1619.ケアンズ事情



この連休を利用して、ケアンズに行ってきました。その報告。
                Tより
1.ケアンズとは
オーストラリアのケアンズは赤道南緯17度の熱帯にあり、オース
トラリアの北東の端にある15万人程度の小さな町である。そして
2つの世界遺産への玄関口である。1つが世界最大のグレートバリ
アリーフともう1つが熱帯雨林の広大な森。

ケアンズに行きたいと思ったのは、前の職場で英国に調査を依頼し
たら、その調査会社のアジア支店から支店長たちが来た。
そして、この支店がケアンズにあり、ケアンズは非常にいいから出
張に来て、一緒に会議をバリアリーフでしようと誘われた。そのほ
かにゴルフ、ジャングルなど盛り沢山なレジャーがあり、飽きない
と言われた、このため一度は行きたいと思った。しかし、仕事でケ
アンズはまずいと遠慮した。この調査会社との付き合いもなくなり
、今回個人旅行でいくことにしたのです。

ケアンズと日本の時差は1時間、今5月の気候は日本とほとんど同
じような感じ。昼28度、朝18度程度。成田から飛行機で7時間
。乗ったカンタス便は朝ケアンズに着くが、時差ボケが無いので、
ホテルで少し休めば初日の行動も自由にできる。

食物の入国管理は非常に厳しい。ほとんど持ち込めないと思ったほ
うがいい。なぜかというとこのオーストラリアは植動物の体系が、
他の世界と大きく違うことで外敵がいないために大繁殖する植物・
動物がある。これを防ぐためであろう。

2.アボリジニと仏教
まずオーストラリアの原住民であるアボリジニのジャプカイ村に行
った。このジャプカイ族も自然を水と火からできていると考えて、
特に水を大切にしている。この水の守り神の蛇が信仰の対象と成っ
ていた。
このジャプカイ族の話を聞いていると、世界のアミニズムが神話や
生活の知恵から形成されていて、そのバラバラのアミニズムを根本
的に自然の体系にしたのが、仏教ではないかと思い始めた。このた
め、神仏混合が簡単にできたように思うし、仏教はアミニズムの
発展系という位置にあると思った。

3.豪州の感じ
このジャプカイ村まで車で30分程度であるが、一面サトウキビ畑
で、米国の田舎の小麦畑を走っている感覚に襲われた。オーストラ
リアは米国の強大な田舎のような感じである。英語もクイーンズイ
ングリュシュではなく、アメリカンイングリュシュに近い。ところ
が、道にはところどころロータリーがあるし、車の速度を緩めるた
めに横断歩道は少し高くしている。これは欧州的であり、米国と欧
州の混合であろう。しかし、米国の田舎と同じで人がほとんどいな
い。
ハワード首相が米国と行動を共にする理由は、文化が似ているため
共感する部分があるのでしょうね。米国の田舎に行くなら、豪州の
方がいいなあと感じる。これは豪州にはまりそうである。町も米国
とは違い綺麗である。ウールワースのスーパーマーケットで買い物
をしたが、物価は日本とほとんど同じ感じである。このウールワー
スは米国資本である。ハワイやロサンゼルスでも見かける。店舗の
雰囲気も同じ。

町に米国のようなホームレスもいない。労働組合も米国と違って強
いようだ。ニュースで最低賃金の引き上げを協議しているという。
米国が弱肉強食国家とすれば、豪州は欧州と同じような福祉国家の
ような気がする。読者の皆様で情報をお持ちなら、教えてください
。しかし、私も今後シドニーに行って、都市を見てみたい気がする。

買い物では豪州会社製の牛革カバンが55ドルと安かった。日本で
買えば、3万円はするはず。1ドル=86円であるから、5000
円程度である。妻も豪州会社Doneのカバンを買ったが、やはり
59ドルであった。

3.熱帯雨林と動物たち
ケアンズ駅でブリスベーン行きの特急列車が出発していた。ここか
らシドニーまで列車で行けるようである。キュランダ村への汽車の
旅は、列車の車窓から高床式の家や高原に行けば行くほど高級な家
になる様子が見える。この高原列車には3ケ所の見所、ヘアピンカ
ーブ、滝と橋、滝の展望台がある。

昼食にカンガルー肉のハンバーガーを食べたが、あまりおいしくな
かった。動物園で、カンガルーは人間に慣れて、手で毛を触っても
逃げない。カンガルーはかわいい。この肉がまずいのはいいと思っ
た。カンガルーより小さいワラビーは人間が近づくと逃げていく。
コアラは木で寝ている。コアラの睡眠時間は日に20時間で、起き
ている時間はたったの4時間だそうである。

7.5kmのロープウェーであるスカイウェーでキュランダ村から
ケアンズの近くまで、熱帯雨林の森を上から見た。この建設は自然
保護団体からの激しい反対運動に会い、たった18本の木を切った
だけで作ったそうである。しかし、この熱帯雨林が日本の山の森と
どこが違うのかがあまり分からない。しかし、このスカイウェーは
オストラリアの観光賞を取り、かつ英国のエリザベス女王もぜひ見
たいとやって来たという。豪州、米国、英国には森がないから珍し
いのでないか思った。

4.バリアリーフ
この時期、雨季と乾季の中間で雨が降ったり止んだりの状態である。
グリーン島に行って、パラセーリングをしたが丁度雨が降ってきて
目が空けられない状態であった。晴れの日にやるべきであったと思
う。グラスボートは、船の底がガラスで下の魚が見える。珊瑚の海
を大量の魚が泳いでいるのを見た。これはいい。大きな亀も泳いで
いる。シュノーケルもよかった。珊瑚の海はいいですね。

このように海を楽しむとすると、ハワイやグアムと比較したくなる
。すると、ハワイより魚の量が多いし、時差ないため到着日から行
動できる点が、ケアンズの方がいい。しかし、ナイト・シティライ
フはハワイの方がいい。そして、グアムよりは安全で町がきれいで
あるし、白人が多いのがいい。しかし、グアムより旅費が高い。魚
の量は同じ感じ。

4.日本人と中国人
日本語もハワイ・グアムより通じないが、豪州は小学校から日本語
を教えているため、多くの豪州人が日本語を話す。そういえば、
カンタスの便には日本人の乗務員がいないのに、日本語が通じる。
機長まで簡単な日本語を話している。日本人の旅行客が年間18万
人で、ケアンズの町の人口15万人より多い。カンタス便の90%
以上が日本人である。観光大国日本が世界に日本語を必要とさせて
いる。特に観光地はそうだ。福岡、名古屋、大阪からの便もある。

中国の旅行者を多く見かけたが、多くの男性が日本製の一眼レフを
持っている。日本人はデジタルカメラや小型のビデオのため、カバ
ンやポケットから出す。そして、グリーン島には中国人を見るが
グラスボートやシュノーケルには、中国人を見かけない。ただ、
グリーン島に行くだけのようだ。服装も体操着やTシャツなどラフ
な格好で団体で歩いている。団体旅行であるが、着くと個人個人に
バラバラになる日本人たちは自分を除いて身奇麗な格好をしている
。このため、すぐに両者が分かる。

中国の旅行社の人がホテルの料金を交渉していたが、中国からの旅
行客がここケアンズでも増えるように感じる。今は安い海外旅行コ
ースを開発して、ただ世界を見るだけなのであろう。中国上海の大
学卒初任給が8万円であり、課長級で15万円程度であるから、
70年代の日本と同じ状況なのでしょうね。エリートしか海外旅行
にいけない。そして、日本と同じ団体旅行のシステムで世界をのし
歩くために目立つようである。日本は団体旅行から個人旅行にシフ
トしている。

それに反して、ケアンズでも中国語対応はまだ不十分であり、英語
のできる添乗員がいないと不自由なので団体旅行になるのでしょう
ね。しかし、あと十年もすると中国人たちも大挙観光で世界に押し
寄せるようですね。中国の人口の10%が海外観光に目覚めると
1.3億人と日本の全人口と同じになる。

しかし、日本人は金持ちですね。95ドルもするパラセーリングは
日本人しか乗らない。乗船名簿には日本人しか署名がない。それも
漢字で書いている。このパラセーリングの経営者は日本人である。
日本人相手のオプショナル旅行は、ケアンズで見かける豪州人相手
の旅行社の値段の約2倍の値段になっている。日本語ができるとい
かに得かを示している。各所に日本人の従業員がいる。数も多い。
ワーキングビザで豪州に来る人が多いようだ。このため、日本語が
通じる地域が多い。米国より日本人従業員が多いような気がする。
そのほかに豪州人で日本語ができる人もいる。もちろん、日本食の
店も多い。

観光立国としては、このようなワーキングビザで、その国の人間た
ちを従業員として雇い、その国の言葉で対応することが必要である
と思う。さすが豪州、日本人を雇い、日本人観光客を豪州に引き入
れている。日本も観光立国化するなら、中国語対応を考えた方がい
い。観光客のほとんどが中国人たち(台湾、香港、中国本土)であ
ろうから、その対応をしっかりする必要がある。日本人が中国語を
習うより中国人を引き入れた方がいい。もちろん、しっかりした中
国人を入れるような審査は必要である。そして、文化交流や日本理
解にも繋がる。駅等のトイレも洋式化が必要であろう。日本式トイ
レは観光立国としてはまずい。


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