1653.読者の声



「小泉再訪朝と東アジアの安全保障」
◆再訪朝の評価
5月22日、小泉首相が再訪朝し、金正日総書記との間で2回目の
日朝首脳会談が行なわれた。

この再訪朝を巡っては、賛否が分かれている。
拉致被害者の子供5人が帰国した事は、失われた国益の回復という
意味でも当然ながら評価すべきである。

一方、前回訪朝時に北朝鮮が「死亡」「不明」とした拉致被害者10
人については、その後の生存目撃証言等があるにも係わらず、北朝
鮮側の「再調査を行う」という抽象的な言葉を聞いてきただけに終
わり、加えて政府としては調査に期限を切らない事を帰国後発表し
た。
それ以外に拉致された疑いのある200人とも400人とも言われ
る日本人については、会談で具体的な言及自体がされなかった。

また、前回会談での「日朝平壌宣言」に反し、北朝鮮は核拡散防止
条約(NPT)脱退を宣言し濃縮ウラン計画を推進しているが、日
本側はこの事実と矛盾する「平壌宣言遵守」を条件に経済制裁を発
動しない事を約束した。
日本側は、その量とタイミングから見て事実上拉致被害者の子供5
人帰国の見返りとして、25万トンの食糧支援と1000万ドルの
医薬品の提供の100億円相当の人道援助を約束した。

筆者としては、これらをトータルで見れば、今回の小泉再訪朝は自
身の年金問題のカモフラージュ等の政治的諸事情があった事を考慮
しても拙速に過ぎ、今後の諸問題解決への不透明さも勘案すれば、
たとえ参院選前に横田めぐみさん帰国等の小泉首相と金総書記の仕
込んだサプライズや隠し玉があったとしても成功とは言い難いと思
う。

北朝鮮側が政府高官の訪朝で拉致被害者の子供達を返す旨を事前に
意志表示していた事を考えれば、政府高官か政府特使の訪朝に留め
、日本側の主張を先ず全て伝え切った上で、拉致問題、核問題の進
展に応じて段階的に現在の人道援助停止を解除して行く事を主軸に
交渉すべきであった。

◆平壌宣言の問題点
そもそも、2002年9月の日朝平壌宣言自体に問題があったと言
える。宣言では、日本側の植民地支配について「痛切な反省と心か
らのお詫び」との表現で謝罪の言葉と義務的な経済援助などが盛り
込まれているが、北朝鮮の核査察受け入れや日本人拉致については
、その文言すら入っていない。

これは、現在進行形の犯罪である拉致や喫緊の安全保障問題である
核開発問題と当時の列強間による帝国主義的覇権競争の中で行われ
た植民地支配を、同列どころか優先順位を取り違えて捉えた歴史観
の欠如、当時アジア局長だった田中均氏始め外務省にもあった戦後
の歪んだ贖罪意識に拠るところが大きい。

筆者は、現在の観点からの反省として、植民地支配の謝罪や経済援
助は65年の日韓基本条約と同様、国交正常化のためにも必要なも
のだと思うが、拉致問題や核開発問題と峻別してその完全解決後に
なされるべきものであり、これを混同することは日朝両国に結果と
して不幸をもたらすと考える。

平壌宣言が曖昧で日本の国益を損ねるバランスを欠いたものになっ
た原因は、先述した歴史観の欠如に加え、当時田中真紀子外相更迭
で最低にまで落ちた内閣支持率の挽回のため、パフォーマンスとし
て首相自ら敵地の平壌に載り込んだ事、首相が拉致問題の全面的な
解決よりも即時の部分的な拉致被害者帰国の画を欲した事等により
北朝鮮側への大幅譲歩を導いた事も否定できないだろう。
そして何より、日本社会から失われて久しい戦略性と国民の生命、
財産、権利を守るのが国家の第一の役割であると言う基本的な国家
観の欠落が根本原因である。

第1回の小泉訪朝は、既に広く知られるように元々は首相当時の森
喜朗氏と北朝鮮を頻繁に往来する在米韓国人ジャーナリストの文明
子(ブン・ミョンジャ)女史のルートをそのまま小泉首相が引き継
いでなされたものだった。

北朝鮮が窮乏する現在、小泉首相でなく別の者が首相であった場合
にも、恐らくは文女史もしくは同様のエージェントが拉致被害者帰
国等と国交回復、経済援助の3点セットを持ちかけたと思うが、そ
の首相は(1)歴代政権同様の消極的姿勢、(2)小泉首相同様の
内容の訪朝と共同宣言、(3)訪朝せずに韓国等の第3国での会談
等を含む戦略的な取り組み、の何れ態度をとったであろうか。
筆者は、(3)が本来の姿であり人物次第で有り得たと思うが、経
済援助を欲する金正日総書記の焦りからの強い働きかけがあったと
しても(1)の可能性も高く、歴史のIfというべきである。
何もしないよりは、たとえパフォーマンスだろうが何だろうが一部
でも拉致被害者が帰ってきた方が良く、悩ましくも小泉訪朝の評価
が分かれる所以である。

◆今後の半島情勢
さて、6月8日からのシーアイランド・サミットや6カ国協議の継
続によって、北朝鮮問題は紆余曲折は在れど、大きな方向としては
ソフトランディングに向かう可能性が高い。
しかし、最終的には北朝鮮がどういう形に落ち着くのかは、各国の
思惑に左右され複雑系で予測し難い。

金正日総書記としては、第1に自身と一族の生命、財産の保障、
第2に北朝鮮の存続と実質的元首の地位に留まる事、そのための日
本からの経済援助を考えているだろう。

韓国は、第1に安全保障、第2に将来の南北朝鮮の統一、第3に統
一費用を日本を中心とした国際社会が支出する事、第4に可能であ
れば統一後北朝鮮の核の継承を考えていると予想される。

中国は、第1に北朝鮮の暴発による半島へのアメリカの軍事介入の
回避、第2にクーデター等での北朝鮮崩壊による難民流入の回避、
第3に北朝鮮民主化と南北朝鮮統一による西側の核ミサイルの隣接
回避を考えていると思われる。

ロシアは、北朝鮮の市場経済化と半島の輸送インフラ整備による経
済的利益が主な関心事項だろう。

アメリカは、第1にイラク泥沼化との関連で北朝鮮に当分の間大人
しくしてもらう事、第2に何れかの時点での金正日独裁体制の排除
、第3に将来の中国との東アジアの覇権争いに備え楔を打ち込むた
めの半島全体の親米化、第4に日本を除く各国に共通する事だが、
金正日独裁体制後の北朝鮮インフラ整備への日本の資金の利用等と
いった順序で考えているのではないか。

何れも北朝鮮を暴発させずに牙を抜く事が、概ねの共通了解事項で
あろう。なお、民主化と市場経済化は水が高きから低きに流れるよ
うな歴史のトレンドであり、また余程の善政を行っていなければ民
主化後に独裁者は処刑される前例をを考えると、アメリカと中国の
間で妥協が成り立ち、(1)北朝鮮の核排除、(2)何らかの中立
化措置、(3)市場経済化、(4)金正日一族の亡命と生命財産の
保障、(5)中国の民主化と歩調を合わせた緩やかな民主化の順序
で進むと考えるのが現時点では一番自然なのでは在るまいか。

もちろん、特にイラク中東情勢、中国のバブル経済の帰趨、その他
の突発事項等によるアメリカ、中国の今後の力関係の変化等により
このシナリオも幾通りにも変わり得る。

◆日本の安全保障
これらを踏まえ、日本としては前述したように拉致問題の早急な全
面解決、金を毟り取られるだけで終わらない戦略性が肝要であるの
は当然の事だが、第一には北朝鮮の核開発、日本に向けて配備され
ているテポドンに対処しなければならない。

防衛庁によると、北朝鮮の弾道ミサイルを撃ち落とすためのミサイ
ル防衛(MD)システムを全国規模で配置するには7000億円あ
れば足りるという。

ここを固めないと、北朝鮮の暴発を誘い兼ねないし、今後もこの脅
しをチラつかされながらの交渉をせざるを得なくなる。
自分の国は自分で守る気概が無ければ、アメリカの属国から抜け出
すのも無理な話である。
例えば、イラク復興支出で日本が約束した金額は約5000億円で
あり、アメリカの属国で無くとも一定は出すにしても、頭抜けて多
過ぎる。ソロバン勘定だけとっても、自主防衛のための7000億
円の支出は決して高すぎる事はない。
更に言えば、北朝鮮の処理が終わった後は、潜在的な可能性として
中国やロシアと対峙せねばならず、ある意味残念ながら今後の安全
保障のための必須ツールではある。

また、ミサイル防衛(MD)システムは、現在はアメリカから購入
しなければならないと共に、情報網の面でもアメリカ軍のシステム
に組み込まれる事に懸念する向きも在るが、日本は元々アメリカの
核の傘の下にあり今更の議論である。

また、核の傘について触れれば、日本は核拡散防止条約(NPT)
の国際協調の精神に沿って国家意志として核を持たない選択をして
いるのである。
そのため核保有国のアメリカの傘に守ってもらうのは当然であり、
ある意味権利であり、何も萎縮する事は全く無い。
ただ、核の傘「使用料」は、適切な原価計算をした上で応分の負担
はすべきかもしれない。

現在アメリカは、イラク・中東と違い、石油の出ない東アジアでは
、アーミテージが仕切っている事もあり相当現実的な思考をしてお
り、日本はパートナーとしてスクラムを組むべきである。
また、アメリカによるイラク、イランの「悪の枢軸」指定は石油と
覇権狙いの怪しいものだったが、結果として北朝鮮についてはアメ
リカの見立ては正しかった。

しかし、イラク・中東でのアメリカの振る舞いを考えれば、日本は
アメリカの属国を抜け出して置かないと心中する事になり兼ねない。
そのためには、通常戦力での自己防衛能力、ミサイル防衛能力を確
保した上で、核保有の選択肢と技術力を保持して置き、一朝事あれ
ばNPTを抜ける覚悟を示して置く事が必要とされる。

また、ミサイル防衛システムは機を窺がいやがては国産化へのシフ
トを視野に入れるべきものである。
本来、戦勝5カ国他の矛(核兵器)を持つ国は楯(ミサイル防衛シ
ステム)を持たず、矛を持たない日本のような国がこそ楯を持つべ
きであり、それらを通して核兵器を縮小均衡、廃絶する方向が理想
形としてNPTの精神に適うものである事を日本は認識して置いて
よい。

以上、小泉再訪朝を入り口に東アジア、日本の安全保障までをざっ
と述べて来た。経済規模で世界第2の大国である日本には、独立の
気概を持って現実を見据え国益を確保すると共に、大義を掲げ今後
の激動する世界を方向付けて行く義務がある。

                           以上
佐藤 鴻全
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(Fのコメント)
現在の日本には、援助やODAしか切れるカードがない。金正日が
拉致家族を帰すように仕向けるためには、1つは力で取り返すこと
で、もう1つがお金を与えて、懇願するしかない。この2つの内、
日本は力で取り返すという手段を禁止している。

だいたい、日本国内の北朝鮮スパイ、このスパイが日本人を拉致し
たのですよ。さえ、死刑にできない。スパイを運ぶ高速艇に銃弾を
撃つのにも、反対する反日新聞があるのですから、どうしようもな
い。

この力の政策を縛る限り、懇願のスタイルにならざるを得ない。
このため、このような外交面で惨めなことになるのです。国民が自
国の防衛、自国民保護に対しても懐疑的であるため、このようなこ
とになるのです。戦前は自国民保護で中国に軍を進めたのですが、
このような気持ちをなくしている。

自分の国民を守ろうとして、米国は世界に軍を送るのですよ。そし
て、自国民2人が殺された仕返しに700人のイラク人を見せ締め
のために殺害するのです。これが世界の標準で「目には目を」と
イスラム教にもあるが、日本の対応は日本人を何百名拉致され殺さ
れても懇願しかできないのです。

日本は基本的に外交ができない。相手の弱みに付込むことを嫌う感
情があり、このようなことを書く新聞がある限り無理です。しかし
今回、家族を返還することを拒んでいる北朝鮮も大きな弱みがあっ
たのですが、これに付込むことで家族を取り戻したのです。その弱
みとしての25万トンの食糧と1000万ドルの医薬品なのでしょ
うね。この量の問題ですか??

今後も援助と引き換えに拉致被害者が戻ってくることになるでしょ
うね。それをいちいち、日本の弱腰と非難するのですかね??
日本の知識人・官僚たちは、理想的なことしか言わない。外交の基
本である相手の指導者の気持ちを忘れている。物の道理や根本が分
からなくなっているように感じる。

戦後教育で中国の三国志、孫子、論語、中庸、大学などの古典を読
まなくなっていることが、感性を鈍くしているように感じる。中国
の歴史は波乱万丈であり、その中に勝つにはどうしたらいいか、ど
うあらねばならないかの解を秘めている。
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件名:世論がもたらした小泉訪朝の成果  

 ■北への国民的憤怒が政府動かす ≪韓国は一人も取り返せず≫

 小泉首相の訪朝の成果について、日本では不満の声もあるようだが、韓国ではそうでも
 ない。新聞にはこんな読者の投稿が掲載された。

 「小泉総理が金正日に引き込まれたといっても、アウェーの試合であの程度なら勝利に
 違いない。韓国にはその程度の選手さえいないではないか。北への経済援助はするが、
 拉致被害者を一人も連れ戻せないではないか」

 金大中前大統領は、南北首脳会談の代価として不法資金五億ドルを韓国民に内証で金正
 日に渡しこそすれ、一人の拉致被害者も取り戻すことはできなかった。逆に金正日の要
 求を呑み、原敕晁さん拉致犯である北朝鮮工作員、辛光洙ら六十余人の工作員を北に送
 り返した。韓国人の目に、小泉首相の拉致被害者救出は大した行動に映る。辛光洙は韓
 国の捜査機関の取り調べに対し「金正日が直接私に『日本人を拉致せよ』と指示した」
 と自白したことがある。

 日朝首脳会談を通し、あらためて金正日こそ“人類の公敵”であることが確認された。
 日本人拉致という国際犯罪を指揮した者が、大声で叫び拉致被害者の家族五人を返す代
 わりに二十五万トンのコメと医薬品を脅し取った。典型的な人質犯の手口だ。

 ≪目撃したのは小型核弾頭≫

 この人質犯は今、核兵器を手にし、世界を相手に恐喝を加えている。『月刊朝鮮』が最
 近インドから確認したところでは、パキスタンの核開発のリーダー、カーン博士が北朝
 鮮で目撃したのは核装置ではなく、直径約六十センチに小型化されたノドンミサイル用
 の核弾頭だったという。米国の情報機関も現在、北朝鮮が複数の核爆弾を保有している
 と断定している。北朝鮮が核保有国になったことは今や、否定できぬ事実となった。

 恐喝犯の手に核爆弾が渡ったという事実を握った米国は、四月に訪中したチェイニー副
 大統領を通じ、胡錦濤主席に次のような“台湾カード”を切ったという。「われわれは
 レーガン、ブッシュ(元大統領)政権当時にあなた方の要求を受けて、台湾の核武装を
 留保させた。今度はあなた方が北の核兵器で借りを返さねばならぬ時ではないか。北の
 核武装が許されれば、われわれも台湾に核武装を思いとどまらせるのは難しい」

 台湾カードの発案者として知られる人物は、国際原子力機関(IAEA)の議長を務め
 た核物理学者、鄭根謨博士(元科学技術庁長官)である。昨年、米国の核政策専門家ら
 に台湾カードの活用を建議した鄭博士は、「カードは確実に切られる。中国は台湾の核
 武装を防ぐべく、北朝鮮の軍部を動かし金正日を除去する方法を使っても核武装を放棄
 させるだろう」と自信を込めて語った。

 台湾は核爆弾を簡単に作る実力を備えているだけでなく、国連や核拡散防止条約にも加
 盟しておらず、国際法上、防ぎようがない。台湾を自国の一部とみている中国には、台
 湾の核開発は論理上、中国の核開発を意味することになり、国際的な制裁法案を動員す
 るすべもない。北朝鮮の核を放棄させるのか。さもなくば台湾の核武装を甘受するのか。
 選択を迫られた中国側は、訪中した金正日に米国側のメッセージを伝えたが、金正日は
 核を放棄できないという意思を明確にしたという。

 ≪核放棄でも潰れる金体制≫

 こうした中、日本、米国、欧州連合(EU)では金正日の人権弾圧が大きな国際的問題
 となっている。米議会は北朝鮮の自由化を支援する法案を通過させようとしており、米
 国と韓国の保守派キリスト教団体も北の人権弾圧問題に本格的に取り組み始めた。米大
 統領選で民主党のケリー候補が勝っても、対北政策に大きな変化がないと見る理由は、
 金正日を悪の権化と理解する世論が米国人の間で固まっているからだ。

 北朝鮮政権のような狂信集団と対決する際には、合理の力だけではなく、別の信念で武
 装する集団が存在せねばならない。日本国民が拉致問題を契機に持った人間愛、そこか
 ら来る金正日に対する正義の憤怒が、日本政府の対北政策を厳しいものにさせた。

 民主社会では国民世論が結局、歴史を動かす原動力となる。今、世界的に広がっている
 金正日に対する人類全体の憤怒が各国の政策に影響を与え、彼を孤立させている。金正
 日が高く売りつけようとする核兵器と人質が、結局は彼自身を破滅に追い込んでいく−
 という予感がする。韓国政府が退路を開いてやらぬ限り、金正日は結局、核兵器を抱え
 たまま倒れそうだ。金正日のジレンマは、核兵器を放棄しても潰(つぶ)れ、持ってい
 ても潰れるという点にある。(チョ・カプチェ)【正論】「月刊朝鮮」編集長・趙甲済
Kenzo Yamaoka
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『国際戦略コラムno.1641「国民総幸福量」という人間中心の価値
観』をご執筆になられた方々に私は多くのことを学び、心のやすら
ぎを得ました。有難うございます。
FさんやS子さんやら、お名前を存じませんが、コラム1641号の
執筆された方々に深く敬意の念と心からの感謝の気持ちをささげま
す。王柏林
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(Fのコメント)
国民総幸福量の考え方の中に、チベット仏教を感じるのです。この
ような生物全体の環境と言う考え方は、古神道と同じアミニズムの
中にあると思う。日本は、経済万能過ぎるのでしょうね。どう、こ
の経済を古神道的な幸福量に戻せるかを日本も考える必要がありそ
うですね。S子さん、どうですか??
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--蛙---

蛙を熱湯に入れると飛び跳ねて逃げるが、水に入れて徐々に熱する
と、そのまま茹だって死んでしまうそうだ。日本の現状を象徴して
いると感じる。中国の首相が、「あと20年(だったかしら?)もす
れば、日本と言う国は無くなってしまうであろう」と行ったそうだ
が、ある意味ではさもありなんとも言える。しかしながら日本国民
の一人としては「ふざけるな」と感じると共に、「日本人よ、目覚
めよ!」とも言いたい。

何に目覚めるべきか? 自明の事が自明で無くなっている事に、先
ず目覚めるべきである。多々在ると思うが、独断で例を挙げる。

(その1)
ある民報の特番から始まって、警察の経費流用が問題になったが、
なかなか解明まで進まない。あまりに自明なので公表できないのか?
特番とその後の新聞報道を見ると、いかに素人が想像しても、正し
くない使い方をしたのだと思わざるを得ない。それが事実だとすれ
ば、「私文書偽造/公文書偽造/公金横領」で、「関係者は懲戒免
職が当然」であろうと感じざるを得ない。過去に遡れば証拠隠滅罪
も加わるのではないか?

一般市民の横領事件は、氏名公表を伴った懲戒免職事件として、新
聞紙上に報道されている。警察の全国的な流用事件であり、影響が
大きいから捜査をうやむやにするつもりなのか?
うそだろう! 全国的な問題ならば、国民全体の問題である。
例え全国の警察署長が関係していたとしても、全国の関係者を処分
すべきであろう。

正義に関する判断基準を失ったのだから、それを取り戻さなければ
、取り締まるべき立場の者を、誰が信用するであろうか? 自ら失
った判断基準は自ら取り戻さなければなるまい。そのように行動し
ない機構を許すならば、それを許容した者達(国民)の責任も免れな
いであろう。

(その2)
裁判所の判断に驚きを禁じえない。裁判員法案の衆院通過過程を新
聞で読む限り、司法関係者よ「恥を知れ」と言いたい。裁判員の守
秘義務について、元裁判員に関しては、罰則規定が一般市民よりも
例外規定に守られていると言う。最たる例は、「裁判官の守秘義務
違反に罰則規定が無い」と言う点。

-----当初、政府の司法制度改革推進本部も与党サイドも裁判官の守
秘義務問題に手を付ける考えを持っていたが、最高裁側は「現場の
裁判官の士気が落ちる」などと強く抵抗。法務省や推進本部に働き
かける一方、与党側への根回しも忘れなかった-----と言う(新聞記
事から流用)。

法の精神を最高裁自らが踏みにじった。庶民感情からすれば、裁判
官こそ厳しく守って欲しいと思うのが自然。百歩譲っても、一般市
民と同等条件で、何が悪いか? これは弾劾裁判ものである。そう
思いませんか? もし、あなたが近隣の家裁(地裁)に、家庭の悩み
事を相談に行ったならば、その対応に驚くでしょう。私も体験した
が、通り一遍で不親切。判断保留と責任回避。非効率を自己認識せ
ず、などという事態に直面すると思う。その特別な事例が出版され
ている。これは極端な例であると思いたいが、当事者にとっては全
てでありましょう。「裁判官が日本を滅ぼす」、「そして殺人者は
野に放たれる」、(新潮社)。前者は裁判官を、後者は医者の鑑定
を批判している。

警察署長達(とその部下達)の堕落にしろ、裁判所長(とその部下
達)の堕落にしろ、その根源は「公務員の身分保障」を履き違えた
ことにある。本来は、「身分を保証するから、仕事を正しく、一所
懸命にやれ」と言うものではないのか? それを、「身分保障され
ているから、何でも思うがままにやって良い」と履き違えていると
しか感じられない。これを許していたのが国民であり、国民の責任
でもある。正常に戻すべく、国民の権利を行使すべきである。また
とない機会が遠からず来るはずだ。棄権すべからず。あなたの判断
があなたと子供たちの将来を左右する。
(M)
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(Fのコメント)
ほんとうですね。取り締まるサイドが襟を正さないと、国民皆が本
気にならないですよ。
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ちょっとだけ、お節介な話。    虚風老 
   
岡田(民主党新代表)の話をみてたんだけどね。キャッチコピーが
、「脱・永田町」じゃあ、ちょっと弱い。内向きの論理じゃね。
一般人にゃ判らんじゃろう。

で、今回も一つ考えてみた。
「愚直な釘でなければ、日本の歪みは正せない。」
                   ちゅうのはどうじゃね。

この前、仁王像修復で、<和釘>の強さを見ておもったんじゃ。
「芯を通す。」政界にも、外交にも、省庁の魔物供にもな…。

世の中の歪みは、<公>として、ふるまわねばならないものが、
私利私欲を優先させておるところにある。(業界や、地方議会もね。)
そしてまたそれに犯され過ぎた風潮の蔓延にあるのじゃね。

公徳心の欠如もそうじゃよ。
<公>とは、「みんな」の事を考える。ということなんじゃよ。

確かに、<個>の確立。自立、自律というのが社会の根本にはある。
しかし、個が、「みんな」の事を考えずに、私利私欲を正しい行動
原理だとしてしまうと、社会は成立しえない人間は、優れて社会的
動物なはずじゃ。
教育の一つの柱が、「みんな」のことを考えましょうというのは、
正しい。「みんな」のことを考える為には、「相手」のことを忖度
せねばならなくなる。
その上で、自己の生き方を追求する。

それは、お上や、何かしらの原理・作法で縛ることじゃあないじゃ
ろうな。「みんな」のことを考えることができる、そういうことが
必要なんじゃ。自律とは、そういうことじゃろうもん。

まあ、ダッチロールをしているときは、芯を強くする。
これが必要じゃろうね。
小泉のいい加減さが、目に付いてきたから、愚直さも対抗軸になる
とおもうぞ。歪みを糺す。それこそが、岡田のキャラクターには、
ふさわしかろう。

                      虚風老
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(Fのコメント)
岡田さんのやり方は常識的過ぎる。昔の野党と同じやり方で、面白
くない。もう少し、変化したやり方を考えないと国民はそっぽを向
くでしょうね。
年金問題は、説明すれば問題が多いことが判明するのですから、国
民の不安をもう少し、解消する案を出さないと無理がある。
==============================
倉田科学と倉田技術、こんなことを研究している人がいるんだと知
ったことがうれしいです。自分の頭のレベルをはるかに超える新し
い技術が生まれると思うとわくわくします。
一読者です
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(Fのコメント)
微細な物理学の世界は、統一場の理論構築と言う課題があり、今後
も学会に大きな動向が起こるようです。その中心は電磁気と物理的
な力の関係が課題のようです。

意識も電流と磁気であることが脳生理学的に知られている。これが
力にどう変換されるのか、今後も興味を持って見ていきたい分野で
しょうね。

衝撃的な理論が出てくる可能性があるようです。


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