflbQ6s
 【サマワ16日共同】陸上自衛隊が活動するイラク南部サマワで16日、イスラム
教シーア派の反米指導者サドル師派による集会が開かれた。1000人以上が参加し、
黒服に覆面姿の民兵組織マハディ軍の兵士らがデモ行進した。
 サドル師派は自衛隊を「占領軍」とみなすと宣言しており、同師派の有力聖職者フィ
ダウィ師は演説で「米国とその支持者の軍隊が撤退するまで戦う」などと、間接的に
自衛隊を批判。デモ行進したマハディ軍の兵士らは銃は持っていなかったが、一部が
刀剣を持ち勢力を誇示した。
2)------------------------------------------------------------
http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=intl&NWID=2004121601003
783
マハディ軍、サマワ結集=サドル師父追悼で2000人デモ−イラク(時事通信)
http://www.asyura2.com/0411/war64/msg/884.html
投稿者 転法輪印 日時 2004 年 12 月 17 日 15:23:11:xcCUyqhuP2dMU
(回答先: サドル師派民兵、勢力誇示 サマワで千人が集会 [共同通信] 投稿者
あっしら 日時 2004 年 12 月 17 日 02:08:04)
【サマワ17日時事】陸上自衛隊が駐留するイラク南部サマワで16日、イスラム教
シーア派の反米指導者サドル師派による集会が開かれた。黒服に覆面姿のサドル師民
兵組織「マハディ軍」の兵士ら2000人が市内をデモ行進し、勢力を誇示した。

 集会はムクタダ・サドル師の父親で、1999年に旧フセイン政権に暗殺されたシー
ア派の最高権威の1人だったムハンマド・サドル師追悼が目的。行政機関の幹部らも
招かれた。 

(時事通信) - 12月17日7時1分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041217-00000081-jij-int
------------------------------------------------------------

 日本政府に期待するのは無理だろうが、世論調査の結果にも、少しは効果がある。
アメリカのイラク占領の読みが逆目に出ていることに、早く気付き、路線を変更しな
ければ、日本は地獄の道連れになる。
 
 まあ、ともかく、発言して置く。わが読みの的中、「見通しが正しかった事」に関
しては、3日前に、以下の通信の中の集会のチラシの文章に、主催者の言葉として記
されている。
 ------------------------------------------------------------
 http://www.jca.apc.org/?altmedka/2003aku/aku911.html
 http://www.asyura2.com/0411/war64/msg/727.html
 『亜空間通信』911号(2004/12/14)
【これからの中東情勢講演会05/01/29参加申し込み受け付け中で質問を受け確認:参
加費は無料】
[中略]
木村氏は二〇〇三年三月、米軍による「イラク攻撃」の講演の中で、「この戦争は米
軍の苦戦、長期化」するとの見通しを示し、その後の事態は、その見通しが正しかっ
た事を示しています。
[後略]
------------------------------------------------------------

 以上。
木村愛二:国際電網空間総合雑誌『憎まれ愚痴』編集長
==============================
『亜空間通信』912号(2004/12/16)
【北朝鮮経済制裁の短絡思考を制し拉致を戦利品と位置付ける金政権の背後の米=日
の闇同盟暴露】

 いきなり、「拉致を戦利品と位置付ける金政権」としたが、これは、この問題の重
要性に関する警告である。平和惚けの日本人は、南北を問わず、朝鮮の問題では無知
蒙昧、白痴以下、傲慢で犯罪的、衝動的な危険分子の集団なのである。
 
 北朝鮮はいまだに、日本と戦争中なのである。日本は、アメリカの傘の下で、南の
韓国と日韓条約を結び、韓国とともに、米・日・韓の北朝鮮その他の「社会主義」諸
国への包囲網に加わっていた。
 
 この状況を、「彼(敵)を」知り」の孫子の教えに従って、北朝鮮の立場に立って
考えることができなければ、要らぬ口出しはしない方が良い。この「戦利品」という
言葉は、信頼すべき筋が、北朝鮮の要人から直接聞いた「本音」の表現なのである。
 
 「戦利品」の「捕虜」の釈放の交換条件が、「食糧援助」など、なのである。この
現実を無視した議論は、実に空しいのである。無責任で不勉強な日本人が、「拉致」
の犯罪者として、北朝鮮を批判し、あるいはお粗末にも、稚拙な言葉で、罵倒すれば
するほど、日清・日露戦争時代からの日本の侵略の歴史的な被害者として、北朝鮮は、
ますます硬化するのである。
 
 ではなぜ、この複雑極まりない問題で、私見を述べるのかと言えば、私は、4日前
に、阿修羅戦争64掲示板で、わが投稿へのフォローとして、以下の質問を受けたので
ある。
 
 ------------------------------------------------------------
 Re: 関係無い話で申し訳ないのですが。
http://www.asyura2.com/0411/war64/msg/583.html
投稿者 Sirent Tears 日時 2004 年 12 月 12 日 14:37:02:CmXJg4SqZQm1A
(回答先: 週刊ポスト12/17自衛官覆面座談会「サマワ派遣隊は見捨てられた」投稿あ
りや? 投稿者 木村愛二 日時 2004 年 12 月 12 日 11:39:00)
 北朝鮮による日本人拉致事件に関して、北朝鮮に対する経済制裁を主張するべきと
の意見が出ていますが、木村さん個人としてははどのようにお考えでしょうか。よろ
しければ御意見をお聞かせください。
------------------------------------------------------------

 わが投稿へのフォローとして、「 関係無い話で申し訳ないのですが」などと丁重
に断って、質問をしてくるのだから、「妨害」や「嫌み」ではない。しかし、ともか
く、投稿の中身を読ませて、返事をさせようとの魂胆であることは間違いない。

 だから私は、とりあえず、以下のように答えて置いた。
------------------------------------------------------------
複雑な問題なので、別途、私見を開陳します。Re: 関係無い話
http://www.asyura2.com/0411/war64/msg/585.html
投稿者 木村愛二 日時 2004 年 12 月 12 日 17:32:49:CjMHiEP28ibKM
(回答先: Re: 関係無い話で申し訳ないのですが。 投稿者 Sirent Tears 日時 2004
年 12 月 12 日 14:37:02)

本文なし。 
 
 ------------------------------------------------------------
 
 さてさて、「木村さん個人としてははどのようにお考えでしょうか」という質問は、
比重に意味深である。簡単に言えば、「個人」の意見を求めているのであるが、「個
人としての意見」を持たずに付和雷同の発言する者が実に多いのである。
 
 この問題の最新情報は、以下である。
 1)------------------------------------------------------------
経済制裁発動は宣戦布告とみなす=北朝鮮外務省 [世界日報]
http://www.asyura2.com/0411/war64/msg/786.html
投稿者 Sirent Tears 日時 2004 年 12 月 15 日 20:36:50:CmXJg4SqZQm1A

http://www.worldtimes.co.jp/
【東京 15日 ロイター】
 北朝鮮は、日本が経済制裁を発動すれば「宣戦布告」とみなすとした上で、6カ国
協議から日本の排除を求める可能性を示唆した。

拉致被害者、横田めぐみさんらの「遺骨」が別人とする日本政府の鑑定結果受け、国
内では北朝鮮に対して制裁発動を求める声が起きている。
 朝鮮中央通信によると、北朝鮮外務省報道官は声明で「極右勢力の動きによって、
朝鮮民主主義人民共和国に対し制裁が発動されれば、我々は我が国に対する宣戦布告
とみなし、効果的な物理的方法で対応する」と述べた。

 横田さんの「遺骨」については「日本側が主張しているように夫が別人の遺骨を日
本側に手渡したと想像してみよう。そうすることで彼は何を期待したのだろう」と述
べ、別人の遺骨を手渡したとは想像できない、としている。

 6カ国協議に関しては「このような極右勢力による共和国に対する計画的、挑発的
な動きが続く限り、日本と共に協議に参加することを真剣に再検討する」と述べた。
2004/12/15 

2)------------------------------------------------------------
参院拉致問題特別委も北朝鮮非難決議 共産党が賛成 [朝日新聞]
http://www.asyura2.com/0411/war64/msg/737.html
投稿者 Sirent Tears 日時 2004 年 12 月 14 日 23:50:34:CmXJg4SqZQm1A

http://www.asahi.com/politics/update/1214/008.html

 参院の拉致問題特別委員会は14日、北朝鮮が横田めぐみさん、松木薫さんのもの
として提供した遺骨が別人だったことを受けて、北朝鮮に対して経済制裁の積極的発
動の検討などを政府に求める決議を全会一致で採択した。決議案は自民、民主、公明、
共産4会派が共同提案。
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 民主はふらふら、日本共産党の対応は実に愚かしい自己中心の「良い子振りっ子」
である。つい最近までのコミンテルンの仲間を見限って、激減中の票を確保するため
の芝居である。北朝鮮の拉致問題では内紛外患、旧社会党の直系を自認しているはず
の社民党の名前が見えないのは、「三十六計逃げるにしかず」の構えであろうか。

さて、「個人」ともなると、「朝鮮人」との関係は、骨肉の問題である。少年期に遡
る。
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http://www.jca.apc.org/?altmedka/profile-boya01-1.html
1946年、北京から引揚げ船で送還された“少年A”の物語
時代の始まり 
SPES(東京大学文学部英文科学生同人誌)1960年7月号初出
 時代の始まり ― 少年“A”の物語  征矢野愛二郎
(その1)僕等は侵略者の子供達だった
[中略]
(その2)重い扉をバラバラと叩くつぶての音が、敗戦の知らせであった

あの日、古びた重い鋲打ちの木の扉をバラバラと叩くつぶての音が、僕にとっての敗
戦の知らせであった。その小石を投げていたのが、顔見知りの朝鮮人の子供であった
ことは僕を悲しい静かな怒りで満たしはしたが、僕はそれを誰に向ければいいのかは
知らなかった。彼等の甲高い日本語の罵声、ぼんやりと、しかしなぜか、心の中ではっ
きりと意味が掴めたと思えるあの奇妙な、そして僕等の喧嘩のルールに外れた言葉、
その激しい響きが最初から僕をうちのめしていた。

「お前等、アメリカ兵が恐くて外に出られないんだろう。」

 僕はそれまでにアメリカ兵なんて見たこともなかったけど、そう言われて、何も言
い返せなかったのだ。僕の手は、手垢で黒光りした鉄の把手をカタリと落としていた。

 あの時僕は、大きな門の蔭の静まりの中に、中国人の門番の子と二人っきりだった。
言葉の通じないその子とはかくれんぼと石けりしか一緒に出来なかったが、それでも
仲良しだった。でもあの時は、黙って顔を見合わせていただけなのに、僕等は話して
いたのだ。あの子は僕に、これもかくれんぼだよ、と言っていた。だから僕は静かに
身を固くしていた。そしてつぶての音が止んでしまっても、僕はあそこに立ちつくし
ていなければならなかったのだ。
[後略]
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次は、現状の認識である。
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季刊『真相の深層』04夏号  目次
「拉致と核と餓死の国・北朝鮮」の背後に潜む知られざる恐怖の国際利権
[中略]
(萩原遼著『拉致と核と餓死の国・北朝鮮』から要約すると、北朝鮮がアメリカから
「ごろつき国家」と呼ばれ、「おどしとゆすりで生きる国」になったのは、ソ連も中
国も参加したのに、北朝鮮が参加できなかったソウル・オリンピックの1988年か
らである。北朝鮮の国際的な孤立は、無惨な状況であった。
 翌年の1989年には、ベルリンの壁が崩壊し、北朝鮮が、オリンピック不参加の
孤立を誤魔化すために、無理に無理を重ねて平壌で開いた第13回世界青年学生祭典の
出費で、経済の崩壊が加速した。
 さらにはルーマニアの独裁者、チャウシェスク夫妻が、蜂起した市民の手で銃殺さ
れた。金日成と金正日の親子は、この事態に動転し、怯え、逆に、民衆弾圧、強制収
容所、差別強化へと走った。
 萩原遼のアメリカでの資料研究は、上記の単行本の延長線上にある。北朝鮮の食料
生産は、飢餓状態の原因ではない。飢えない程度の生産はあったのである。
 北朝鮮は、しかし、食料援助を受けていた。なぜか。萩原遼は、「飢餓カード」の
利用という表現をした。「核カード」と「飢餓カード」が、金正日政権維持の秘密な
のである。
 その間、金日成は死ぬが、息子の金正日による謀殺説が優勢である。萩原遼は、
『拉致と核と餓死の国・北朝鮮』の最終の章、第3章を「仮説・金正日による350
万人の餓死殺人」と題しており、その「8」項を「もうひとつの恐怖の仮説」として
いる。
 この謎を、私はさらに、以下のような仮説で解く。
 金日成は、元ソ連軍将校である。以後もソ連寄りだが、ソ連も崩壊し、経済援助は
得られなくなった。その窮状に付け込み、息子の金正日を傀儡に仕立てたのが、アメ
リカ、CIA、統一教会の朝鮮人、文鮮明である。
 私は、萩原遼との約10年ぶりの再会と彼の講演、その後の懇親の場で、彼らを理解
するためには、アメリカ人による英語の原著の訳書、『援助貴族は貧困に巣食う』
(朝日新聞社)が、必読書であると説いた。
 私は、この労作が暴くアメリカのアフリカ諸国に対する食料援助の手口を、北朝鮮
に適用したのではないか、と示唆したのである。萩原遼は、直ちに、私に、その書名
を聞き質し、メモした。その後は、まだ会う機会がないが、きっとすぐに読んで、研
究しているに違いない。
 わが発想は、いわば老練の敏腕刑事の常道なのである。犯人像と犯行の経過を、長
年蓄積した知識と経験から、割り出すのである。
 アメリカは、高度に発達した工業国だが、農業国家でもある。中西部の農民は、過
剰の農産物を抱えている。これを、アメリカの国家予算で買い上げ、海外援助に使う
ことによって、農民は、アメリカの保守支配の土台となっている。
 この状況は、日本の農協の支配下にある農産地帯と同じである。経済大国の日本の
海外援助、ODAの有様については、周知の事実なので、ここでは省略する。
 『援助貴族は貧困に巣食う』の記述を要約すると、アフリカ諸国へのアメリカの食
料援助は、「なぜか」決まって、現地の収穫期に大量に届く。農産物の市場価格は暴
落し、現地の農業は崩壊する。それがまた、新たな食料援助の口実となり、それを推
進するODA型の援助団体の役員、援助貴族は、贅沢三昧となる。
 現地の政権は、たいていの場合、軍事政権である。軍事政権の傀儡どもは、援助の
食料を売り飛ばして、アメリカから武器を買う。かくして、アメリカの体制を支える
農業地帯と、軍需工業は、アメリカ国民を、まんまと騙して、税金を濡れ手で粟、懐
に入れるのである。
 北朝鮮の場合には、核が出てくるが、これも一種の軍需である。しかも、背後には、
ウラン鉱石を握るウラン・マフィアが控えている。北朝鮮の核燃料工場の建設は、ス
イスに本社があり、重役にアメリカの現・国防長官、ラムズフェルドを戴いたことも
ある巨大企業の仕事である。
 このことは、イラク「戦争」の最中に、電網情報として、喧伝された。日本の大手
メディアは報道しなかったかもしれないが、知る人ぞ知る周知の事実なのである。
 これらの情報を総合すると、金正日を傀儡に仕立てたアメリカ、CIA、統一教会
の朝鮮人、文鮮明らは、「核カード」と「飢餓カード」を駆使して、朝鮮、日本、ア
メリカの国民を騙し、税金からの強奪という最も安易で最も犯罪的な搾取、収奪を続
けているのである。
 統一教会は、ロシア革命後の反共政策の下で、イギリスに発した道徳再武装運動、
勝共連合の流れであり、やはり、朝鮮人の身元を隠して創価学会のカリスマ指導者に
のし上がった池田大作とも、つながっている。
 統一教会は、宗教団体としての隠れ蓑を利用して、中南米の麻薬の取引に深く関与
し、米政界への違法献金をしており、創価学会にも、その疑いがある。
 同じく怪しげな宗教団体、オウム真理教には、多数の在日朝鮮人が加わったことが
知られているが、この不気味なカルトの形成も、前述のような北朝鮮の孤立状態と時
期を同じくしており、北朝鮮の秘密の軍事組織として作られたという説には、強い説
得力がある。『拉致と核と餓死の国・北朝鮮』の第2章の「11」項は「金丸信のあえ
ない失脚」となっている。金丸信が、朝鮮と中国、ロシアにまたがる利権を追ってい
たのは周知の事実である。オウム真理教には数多い謎が潜んでいるが、ロシアにもつ
ながっていた。
 このような悪辣な国際的な仕組みを暴こうとしない大手メディアも、犯罪者の仲間
なのである。
 以下は、実に簡単に出てくる電網情報の抜粋である。
 現在、日本中が北朝鮮の核兵器の存在に戦々恐々としているが、北の核施設開発に
技術提供したのは、スイスの核施設開発企業であり、その会社の役員は、なんとブッ
シュ政権の強硬派ラムズフェルド長官だった(2000年から2001年まで)。
 つまりハリウッド映画などでも分かるように、米国という国は「儲ければ何でもあ
り」「北朝鮮の核施設開発に技術提供したのは、スイスの核施設開発企業、ABB・
ltd。ブッシュ政権の師範代、ラムズフェルド長官は2000―2001年まで、
この会社の役員だったことが暴露されている」
 [後略]
 ------------------------------------------------------------
 
 以上のことから言えるのは、間違いなしに、複雑怪奇な状況が、北朝鮮の背後に広
がっていることである。
 
 私は、北朝鮮への経済制裁の短絡思考を制し、拉致を戦利品と位置付ける金政権の
背後の米=日の闇の同盟を暴露することを提唱するのである。
 
 以上。
木村愛二:国際電網空間総合雑誌『憎まれ愚痴』編集長


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