1760.イラク情勢



とうとう、旧イラク軍人のゲリラ兵が勝ち、米軍とその傀儡政権を
イラクから追い落とすことになりそうである。  Fより

このコラムでは1206.戦争の掟(15年3月22日)以降一環
して米国の負けであると予言していた。それも都市でのゲリラ戦に
なると見通していた。この予言通りになっている。それもフセイン
大統領が居なくなってからの方が、むしろゲリラ戦として有利にな
るとしたが、これもずばり予言通りである。どうぞ、該当コラムを
見てください。このコラムの予言通りであることを知っていただけ
ると思う。

米国はとうとう、どう負けるかを議論する時期に来ている。もう米
国は傀儡暫定政権を維持できない。1年に20兆円??以上の金が
必要なイラク統治をそう長くはできない。米国財政赤字はドル防衛
のために石油を得ることがイラク侵略の目的であったが、この目的
は完全にゲリラ組織に覆されている。そして、米国の財政赤字が戦
争を続けられる状態ではなくなっている。

イラク侵略作戦を立案したラムズフェルドまでが、治安が回復しな
くてもイラク撤退をすると言い始めている。これはベトナム戦争と
同じようなことになるということを言っている。しかし、今回は交
渉相手がいないために、ただ米軍が単にイラクを去るしかない。

このため、日本の戦後とは違って、米国の権限が1つも残らないベ
トナム戦争と同様な惨敗として、イラク地を離れることになるよう
だ。ベトナムとの違いは、今の米軍は自国民の徴兵制がないために
、戦死者はグリーンカードで米国に定住したい他国民、特にラテン
系の人たちで、激戦地にはこのような兵隊を派遣している。このた
め、米国民の死亡率が少なし、WASPの人たちは皆無である。
そして、金持ち層の有名大学の学生が自分のことではないために騒
がない。反戦運動が少ない。このために米政府は強気な戦争ができ
ている。そして、1日10万円の雇用兵を3万人も雇っている。世
界の戦争屋は泣いて喜んでいる。一年もいると、3000万円にも
なる。日本企業の30年勤めた退職金より多い。しかし、死亡率も
その分、高いようである。

この意味では、米軍は雇用兵や外国兵であったローマ帝国軍と同様
な状態になっている。徴兵制でないために、兵募集が大変であるよ
うだが。米国移住希望者を米陸軍の兵員に採用する方向のようだ。

しかし、戦況としてはファルージャとナジャフで米軍が負けて、イ
ラク国民の真の敵が米国であることを思い知らせれたようで、苦戦
になっている。イラクのナジャフを中心に8月5日から3週間にわ
たって戦われた米軍とシーア派のサドル師・マハディ軍との戦闘は
、8月26日の「停戦合意」で一旦は小康状態に入った。しかし9
月に入って8〜9日頃から再びイラク全土で戦闘が激化し始めてい
る。

しかし、米軍は「停戦合意」で政治的な負けが確定して、反米強硬
派サドル師のシーア派における位置は確実に穏健派で英国に逃げた
シスタニ師を上回ってしまった。シーア派イラク国民の支持が明ら
かにシスタニ師からサドル師に変わった。このため、米軍と暫定政
権は、イラクでの基盤となる拠り所をなくしてしまった。スンニ派
はほとんど反米であり、このスンニ派とシーア派が反米となると、
1割程度のクルド人しか米軍の拠り所がないことになる。これでは
イラク統治は無理である。

イラクのアラウィ首相は元CIAの要員で、米国の操り人形である
ことを、ファルージャの攻撃やポーランド軍の支配していたナジャ
フでの強引な米軍のサドル師への攻撃でイラクの民衆がアラウィの
素性を知ってしまった。これが元でポーランド軍は怒って、イラク
を撤退している。また、ブラヒミ国連特別顧問が反対したのに、米
国CPAのブレマーが強引にアラウィを首相に就任させたことが裏
目に出ている。穏健派のシスタニ師もアラウィは最低であるとして
いたが、米国が強引に説得したのです。米帝国の傲慢がここにも出
ている。それがイラク戦後統治の失敗の理由でしょうね。

1月の選挙はできないようです。国連も39人以上の追加の人員を
イラクに派遣しないとアナン事務総長は表明している。それより、
バクダッドの中心グリーンベルトがいつまで保つことができるかが
問題のようである。バクダッド空港を地対地ミサイルで容易にゲリ
ラサイドが攻撃できるということは、どこでもミサイル攻撃ができ
ることになる。

イラク後を日本は検討する必要があると思う。EU、ロシアやアラ
ブ諸国は、戦後、国民支持の反米イラク政府との関係をどうするか
を検討しているようである。勿論、石油代金はユーロになるでしょ
うね。ロシアを含めてドルからユーロになるように感じる。

このような情勢で、イランはむしろ、核問題で強気になっている。
それに対して、イスラエルはイランの核施設に爆撃を行うチャンス
を狙っている。しかし、これは世界の大きな脅威になっているよう
に感じる。ハルマゲドンになる可能性が高い。

1206.戦争の掟
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/k5/150322.htm
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イラク駐留米軍の撤退、治安回復まで待つ必要ない=米国防長官
  
 [ワシントン 24日 ロイター] ラムズフェルド米国防長官
は24日、イラク駐留米軍撤退開始の条件について、イラクが「平
和で完璧」な状態になるまで待つ必要はない、との認識を示した。
 イラク暫定政権のアラウィ首相との会談後、記者会見で述べた。
 報道陣の質問に対し、長官はまず、米政府は1月予定のイラク選
挙実施のため治安面で万全を期すと指摘。
 しかし、「米国と同盟国が部隊を削減できるように、イラクが平
和で完全な場所になっている必要があるとの考えは賢明ではない」
と述べた。
 その理由として、「イラクは平和だったことがなく、今後もその
見込みはない。イラクは世界でも最も困難な場所だ。我々の目的は
、駐留部隊が(治安面での)責任を引き継ぐイラク人を訓練するため
、時間と資金を投じ努力することだ」と指摘した。
 ただ、イラク駐留米軍削減の具体的な時期については言及しなか
った。
(ロイター) - 9月25日16時32分更新
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情勢次第で米軍増派も イラクで米大統領
  
 【ワシントン23日共同】ブッシュ米大統領は23日、訪米中の
イラク暫定政府のアラウィ首相とホワイトハウスで会談し、イラク
の治安対策をめぐって協議。大統領は会談後、イラクへの追加派兵
に関して「現場の司令官が求めれば増派する」と言明、現地のアビ
ザイド中央軍司令官の判断次第で米軍の追加派兵に踏み切る姿勢を
示した。
 また、米軍がイラクでの戦いをやめた場合、反米武装勢力は他地
域で攻撃を計画、実施する可能性があると警告、イラクでのテロと
の戦いを継続する考えを示した。
 両首脳の会談は今月21日に続いて2回目。
 大統領はまた、来年1月に予定されているイラクの国民議会選挙
実現のために「より多くの要員が必要だ」と述べ、国連に対し選挙
関連要員の追加派遣を強く要請した。
(共同通信) - 9月24日1時58分更新
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NATO、イラクに軍事訓練施設を開設へ

 [ブリュッセル 22日 ロイター] 北大西洋条約機構(NA
TO)は22日、イラク軍や治安部隊の訓練施設をイラク国内に開
設することで合意した。
 加盟各国のうちフランスなどは、イラクでのプレゼンス拡大が
NATOの戦闘参加につながるとの懸念を表明していたが、この日
当地のNATO本部でようやく各国代表の意見が一致した。
 NATO報道官は記者団に対し、戦闘へ直接参加することなく軍
事訓練に取り組む方針を強調したうえで、任務の安全遂行のため米
軍主導の多国籍軍の支援を受けることを明らかにした。
(ロイター) - 9月23日17時52分更新
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「戦略ミサイル」を軍配備 イランが発射実験 (共同通信)

 【テヘラン25日共同】イランのシャムハニ国防軍需相は25日
、同国西部のイラク国境沿いで行われた軍事演習「アシュラ5」で
「戦略ミサイル」の発射実験に成功し、ミサイルを配備したことを
明らかにした。イランの国営テレビが伝えた。
 国防軍需相は「ミサイルの射程、破壊力、命中精度、発射時間を
改良した」と説明。詳細については明らかにされておらず、今回の
ミサイルがイスラエルやペルシャ湾岸諸国を射程内に収める中距離
弾道ミサイル「シャハブ3」を指すのかどうか不明。イランは8月
、改良型シャハブ3の発射実験を行った。
 米国はイスラエルに対し特殊貫通弾500発を売却する予定とさ
れており、イスラエルとイランの間で軍拡競争が過熱している。
(23:57)
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[アラブの声]地対地ミサイルの登場で米軍呆然自失 旧イラク軍が
本格参戦の証し
From: Rikijiro Saito 

 連日平均百回にも達するイラク抵抗勢力の攻撃を受け、抵抗勢力
が統治する解放区が広がる中、バグダード空港が地対地ミサイルで
襲撃されたことで米軍は強い衝撃を受けている。22日付けのバス
ラ・ネットが報じた。
 
 米軍が発表したにも拘らずメディアは、サダム国際(バグダード)
空港での運航が2日間停止したニュースを無視した。しかし今回、
アメリカ人は(旧)イラク軍とラアド(雷)地対地ミサイルの出現に激
しい衝撃を受け、呆然自失している。
 
 イラク人が作り上げたこのミサイルは全長が約6メートルあり、
訓練を受けた有資格者でなければ取扱いや作動出来ない。(旧)イラ
ク軍のミサイル部隊以外、この能力があるものは居ない。理由は、
ミサイルの設置、発射、操行には、技術者や専門家など全て揃った
チームが必要なのだ。
 
 複数のミサイルが発射され、バグダード空港を破壊した。事件は
アメリカ人に深刻な衝撃を与えた。何故なら、このような規模でミ
サイルを準備するには、少なからぬ期間を必要とするし、巨体の隠
匿方法も容易ではない。そんなことよりも驚嘆すべきは、これらの
ミサイルを発射、操行した専門チームだ。如何にして作業を完遂し
、(米軍の)レーダー網を潜り抜けたのか?
 
 (旧)イラク軍が戦場に顔を出さない日は一日たりと無いが、世界
のマスメディアによる誤導により、この軍隊が過小視され、存在す
ら否定されてきた。しかしこの度のラアド・ミサイルの轟音が、ツ
ンボの鼓膜を振るわせた。
http://www.albasrah.net/maqalat_mukhtara/arabic/0904/ra3d_220904.htm
バグダード市内から空港に向かう道路は一時閉鎖された。
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[アラブの声]抵抗勢力、イラク6都市と首都の1/3を制圧

 英ガーディアン紙によると、イラクのアラウィ首相はバグダード
の陥落を心配し始めているというが、その器具を裏付けるように、
すでに6都市と首都の主要3地域はアラウィ政権の手を離れた。
18日付のバハレン紙アハバール・アルハリージが特派員報告とし
て伝えた。
 
 バグダードに於ける抵抗勢力の攻勢が激化するとともに、アラウ
ィ首相政府は、徐々に首都の支配権を脅かされているため、イラク
統治を継続できるか疑問視されている。激戦の舞台ともなった首都
の中心部を貫く幹線道路ハイファ通りの住民たちは、「イラク警察
はこの通りに入ることを避け、抵抗戦士らがいつでも好きな時に誰
にも邪魔されずに制圧している。彼らは夜明けに通りにやって来て
、屋台で朝食を摂り、彼らとの関わりを避けようとする警官が見て
いる中を武器を携行して歩き回っている」
 
 通りに面した建物に住むアクラム・アブドッラッザーク(32歳
)は語った。「抵抗戦士が通りを闊歩するのは見慣れた光景となっ
た。それどころか、我々に挨拶するし、『あなた方は攻撃目標では
ない』と安心させてくれる。我々は窓から戦闘を高見の見物するよ
うになった。この地区の住民は警官よりも抵抗戦士を応援している。
 
 他にも、300万人以上が住む住宅地サドル・シティーと、首都
でも最も重要で古い地区の一つであるアーザミーヤも政府の手から
離れた。ムクタダ・サドル師の支持者が多いサドル・シティーでは
、イラクの警官は、米軍の保護無しに家宅捜査などしようとしない。
元大統領の支持者の多いアーザミーヤの住民の大部分は、占領に反
対の立場を採るイスラム聖職者機構のファトワー(宗教令)に従う。
 
 上記首都の3地区は、面積で首都の1/3、人口で1/2を占める。
それにより、来る総選挙は、不可能とは言えぬまでも、成功するか
は疑がわしい。
 
 イラクの他の都市では、クルド人が多く住む北部各県の他に、
ファッルージャ、ラマディ、ナジャフ、タルアファル、バークーバ
が政府の手から完全に離れた。
 
 イラクがこのように沸騰しており、政府が要所の支配権を失った
ことで、アラウィ政府は、”緊張地域”を選挙から除外すると発表
した。ウォッチャーたちは、「占領軍とその政府の法律外に置かれ
た抵抗勢力の都市には、政府と占領軍の支配が及ばないことを率直
に認めた声明」と解説する。
 
http://www.akhbar-alkhaleej.com/Articles.asp?Article=103226&Sn=WORL
解放区が急拡大している。


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