1684.昆虫工場など地方振興策



昆虫工場で地方の再活性化の方向が見えてきたように感じる。
                          Fより

自然界にない青のバラが開発されたようですが、遺伝子改造により
自然界にない種ができることになりそうである。この技術を使うと
地方の活性化ができる可能性がある。ここでは、昆虫工場を見てみ
よう。地方活性化のメドが着いてきたようだ。昆虫というがカイコ
の全ゲノム解読ができたために、ゲノム創薬が可能になったことに
よる。

カイコの昆虫工場は、昆虫の体を工場と見なして、インターフェロ
ンなど我々人類に有用な物質を大量に生産する革新的なシステムの
ことをいう。また、人工皮膚や直接、細口径の屈曲性のあるチュー
ブを、通常の糸巻き方法と組み紐方法とを組み合わせた方法で作製
し、人工血管用基材とする基礎技術開発に成功している。

(独)農業生物資源研究所では、100年にわたる蚕糸・昆虫研究の蓄積
をもとに、絹フィブロインなど昆虫由来素材の加工による生活・医
療用品の開発、カイコを利用して合成困難なタンパク質を生産する
「昆虫工場」など昆虫利用技術の研究開発を進めている。
しかし、世界的にもヒトのゲノム創薬開発研究の高揚を契機に、害
虫防除剤の開発などを目的とした昆虫ゲノムの解読が始まるなど、
昆虫利用研究の競争は一気に加速している。

昆虫工場の具体的内容は、5齢1〜2日のカイコの幼虫に組み換え
体のNPVを、注射による経皮接種または人工飼料に入れて摂食さ
せての経口接種後、カイコの病状が悪化しない5齢の4〜5日まで
飼育する。この間に、組み換えウイルスがカイコの体内組織で大量
に増殖し、体液中に目的とする有用蛋白質が放出されますので、こ
の体液を採取して精製することで医薬、農薬等が得られるのです。

もう1つ、繭が人工皮膚や人工血管として利用できるのです。
この生産方式では生きたカイコ(昆虫)の個体がウイルスの培養装
置となり、昆虫の体内で大量の有用物質が生産されます。まさに、
昆虫の体を有用物質の生産工場と見立てることができますので、「
昆虫工場」と称されるようになりました。

しかし、カイコでは遺伝資源の維持・管理という点からは、1年に
1回は飼育して蚕種(蚕卵)を得ないと継代することができないと
いう現状にある。すなわち、春に産卵されたカイコの卵は、夏を過
ぎ冬の低温を経ることによって休眠が破れ、翌年の春に幼虫が孵化
する。現在の養蚕技術では、蚕卵の休眠状態を人為的な低温によっ
て制御し、最大1年半程度の貯蔵を可能にしているが、それ以上の
貯蔵は困難となっている。このため、毎年の飼育に要する経済的・
労力的な負担は極めて大きい。

このため、蛆虫など違う昆虫も注目され始めたのです。ハエの幼虫
は1年に何十回も成長過程を経るために、飼育が簡単で効率よく生
産できるためでしょうね。このため、多くの飼育・遺伝子貯蔵が容
易な昆虫を利用しようとしている。

昆虫の成長過程(卵→幼虫→さなぎ→成虫)に着目して、「幼弱ホ
ルモン」と呼ばれるホルモンで昆虫の変態をストップさせる商品等
も開発させている。これはホルモンのバランスが変わると、昆虫は
変態することができなくなり、例えばノミの卵が幼虫に変態してペ
ットに害を与えることができなくなるというもので、これまでの薬
剤による駆除に比べて、非常に微量で大きな効果を発揮する。

また、同社が開発する育毛剤「毛樹根」は、ミツバチのプロポリス
を用いた全く新しい育毛剤で、プロポリスのもつ天然の殺菌力によ
って頭皮を常に清潔にし、育毛に快適な状態を保つ。この他にもハ
ーブやヒノキといった天然、自然の素材による忌避剤の開発など、
昆虫の長所や特性を活用する製品づくり、工場づくりを目指してい
る。「21世紀は“昆虫”の時代」というキャッチフレーズは、こう
した開発姿勢から生まれたものなのです。(大阪製薬HPより)

というようにいろいろな商品が開発されるようです。これは1製薬
会社の宣伝ですので、生物系や薬学系や医学系の研究室で、多くの
研究がされているようです。

しかし、この昆虫工場には、1つ大きな問題があります。遺伝子改
造しているために、これを地球環境に解放した時に、どのような影
響があるのか見えない。このため、昆虫工場からこの蚕や蛆虫が逃
げないような仕組みが必要になる。または、逃げても直ぐに環境に
適用しないために死ぬように設計する必要がある。

このような半人工昆虫ができれば、この昆虫を飼うことには農村の
ような環境が必要になる。勿論、農村地域に会社組織で簡単な工場
を作り、カイコ、蛆虫の飼料となる桑などを工場の近くに植えて、
飼うことが必要になる。その世話を3交代で行う体制をとれば、農
村地域に職場を確保できるように感じる。

もう1つが、昔の蚕農家に契約で飼ってもらい方法もあると思う。
どうであろうか?
日本経済は、農村地域問題に真剣に取り組む必要がでている。この
農村地域問題は、新しい産業とその運営会社を作ることから取り組
む必要にあるようだ。そして、時代はバイオの時代であり、その方
向に社会は向かっている。

しかし、このとき人間の魂のレベルを上げて、死んでいく人間に有
効な昆虫の供養や感謝の心が必要である。ある歯止めが必要だ。遺
伝子組み換えの昆虫は有用な昆虫もできるが、環境に大きなダメー
ジや人間に危害を加える昆虫もできる。このため、人間のサイドの
道徳、倫理が確立していないと、恐ろしいことになるのです。
人間の霊魂を神のレベルに引き上げないと、いけない時代になった
ように感じる。

この人間の霊魂を引き上げる方法がだんだん、チベット仏教や座禅
を研究することで、トランスパーソナル心理学で確立してきている。

もう1つが、「遊農民」のような都市の退職者を狙った田舎暮らし
を進める産業開発がいいと思うが。全国でもこの1社しかないとは
残念ですね。人口減少に悩む農村では有効な人口増加と農業人口減
少の解消策になると思うが、どうであろうか??
もう少し多くの農村部、漁村部の市町村が取り組むべきではないで
しょうか??

参考資料
昆虫工場の確立に向けた技術開発
http://sugar.lin.go.jp/silk/info/wadai/0308wa1.htm
昆虫ビジネスのご案内
http://www.s.affrc.go.jp/docs/genome/insect/menu.htm
農林水産省 蚕糸・昆虫農業技術研究所
http://www.afftis.or.jp/shingi/05.htm
遊農民
http://www.you-nomin.co.jp/top.html

昆虫バイオ工場 木村 滋  工業調査会
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4769370911/kokusaisenrya-22

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