1717.イラン戦争準備と大統領選挙



ナジャフのサドル師を米海兵隊が攻撃して、サルド師が負傷したよ
うです。このことと、大統領選挙が関連している。 Fより

米大統領選挙でケリー氏が勝っている。フロリダ州の世論調査で、
一騎打ちではケリー氏の勝ちとなり、激戦10州最大の州を取るた
めにケリー氏の勝ちが決まってしまった。しかし、この戦いに第3
の候補ラルフ・ネーダー氏が出てくると、様相は変化する。このた
め、ブッシュ陣営はラルフ・ネーダー氏の出馬ができるように署名
活動に乗り出している。

もう1つ、米国の景気が減退の方向にあり、どんどん株式市場が下
降している。それと、米国は1−6月で2200億ドルの貿易赤字
になっている。ドルの暴落を防ぐためには、米国に投資を呼び込む
必要があり、グリーンスパンは景気下落が短期的現象と金利を6%
辺りまで持って行きたいようだが、とうとうそのシナリオが破産し
ようである。本当に景気が減退し始めた。

そのため、この代わりに原油高を演出して、米国機関投資家が海外
市場に投資するのを防止して、かつ世界の投資を株から物にしよう
としている。もしその手を使わないと、米国の投資家が米国市場に
見切りをつけて、日本やインド市場に投資し始めることになり、ド
ルに対する信用がなくなり、暴落すると見ている。この景気下落と
原油高で、ブッシュ陣営は不利な状況になっている。

このため、オクトーバ・サプライズ(10月の衝撃)が必要になっ
ている。パキスタン政府・情報機関が数名のアルカイダ幹部を逮捕
したり、英MI5がアルカイダに近づいて、テロが起こると警告し
たりしているが、どうもアルカイダ接近がビンラディンの逮捕には
至らないよう感じである。

この代案として、米ブッシュ政権はイラン攻撃の準備として、サド
ル師のマフディ軍との戦闘に入った。サドル師はイランからの影響
力が強い人物で、サドル師が危なくなって、イランのハメネイ師が
「人道に反する重罪のひとつ」と指摘したことでも分かる。

イランは核開発問題で、イスラエルから強い非難を浴びて、かつ、
欧州との会談で鑑査の要請拒否しているため、米国もイラン攻撃の
もう少し強い国民が納得する理由が欲しいようだ。そして、10月
にイラン攻撃をすれば、選挙戦にも大きなインパクトがある。戦争
になると、時の大統領の支持率は急上昇することは分かっている。
このような戦争開始はブッシュが逆転するためには、絶対に必要な
ことになっている。

イランは、イラクの教訓を学んでいる。欧州や国連の言うとおりに
大量破壊兵器を廃棄しても、米国の攻撃を防止できない。というよ
り、米国を断然有利にしてしまう。それなら、核兵器を開発して、
米軍の攻撃を核で防いだ方がいい。もし、核戦争になって死んでも
、イスラム教では天国に行ける。それよりジハードの戦いに勝つこ
とが重要となれば、イラン攻撃は大変な戦争になることが予想でき
るはずです。イラ・イラ戦争を見れば容易に想像できる。

そして、米国が戦争を仕掛ける動機が、大統領選挙に勝つためです
からどうしようもない。

このような雰囲気では、ブッシュ政権としては東アジアまで手が回
らないというより、イラン攻撃するための兵も不足している。米軍
の在韓・在欧・在日の米軍をかき集めて、イラクに投入しているが
、この上にイラン攻撃するとなると、絶対的に不足する。州兵の動
員をしても間に合わない。イラク軍を育成しているがそう急には、
育成できない。

このため、米国の同盟国である日本の自衛隊を情報収集だけではな
く、実戦部隊として米軍の補助軍として使いたいようである。この
ため、憲法9条を改正して集団安保ができる体制にして、グルカ兵
の英国軍と同様に、最強部隊として米国軍を助けてほしい見たいで
すね。実を言うと、日本の下士官から下は世界的にも優秀な兵と見
なされている。ミサイル迎撃では日本の自衛隊の成績が一番である
などの訓練された日本の自衛隊の活用を米軍は考えている。

このような背景から、パウエルまでが「憲法9条改正せよ」と圧力
を掛ける事態になっているのです。しかし、このストーリーはハル
マゲドンの最終段階にあることを意味している。

日本の使命を小泉首相も理解して、行動して欲しい。日本と欧州し
か、米国の行動を止めることができないですよ。
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パウエルまで「憲法9条改正せよ」と圧力! アルルの男・ヒロシ 

 CIAの秘密レポートの効力はまだ健在。
(CIAレポートについては、「財界展望」などの記事や私の過去の文
章を参照)

2年前の「東電事件」の悲劇が再び繰り返されるのか!

関西電力・美浜原発の「事故」が数日前に発生して、私も新聞を見
ながら、当時の状況を詳しく検討していました。気になった点が一
つ。この原発については、14日から検査が入る予定になっていた
という点です。検査の1週間前にこういう具合に事故が発生するの
は果たして偶然なのか。

それから、この事件の責任を取るという形で、関西電力の藤洋作社
長が辞任しました。注目すべき点は、藤氏が電事連の会長も務めて
いたという点。また、中部電力では突然、これまたトップが最近8
月に入ってから辞任している。表向きは不祥事が原因だとされてい
る。

日本の原発管理体制の現状が世界的なレベルでみて、高いか低いか
ということは私には判らない。重要なのは、日本の弱いところを研
究し尽くしたCIAがそこをねらい打ちにしてくるということへの我が
国の戦略的対応であると思う。

この「不祥事利用型戦略」というアメリカの戦略については、すで
に石黒一憲先生が指摘しているとおりである。

さらにこの美浜事件の余波について見ていく。

この事件が原因で、関電は福井にある8原発を順次停止させ、足り
ない部分は火力発電でまかなうということになった。

火力といえば当然、LNGや原油。現在、先物の思惑と地政学リスクが
絡んで、空前の原油高になっている。これで儲かるのは、エクソン
などのアメリカの石油メジャーであるということが一つ。

さらに、パウエル国務長官が、イランの油田開発に関して、日本に
圧力をかけてきた。すでにこの掲示板に報告したように、アメリカ
は日本に対して、イラン産ではなくリビア産の原油を買うように圧
力をかけてきている。

ブッシュ政権としては、再選後に悪の枢軸の一つであるイランに対
して、政権転覆を謀ろうとしているので、同盟国・日本の突出した
単独行動が気に障って仕方ないのだろう。イランに対して、直接軍
事行動を行うか、それとも、CIAを使った民衆扇動による政権転覆
(民主化運動)をはかるか、それは判らない。

しかし、9.11コミッションレポートにもイランとアルカイダの
関係が指摘してあったということを考えるとアメリカとしては、「
ネオコン抜き」のタカ派戦略ということも考えているかもしれない。

さて、電事連の会長が辞任したということの意味は非常に大きい。
なぜなら、電事連こそ裏で日本の核政策を動かしている人々だから
だ。このことは広瀬隆氏の本に書いてある。那須翔氏やその辺の人
物たちは、2年前の「東電原発ひび割れ秘密工作事件」で失脚させ
られてしまった。

日本のプルサーマル計画は、これでつぶされてしまうのだろうか。
日本の核政策は、イラン並みに信用されていないということがよく
判った。

http://www.zakzak.co.jp/top/2004_08/t2004081312.html
http://www.asahi.com/international/update/0813/003.html
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「憲法9条の吟味必要」 パウエル米国務長官

 【ワシントン12日共同】パウエル米国務長官は12日、日本の
国連安全保障理事会常任理事国入りに関連し、憲法改正は日本国民
の問題との見解を強調しながらも「9条は吟味されなくてはならな
い」と言明、国際的責務が伴う常任理事国になるには憲法改正が極
めて重要な要素になるとの認識を示した。
 共同通信など日本の一部報道機関と会見した。
 憲法改正と常任理事国入りの関連については、アーミテージ国務
副長官が先月、自民党幹部に積極的な国際軍事貢献に向けた態勢づ
くりが必要として改憲支持の個人的見解を伝達。パウエル長官の発
言はこれに続く9条見直しに対する踏み込んだ内容で、イラクへの
自衛隊派遣を評価するブッシュ政権内で憲法改正への期待感が強ま
っていることを示している。(共同通信)
[8月13日10時42分更新]
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イランのハメネイ師、米軍のナジャフ攻撃を批判

 [テヘラン 11日 ロイター] イランの最高指導者ハメネイ
師は11日、米軍がイラク中部にあるイスラム教シーア派の聖地ナ
ジャフを攻撃したことについて、「人道に反する重罪のひとつ」と
批判し、世界中のイスラム教徒に対して米への報復を呼びかけた。
 国営テレビで放送された演説の中で、ハメネイ師は、「イスラム
教の聖地のひとつで、米軍は人々を虐殺している。イスラム世界や
イラク国家は、これを見過ごさない」と述べた。また、「米国はこ
のような罪を犯す一方、恥ずかしげもなく民主主義を説いている」
と批判した。 
ナジャフでは今月5日以来、米軍と対米強硬派の指導者ムクタダ・
サドル師を支持する民兵組織との間で武力衝突が起きている。
(ロイター)
[8月12日7時28分更新]
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サドル師が負傷 ナジャフ、米軍爆撃で

 【バグダッド13日共同】ロイター通信は13日、イスラム教シ
ーア派の対米強硬指導者サドル師の民兵組織と駐留米軍やイラク国
軍との戦闘が続いているイラク中部のシーア派聖地ナジャフ付近で
の戦闘で、サドル師が米軍の爆撃によって負傷したと伝えた。負傷
した正確な場所やけがの程度は不明という。
 サドル師は体の3カ所に負傷したという。サドル師はシーア派の
一部からの支持しか集めていなかったが、同師の負傷により米軍へ
の反発がシーア派住民の広範囲な層に広がる恐れがある。
 AP通信によると、アルジャジーラなどアラブ系衛星テレビは、
サドル師がナジャフのイマーム・アリ聖廟(せいびょう)内での衝
突で負傷したと伝えた。(共同通信)
[8月13日14時29分更新]
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フロリダ州での世論調査、ケリー候補がブッシュ大統領を6ポイントリード

 [タラハシー(米フロリダ州) 12日 ロイター] 米コネテ
ィカット州のクウィニピアック大学の選挙研究チームが実施したフ
ロリダ州の登録有権者調査によると、民主党のケリー大統領候補の
支持率は47%で、ブッシュ大統領の41%を上回っている。無所
属のラルフ・ネーダー氏の支持率は4%。調査はフロリダ州の登録
有権者1092人を対象に先週行われた。ケリー候補とブッシュ大
統領の一騎打ちとなった場合、ケリー候補の支持率が49%、ブッ
シュ大統領の支持率は42%だった。 
民主党大会前の6月調査では、両者の支持率はともに43%だった
。(ロイター)[8月13日13時2分更新]
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
   平成16年(2004)8月13日(金曜日)
      通巻 第885号  

 ラルフ・ネーダーとケリー夫人が民主党に致命的な蹴りを入れた
ジョン・ケリー大統領候補、突如の苦戦。錐(きり)もみ状態に暗
転した

 ネーダーが大統領選挙の立候補に必要とされる署名活動に共和党
員まで密かに協力している。消費運動の神様、左翼過激派のカリス
マ、換言すれば時代の変化に取り残された馬鹿。

 ラルフ・ネーダーは本気で大統領選挙に臨む情勢となった。3%
から5%の「民主党」の支持票がネーダーに流れるだろう。

 そうすると一番得するひと? もちろんジョージ・ブッシュ大統
領です。

 ジョン・ケリーを贔屓にして巧妙な支持キャンペーンを展開して
いるのは左翼リベラル媒体の『ニューズウィーク』や『ワシントン
・ポスト』だが、かれらの真摯な努力を土足で蹴飛ばしてケリー情
報宣伝活動を台無しにしたのは、ハインツ(ケリー夫人)だ。党大
会の応援演説で長時間に亘って自己をかたり、夫を語らず、傲岸不
遜な態度を目撃して民主党員さえ怒り出した。執拗な質問をした新
聞記者に夫人は「糞食らえ」とも発言した。その場面がテレビで放
映された。

 たまたま中国の奥地にいたので、この実況を見なかったが帰国し
てからアメリカ通に聞くと「あれでケリー当選はなくなった」と複
数の専門家が口を揃えた。


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