1706.読者の声



朝日新聞『声』 国想う気概あるとは思えぬ (2004年7月
26日) アルルの男・ヒロシ
   
団体職員 高田健(59歳)と言う人の投稿です
よく団体職員という職業名を、この「声」欄で見かけますが、実態
は何なのでしょうね?

まあ、それは良いとして、この投稿、右派・左派を問わず、米国製
の憲法の改正に対する異議の声が高まりつつあるのではないかと言
うことを感じさせられた。

例のアーミテージの「内政干渉」発言。促したのは、どうも自民森
派の中川秀直氏のようです。森派は、現在、政治資金スキャンダル
をマスコミに「密告」して、橋本派をとうとう潰しにかかっている。

それはそれとして、この高田と言う人の投稿、「この国を想い、こ
の国を創る気概があるなら、『わが国の憲法はわが国で議論する。
日本の憲法問題に注文をつけないで欲しい』と言うべきではないか
」として締めくくっています。

全くその通りだなあ、と。どうも安倍晋三しかり、今回の中川秀直
しかり、アメリカに頼って何かをやろうという発想しか見えません
。やはり「あの米国を想い、この属国を創る」という発想で動いて
いるのではないか。安倍晋三の祖父である岸信介はまだ現実的な国
益感覚があった。しかし、安倍氏の人柄はともかく、政治姿勢・信
念には危うさを感じざるを得ない。岡崎久彦氏との対談である、「
この国を守る決意」(扶桑社)を読むと強く感じる。

アメリカ軍はいよいよ日本を「不沈空母」にする計画のようだ。韓
国を撤退した米軍が日本に駐留するかもしれないし、米本土のワシ
ントン陸軍第1軍の本部を日本国内に移すという動き、横田基地の
日米共用(軍民共用ではない!)を推進する動きまであるらしい。
これでは完全にわが自衛隊の自立的行動が阻害されてしまう!保守
を自称するポチ保守はこの動きに関して、「仕方ない」というのだ
ろうか?

今は左右が互いの違いを棚上げで、日本の自立戦略について議論す
べきである。憲法改正はそのあとでも遅くない。拙速は禁物である。

ちなみにアーミテージと歓談したのは、中川秀直の他、小林温(ゆ
たか)(自民党参院議員、経歴を見ると典型的なアメリカの受け皿
要員)、樽床伸二(民主党・松下政経塾出身)である。この松下上
がりの国会議員は要注意である。日本では、稲盛和夫(京セラ会長
)がCSIS(戦略国際問題研究所)と共同で、稲盛−アブシャイア財
団というシンクタンクを作っており、これが日本の親米政治家を育
成する機関になっているだろう。さらに、稲盛氏は「日本政策フロ
ンティア」というシンクタンクにも関わっており、これもそういう
類の受け皿であろう。

もともと、一目瞭然なのだが、稲盛氏は松下電器の松下幸之助のエ
ピゴーネンのような人物である。この背後には中村天風氏の思想が
あるらしい。

松下氏のPHP運動(PHP研究所)ももともと反共労組を松下内で作る
ために、松下がMRA運動(道徳再武装運動)をモデルにしたらしい。
経営者の美談の後ろにはこういうきな臭い真実が書くされて居るの
である。
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Re:朝日新聞『声』 国想う気概あるとは思えぬ (2004年7月
26日) とら丸

 アルルさんへ
はじめまして。
> 例のアーミテージの「内政干渉」発言。促したのは、どうも自民
森派の中川秀直氏のようです。森派は、現在、政治資金スキャンダ
ルをマスコミに「密告」して、橋本派をとうとう潰しにかかっている。

自民党政治家は米国に弱みを握られているのでしょうね。昔から。
だから結局自民党有力政治家は米国の言いなるしかない。橋本派を
揺さぶっているのは米国のような気がします。

ところでわが国と米国との関係ですが、自民党政権では、わが国の
独自戦略というものは取りにくいですね。独自戦略は必要ないとの
一部勢力もありますが、それでは独立国とはいえない。

冷戦期は米国一辺倒もそれなりの意味があったのですが、今日の世
界情勢(多極化対米国単独支配)の情勢下での惰性的米国一辺倒は
政治家及び国民の無気力・政治的無関心を示すものでしょう。

しかし、今米国に敵対するのは、得策でないので、あくまでも米国
とは友好関係を保ち、かつアジア諸国との相互関係をも深めて行く
べきです。

アジア間で文化的交流を深め、政治的・軍事的により安定したアジ
アを実現し、相互軍縮を行うことで、効率よく経済成長を成し遂げ
、かつアジア経済圏と米国とのグローバルな政治・経済・軍事バラ
ンスをとる。

アジア域内における軍縮による経済発展は、米国産業にとってもよ
いお得意さんになる。

> 今は左右が互いの違いを棚上げで、日本の自立戦略について議論
すべきである。憲法改正はそのあとでも遅くない。拙速は禁物であ
る。

そのとうりですね。
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「公明党だが、全体主義的性格を持つ強力な宗教母体を考えると政
権参加には憲法上からも疑義がある。自民党の公明党依存体質は同
党には自殺的―政治的には迷走要因ともなっている。」
 
有難うございます。
どうして皆、この事に触れないのか不思議で仕方がありませんでし
た。
日本の国益よりも、創価学会員の利益を優先する公明党にこれ以上
権力を持たせてはいけないと思います。
               橋口
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諸国の神々は、どう思うじゃろう…。 虚風老

近々では、共和党支持48%民主党支持46%という数字もでてお
るの。
今回は、浮動票がすくなくて、ほぼ、支持・不支持の意志がはっき
りわかれておるともいう。
面白い数字は、民主党ケリーへの献金じゃね。今までの民主党大統
領候補の5倍集まり、金満・現職のブッシュ共和党に迫る勢いじゃ
という。
これは、民主党支持者の団結ぶりと、投票行為へのつながるモノか
もしれんの。(ふつう、共和党支持者の投票率は高く、民主党支持
者は、口だけで、投票所へ行く率は低かった。共和党では、教会な
どで有権者登録{アメリカでは選挙に行くためには、自分で先に登
録することが必要}を勧めたりするしの)

民主党小差の不利という読みが続くと、もしかすると、最後にラル
フネーダーとの環境問題での政策協定なんてのも浮上するかもしれ
んの。
(共和党が、環境問題に合いれないないのはあきらかじゃ)

ま、十月には、神様の寄り合いもあるし…。
(ありゃ、こりゃ八百万の神の話じゃった。しかも太陰暦じゃわい
。。。)

諸国の神々の意志もどうでるかな?ワシの占いでは、民主党じゃが
ね。
                      虚風老
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国際戦略コラムでないかもでも一言

ジエンキスの件もういい加減にしては日本国としてどんな
考えなのか・してることがおかしいとおもわないのか

それも莫大な金銭を使って「世話になった国で何々の宮」
とマスコミが言ったとか外務省がおかしいのかそれとも
小泉が「バカ」なのかもういい加減にして欲しい物だ

国民に成り代わって私が物申す。

 04.07.24. ks_kiyo4
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件名:ブッシュ対ケリー/価値観の相違に注目したい  

 今度こそ政権奪取を―の熱気に満ちた米民主党大会で同党の大統領候補にケリー上院議
 員が選出され、今秋の大統領選挙で共和党のブッシュ候補(現大統領)と激突すること
 になった。ブッシュ対ケリーの選挙はどんな意味を持ち、日本の国益にどう影響するの
 か。
建国の伝統とリベラル

 今回の大統領選の一つの特色は、“価値観”をめぐる争いであることだ。その背景にあ
 るのはケリー氏が最もリベラルな上院議員の一人に挙げられ、保守的なブッシュ大統領
 とは対照的な価値観の持ち主であることだ。

 米国でのリベラルの定義は難しいが、社会福祉の重視、同性愛や中絶など個人の選択に
 理解を示す傾向で知られている。米国は共和、民主の両党が支配政党だが、共和党は
 「小さな政府」を志向し、米国社会の古きよき伝統や地域社会の復活、信仰や家庭第一
 主義を重視する。レーガン大統領やブッシュ大統領がその代表だ。

 民主党は分配による社会の公正化の視点から「大きな政府」を志向、公民権の拡張やリ
 ベラルな政策を重視する。その代表がニューディール政策を掲げたF・ルーズベルト大
 統領と公民権運動で知られるケネディ大統領だ。

 民主党のリベラルな思考の根底にあるのは「価値多元論と他者への寛容」だ。米国は多
 様な価値観を持った移民の国である。米国をして活力あらしめるには、米国民一人ひと
 りの価値観を尊重すべきだとする。クリントン前大統領は「万人の声を価値基準として
 聞くべきだ」として寛容性を訴えた。

 だが、ソルジェニーツィン氏が指摘するように「人間に内在する悪」を認めず、人間の
 持つ欲望をできるだけ是認しようとする世俗的ヒューマニズムに基づく寛容性がもたら
 すのはエゴイズムと社会的退廃である。

 だからこそ、レーガン元大統領などは価値の根源に「人間を超えた存在」を置くべきだ
 とした。世俗的ヒューマニズムが、人間より上位のものから人間の自主性を宣言し、人
 間を存在すべての物の中心とみる「人神論」だとすれば、レーガン、ブッシュ両大統領
 の思想は導き手としての神を信じる『神人論』である。

 価値基準を人間に置いた場合、何が善か悪かは混乱し、われわれはナチのアウシュビッ
 ツの残虐やスターリンの大量虐殺を非難する根拠を失う。そこで、「神人論」は絶対価
 値の基準として、人間を超えた絶対的存在あるいは創造主を想定する。

 こうした発想は米国の伝統にも根差している。独立宣言の前文にある「人権は創造主か
 ら与えられたもの」との思想は、リンカーン、レーガン氏に受け継がれた。ブッシュ大
 統領がイラクの解放に乗り出したのも「自由の大義は神の大義」との発想からだった。

 日本の国益の視点から言えば、ブッシュ再選が望ましい。わが国が北朝鮮の核とミサイ
 ルの脅威や、中国の風圧から守られているのは日米安保条約による。イラク政策では大
 差はないが、民主党政策綱領は同盟の再構築とイラク問題での役割強化をうたっている。
 日本にもより大きな責任分担を求めてくる可能性がある。

民主党政権では対日強硬

 留意すべきはケリー陣営は通商政策で外国政府の不公正貿易措置への制裁を定めた通商
 法三〇一条の復活と活用論者が多いことだ。

 ケリー候補は非関税障壁を設けていると日本の経済政策を糾弾している。リベラル派は
 他国に対しては厳しい姿勢を取る。価値観の相違とその対外政策の跳ね返りから、両氏
 の対決を注目すべきだ。(世界日報)掲載許可済み
Kenzo Yamaoka


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