1801.ブッシュ政権の今後



ケリーが負けて、ブッシュが勝った。米国を2分した選挙後、どう
なるかを見よう。      Fより

米国の地図が分断される様子を、選挙でみた。民主党地域と共和党
地域である。この構図が日本の構図と同じである事実が重要である。

日本のバブル崩壊期、日食の10年、このコラムでも議論したよう
に、国家に寄生する田舎と、国際的な活躍をして金を稼ぐ企業があ
る都市との戦い。もう1つが創価学会という宗教票を頼る自民党。
公明党の要求を自民党がほとんど丸呑みする政策など。どう見ても

今回の共和党ブッシュも同様な国内事情。このため、小泉首相とブ
ッシュ大統領は親友であるというが、その国内体制、支持基盤も同
じという関係になっている。日本の自民党と米国の共和党も田舎の
政権でかつ宗教票が頼り。

米国ももう1つ、軍人票があり、これもブッシュが優勢である。
公共事業としての軍隊があり、この軍隊はイラクで戦闘をしている。
この戦闘費用が年間6兆円以上になる。軍事費合計で年間5000
億ドル以上になっている。50兆円であり、日本の国家予算80兆
円からしても、大きい額であると分かる。

そして、この軍隊に志願するのが田舎の貧しい白人たちである。空
軍や海軍に志願するため、死亡率は少ない。そして、陸軍に志願す
るのは黒人やヒスパニックの人たちが多い。

このため、愛国心が高く、かつ田舎に住んで信仰に厚い人たちが、
ブッシュ政権を支えることになる。しかし、このような人たちは
国家経済をあまり省みない。財政赤字にした日本のバブル崩壊期と
同じように米国も戦争経費が重たく赤字になり、その内国家経済に
重症を負い、ドル暴落ということになって、益々米国の経済は疲弊
していくことになる。

このような戦争を行っていると、中国に対しても元の切り上げを強
く言えない。中国と台湾の間の紛争もイラク戦争が片付かないと、
中国寄りに米国はしないと、二正面作戦は今の米国にはできない。
北朝鮮を中国に任せるしかない状態で、米国が中国に強く出るはず
が無い。ネオコンでもそのような計算はできる。中国で稼いでいる
企業をサポートしないと、米国経済が大変なことになる。今は米中
蜜月の時代である。

ブッシュになって、ハルマゲドンの心配を本当にする必要がある。
事前にケリーの可能性もあるとしたのは、ケリーを勝たせようとす
る世界からの念波を感じたからである。しかし、その念力を撥ね退
けた福音派の熱情、思いも凄い。ハルマゲドン実現(最後の審判)
への思いは凄い。見方によっては恐ろしいことになっている。

世界の心配は中東でのハルマゲドンである。その主役でもあるアラ
ファトが死の直前であり、パレスチナ問題も再度強硬派に振れる可
能性もある。イラクで米軍がいれば、まだパレスチナでの戦闘行為
は抑えられるが、米軍がイラクから撤退するとイスラエル紛争が再
発してしまう。このため、米軍は当分イラクに駐留するしかない。
10年程度の駐留であると思うが、戦争で貧しい信者が相当死ぬと
、米国でブッシュが頼りにする福音派の宗教指導者がイラク駐留に
反対する可能性もある。テレビ伝道師のロバートソンがちらりと漏
らしたことがある。

このためにイラクでの選挙を1月に行い、米軍は引き上げる可能性
が高い。そうすると、イラクはゲリラ同士、民族間闘争になり、分
裂する。クルド人、スンニ派、シーア派の3つの地域にである。
1月には多くの有志連合国も撤退すると表明している。総崩れにな
るような気がする。

そのような状況になり、パレスチナとイスラエル紛争が再発するの
でしょうね。ビスボラなどの強硬派は今、イラクに居るし、アルカ
イダのメンバーもイラクにいる。このグループがパレスチナに移動
して、イスラエルとの闘争に加わることになる。とハルマゲドンに
書いてある。

日本は、どうなるのか??ハルマゲドンになる前に自衛隊は日本に
撤退していると思うが、どうであろう。自民党は米国と心中すると
いうことでは確信犯であるが、自衛隊派遣に気持ちが揺らぐ公明党
の責任は重大である。撤退時期を間違えないで欲しいと祈るばかり
である。

日本の使命を果たすためにはハルマゲドン後に世界の核兵器を廃絶
して、核戦争で傷ついた人たちをどう助けるかを今から考えている
必要がある。ハルマゲドンまで数年になっているように感じるが??

宗教団体であり、福音派でない創価学会・公明党が重要である。
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非公式情報
ブッシュ再選の先に見えるアメリカの運命

By StrangeLove

11月2日投票の米大統領選でジョージ・W・ブッシュ大統領が再選さ
れた。アメリカの国民にとっては厳しい結果だが、アメリカを道具
として使いたいイスラエルのリクードやアメリカの没落を願ってい
る人物や組織にとっては願ってもない結果のはずだ。軍事力の行使
は多額の資金が必要で、見返りのない戦争は国家体制を揺るがすこ
とになる。だからこそ、統合参謀本部の多数派や石油資本はイラク
開戦に反対していたのだ。

石油の売り上げで回収するという話もあったが、そうしたことは難
しいと石油産業の人間や軍人は考えていた。イラクで戦争を始めれ
ばソマリアやチェチェンのように泥沼化し、石油生産の再開には時
間がかかると推測されていたのだ。そして、その通りの展開になっ
た。

本メールマガジンでは再三、指摘しているように、イラク攻撃の青
写真を作ったのはアメリカの親リクード派、いわゆる『ネオコン』
で、イスラエル、ヨルダン、イラク、トルコという帯を作り、シリ
アと湾岸諸国を分断することを目的にしていた。サダム・フセイン
時代にはイスラエルとヨルダンはトルコと分断されていた。イラク
はキーポイントだったのである。

ここで一つ問題が生じる。イラク国民の大多数はイスラエルやアメ
リカに良い感情を持っていない。ほかのイスラム諸国と同じだ。イ
ラクを真の意味で民主化してしまうと、ヨルダンやトルコのような
国を作ることは不可能である。フセイン時代よりも反イスラエル/
反アメリカ色の濃い国になってしまう。アメリカが中東を『民主化
』しようとしているなど、笑えないブラック・ジョークだ。

選挙結果をコントロールする方法はいくつもある。プロパガンダや
脅し、集計の不正のほか、反対勢力が投票できなくするという手も
ある。2000年の米大統領選挙でも投票拒否は行われていた。これに
対し、イラクでは反対派を殺してしまおうとしているように見える。
その象徴的な場所がファルージャだ。

そうした殺戮が繰り返されている国が安定するまでにどの程度の年
月が必要なのかを日本ではまともに議論していないようだ。『選挙
』を実施すれば全て解決、などということにならないことは間違い
ない。イラクで米軍を指揮していたトミー・フランクスは4年から
10年の間、アメリカ軍はイラクに駐留する必要があると言っていた
が、統合参謀本部の某元スタッフは30年以上は占領しなければなら
ないと主張していた。

米軍をイラクに駐留させるために必要な戦費は月に40億ドルとアメ
リカ政府は言っているが、60億ドルは必要だとする指摘もある。日
本円にすると、年間で5兆円、あるいは8兆円近くに達する。いずれ
にしろ、とんでもない金額である。日本は為替対策の名目で数十兆
円をすでに投入しているが、日本だけで支えることは不可能である
し、そんなことをしたら日本が沈没してしまう。

こんな状況をアメリカの主流派エリートが漫然と眺めているはずは
ない。ブッシュ大統領はニクソンの二の舞になると囁かれているの
は、こうした事情があるからだ。
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400字で斬る国際情勢ニュース(789)
◆結局何も変わらなかった◆
(2004/11/05)

 ブッシュ米大統領は中西部の伝統的保守層を基盤として再選にこぎつけたわ
けだが、東海岸の知識人層を味方につけるには相当な努力が必要なようだ。ギ
ャラップ社が11月4日発表した世論調査によれば、米国民の57%はブッシ
ュ大統領が今後4年間で「国民を結束させる」と考える一方で、39%は「も
っと分裂させる」と回答。

 再選という結果に関しては、56%が「熱烈に歓迎」または「楽観」してい
るのに対し、42%は「悲観」または「怖い」と感じていることが分かった。
テロとの戦いは続くし、イラクの混迷はさらに深まり、米兵の死傷者も増加の
一途。「あのばか野郎に負けるとは」とつぶやきながら敗北宣言を行ったケリ
ー氏に、割合から言えば同率に近い支持票がいったのだから当然だ。

 ブッシュ大統領の誇示する「有志国連合」も米英を除けば足下はふらついて
いる。2005年1月のイラク国民議会選が終われば、なだれをうってイラク
から引き揚げを開始する。ブッシュ再選を願ったのは、米国の肝いりで権力の
座に就いたアラウィ暫定政府の閣僚だけである。バグダッド南方に移動した英
軍には、はやくも自爆テロで3人の死者が出た。

 ブッシュ大統領が再選されて変わったものといえば、何もない。敢えて言う
なら閣僚の首のすげ替えだ。パウエル国務長官は失意のうちに去るだろうし、
アシュクロフト司法長官も去る気配。ラムズフェルド国防長官は、イラク混迷
の詰め腹を切らされることになる可能性が高い。黒人女性初の閣僚としてライ
ス大統領補佐官(国家安全保障担当)が、2期目の政権の「顔」となるかもし
れない。

 結局のところ、ネオコンがブッシュの周囲を固めることには変わりはない。
ブッシュ陣営は、ケリー氏に敗北を認めさせるに当たって、米大手テレビネッ
トワークの選挙速報に露骨に介入したが、ケリー支持を打ち出していたワシン
トン・ポスト、ニューヨーク・タイムズの有力メディアとの対立は、今後さら
に深まる可能性がある。(了)

国際ジャーナリスト連盟(IFJ)会員
国際情報ファイル・深層海流主幹 石川純一(文責)
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核戦争を待望する人々
http://trust-me-swan.cocolog-nifty.com/swan/2004/11/post.html

『核戦争を待望する人々』という本が面白い。
十数年前に朝日選書から発売されていた海外ノンフィクションの翻
訳版です。タイトルだけだとなんじゃ?となってしまうが、極めて
真面目で寒気のする内容の本なのです。
副題が〜聖書根本主義派潜入記〜となっていますので、ピンッと来
た方も多いのでは?

簡単に言えば、現在のアメリカ社会で大きな勢力を誇り、政治や経
済に絶大な影響力を持つ“福音派キリスト教徒”の狂気じみた実態
を暴いたドキュメントなんです。

聖書の説くこの世の終末(ハルマゲドン)、キリストの再臨は、核
戦争でしか可能にならない―とする右翼キリスト教派・聖書根本主
義派は、現代アメリカの大衆はもとより政界にも少なからぬ影響力
を持っている。
恐るべきハルマゲドン幻想に踊り、その舞台となるイスラエル支援
に熱中する人びとの生態をビビッドに描く。(朝日選書より)

どのくらい福音派キリスト教徒が異常な信仰をもっているかという
と、

@世界は神が作った。聖書に記されている範囲が世界の歴史の全て
である。したがって宇宙全体は誕生してから数千年、古く見積もっ
ても1万年くらいである。恐竜やマンモスの化石は「神様があらかじ
め作ってワザと地中に埋めておいた」

A基本的に地動説は否定。地球は本当は平面で天球が空を回転して
いる。ガリレオやコペルニクスは大嘘つき。スペースシャトルや人
工衛星からの映像での地球は丸いが、それは「神様がそういう風に
見えるように配慮されている」

Bこれも当然だが進化論は否定。ダーウィンは背信者。人間は神に
似せて作られたのであり、全ての生物は現在の形をもって完成形と
して出現した。「キリスト教徒が下等な有色人種の仲間のサルから
生まれたなんて嘘だ」

上記の内容は一般的にも知られている福音派キリスト教一派の教義
だが、この他にも愉快な?聖書の解釈がたくさんある。
たとえば生殖をともなわないセックスは神の教えに反するそうであ
る。アフリカではエイズによって存亡の危機に立たされていて、
シャレにならないくらい深刻な状況だし、アメリカ国内でもエイズ
は依然大きな問題には変わりないはずだ。
しかし、福音派キリスト教ではセックスでコンドームを使用するこ
とは異端行為なのだそうだ。
エイズに2次感染した子供をバンバン産んで、膨大な医療費と社会
保障費によって国家財政を破綻させるのが目的なのかと疑いたくなる。
それとも、エイズのような難病は“根治の困難な病”である必要が
あるのかも。巨額献金している製薬会社のために。

『核戦争を待望する人々』では右派キリスト教徒がなんで異教徒で
あるはずのユダヤ人(イスラエル)を支持するのかが一撃のもとに解
き明かされている。
ユダヤ系資本がどうのとか、中東の石油支配がどうのとか難しい理
屈ではないらしいんですよ。
答えは簡単、神の御意志

聖書の教えによると、この世の終わりにはキリストを信ずる軍勢と
異教徒の軍勢がメギドの地で最終戦争をすることになっている。
これがいわゆる「ハルマゲドン」
戦火は世界中を巻き込み人類は絶滅に瀕するが、聖書を信ずる者は
神の救いにより天国に引き上げられ、異教徒は救われること無く戦
火で焼かれ死に地獄へと転落する。
これがいわゆる「最後の審判」

この世界最終戦争がおこるには重要な条件がある。
それはユダヤ人国家の存在。
聖書の記述では、国を失い世界に散ったユダヤ人が再び約束の地に
結集し、自らの国家を成立させた時がこの世の終わりを告げる予兆
とされている。
キリスト教原理主義者からするとイスラエル国家の樹立はまさに聖
書の導きどおりなのである。

これでお分かりかと思うがアメリカの右派キリスト教徒は何もユダ
ヤ人にシンパシーを持っているのではない。
何世紀にもわたる流浪の生活を強いられたユダヤ人に同情している
のではない。いやらしいまでに露骨にアメリカがイスラエルを支持
するのは、約束された戦争が開戦されるために必要不可欠な舞台を
失いたくないだけなのだ。
聖書の教えのためならパレスチナ人がどのぐらい死のうがお構いなし。
自分達の信奉する教義を強大な武力や膨大な財力を投資して実現さ
せようというのは既に「カルト」といっても過言ではない。
最終目的が核戦争というのも常軌を逸している。

『核戦争を待望する人々』でも明かされているように、キリスト教
右派が凄まじく極端な信仰を持っていようと、アメリカ国内に膨大
な信者を抱えていようと、異常な願望を実現する可能性が無いので
あれば何の脅威でもない。
しかし聖書根本主義派は大きなパワーを持ってしまった。
キリスト教右派の支持を取り込み、自らも狂信的なプロテスタント
であるレーガンが大統領に就任。
政権の中枢を聖書根本主義派で固め、政策の根幹となる価値観にハ
ルマゲドンの到来を目標としたのだ。
政教分離、信教の自由とはいいながらも着実に宗教的価値観の保守
への一極化を突き進む“宗教国家アメリカ”

十数年前に出版された本ですが、恐ろしいほど現在のアメリカ国内
の状況に似ているでしょ?
ブッシュとレーガンが入れ替わっただけなんだから。
現在は絶版らしくて入手できないみたいです。
だけど、再販したらすごく受けると思うんですけどね。
朝日新聞社さん検討してみてはいかが?

『核戦争を待望する人々』の著者は体当たり突入ドキュメントが得
意らしくて、キリスト教原理主義者の実態を肌で感じる為に、実際
にある教団に入信し信者の振りまでしているから最高。
おまけに聖地エルサレム巡礼ツアーへも教団の皆さんと一緒に参加。
その中での信者と著者の会話が興味深い。
たしかこんな会話
↓↓↓

著者
“本当に最終戦争が開始されたら大変ですね。”

信者
“ええ、とても恐ろしい事でしょう。だけど私は何の恐怖も感じま
せん”

著者
“戦争はきっと核戦争ですよ。誰も生き残れませんよ。”

信者
“大丈夫ですよ!どこにいても核戦争が始まったとたんに神様が天
に持ち上げてくれますから。”

ウーン、信教の自由は保障されるべきなんだけど・・・
世界最大の軍事力を保有し、その軍隊の最高司令官たる大統領が
中世暗黒時代さながらの宗教的価値観を重要視しているのは問題だ。

街をあるけば日本にだって、ちょっと精神が飛んじゃっているとし
か思えない宗教家の皆さんや団体様に出会える。
しかし、彼らがどんなに狂信的だったとしても、そのほとんどは
弱小教団である。
異常な願望を実現するだけの政治力や権力は持ち合わせてはいない。
かつてのオウムにしても世界戦争を起こすだけの勢力には成り得た
だろうか?

アメリカの恐ろしい現実は、神の意志の名の下にハードロックやポ
ルノ、リベラル派や平和運動家に対する中世の宗教裁判さながらの
弾圧と嫌がらせが本当に行われていることであり、世界最終戦争を
起こしたいと願ってやまない宗教勢力の支持を受けているブッシュ
が大統領職に就いていることなのだ。

ブッシュは現在「テロとの戦争」との名目で確実に戦線を地球全体
に拡大している。
世界戦争実現までもう4年がんばるのかブッシュ?

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