1768.米国のイラク撤退



米国のイラク撤退が近いようです。この考察。  Fより

米国のイラク撤退をどうするか、真剣に米国務省・国防総省ともに
一致して検討しているようだ。ラムズフェルド国防長官も撤退に言
及している。パウエル国務長官はイラク国民に反米感情が根強いこ
とを認めている。そして、ライス補佐官を中心とした大統領府も、
イラクからの撤退を検討していることをライス補佐官の側近が、表
明した。

スンニ・トライアングルのサマーワの戦いでは、米軍と新イラク軍
が大敗を喫しているようですね。アパッチヘリも3機を落とされ、
F−15による爆撃に変更したようです。しかし、この爆撃で住民
が大量に虐殺されたようで、ゲリラ組織は市内から退却した。しか
し、都市戦でヘリ攻撃ができないほど、ゲリラサイドの武器が重装
備化していることが判明している。このサマーワはそれでもゲリラ
組織の弱い所と言われていた。ファルージャやサドルシティはゲリ
ラ組織が強固であるために、サマーワほどにはうまくいかない。
それと米軍基地が陥落して、米軍の劣勢がもはや止められなくなっ
ているようだ。

もう、イラクでは米国と傀儡政権では勝てない。このためイラク原
油の確保も出来ないと感じて、イラク原油開発をロシアと組んで行
うとした。これは、米国撤退後の反米・親ロ政権ができても米国の
権益を残したいという思惑からであろう。

G8の会合で、東京でイラク復興会議が行われるということである
が、米国が負けた状態で撤退しないような環境を揃えるために必要
である。よって仏独を仲間に入れる必要がある。このため、戦争当
事国の英米国ではなく日本を主役にして、会合を行うようですね。
しかし、どう英米国の面子を保つのか??難問ですね。米軍が負け
ていることを世界が知っている。

どちらにしてもイラク暫定政権が来年1月の選挙を行った後、米軍
は撤退する。しかし、直ぐにイラク政府軍はゲリラ組織に負けて無
くなることが確実。どう、復興支援をするのであろうかと欧州やイ
スラム諸国会議は思っている。ゲリラ勝利後の新政権ができてから
考えると欧州やイスラム諸国は思っている。その上、仏独の報道機
関はバクダッド陥落を見越して、すでにいない。欧州に見捨てられ
るほど暫定政権・米軍はイラク統治で行き詰っている。

このような状態からイラク原油が搬出できないし、かつナイジェリ
アの内戦が再度起こり、原油価格は50ドル以上に高騰している。
米国が描いた戦争シナリオが崩壊している。イラクをある程度混乱
させて、イラク軍に治安を確保させ、米軍はシリアやイランに拡大
して中東民主化という米国・イスラエル支配を完成させるシナリオ
であったが、それができない。しかし、この中東民主化というシナ
リオも軍事的に行うのではなくて、基金を作り平和的に行うと路線
を変更している。その会議をトルコで行うと米国は言うが、これも
米国の出口戦略であろう。

もう1つ、イスラエルが動き始めた。シリア軍のレバノン派遣を国
連で問題視することや、シリアにいるパレスチナゲリラ幹部をモサ
ドが殺害するとか、ガザにイスラエル軍を入れてパレスチナ紛争を
大きくいる。これはイラクに展開しているイスラム教原理主義のゲ
リラをパレスチナやレバノン、シリアに来させようとしているので
す。イラクに展開するゲリラ組織をビスボラや旧イラク軍人と見て
いる証拠である。そして、これは米軍の間接的な支援になる。その
ような文脈でパエスチナ紛争を捕らえる視点が日本の有識者にはな
いようですね。イスラム教国の民衆や宗教組織は繋がっている。

どちらにしても、米軍は苦戦であるのに、死者数が大きくない。
ということは、民間警備会社を戦闘の前面に立たせていることにな
る。米軍は州兵か予備役兵であるために、戦闘前面では使えないの
でしょうね。役に立たない。正規軍の数が長期戦になって、足らな
いような気がする。米軍の負傷兵や病兵も多い。何かカラクリがあ
る可能性も感じる。大本営発表のような数のごまかしも戦後、明ら
かになるのでしょうね。

しかし、どう戦争を終結させるかと米国は考え始めたような気がす
る。日本も米国のイラク侵略戦争を止めるのには協力するべきでし
ょうね。戦争実態を欧州に明らかにして、戦争の終結を目指すしか
ないと思うが、どうでしょうね。

ここでイスラエルが強気で出てくると、ハルマゲドンになるために
ここは日本が率先して、イラク侵略戦争中止を行いことである。
預言書にも、日本が調停者として記載されている。
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イラク支援で12日にG8局長級会合 独仏に協調促す(ASAHI)

 今月13、14日に東京で開催されるイラク復興支援国会議に先
立ち、日米英など主要8カ国(G8)による局長級会合が12日に
行われることが固まった。支援国会議は今回で3回目だが、G8会
合は初めてで、支援国側の足並みをそろえ、国際協調をアピールす
る狙いがある。復興支援をめぐって米国と足並みがそろわず、イラ
ク復興信託基金に拠出していない独仏などに対し、日本政府は参加
を呼びかける考えだ。 

 復興基金は現在、約10億ドルあり、日本が最大の4.9億ドル
を拠出している。この基金に1000万ドル以上の拠出を行った16
カ国・地域によって支援国会議は構成されている。外務省によると
、今回のG8会合は日本側が呼びかけた。日本から吉川元偉・中東
アフリカ局長が出席する見通しだ。 

 今回の支援国会議には、支援国はじめ中東諸国、アジアなどから
計40〜50カ国が出席する。暫定政権発足後のイラクからハーフ
ィズ計画相が出席し、復興の現状を報告するほか、信託基金の運用
状況、治安問題なども話し合う。 
(10/03 03:10) 
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NY原油、取引時間中に50ドル突破・市場創設以来初(nikkei)

 【ニューヨーク=豊福浩】28日午前のニューヨーク・マーカンタ
イル取引所(NYMEX)の原油先物相場は続伸。WTI(ウエス
ト・テキサス・インターミディエート)で期近の11月物は続伸し、
1983年の市場創設以来初めて取引時間中に1バレル50ドルの大台に乗
せた。 

 原油相場は取引が始まる前の時間外取引で一時、50.47ドルまで上
昇、50.05ドル近辺で取引が始まった。正午(日本時間29日午前1時
)現在は49.90ドル。アフリカ最大の産油国ナイジェリアの政情不安
などで原油供給に支障がでるとの見方が広がり、市場の需給ひっ迫
懸念に拍車がかかっている。 

 供給不安を踏まえ、サウジアラビアは同日、数週間以内に生産能
力を引き上げると表明。市場では9日に及ぶ連騰で利益確定の売り圧
力も強まっている。 (01:22) 
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米ロ石油大手が共同で油田開発、イラクでも協力(nikkei)

 【モスクワ=古川英治】ロシア最大級の石油会社ルークオイルと
米国第3位のコノコフィリップスは29日、資本提携し、ロシア国内
などで油田の共同開発に乗り出すことで合意した。コノコがルーク
に最高で20%出資するほか、開発会社も合弁で設立する。イラクの
油田共同開発も視野に入れる。原油価格が高騰する中で、米ロによ
る新たなエネルギー協力が動き出した。

 コノコは同日の入札でルークの政府保有株(発行済み株式の7.59%
)を19億8800万ドル(約2200億円)で落札した。年内にルークの株
式をさらに2.4%、一株30.76ドルで買い増すこともルークの株主に
提案する。両社はコノコが最終的に20%まで出資比率を引き上げる
ことでも合意した。ロシアでの共同開発はルークが権益を持つロシ
ア北部のチマン・ペチョラ石油・ガス田が対象。ルークが70%、コ
ノコが30%出資する合弁会社を設立する。コノコは権益の30%を
3億7000万ドルで取得する。合弁企業は2008年までに原油を日量20万
バレル生産し、パイプラインを通じてルークの施設まで運び、国際
市場に輸出する計画だ。 (00:42) 
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[アラブの声] アメリカのイラク脱出作戦 大統領副補佐官が明かす

アメリカのイラク脱出作戦 大統領副補佐官が明かす

 イラクに駐留する米占領軍の撤退が囁かれる中、その撤退戦略の具体的な内
容の一部が明らかになった。27日付のクウェート紙アルラアイ・アルアーム
のイサーム・ファイヒム記者がバグダードから伝えた。

 数週間前からイラクに滞在しているブラックウィル国家安全保障副補佐官
(ライス女史の部下でキーマンである)と会ったイラクの複数の政治情報筋が
伝えたところによると、ウィールは「イラクに駐留する米軍を削減する計画が
ある」と確言した。

「この計画は米大統領選の結果に左右されない。ブッシュも彼のライバルの
ジョン・ケリー候補もイラク脱出戦略の点では意見が一致している」

 「ケりー候補のイラク問題の解決計画では、ブッシュの計画と同様の幾つか
の基本項目が決められている。すなわち、国際機関(国連)の支援と、イラク治
安軍の訓練の必要性、イラク人に安寧をもたらすイラク復興の遵守、来年の選
挙実施に傾注、イラク軍に日常の治安責任を委任することである。

 「来年1月に実施が決まっているイラクの総選挙は、(米軍が)撤退する口
実に利用されるだろう。ブッシュ当局は、180億ドルの復興資金の一部をを
治安維持に廻し始めたが、このことは脱出戦略の開始を意味する。米国とシリ
アの(イラクとの)国境警備協力(合同パトロールの実施)に関するこのような
秘密協議は、米国の関与の元にイラクと政治的・安全保障協定を結ぶことで隣
接諸国にも拡大するだろう。これらの協定は脱出戦略を早める一環の第一歩と
見なされる」

 同情報筋は10月にエジプトの首都カイロかサウジアラビアの首都リヤド
で、マレーシア、チュニジア、アラブ首長国連邦、国連に加え、8大国と中
国、欧州連合(EU)、イラク隣接諸国が参加する国際会議が開催される可能
性があると語った。この会議の目的は、復興に必要な資金を(参加国に)割り
当て、来年の選挙実施を含む政治活動への支援をより多く確保することであ
る。

 それよりも重要な目的は、イラクが隣接諸国と安全保障に関する政治協定を
締結するために、幅広く国際機関による正当性を与えることだ。それらによ
り、脱出戦略の為の基本的で力強い条件が満たされることになる。

 ウィールや米軍の現場指揮官たちやイラクに居る米外交官たちからの情報に
基づき、同筋が引き出した結論は次のようなものだ。

 米国防長官ドナルド・ラムズフェルドは、「選挙の治安確保のために増派す
る必要があるかもしれない」と発表した翌日に、アラウィ首相と会見し、その
直後に「イラクからの米軍撤退が近い」旨の発表をするつもりでいた。

 ところがラムズフェルドの顧問たちが、「イラクへの増派の可能性に触れた
長官の発言はイラク駐留軍に悪い反応をもたらし、うまく治めないと良くない
波紋を広げることになる」と警告した。この警告を聞いた直後に急遽ラムズ
フェルドは、米軍の早期撤退に関する発言をしたのだ。

 数週間前ラムズフェルドは、米軍の士気が低下しているとの報告を受けてい
た。またイラク駐留の予備役部隊の司令官から「米軍は抵抗勢力の猛烈な圧力
に晒されており、兵士を(戦場に)留まらせるための対応に追われる有様だ」
とする報告書を受けていた。複数の現地からの報告書は、「1日の平均襲撃数
が80回に増加し、9月の3週間だけで59人の兵士が殺害された後には、米
軍には挫折感と絶望感が蔓延している」ことを示している。ラムズフェルドは
以前「イラクには安全な場所は何処に無い」とする予備軍部隊の司令官の報告
書も読んでいる。

 予備役と、正規軍を支援するため国家防衛隊の再召集の可能性に関する報告
書が憂慮を引き起こした。補給用車両の運転など軍の業務は、増大する抵抗勢
力の襲撃により困難な任務となった。米軍、中でも予備役部隊は、極めて困難
な事態に直面している。
 
 ラムズフェルドはまた、ペンタゴンが任命した外部の専門家から成る委員会
が作成した調査報告書を受け取っている。この報告書は記す。「軍の機関はも
はや、治安の安定とイラクとアフガニスタンでの紛争解決を目的とする現在の
作戦遂行に十分な戦力を保持していない」

http://www.alraialaam.com/27-09-2004/ie5/international.htm#04

 親米国クウェートの新聞の報道だけに信憑性が高い。増派と撤兵というラム
ズフェルドの合い矛盾した発言の深層が良く理解できる。

 現場の兵隊の士気が無くなれば戦争は終わりである。問題は抵抗勢力が、こ
のような米国の戦略を呑むか否かである。勝利を確信して意気が上がる抵抗勢
力は。当分の間あくまでも、限りなく無条件に近い降伏を求めて攻勢を強める
であろう。どの段階で合意に到達できるか、賠償金の支払いなど戦後処理の方
法が、今後の焦点になってきたようだ。

 抵抗勢力は当然この記事を読んでいる。
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[アラブの声]イラク抵抗勢力の猛攻で米軍基地が初の陥落

★イラク抵抗勢力の猛攻で米軍基地が初の陥落★

 連日100回を越えるイラク抵抗勢力の猛攻を受け守勢一方に回っている米
占領軍だが、その基地の一つがついに陥落、米兵たちはほうほうの体(てい)
で脱出した。9月29日付のネット紙イスラム・メモの特派員が現場から伝え
た。
 
 イラク抵抗勢力は29日、首都の南方に位置する米占領軍軍基地に破壊的な
猛攻を加え、軍備品と兵員に壊滅的な打撃を与えた。本紙特派員の報告による
と、米軍は多数の死者と軍備品を残して、首都南方のリドワーニーヤ・ドウェ
イリバ地域の基地から完全に撤退した。

 最後の米兵が脱出した15分後の夜6時45分に特派員は、基地に入ること
が出来た最初の住民グループに同行した。そこで見たものは、全焼した4台の
水陸両用装甲車と骨組みだけを残して完全に炎上した鉄の塊と化した14台の
ハンビー軍用ジープと、灰と化したテントの残骸であった。

 この米軍基地は化学薬品を含むロケット弾を撃ち込まれたようだ。住民に同
行した特派員は、緑色に変色している基地の土壌表面を見た。これは数ヶ月前
に化学薬品弾頭弾を浴びせられたハドバやモスル、ラマーディーの各基地で同
じ色が見られたように、化学薬品の弾頭を装着したロケット弾を撃ち込まれた
ことを示している。

 本日(29日)の昼には、基地の襲撃中に遠くから嗚咽と悲鳴の声が聞こえ
た。撤退準備が進められている間、コブラという機種のホーバークラフトが周
辺を援護した。

 落ちぶれ果てた敗残兵が最後に撤退した3両の水陸両用装甲車からなる米軍
車両に積み込まれたが、爆薬を積んだイラク人の車両が突っ込み、少なくとも
15人が死亡した。この数は更に増えると思われる。

 これは占領軍の基地が壊滅して放棄された最初のケースである。

http://www.islammemo.cc/news/one_news.asp?IDnews=45529

 体裁を整えるためにバグダード陥落前に米軍は何としても、カイロあたりで
国際会議を開き、脱出の口実としたいことであろう。


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