1648.イラク情勢と米国の動向



イラク暫定政権ができ、今後の米国の動向が焦点になっている。
                       Fより

イラク暫定政権の首相にアヤド・アラウィ氏がなったが、CPAの
ブレマーが強引にさせたようである。ブラヒミ国連特別顧問はブレ
マーを独裁者と呼ぶようなので、相当強引なことをしたのでしょう。
当初、ブラヒミ氏は、現在の評議会メンバーは暫定政権のメンバー
にしないと言明していたが、結局、評議会の主要メンバーがチャラ
ビ氏と取り巻きを除き、移行したような状況になっている。

しかし、シーア派のシスターニ師が暫定政権を承認したので、一応
暫定政権はイラクで承認されたことになり、次の焦点は国連安保理
での英米決議案の取り扱いになっている。暫定政権のジバリ外相が
国連で演説して、米英決議案をサポートしたことにより、この決議
は承認される見通しである。

米国から人権問題と貿易問題を突き付けられている中国は軍のイラ
ク派遣に前向きである。国連決議が通過するとイラクに中国軍を派
遣するようだ。しかし、中国は米国からの人権・貿易要求をかわし
、かつ資源外交としての石油権益を狙った動きの可能性もある。
米国はトルコ軍の派遣も要請している。トルコはクルド人地域の派
遣を希望しているが、これはクルド自治政府が拒否しているために
、あってもイラク南部への展開であろう。

しかし、肝心な欧州の仏シラクも独シュレーダーも自軍もNOTO
軍もイラクには派遣しないと言っている。この決議の英米の目的で
ある欧州NATO軍の派遣を拒否されている。このため、ノルマン
ディー上陸作戦50周年にブッシュがフランスに行き、関係修復に
多大の努力をしている。ブッシュ米大統領は訪欧を前に、フランス
の写真週刊誌パリ・マッチと会見し、「だれだって(外国に)占領
されるのは嫌なものだ。」と米軍の占領に反発するイラク国民に理
解を示した。これはシラク仏大統領がいつも言っていることである。
このようにブッシュは欧州に大幅譲歩している。

今後欧州の助けを求めたい米国は、ローマ法王にも会い、世界平和
を誓っている。これは長期大量の駐留を前提にしていなかった米軍
の人員不足が明確化しているため、NATO軍の派遣を必要として
いることによる。ラムズフェルド国防長官の欧州批判も、とんと
聞かれなくなった。そして、欧州から批判があるイラクに大量破壊
兵器があると進言したテネットCIA長官は辞任させという。

しかし、セイモア・ハーシュ記者によると、国防総省特別計画局
(OSP)がイラクの反フセイン政権派の亡命組織イラク国民会議
のチャラビからの疑わしい情報から大量破壊兵器があると宣言して
CIAサイドは疑問視しているとしていた。その後、チェイニーが
CIAにねじ込んで、報告書に書かせたと。
本来なら、OSPはウルフォウィッツが作ったウソ捏造機関ですの
で、ウルフォウィッツが辞任するべきなのでしょうが、どうしてで
しょうね。テネットはどちらかというとパウエルの味方であるので
、政権に嫌気をさしているように感じるが??

これほど米国は譲歩しているが、欧州もイラクでの石油権益を求め
ているために、暫定政権が石油権益を欧州にも配分すると言えば、
欧州はNATO軍を出すように感じる。このため、イラク暫定政権
の完全主権を国連安保理でも欧州は主張している。交渉の取引条件
を引き上げているだけのようにも感じる。

欧州も基本的には多国籍軍を容認しているし、中東の民主化による
テロの防止を推進すると言っているので、米国との違いがない。
今までの欧米との違いはその進め方だけである。

ラムズフェルド国防長官は、軍の中東シフトを本格化している。
この裏づけは、バーネットの新地政学である。国際的な経済体制に
組み込まれている国家群には戦争が起きない。平和な戦争である経
済・貿易戦争があるだけで、中国もこの国際経済体制の中に組み込
まれているため、アジアには戦争が起きないとしている。ロシアも
国際経済体制に組み込まれているために、欧州にも戦争がないとし
ている。どうもこの考え方にネオコンは反対していたが、この反対
していたネオコンを国防総省は最近、切ったようである。

このため、在日米軍や在韓米軍、在欧米軍を減らして、この分をイ
ラク駐留軍として、ラムズフェルドは振る向けようとしている。
米軍の中東シフトである。残りの地域は米国本土から短期に軍を送
るシステムにすると言う。今後、バーネットの地政学で米国の戦略
は動くと見た方がいい。この軍サイドの研究は01/911直後か
ら始まったようだ。

米国産業界が研究していた地経学とも対応している。この地経学研
究には欧州の知識人も参加している。ここから、欧州もソラナ・ド
クトリンができ、米国はバーネットの地政学ができたようだ。欧米
は知識や戦略で根底層は繋がっている。YSさんが指摘している欧
米企業家のネットワークができているために、欧米でそのような情
報が共用化が図られている。ここに注目する必要がある。

日本で戦略家と称している人たちの見解の間違えも、欧米が根底で
繋がっていると言う認識が無いために、頓珍漢なことを言うのであ
ろう。日本もこのネットワークの中に入る必要があるが、欧米は日
本産業に脅威を感じているために、このネットワークに入るのは無
理なようだ。その次善策としては、日本独自の情報網を構築するし
かない。インターネットが発達したために、公開情報だけで相当な
欧米の状況が分かる。これはYSさんとコバケンさんや田中宇さん
を見れば分かると思う。また横に逸れた。

米国石油企業はえらい目に会っている。ブッシュの支持勢力の1つ
が米国石油産業であるが、サウジアラビアでのテロはこの企業を直
撃する。石油高騰で得をするのは仏トタルやロシア石油企業である。
米国は中東での石油積み出しはイラクとサウジであるが、この2つ
の地域で治安が悪化すると、石油の積み出しができなくなる。
この面からもイラク安定化とサウジの安定化が重要なことになって
いる。米国企業の商売ができて、初めて米軍のコストが出てくる。

イラクでイスラエル軍の力を借りたことで、治安が悪化したことを
米指導層も気がついてきた。イスラエルのシャロンは米国がイスラ
エルから気持ちが離れていると気がつき、米国の顔を見て、ガザか
らの撤退と言い始めている。ここでも米国とイスラエルが繋がって
いるのです。米国は欧州の顔を見ている。世界の動向は動いている。
静的に見てはいけないですよ。
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Rumsfeld: U.S. Ready for Military Change 
http://news.yahoo.com/news?tmpl=story&cid=542&u=/ap/20040603/ap_on_go_ca_st_pe/rumsfeld_asia_2&printer=1
2 hours, 54 minutes ago Add White House - AP Cabinet & State 
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By ROBERT BURNS, AP Military Writer 

SINGAPORE - The United States will make fundamental changes 
in its troop presence on the Korean Peninsula as well as in 
Europe, where U.S. defenses have stood guard against threats 
that have disappeared or no longer require such a large force, 
Defense Secretary Donald H. Rumsfeld said Thursday. 

"It's time to adjust those locations from static defense to 
a more agile and a more capable and a more 21st century 
posture," Rumsfeld said. 

Rumsfeld spoke with reporters flying with him to Singapore, 
the island city-state where he is to deliver the keynote address 
Saturday at an Asian security conference. 

The secretary declined to discuss specifics. But his remarks 
left little doubt that the first major changes are about to happen. 
They are coming after months of internal Pentagon calculations 
about how best to array American forces abroad and after a period 
of consultations with U.S. European and Asia allies. 

Rumsfeld did not mention perhaps the most immediate change: 
the move of a 2nd Infantry division brigade this summer to Iraq 
from its traditional posts in South Korea . 
The Pentagon has not said whether that unit would return to 
South Korea. 

During a news conference aboard an Air Force E4-B modified 747 
jumbo jet, which serves as a flying national command post equipped 
for use in wartime, Rumsfeld spoke on a variety of topics. 
They included the conflict in Iraq and his hope that more countries 
would decide to send troops to help the United States stabilize 
the country. 

Rumsfeld chided critics who say the lack of stability raises 
the possibility of the Iraq war's ultimate failure. 

"People who look at it and say, `Oh, my goodness it's untidy and 
it's ugly and it's dangerous,' ought to look at history. 
It's always been untidy and ugly and dangerous" when people who 
are used to being ruled are given a chance to build a democracy, 
he said. 

Some in Asia have expressed concerns that removing 3,600 U.S. 
troops from Korea for use in Iraq ? and possibly several 
thousand more at a later time ? would be seen by communist 
North Korea as a sign of American weakness. 
Rumsfeld said such an interpretation would be mistaken. 

"This country will not weaken the deterrent or the defense 
capabilities that we have, even though numbers and locations 
may shift and evolve as technologies evolve and as circumstances 
change," he said. "We have been for a long time, in effect, where 
we were when the Cold War ended." 

There are about 37,000 U.S. troops in South Korea, about 47,000 
in Japan and about 100,000 in Europe. 

Rumsfeld flew 22 hours nonstop from Washington to Singapore, 
with three midair refuelings, to attend the Shangri-La Dialogue. 
At the international security conference, he is to deliver a speech 
on U.S. security policy on Asia and the Pacific on Saturday. 

The Pentagon chief said he also planned to meet separately with 
his counterparts from Japan, South Korea, Australia and Singapore, 
in addition to visiting U.S. sailors and Marines aboard the USS Essex, 
a helicopter carrier in port at Singapore. 

At the Singapore conference one year ago, Rumsfeld sent his chief 
deputy, Paul Wolfowitz, who spoke repeatedly in his keynote 
address of "our success in Iraq," about six weeks after the fall 
of Baghdad. 

Wolfowitz referred to the overthrow of Iraqi President Saddam 
Hussein as "our victory," and while he noted that much work remained 
to be done, the deputy secretary gave no hint that he foresaw 
the onset of a bloody insurgency. Since then more than 600 American 
troops have died in Iraq. 

Rumsfeld said he would fly to Bangladesh later Saturday for talks 
with government officials about their military's possible interest 
in peacekeeping operations either in Iraq or Afghanistan. 
He said he did not intend to formally request that they send 
troops to either country. 

Among the more important changes that have occurred in East Asia 
since Rumsfeld made his only previous visit to the region as defense 
secretary, late last year, was the Pentagon's decision to break 
a decades-long tradition of not using Korea-based U.S. troops 
for combat elsewhere. 

The recently announced decision to send 3,600 2nd Infantry soldiers 
to Iraq ? probably by midsummer ? caught the South Korean government 
by surprise and reflected a major change in the way 
the Bush administration views the U.S. role in Korea. 

Without tying his comments directly to South Korea, Rumsfeld appeared 
to be alluding to the anti-American protests that are staged 
periodically in Seoul when he said, "We want our forces where 
they're wanted, where it's hospitable." 

U.S. and South Korean government officials are due to hold talks 
next week in Seoul on the future of their alliance. 
The talks are to include the sensitive subject of further U.S. 
troops withdrawals. 
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米軍再編「対テロ重視」、地域別作戦は廃止 米国防長官(ASAHI)
 
 シンガポールを訪問中のラムズフェルド米国防長官は5日、世界
的規模で進めている米軍の再編(トランスフォーメーション)につ
いて演説し、対テロ戦での急速展開能力を重視し、地域ごとの作戦
計画を廃止することなどを軸とする4原則を提唱した。「関係する
友好国、同盟国から、今後数カ月にわたって助言や相談を受ける」
と述べ、駐留米軍を抱える日本や韓国と緊密に協議する考えを示し
た。 

 米国防総省はすでに約3万7000人の在韓米軍について
1万2000人規模の大幅な削減を韓国側に打診、イラクに
約4000人の派兵を決定するなど、4原則に従った試みを始めて
いる。ただ、朝鮮半島や台湾海峡など域内固有の緊張を抱える東ア
ジアで米軍の展開が大幅に変化することについては、地域の軍事バ
ランスが崩れかねないとの懸念もある。 

 長官は国際会議「アジア安全保障会議」(英国際戦略研究所主催
、朝日新聞社など後援)で演説した。今後の脅威として「大国間の
戦闘よりも、小さな支部に分かれて流動的に活動する敵によるもの
である可能性が高い」と過激派によるテロ攻撃を最優先課題とする
考えを示した。 

 こうした脅威に対応するための米軍再編の原則として(1)既存
、新規の同盟国、友好国との連携強化(2)予測できない事態に対
処するための柔軟性の開発(3)急速に展開できる能力、戦力の重
視(4)作戦計画における地域間の「人工的な壁」の廃止――の4
項目を挙げた。 

 テロ組織と大量破壊兵器の結びつきにも懸念を表明し、ブッシュ
米大統領が昨年から提唱した「拡散防止構想(PSI)」を核技術
の闇市場流出問題などで有効に活用できると主張。臨検や情報共有
、法的規制の強化などの取り組みへの支援を現在の約50カ国から
さらに拡大するよう求めた。 

 長官は米国を「太平洋国家」と位置づけ、近代的な抑止能力を持
つ軍事展開を域内で今後とも維持する方針を表明。韓国などの懸念
にも配慮して同盟国、友好国の安全保障について「旧来の脅威や新
たな脅威を問わず責任を持つ」と述べた。 (06/05 19:12) 
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イラク大量破壊兵器保有の情報源は疑わしい=国防総省が情報牛耳
る――NY誌報道 
2003 年 5月 5日 

【ワシントン4日】イラクは大量破壊兵器を保有しているとの米国
の言い分は、現在の米外交政策を支配している国防総省の怪しげな
組織からの疑わしい情報に基づいている、と米週刊誌ニューヨーカ
ー最新号(5月12日号)が報じた。この記事は著名な外交記者
セイモア・ハーシュ氏が執筆したもので、元米中央情報局(CIA
)の中東担当の高官の話をもとに、ブッシュ大統領の主要な情報源
になっている国防総省特別計画局(OSP)がイラクの反フセイン
政権派の亡命組織イラク国民会議(INC=アハマド・チャラビ代
表)からの疑わしい情報に依存していると述べている。

同記事によると、OSPはウルフォウィッツ国防副長官の着想でつ
くられた組織で、昨年末までに、米政府の主要情報源となり、特に
イラクの大量破壊兵器およびイラクとテロ組織アルカイダの関係で
は重要な情報源になっているという。記事の中で、CIAの元高官
は「INCは政治的組織であり、情報機関ではないので、疑問をも
って扱わなければならない。INCは思惑があり、これまでも情報
を操作した履歴がある」と警告している。

この元高官は「私が辞職したのは、国防総省が自分の目的に合致し
た場合にのみCIAその他の情報機関の情報を使っているからだ。
そうした情報機関からの情報が気に入らないので別の人たちにやら
せている。彼らは常軌を逸している。神に与えられた使命を遂行し
ているかのように教条主義的だ」と述べた。〔AFP=時事〕
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非公式情報
石油価格高騰の背景

By StrangeLove

石油価格の高騰が問題になっている。言うまでもなく、最大の理由
は米英軍によるイラク攻撃。その結果、イラク国内のレジスタンス
激化で同国の生産が伸びないだけでなく、サウジアラビアの体制が
揺らぐ事態になっている。

その背景には石油生産のピークアウトがあると指摘する専門家もい
る。一時期、中央アジアにはサウジアラビアを上回る埋蔵量の油田
が存在、インド周辺にも石油が眠っている等々の話があったのだが
、期待したほどではないというのだ。

とはいうものの、中央アジアの油田は無視できない。そこから石油
を運ぶルートを確保することがアメリカのアフガニスタンに対する
姿勢に大きく影響していることは言うまでもない。

CIAがタリバンを組織、政権を握らせたのも、また自力走行を始めた
タリバンを倒したのもアメリカがアフガニスタンを支配するためだ
った。つまり、中央アジアの油田を運び出すためにはロシア、イラ
ン、アフガニスタン、どの国かと話をつける必要があるが、消去法
で残るのはアフガニスタンということだ。

そのアフガニスタンの支配がアメリカの思惑通りに進んでいない。
ハミド・カルザイ大統領がコントロールできているのは首都周辺だ
けで、今後10年程度は外国の軍隊が駐留する必要があると感じてい
るようだ。大統領自身もアメリカの『民間セキュリティー会社』の
ボディーガード(実態はアメリカの特殊部隊員)を必要としている
ほど治安は悪い。

また、南米の産油国、ベネズエラを再び支配下に置こうとしたアメ
リカの計画も予定通りには進んでいない。同国のエリート(労働組
合やマスメディアも彼らの支配下にある)を抱き込んで計画した2年
前のクーデターは国民の反発で失敗、その後の工作も成功するかど
うかは不透明だ。

今回のイラク攻撃で利益を得たのは軍需産業とイスラエル(リクー
ド)。前政権の防衛関連予算削減に苦しんでいたアメリカの軍需産
業は息を吹き返し、イスラエルは宿敵のイラクを破壊することがで
きた。基幹産業が軍需のイスラエルは二重の利益と言えるかもしれ
ない。(アメリカのキリスト教原理主義者も宗教的利益は得た。)

これに対して、アメリカの石油産業は今回のイラク攻撃でダメージ
を受けている。だからこそ『ネオコン』を怒っているのだ。油田地
帯の混乱でアメリカの石油産業を基盤とする主流派エリートの力が
弱まれば、相対的に自分たちの力が増すとネオコン(親イスラエル
派)は考えているのかもしれない。『中東民主化』で湾岸地域をイ
スラエルの管理下に置こうとしていると思えなくもない。

先月、アメリカのジョージア州にある海軍基地(その近くでサミッ
トが開催される)に自動車で入ろうとしたふたりのイスラエル人が
逮捕され、基地は立ち入り禁止になった。ふたりが乗っていたバン
から問題になるような物は見つからなかったというが、これもアメ
リカとイスラエルとの本当の関係を暗示しているのかもしれない。
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イラク新外相、主権の完全移譲など要望 安保理公開協議 (ASAHI)

 イラク暫定政府のジバリ外相は3日、国連安全保障理事会の公開
協議で発言し、イラク新決議について「イラク国民とその代表に主
権が完全に返還されると明記されるべきだ」と強調した。米主導の
多国籍軍については、治安状況への不安から主権移譲後も駐留が必
要だとする一方、治安に関する権限は暫定政府に属すると主張。
多国籍軍をめぐって、暫定政府の主権が保証される取り決めを盛り
込むよう求めた。 

 ジバリ外相は暫定政府の閣僚として初めて安保理協議に参加した
。冒頭に発言した後、各理事国の質疑に答えた。フランス、ドイツ
などが主張していた駐留期限の明記については不要とする考えを示
し、新決議案に盛られた米英の方針をおおむね歓迎した。 

 外相は、新決議の採択を通じた国際社会の継続的な支援を要請。
そのうえで(1)暫定政府の承認(2)進行中の政治プロセスへの
支持(3)イラクが天然資源を管理することの承認(4)暫定政府
と協力関係にある多国籍軍の駐留――を新決議の重要なポイントと
して挙げ、「イラク国民の利益を中心に置いた決議であるべきだ」
と主張した。 

 主権に関しては、特に「天然資源の管理」を強調した。売却や収
益の配分、使途の決定などを、安保理の監督下で暫定政府が主体的
に行えるシステムを求めた。 

 さらに「客観的な現実」として「多国籍軍の時期尚早な撤退はイ
ラクを混乱に追い込み、内戦さえ起こりかねない」と懸念を表明、
イラク国軍と緊密に連携した多国籍軍の駐留継続を求めた。暫定政
府の主権を損なわず、イラク国内での多国籍軍の自衛権も認める枠
組みの必要性を語った。 

 イラク国軍は暫定政府の管轄下に置くことを主張し、多国籍軍か
らのイラク国軍への行動要請を拒否する権利を暫定政府に付与すべ
きだとした。 

 発言に続いて各理事国が個別に質問。安保理内で米英と独仏など
が対立している多国籍軍の駐留期限に対する問いに、ジバリ氏は「
厳格な期限の設定は治安の安定を損なう可能性がある」などと答え
、米英の決議案を支持する姿勢を見せた。 (06/04 11:41) 
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ローマ法王「中東の平和願う」・米大統領と会談(nikkei)

 イタリア訪問中のブッシュ米大統領は4日、イラク戦争開戦後初め
て、戦争に強く反対したローマ法王ヨハネ・パウロ2世とバチカン
で会談した。法王は会談後に「あなたの訪問は中東の不安定な状況
が続く中で実現した。一刻も早く事態が正常化し、平和が訪れるこ
とが人々の願いだ」との声明を読み上げた。

 法王は「国際社会、特に国連が関与してイラクの主権移譲が進む
ことを願う」と主張。イラクの新しい元首や暫定政権の選出につい
て「勇気づけられる一歩だ」と評価した。国際テロリストの活動に
ついては「常に懸念材料だ」と指摘した。

 ブッシュ大統領は、高齢のため着席したままの法王に、かがみ込
むようにあいさつ。「我々は世界の自由のために努力することを約
束します」と返答し、「常に自由を追求してこられた」として法王
に米大統領自由勲章を授与した。

 大統領がローマ法王と会うのは3回目。カトリックではないが熱心
なキリスト教徒である大統領は「面会を個人的に非常に重視してい
た」(同行米政府高官)という。 (21:00) 


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