1799.米大統領選挙の経緯から



米国大統領は大激戦になり、15時以降米国TVニュースは開票を
進んでもブッシュを当選にしない。なぜであろうか?  Fより

米国選挙は4年前と同様の接戦になり、民主党副大統領候補のエド
ワードが言うように4年前と同じような投票の数え直しを行うこと
になる。4年前がフロリダであったが、今回はオハイオになりそう
である。

しかし、米国選挙で見ると民主党地域と共和党地域が完全に割れて
いる。ブッシュが取った州は、中西部の農業地域であり、ケリーが
取った州は東部海岸、5大湖周辺、西部海岸と国際企業の城下町が
ある州である。5大湖は自動車会社、ペンシルベニアはビッツバー
グという鉄の町、ミネソタのミネアポリスはノースウエストの本社
があり、ドイツ系の人が多い国際的な都市である。イリノイには、
シカゴがあり、カルフォルニアはシリコン・バレーなど先端企業が
ある。ニューヨークやワシントンも外国人が多い。このように国際
的な都市部は民主党のケリーで、福音派やモルモン教、カトリック
右派が多い農業地域の中西部内陸部かつ南部は共和党ブッシュに2
分している。

この2つの地域に何べんも行ったが、米国でも雰囲気が違う。どち
らかというと、私もアトランタなどの南部や中西部の雰囲気の方が
好きである。人が純朴である。フロリダは観光都市であるために、
南部とは違うニューヨークと同じ雰囲気であるが、共和党の地域に
なっているのは不思議である。

米国も田舎対都市の戦いや国際企業対国内産業の戦い、福音派・モ
ルモン教、キリスト教右派対無宗教・イスラム教・クエーカー教、
聖公会などキリスト穏健派との宗教戦争でもあるようだ。すべてが
日本と構造が同じような気がする。ブッシュがキリスト教右派を頼
りにする戦いは、自民党が創価学会を頼りにする姿に似ている。
逆に自民党が共和党のマネをしたような気もする。

共和党のブッシュの方が日本にとっては、政治の継続といい、経済
摩擦がないことなどでいいに決まっている。しかし、米国経済をブ
ッシュでは崩壊させることになり、世界経済の崩壊が起きる可能性
が高い。そのポイントで世界はブッシュ期待とケリー期待に割れて
いるようである。

また、選挙直前にビンラディンの演説でブッシュを非常に利したた
めに、バランス上、中国・銭其センはケリーを間接的に応援してい
る。ここいらへんの感覚を日本の政治家も身に付けて欲しいもので
ある。両方への政治的な貸しを作っておくことを国家としてやるが
必要である。小泉さんがブッシュ支持なら、麻生さん辺りがケリー
支持を言って、バランスを取る政治的な配慮をしてほしいですね。

欧州も米国のブッシュにした方が得と感じるドイツやフランスと、
ケリーにして欧米同盟を復活させたい英国で対応が違うように感じ
る。欧州のフランス・ドイツ連合は米国から覇権を取り、基軸通貨
をドルからユーロにしていこうとしている。このためには米国経済
が潰れた方がいいし、欧州と敵対する米国をイラクで助ける必要は
ないために、ブッシュを支援して早期に米国が潰れるのを願ってい
るようだ。

しかし、米国経済を潰すと世界経済に大きな影響があると英国は考
えている。このため、ケリーで米国再生を願っている。この姿勢が
BBCの報道にも出ている。米国の報道機関より正確に報道しよう
としている。

今後エドワードが言ったような騒動があり、最終的にケリーが大統
領になる可能性もあると見ている。米国選挙をどうコントロールし
ているかを見ることになるでしょうね。4年前の戦争経済から戦争
+金融経済にシフトさせようとする国際的な力がかかることになる
。米国の内向きな勢力と国際的、特に英国と米国の連携している金
融・軍事勢力が巻き返しが起きることになる。米国は英国の植民地
であることを思い知ることになるでしょうね。今回の選挙で聖公会
が反ブッシュであった意味が分かることになるように感じる。

==============================
2004年11月01日(月) 
中国の銭其セン氏がブッシュ・ドクトリンを酷評
http://news.goo.ne.jp/news/reuters/kokusai/20041101/JAPAN-161202.html
(ロイター)
 [北京 1日 ロイター] 米大統領選を前日に控え、中国外交
政策に発言力を持つ元副首相の銭其セン氏が、先制攻撃を中心とし
た「ブッシュ・ドクトリン」を酷評した。

 英字紙チャイナ・デーリーで、銭其セン氏は、米外交政策につい
て論評し、米国は21世紀が「米国の世紀」なることを夢見ている
と批判した。

 さらに、同氏は、「イラク戦争は、努力してやっと得た世界的な
対テロ同盟を破壊した」と述べている。

 同氏は、「(イラク戦争により)米国はベトナム戦争の時よりも
国際社会で一層人気を失った。21世紀は米国の世紀ではない」と
している。

 その上で、同氏は、米国がその夢をみていないということではな
く、実現する能力がないに過ぎないと切って捨てた。
==============================
「新シルクロード」構想が本格化=資源活用、政治安定狙いに−中国
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041101-00000641-jij-int
 【北京1日時事】中国江蘇省の連雲港とオランダ・ロッテルダム
のアジア欧州間を幹線道路で結ぶ「新シルクロード」構想が、本格
化してきた。中国が積極的に推進しており、背景には中央アジアの
豊かなエネルギー資源活用のほか、宗教・民族問題を抱える周辺地
域を政治的に安定させようという狙いも強い。最近の中国の強大化
を受け、15〜16世紀の大航海時代を機に衰退した「オアシス国
家」復興への好機ととらえる見方も出ている。10年以内の全線開
通を目指す計画だ。 
(時事通信) - 11月1日15時1分更新

コラム目次に戻る
トップページに戻る