ネオコンの理論が、崩壊している。それでも、日本の親米保守は、 ネオコンの理論は正しく、伝統保守は間違えているという。Fより 1632にある井上氏の「戦略的保守主義に欠けるもの」はひどい 。http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/k6/160521.htm ブッシュ政権のネオコン理論は崩壊している。イラク人が望まない 民主主義を導入しようとしても、民族的な反発を受けて、達成しな い。無理に導入するからゲリラ戦になり、果てに虐殺、捕虜虐待を して民主的な統治もできなくなるのである。 民族にはその歴史的なポジションがあり、その民族のレベルにあっ た統治体制があるのです。イラク人が宗教的な指導者が政治を行う べきであるというなら、そのようにするべきなのです。その民族が 望む価値相対論でないと、無理に民主主義にしようとすると圧制に なることが米国の占領統治で十分分かったと思う。この主張は、昔 からこのコラムで言っている。 http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/k5/150322.htm http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/k5/150607.htm http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/k5/151115.htm そして、ウォルフォウィッツ国防副長官もイラクでの見通しを間違 えたことを認め始めている。しかも、ネオコンがイラク情報を得て いたチャラビを国防総省は切ってしまった。これはネオコンの没落 ぶりを象徴している。ネオコンの代表的論客クリストル氏もイラク での米軍捕虜虐待問題を非難している。このようにネオコンの構想 は、とうとう事実で破棄されることが確定した。 今まで国防総省主管であったイラク政策を主権移譲後に担当する国 務省のパウエル長官は、イラク人の意向に沿った政治体制にすると 表明している。ネオコン構想を脱して、やっとイラク人が望むイラ ク人の政体ができるようだ。ブラヒミ国連特別顧問も、パウエルと 同様な意向を示している。 よって、イラク主権回復後は、イラクのシーア派・スンニ派の宗教 指導者が政治の場に出てきて、活躍することになるでしょうね。イ ランと同じような政治形態になると思う。これは米国の中東民主化 とは違うことになるはず。ネオコンの構想とは、全然違うものにな ることを意味する。中東大構想もその趣旨が変わる。 それと、世界の戦略的な構図の本を海軍戦争大学のバーネット教授 が出版した。http://fuku41.hp.infoseek.co.jp/160522.htm 勿論、ペンタゴンの地政学でもあるのですが、これによると、世界 を2分していて、世界経済のコア国家群とその体制に入らない国家 群に分類している。米国幕藩体制に入る国家と入らない国家でしょ うね。この体制に入る国家の中に中国やインド、ロシアが含まれて いるのです。なんと北朝鮮は体制内にあるのですが、体制に入らな い国家群にシンガポールや台湾があるのです。 ここからも環太平洋連合という概念が、米国との同盟上もないと見 るべきでしょうね。そして、中国は親米であることも分かると思う のです。このように米国は見ているというのです。 これにより、日本の右翼陣営は世界の戦略概念が冷戦構造のままで あるということが分かる。米国は冷戦後の地政学にシフトしている のです。今の親米保守派、右翼は世界的な戦略概念について勉強不 足なのですね。どちらかというと、このコラムで主張していた地経 学の見解に近い。 そして、米国の任務は、この体制外の国家を、体制内に引き入れる ことであると規定している。中国の軍事力の脅威よりテロの脅威の 方が大きいとしている。世界がこのコラムで主張していた方向に向 いているのでしょうね。リムランドとハートランドの地政学ではな いことだけは確かですね。国際的な貿易ができるかどうかで世界を 分けていることです。国際的に通用する法体系をできているかどう かですね。 ============================== ネオコンの凋落ぶり顕著 再選目指し国務省に軸足 ブッシュ米政権のイラク政策が混迷の度を深めるにつれ、イラク 戦争を主導したネオコンサーバティブ(新保守主義者、通称ネオコ ン)の凋落(ちょうらく)ぶりが顕著になってきた。ネオコンが強 い影響力を持つ国防総省の地盤が低下、代わって国務省がイラク復 興政策の中心的役割を担うなど、政権内のパワーバランスも変化し 始めた。共和党の支持基盤である伝統的保守派からの批判の高まり に危機感を抱いたブッシュ大統領が、11月の大統領選での再選戦 略の一環として、スタンスを修正したとの見方がもっぱらだ。 ▽象徴的事件 イラク人による暫定統治機関、統治評議会メンバーのチャラビ氏 の自宅などを駐留米軍が家宅捜索した20日の事件は、ネオコンの 没落ぶりを象徴する。 ネオコンの「顔」であるウルフォウィッツ国防副長官とパール前 国防政策委員長は、旧フセイン政権下でチャラビ氏が国外に逃れて いた1990年代から同氏を支援。開戦の大義となった大量破壊兵 器に関する情報の大半は同氏がもたらしたとされる。「イラク戦争 の理論的設計者」であるウルフォウィッツ副長官にとっては極めて 重宝な存在で、ラムズフェルド国防長官も暫定政権の大統領に同氏 の起用を考えるほどの「お気に入り」だった。 そのチャラビ氏が20日の捜索で、米兵から頭に銃口を突きつけ られた。ネオコンとの蜜月関係からすれば到底考えられない事態で、 政権内でネオコンの影響力が低下していることを明確に物語ってい る。 ウルフォウィッツ副長官は捜索2日前の18日、チャラビ氏が代 表を務めるイラク国民会議(INC)への年間400万ドルに上る 米政府からの資金支援打ち切りを表明、同氏との“絶縁”を宣言し ていた。 ▽内部対立 「重大な過ちが何度も繰り返された。ペンタゴン(国防総省)に よる過ちだ」−−。ネオコンの代表的論客クリストル氏は最近、反 米武装勢力の攻撃に手を焼き、イラク人虐待事件の発覚で防戦一方 の国防総省を強く批判。ネオコンの内部対立が表面化した。同氏は 「成功の確率を最大限にするための軍事的、政治的戦略の欠如」を 指摘。「劇的な行動を取らない限り、イラクでの失敗は避けられな いだろう」と警告する。 しかし、開戦前にばら色の青写真を描いていたクリストル氏を含 むネオコンへの風当たりは相当強い。保守系ウォールストリート・ ジャーナル紙のハント論説委員は「ネオコンが言っていたことで当 たっていたのは、戦闘の早期終結とフセイン元大統領の拘束だけ。 米軍は解放軍として歓迎されるなど他はすべてはずれだ」と手厳し い。 ▽尻ぬぐい ブッシュ大統領は11日、6月末の主権移譲後のイラク政策全般 を国務省が統括するとした大統領令に署名した。従来の国防総省主 導から国務省に軸足を移す政策転換である。 開戦前に「イラクを抱え込むことになる」と大統領に懸念を伝え たパウエル国務長官に、抱え込んだ結果の尻ぬぐいを頼まざるを得 なくなったのも、すべては再選のためだ。 署名から2日後の13日、大統領は伝統的保守派の「米国保守同 盟」主催のパーティーに出席。同派の考えを体現していると考えら れているゴールドウォーター元上院議員とレーガン元大統領を称賛 し、ネオコンとは距離を置いていることを強調してみせた。(ワシ ントン共同) (了) ============================= 米国務長官「イラク人虐待が米外交にダメージ」 【ワシントン16日共同】パウエル米国務長官は16日放送の米FO Xテレビに出演し、イラク人虐待事件が国際的な批判を受けている ことについて「(米政府が)ダメージを受けたことは疑いない」と 述べ、事件が米外交に深刻な影響を及ぼしているとの認識を示した。 国務長官は問題発覚後の各国外相らとの協議を踏まえ「(各国は 米国に)失望している」として、虐待の犯人に対する処分と捜査を 厳格に進める必要性を強調した。 また、ラムズフェルド国防長官が過酷な尋問方法を容認していた との米誌ニューヨーカーの報道について、国務長官は「国防総省は 、不正確だとして報道内容を否定している」と述べるにとどまった 。 (01:13) ============================== 特殊部隊が過酷な尋問 国防長官指示と米テレビ 【ワシントン20日共同】米NBCテレビは20日、イラクのバ グダッド国際空港近くにある米陸軍特殊部隊デルタフォースの極秘 収容所で、イラク人に対して窒息寸前まで水につけるなど過酷な方 法を使った尋問が行われていたと報じた。米政府当局者の話として 伝えた。 ラムズフェルド国防長官が国防総省幹部を通じ、こうした尋問を 虐待事件が起きた旧アブグレイブ刑務所など他の施設でも行うよう 軍情報部に命じたという。同省高官は報道を否定したが、事実なら 虐待事件が新たな展開を見せる可能性もある。 イラク人を拘束した段階からマスクで顔を覆い、小さな独房に収 容。デルタフォース隊員はイラク人を水につけたり、薬物を使うな ど、捕虜の人道的扱いを定めるジュネーブ条約に明らかに違反する 尋問方法を用いていたという。 国防長官は議会で、イラクではジュネーブ条約が適用されると証 言していた。(共同通信) [5月21日11時19分更新] ============================== チャラビ氏、イランに機密情報漏えいか…米が捜査 【ワシントン=伊藤俊行】米CBSテレビは20日、イラク国民 会議(INC)代表でイラクの統治評議会のメンバーでもあるアハ マド・チャラビ氏がイランに機密情報を流していたとして、米政府 が捜査に着手したと伝えた。 チャラビ氏に関しては、米軍がイラク司法当局を支援する格好で 、INC関係者による誘拐、虐待容疑の証拠を見つける目的で家宅 捜索を行っている。 しかし、同テレビによると、米政府はこのほかに、チャラビ氏自 身が、米国民の生命に関わる高度な機密情報をイランの情報機関に 流していた証拠をつかんでおり、チャラビ氏にこうした情報を流し た米政府関係者が誰かを突き止める捜査を行っていると報じた。 また、INCの幹部がイランの情報機関に雇われていたとも伝えた 。(読売新聞) [5月21日19時39分更新]