1670.イラク情勢



「帝国の傲慢」 Imperial Hubris Anonymous Brassey's Inc: Why the West Is Losing the War on Terrorism
6月末主権移譲であるが、その動向を検討しよう。  Fより

5月にガーズイ・ヤウルを大統領、イヤード・アラウイを首相とす
るイラクの新体制が成立した。6月末に主権移譲を受ける。選挙ま
での移行期間を統治する政府としてはイラク国民も認める方向のよ
うであるが、テロが頻発している。6月主権移譲に合わせた攻撃で
あることが分かる。

しかし、ウルフォウィッツ米国防副長官は下院でイラクが泥沼化し
ているというのは違うと。ということは、計画的にテロを煽ってい
る可能性があるようだ。このテロ頻発を受けて、数年以上米軍はイ
ラクに駐留するとしている。3万人以上の増派も計画しているよう
だ。16万人規模の米軍がイラクにいることになる。

国連の承認元でイラク暫定政府を作ったが、国連はイラク事務所の
設置を安全上しないという。これでは次の過程である選挙準備はで
きないということになる。イラク国民は今の暫定政権は移行期とし
て、認めるとしているのに、選挙は当分できないことになる。

米国にとってもいいことである。もし、自由な選挙でイラク国民が
選出する議員は、ほとんど反米でしょうから、米国はイラクから出
て行くしかないことになる。これを回避できることになる。

ゲリラも米軍からイラク軍に治安がシフトすると、イラク人の支持
が無くなり、存在価値が無くなる。ここは当分米傀儡政権という現
暫定政府の方がいいことになる。
このため、米国民もイラク戦争を誤りと見なしているが、米国は現
時点で撤退することができない。撤退は負けを認めたことになる。
ベトナム戦争と同様であると宣言するようなもので、ブッシュ再選
はその途端に無くなる。

米国CIA分析官も、米国がテロ戦争に敗北しそうであると分析し
ている。これでは米国自体の安全も守れないということになり、米
国国民としても承服できないようだ。ケリー候補が有利であるが、
大統領後、大変な試練が待っているように思う。米国としては八方
塞がりの状態である。ベトナムのように追い出させないと負けと認
められないようだ。

米英軍が増強するのと反対に、オランダ軍は来年3月に撤退するこ
とが確定した。NATO軍はイラク治安部隊の訓練を行うとしたが
、これは「ガリレオ」に対する米国の支援と交換条件で認めたよう
だ。米大統領はイラク戦争に関するEUとの亀裂終結宣言を行う。
しかし、欧州を始め世界はイラクが当分不安定であると思っている
ようだ。

国連の仲介で暫定政権ができたから安定すると考えて
いるのは、石破長官などの日本の政府関係者やその情報を信じるマ
スコミしかないのではないかと思う。ゲリラが全土化して、安全な
地域がなくなると考えた方がいい。

それといやな情報としてイランの核濃縮問題が浮上しいている。
イランの核がイラクで使用されると米軍の被害も相当に大きくなる
であろう。そうのようないやな予感がする。今後もイラク情勢を注
意していくことが必要である。
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イラク5都市で同時攻撃、約90人死亡か

 【バグダッド24日共同】イラクの北部モスル、首都バグダッド、
中部バクバ、ラマディ、ファルージャの計5都市で24日午前(日本時
間同日午後)、警察署などを狙った自動車爆弾や武装勢力による銃
撃など同時多発攻撃が起きた。ロイター通信は全国で計約80人が死
亡、米CNNテレビは92人が死亡したと伝えた。今月1日の暫定政権
発足以来、最多の死者を出す攻撃となった。イラク保健省によると
少なくとも計66人が死亡、200人以上が負傷した。AP通信は、この
ほか米兵3人が死亡したと報じた。

 駐留米軍のキミット准将は「各地で連携した同時攻撃が起きた」
と述べ、反米武装勢力がイラク治安機関などに計画的な同時多発攻
撃を仕掛けたとの見方を示した。暫定政権のアラウィ首相は「今後
数日間、攻撃は激しさを増すだろう」と指摘、主権移譲まで6日と迫
ったイラクの治安情勢はますます混迷の度を深めている。国際テロ
組織アルカイダと関係が深いとされるアブムサブ・ザルカウィ氏の
率いる「一神教聖戦団」が同日、一連の攻撃を認める声明をウェブ
サイトに掲載した。 (01:57) 
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米大統領、イラク戦争に関するEUとの亀裂終結宣言
  
 [ニューマーケットオンファーガス(アイルランド) 26日 
ロイター] ブッシュ米大統領と欧州連合(EU)による米EU首
脳会議が26日、当地のドロモランド城で行われ、大統領はイラク
戦争に関するEUとの亀裂の終結を宣言した。 
大統領は、首脳会議閉幕後の記者会見で「イラク戦争をめぐる苦い
見解の相違は過去のものとなった」と指摘した。 
 しかし、共同声明でEU側は、キューバのグアンタナモ米軍基地
とイラクのアルグレイブ刑務所でのテロ容疑者の拘束に対する懸念
を表明、米国に対してジュネーブ条約の順守の必要性を強調した。
(ロイター)
[6月27日13時32分更新]
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米国は対テロ戦争に敗北=CIA分析官が匿名で新著

 [ワシントン 24日 ロイター] 米中央情報局(CIA)の
現職の情報分析官が、米国は対テロ戦争に敗北しつつあり、現在の
政策に固執すればイスラム世界の敵に力をつけさせるだけだ、と指
摘する本を匿名で出版する。 
この本は「帝国のごう慢、なぜ西側が対テロ戦争に敗北しているの
か」と題され、発売は7月15日。 
 筆者はCIAの対テロ・センターのアナリストで、かつてアルカ
イダの指導者、オサマ・ビンラディン氏に関する部門の責任者だっ
た。筆者は今週、匿名でテレビにシルエット姿で出演し、自著につ
いて語った。 
 同書は、イスラム世界の強硬派が米国の生活様式に反対している
ために米国を攻撃している、と米国の指導者が大衆に伝えることは
誤りである、と批判。また、米国の特定の政策は、過激派でないイ
スラム教徒の間にも反米感情を起こさせている、と論じる。 
 同書は、「米国では、米国の政策がイスラム教徒に誤解されてお
り、アラブの衛星チャンネルが故意に政策を歪曲して伝えているな
どとの声出ているが、それは誤りだ。米国がイスラム教徒に憎まれ
攻撃されるのは、米国がイスラム世界でしようとしていることをイ
スラム教徒は正確に把握していと考えているためだ」と指摘してい
る。(ロイター)
[6月25日15時5分更新]
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イラク戦争誤りと考える米国人、初めて過半数に=世論調査
  
 [ワシントン 24日 ロイター] USAトゥデー/CNN/
ギャロップが実施した世論調査によると、米国が主導するイラク戦
争が誤りだったと考える米国民が、イラク戦争開始後はじめて過半
数に達した。 
 調査は1005人を対象に実施。このうち54%が米国のイラク
派兵は誤りだったと答えた。3週間前の調査ではこの割合は41%
だった。 
 USAトゥデーによると、米軍の大規模展開を誤りだったと考え
る米国民が過半数に達したのは、ベトナム戦争以来、はじめて。 
 また、今回の世論調査では、イラク戦争のために米国がテロリズ
ムからより安全でなくなったと考える米国民も、はじめて過半数に
達した。 
 今回は、55%が米国がよりぜい弱になったと回答した。12月
の調査では、56%が、戦争で米国の安全性が高まった、と回答し
ていた。(ロイター)
[6月25日11時13分更新
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NATO首脳会議あす開幕 イラク軍・治安部隊訓練で基本合意

 【イスタンブール=村上大介】北大西洋条約機構(NATO)の
首脳会議が二十八、二十九の両日、トルコのイスタンブールで開か
れる。NATO本部のあるブリュッセルからの報道によると、イラ
ク安定化の支援策として浮上しているイラク軍・治安部隊への訓練
支援について、加盟二十六カ国の大使級協議で基本合意し、首脳会
議で決着する見通しがでてきた。
 二十五日開かれた大使級会合で同日深夜、まとめた原案に対し、
二十六日昼までに原案に反対する国がなかったため、「合意」とみ
なされ、首脳会議に提案されることが確定した。
 NATO軍を多国籍軍としてイラクに派兵することには反対の仏
、独も部隊訓練案は原則的に受け入れているが、イラクに自国兵を
派遣して訓練にあたることには否定的で、首脳会議では「訓練場所
」など、基本合意の細部を詰める過程で対立が再び表面化する可能
性もある。
 また、NATOのイラクへの関与のあり方についても「直接的な
関与」をうたうのか、「加盟国の活動を通じて関与する」といった
間接的な表現にとどめるのかといった点でも、まだ合意ができてい
ないもようだ。(産経新聞)
[6月27日3時27分更新]
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「ガリレオ」、GPS共存で調印=米・EU

 【エニス26日時事】欧州連合(EU)執行機関の欧州委員会の
デパラシオ委員(エネルギー担当)、EU議長国アイルランドのカ
ウエン外相、パウエル米国務長官は26日、当地で、欧州が進める
地球測位システム「ガリレオ」計画と、米国の全地球測位システム
(GPS)の共存を図る合意文書に調印した。
 米国は当初、ガリレオで使用する周波数がGPSと重複すること
から、GPSの軍事利用を妨害する恐れがあると懸念を表明。しか
しその後、欧州側が軍事信号への干渉を避けるため周波数を変更す
る見返りに、米国からGPSの開発で得た衛星のノウハウの提供を
受けることなどで合意していた。 (時事通信)
[6月26日19時1分更新]

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アナン氏、特別代表任命へ・要員イラク派遣には慎重 

 【ニューヨーク17日共同】アナン国連事務総長は17日、記者団に
対し、主権移譲後のイラクで復興支援活動の指揮を執る事務総長特
別代表を、来週中にも任命したい意向を明らかにした。 

 事務総長は「人選はまだ終えていないが、(検討中の)リストは
ある。来週あたりに決められるよう望んでいる」と述べた。特別代
表は昨年8月、バグダッドの爆弾テロでデメロ特別代表が死亡して以
来、空席になっている。 

 一方、事務総長はイラクへの国連要員派遣について「治安情勢を
極めて憂慮している。安全保障理事会が(今月8日に)採択した決議
は『状況が許し次第』としているが、現段階ではそうした状況には
ない」と指摘、当面は本格的派遣を見送る方針を表明した。 (08:54) 
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オランダ軍、イラクから3月撤退…再延長ないと国防相

 【ハーグ=飯塚恵子】オランダのカンプ国防相は17日、本紙の
インタビューに答え、オランダ軍のイラク駐留期限を来年3月まで
延長した11日の政府決定について「来年3月に撤退するという決
定であり、再延長はない」と述べた。

 オランダ軍は、陸上自衛隊が活動中の南部サマワを含むムサンナ
県の治安維持を担当している。自衛隊とも治安情報を共有するなど
密接に連携してきた。同軍が撤退すれば、自衛隊の活動にも影響を
及ぼすのは必至だ。

 カンプ国防相は「(昨年夏から)通算20か月間にわたる1400
人の部隊駐留は、我々のような小国には非常に重い」と述べ、来年
3月の全面撤退は「最終決定」であると強調した。

 一方、イラクで編成される多国籍軍に参加する自衛隊と、米英軍
などとの指揮権の関係について、「自衛隊は『例外の枠組み』で独
自に活動するというのが我々の認識だ」と述べた。自衛隊は日本独
自の指揮に従って復興支援活動を行うという日本政府の「統一見解
」を全面的に了承、支持する姿勢を示したものだ。国防相は「米英
軍、オランダ軍と自衛隊とは明確な線引きがある。(自衛隊は)撤
退の判断も独自にできる」と説明した。(読売新聞)
[6月19日3時11分更新]
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アルカイダ幹部、実はゼロ グアンタナモ基地で米紙

 【ニューヨーク21日共同】21日付の米紙ニューヨーク・タイ
ムズは、国際テロ組織アルカイダ幹部が拘束されているとされてい
たキューバのグアンタナモ米海軍基地に同幹部はおらず、米政府や
軍が被拘束者の重要性について誇張を重ねていた実態が分かったと
伝えた。
 欧米や中東の軍高官、情報機関当局者、捜査関係者数十人の話か
ら明らかになったという。
 同紙によると、基地に拘束されている約600人のうち、アルカ
イダのメンバーあるいはアルカイダの内部を知る関係者は10−20
人余にとどまり、指導者や幹部は拘束されていない。
 グアンタナモ基地以外で拘束されているアルカイダ関係者からの
情報に比べ、同基地で得られる情報も限られ、これまでにテロの未
然の防止などにつながった情報は得られていないという。
(共同通信)
[6月21日21時21分更新]
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米国はイラクで泥沼にはまってはいない=米国防副長官
  
 [ワシントン 22日 ロイター] ウルフォウィッツ米国防副
長官は22日、下院軍事委員会で証言し、米国がイラクで泥沼には
まっているのではないかとの指摘を一蹴した。
 同副長官は、イラクが自力で国家を防衛できるようになるまで、
米国は何年にもわたってイラクに駐留する可能性があると述べた。
 米軍がいつ成功を宣言して帰国の途に就くのかとの質問には、「
(成功したと言えるのは)戦いがイラク自身のものとなり、イラク
人がその戦闘を引き受け、治安部隊に参加する準備が整ったときだ
。われわれには、(イラク人に)武器や機器を提供する用意がある
。それができるまでにどのくらい時間がかかるかは言えない」と述
べた。(ロイター)
[6月23日10時51分更新]


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