1611.イラク日本人人質と木村コラム



「イラク日本人人質と国民世論の行方 −自己責任論について−」

◆首相の苛立ち◆
「これだけの目に遭って、多くの政府の人たちが自分たちの救出に寝食を忘れて努
力してくれているのに、なおかつそういうこと言うんですかねえ。やはり自覚とい
うものを持っていただきたい」
小泉首相は16日、記者団に解放直後のNGO活動家やジャーナリスト等のイラク
日本人人質3人について「イラクに残り活動を続けたいという人もいるようだが」
と問われ、苛立ちと怒気を含んでこう答えた。
また、同日、公明党の冬柴鉄三幹事長は「大変なお金を税金から出している。請求
できるものは請求することで、責任を知ってもらう」と強調した。

◆日本人人質と風船おじさん◆
かつて、太平洋横断を目指し、風船に乗って大空に消え去った「風船おじさん」と
いうのがいた。
自分のロマンを求めて危険を冒したおじさんは、家族意外誰にも同情されず、海上
保安庁の航空機の出動等もあり人騒がせだと非難された。
風船おじさんはともかく、どんな危険な事をやってもいいとなったら社会は成り立
たない。
やはり自己責任というものはある。

今回のイラク日本人人質も然りである。リスク管理が甘く、かなり無謀だった。
例えば、バクダッドに向かうにしても、戦闘地域のファルージャをもっと大きく迂
回するルートは取れなかったのだろうか。

だが一方で、パウエル米国務長官の「誰もリスクを引き受けようとしなかったら、
社会は進歩しない。日本人は彼等を誇りに思うべきだ」という人質に対する発言を
待つまでもなく、彼等の無謀さだけを強調し非難するのはバランスを欠く。
また、その是非は別にして「占領軍に荷担する日本政府」とは別の立場の日本人が
いる事をイスラム社会他、世界に知らしめる事は、それ自体大きな意味での日本人
全体のリスクヘッジとなり長期的な国益にも適うだろう。

要は、彼等のボランティア活動や取材活動の価値が、リスクと釣り合うかどうかが
問われる。

◆自己責任論◆
小泉首相以下、日本人の多くは、今回の件で彼等の自己責任を強調し非難した。
これは、理屈で言えば、彼等のボランティア活動や取材活動の価値をゼロでは無い
にしても、リスクと較べてかなり低く見積もったという事になる。
あるいはそれ以前に、アメリカのイラク統治や作戦の妨害として、厄介者として捉
えたようだ。

彼等の救出費用は、国民の税金による。
民意が彼等の行動を最終的に否とするなら、民主主義国家の一国民としてはそれに
従わざるを得ない。
そうである以上、彼等は国民に詫びるべきだし、事実既にそうした。一部だが、今
回の救出費用も支払うようだ。
ソクラテスが助命の嘆願を断りアテネの法に殉じたように身を処す、それが民主主
義国家の原則ではある。

◆国民世論の行方◆
しかし、国民の考えは変えられる。
はずではあるが、現状を客観的に見ればあまり期待は出来ない。
一部の学者やジャーナリスト達が、「自己責任論」によるバッシングに対する抗議
のアピールを上げている。
その行動は必要なものであるが、バッシングはある程度緩和されるかもしれないが
国民世論に大きな変化は無いだろう。

マスコミの趨勢は、当初より官邸と呼吸を合わせバッシングをしており、一度持ち
上げた者を落として叩く事はあっても、叩いた者を元に戻すパターンは面子もあり
稀だからだ。
そして、他国に較べて、自立した判断基準を欠いておりマスコミの作る世論に影響
を受け易く、それに合わせる事を持って初めて安心感を得る国民性からいってもそ
うだろう。
また、この国では、知識人も複眼的な視点を十分に持ち合わせていない。

おそらく、当初のバッシングに対する国民の若干の気まずさを伴いながらこのまま
議論は尻すぼみになり、日本人の記憶から消えて行くのだろう。

元人質の皆さん、日本人はあなた方を必要としないようだ。
日本には、あなた方の行動を受け入れる度量は少なくとも今は無い。 
あなた方は生まれる国を間違えた。次回は別の国に生まれて来て下さい。

これらは恐らくは言い過ぎだが、多様な意見の存在を許す成熟した国家国民になる
には、市民革命を経ないで近代化した日本にとって、なお長い曲折と持続的な啓蒙
が必要とされよう。

佐藤 鴻全
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ニュー・ワールド・オーダー=米国の一極支配戦略 虚風老 

 たかがネオコン、されどネオコン…。(復習)

 米国の、中東政策の失敗が決定的になったの。
今回、国防総省に陣取って、この中東政策を推し進めてきたのが、
ネオ・コンサ−バティブ、通称ネオコンじゃ。
実は、ネオコンについて、日本で、マスコミよりもはやく注目し、
解説しはじめたのは、この「国際戦略コラム」の慧眼の諸氏だった
ようにおもうぞ。

現在、ブッシュ政権は三つ勢力からなる、政策の主導があるんじゃ
ないかね。
一つは、共和党の伝統的支持母体で、中西部・南部の独立自営農民
、中小企業者。いわゆる保守層で、どちらかといえば、モンロー主
義にみられる、国際的不関与(無関心ともいうが)、連邦政府より
、自分達の自治・自由を重視する人達。(キリスト教右派、原理主
義者=福音派、メディア伝道師と呼ばれる人達を含む。イスラエル
はここを取り込むことを重視したようじゃ。隠れ教徒もたくさんい
るじゃろう。)
一つは、大企業の中でも、重厚長大産業に代表される、産業資本。
(代表が、素材、軍需、石油、エネルギー・鉄道等)ここは、利益
重視じゃな。もう一つが、転向組みで、鷹派政策「ニュー・ワール
ド・オーダー」の積極遂行組。
世界新秩序=アメリカの一極支配の実現へ向けての理論家達という
わけじゃ。

政権内では、チェイニー、ラムズフェルド、アシュクロフトは、伝
統的共和党保守派の鷹派でネオコンではないとみなされる。だが、
ラムズフェルドが、「世界新秩序」を目指して、積極的にネオコン
の戦略・政策を採用していることが、問題を拡大しておる。
ライスもネオコンとは呼べないが、自分の才覚を、政権で発揮する
のを、無上の喜びとするタイプじゃ。どちらかといえば、テクノク
ラートの意識がつよいのじゃろう。
そして選挙参謀のグローブ上級顧問は、ひたすらブッシュ再選の見
地から、政策の決定に参画し、世論操作等の策謀をしているようじ
ゃ。権力こそすべてというタイプじゃろう。
二人とも間違いかどうかに関わらず、論理的に、白とすることに精
力ついやすほうじゃね。
ウォルホウッツ・パール・ボルトンあたりが、ちゃきちゃきのネオ
コンで、自分達の政策を遂行するためには、どんな手段も選ばずと
いう、確信犯的な非情な連中じゃな。
上の連中が、それぞれ違う思惑で組んでおるといえるじゃろう。
一致しているのは、<アメリカの一極支配>が、自分達に利益をも
たらすということだろう。
パウエル・アーミテイジというのは、実務派だが、軍人上がりだか
ら、政権への忠誠心が、強く、大統領が一旦決定した事項について
は、推進できる方策を探る。
ブッシュ政権を去った、他の高官が、ブッシュ批判を噴出させるの
とこのへんが対照的じゃな。去った高官等は、ネオコンが自分達の
戦略を遂行するのを無理押しために、押し出されたようじゃね。

さて、この「ニュー・ワールド・オーダー」=アメリカ一極支配
他の国がハイハイと、すぐに、飲めないのは当然じゃろう。
で、軍事力での無理押しという形になる。
この「世界新秩序」なるもの、いかにも机上の空論に満ちておる。
とくに、<人間>や、<他文化><世界の多様な社会><多様な精
神>というのを無視することから組み立てられておる。

戦略の立てられ方はこうである。
世界には秩序が必要だ。(秩序は、システマテックに利益を生む)
秩序とは、ピラミッド型のものが一番安定している。
その秩序を実際の力として、行使できるのは、米国だけである。
米国こそ世界のリーダーであるから、世界は、アメリカに従う必要
がある。そしてその方が幸せになる。(イスラエルも自分の地位が
上位に確定され、安定する。)
世界の最大で実質的な戦略物資は、石油(エネルギー)である。
石油は、金融(ドル)のバックボーンでもある。それをすべてを押
えた者が、軍事的・経済的に世界を支配する。石油は、ペルシャ湾
・カスピ海=中東近辺に遍在する。
石油を一極支配するためには、ペルシャ湾を制しなければならない。

問題は、そこが反米勢力の中心地だということだ。これは、米国の
不安でもあるんじゃ。ならば、軍事力をもって、そこが反抗できな
いまで叩いて、実質占領下に置くことが戦略上優利である。そりゃ
間違いない(そして、それが出来る戦力が今の米国にはある…)

つまり、これは相手を無視した、米国一極支配のための侵略戦争(
彼等には聖戦にみえる。)なのじゃ。アラブ人を人間とすら見てお
らん。だから、問題は解決しないじゃろう。
石油支配を渡せば、それなりの分け前位は払ってもいいというのが
、彼等のメンタリティなのじゃよ。
うまくいかなくなってきた彼等のいう国際協調は、せいぜい「寡占
」でいこうじゃないかという申し出であるようじゃな。それなりの
場所を与えるという空手形をだす場合もあるの。
まあ、日本の場合、別な思惑から(米国と敵対できるわけじゃなし
)、空手形でも我慢して買いますというのが本音じゃろう。
以前の政府は、米国に対しては、面従腹背的な処置を講じてきたん
じゃ。「ご無理ごもっともでございます。ですが、その件に関しま
しては、当方の都合もございました…。別の案もございますので、
よきにお計らいくださいますよう。お願い申し上げます。」てな具
合じゃ。
まあ、同時に米国が日本にフラストレーションを溜め込んできたん
じゃが。今、小泉政権は、米国とかってないほど良好だというの。
そりゃそうじゃろう、アメリカのいいなりだもの。当たり前じゃね。
アメリカの言いなりになることが、当面の日本の利益を確保すると
いえども、世界の中で責任を果たしているとは言えないのじゃよ。
まっ、アメリカ暴風が吹くときは、ひたすら身を低くして受け流せ
というのが、農耕民族の知恵なんじゃろうの。

しかし、ネオコンの主導する 「力」による世界新秩序(ニュー・ワ
ールド・オーダー)=<アメリカの一極支配>は、机上の空論、取
らぬタヌキの皮算用のまま、破綻するじゃろう。
それまで、あまりにつっこんでいって、一蓮托生の選択をするのは
愚かじゃ。

               虚風老 
==============================
『亜空間通信』761号(2004/04/24)
【電網対策本部長訓辞:イラク人質3人と拘束2人の釈放後の態度の雲泥の差を冷静に
検討し背後探れ】
 
 本日、そこらの報道や議論のあまりの混乱に堪りかね、本通信の準備を始めたとこ
ろへ、以下の投稿が出現した。4月8日のイラク人質3人の内の1人だけの女性、「高遠
さんは英雄」とする評価、「同情の声」が、アメリカで「高まる」との主旨である。
 
------------------------------------------------------------
「高遠さんは英雄」 アメリカで同情の声高まる(ANN)
http://www.asyura2.com/0403/war53/msg/867.html
投稿者 ああ、やっぱり 日時 2004 年 4 月 24 日 13:12:04:5/1orr4gevN/c

「高遠さんは英雄」 アメリカで同情の声高まる
http://www.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/index4.html?now=20040424123159

イラクで解放された日本人の人質に対する自己責任論について、アメリカでは、むし
ろ同情を示す形で大きく報じられています。高遠さんに2000ドルの小切手を差し出す
人まで現れました。 

ニューヨークタイムズは23日、一面でこれを報じました。人質の家族に嫌がらせの手
紙が届いたことや、政府・与党から自己責任を問う声が噴出していることを伝えてい
ます。こうした現象の背景には、「お上にたてつくことを罪とする日本人の体質があ
る」と記事は解説しています。日本政府が、もと人質に航空運賃を請求するという報
道を見て、ワシントンの日本大使館に抗議の手紙を送った人もいます。ボストン郊外
に住むジェンキンズさんは、大使あての手紙に「怒りを感じる」と書いたうえで、高
遠さん分の航空運賃として、2000ドル、約22万円の小切手を同封しました。
小切手を送ったジェンキンズさん:「ショックだったし、怒りを感じた。アメリカな
ら英雄扱いなのに」 
多くの兵士、ジャーナリスト、そして民間人を送り込んでいるアメリカとしては、な
ぜ人質に捕られた被害者が責められるのか理解できないというのが本音のようです。
------------------------------------------------------------

 さてさて、私は、「英雄」とまでは言わないが、高遠さんの以前からの活動を概略
を知り、著書があることも知り、一定の評価を与えて、観察してきた。

 そこで、不思議なのは、その「英雄」にもなれる高遠さんが、釈放後の映像でみた
限りでは元気一杯だったのに、なぜ、帰国後、がっくりしているのか、なのである。
他の2人も、似たような状態らしいから、なおさら、不思議である。
 
 3人の人質も、それぞれに条件の違いはあるだろうが、この3人と、その後の2人を、
一緒くたにする報道例を見て、さらに愕然。以下の投稿をした。
 
------------------------------------------------------------
いくら子供でも5人を一緒にしちゃ駄目、後の2人は人質じゃないよ
http://www.asyura2.com/0403/war53/msg/856.html
投稿者 木村愛二 日時 2004 年 4 月 24 日 11:01:48:CjMHiEP28ibKM
(回答先: 毎日中学生新聞 投稿者 中学生 日時 2004 年 4 月 24 日 08:21:48)

いくら子供相手の新聞でも、5人を一緒にしちゃ駄目、後の2人は人質じゃないよ。
 何も要求されていないのである。
 こういうのを、味噌も糞も一緒くた、にするというのである。こういう調子だから、
およそのメディア業者は、ホロコーストの嘘も鵜呑みにして、シャロンの手先を勤め
てしまうのである。
 おい、毎日新聞の子供記者、耳をかっぽじって聞けよ!

 出題:味噌と糞の共通点と相違点を挙げよ。
 正解できない者は、今後、言論を商売にするな!
 ------------------------------------------------------------
 
 上記の「毎日中学生新聞」記事の該当箇所は以下である。
 
------------------------------------------------------------
イラク人武装勢力の人質になっていた邦人(ほうじん)5人が、17日までに相次い
で解放された。イラクに駐留(ちゅうりゅう)する自衛隊の撤退(てったい)か、人
質の殺害かを迫(せま)られた前代未聞(みもん)の事件は、武装勢力がイスラム教
聖職者団体の解放要求に応(こた)える形で一応決着した。
------------------------------------------------------------

 2番目の事件の拘束2人は、釈放後、イラクでの活動を続ける意志を表明し、胸を張っ
ている。人質3人の態度とは雲泥の差である。しかも、3人の方の家族は、釈放以前か
ら突如、政府批判をまったく口にしなくなった。謝罪ばかりしている。

「自作自演説」も出ているが、3人の方は、それを否定したり、怒ったりしていない。
これも不思議である。何らかの理由があると思わざるを得ない状況である。

 私は、あの3人だけで自作自演ができたとは思わない。背後関係を疑うのである。
その背後関係は、CIAやモサドであっても不思議ではない。

 これらの現象的な違いを、あらゆる角度から冷静に検討し、背後探れと、有志の諸
氏に求める。
 
 以上。
木村愛二:国際電網空間総合雑誌『憎まれ愚痴』編集長
==============================
『亜空間通信』759号(2004/04/22)
【日本平和売人の低水準をイラク3人質事件自己責任論パウエル発言の曲解報道の幼
稚度に限り論評】
 
 いやはや、またもや、大手メディアの典型を、朝日と産経に取れば、いわゆる自己
責任論とやらに関して、いわゆる左右の痴話喧嘩、相手の言葉の揚げ足取り、読者層
を意識した商売、商売、商売繁盛、真っ盛りで、イラク3人質事件の本質的な議論が、
どこかに吹っ飛んでしまった。
 
 大手メディアを巡る日本の自称平和主義者、わが呼称の日本平和売人の低水準も、
遺憾なく発揮されている。
 
 私は、本日(2004/04/22)早朝、というよりは昨晩遅く、真夜中に、以下の文章を綴
り、阿修羅戦争53掲示板に投稿した。以下の再録では、急ぎの打ち間違えを、「モダ
ドはモサドの誤記」として訂正を追記したので、その部分は直してある。

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自己責任論の左翼小児病的議論に水を差す憎まれ役は私しかいない
http://www.asyura2.com/0403/war53/msg/574.html
投稿者 木村愛二 日時 2004 年 4 月 22 日 01:16:49:CjMHiEP28ibKM

 いわゆる自己責任論の左翼小児病的議論に、水を差す憎まれ役の大人は、私しかい
ないのかな。

 婦女暴行逮捕歴の小泉とか、2世、3世の不潔な薄汚い自民党のチビボスが言うか
ら、腹は立つが、人間、もとい、裸の猿の社会の掟は不変、普遍的である。
 
私は、登山もするし、ヴェトナム、カンプチア、その他、ホロコーストの嘘取材で、
モダドに殺されると脅されても、アウシュヴィッツにも、アメリカにも行った。

 必ず生命保険を目一杯掛けて、家族に金銭的な迷惑だけは掛けないように、覚悟し
て行った。

 その心掛けがない連中が、非難されても、いささかも同情しない。そげな低級な連
中が、平和云々したって、何の力にもならんのである。
------------------------------------------------------------

いわゆる自己責任論に関しては、朝日と産経の痴話喧嘩を放置する。しかし、これが、
国際的な報道にも関係し、その原因が誤解、または誤訳、厳しく言えば曲訳にあると
なると、これは正確に論じて置かないと、あとあとまでも祟るので、一応、簡略に問
題点を記す。

 私は、この件でも、以下の投稿をした。

------------------------------------------------------------
いかにも中道右派の言論詐欺、ルモンドらしい記事
http://www.asyura2.com/0403/war53/msg/312.html
投稿者 木村愛二 日時 2004 年 4 月 20 日 08:06:17:CjMHiEP28ibKM
(回答先: Re: 拙約でよろしければ 投稿者 らんまん 日時 2004 年 4 月 20 日
07:08:43)

 私は、直ちに仏文のまま印刷して置いたが、「リスクを背負うものが誰一人もいな
ければ前進はありえない」とパウエルが言ったのは、むしろ、最後の兵士、軍人、自
衛隊員のことだっったのである。

 TBSのエースとしとこうか、金平の質問は、見事に、官僚答弁、外交辞令に取り込
まれてしまったのである。

 それが抜けたところは、いかにも中道右派の言論詐欺、ルモンドらしい記事なので
ある。

 こんな記事で一喜一憂している日本の左翼のド阿呆どもは、同じルモンドが、拙訳
『偽イスラエルn政治神話』の原著者、アラブでは英雄視されているロジェ・ガロディ
を言論界から締め出していることなどは、まったく無視している。

 こういう低脳の水準では、婦女暴行逮捕歴首相になめれれるのも当然である。
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さらに、「TBSのエース」の件に遡ると、この件でも、以下の投稿をした。

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パウエル外交辞令は自衛隊撤退拒否にあり誤解させるTBS報道阿呆
http://www.asyura2.com/0403/war52/msg/987.html
投稿者 木村愛二 日時 2004 年 4 月 17 日 13:21:54:CjMHiEP28ibKM
(回答先: 「3人を誇りに思うべき」 空耳板 投稿者 タメ息 日時 2004 年 4 月 17
日 13:05:28)

 パウエルの外交辞令の本音は、自衛隊撤退拒否の評価にあり。

 誤解させる主旨のTBS報道は、ド阿呆である。

 実に巧妙に、イラク派兵反対の間抜けな日本の自称平和主義者までを取り込み、自
衛隊の撤退拒否と銭むしりの材料にしたと、厳しく批判すべきところなのである。

 TBSも典型的な「偽の友」なのである。
 ------------------------------------------------------------

 パウエルの方が、小泉婦女暴行逮捕歴首相よりも、さらにはその首相の婦女暴行逮
捕歴の経歴詐称の正体を暴くのを恐れる腰抜けの日本の自称平和主義者よりも、ずと
ずっと上手(うわて)だと言うことなのである。

 以下、問題のパウエル発言と、私が阿呆と批判したTBSの報道振りの問題点を、簡
略に述べる。

 最初に、英語で記事になっているTBSのワシントン駐在記者、金平茂紀(かねひら・
しげのり)のこの件に関する質問と、それに対するパウエルのコメントを示す。
 
 金平は、自分の質問に答えたパウエルのコメントの内の以下の部分を抜かして、自
分の質問とくっつけた形で、いかにも「偽の友」代表のTBSに都合の良い報道をした
のである。

 以下のパウエルのコメントの内の「日本人は、云々すべきである」「Japanese
people should be」は、確かに、「喜んでするこのような市民を持つこと」、「that
they have citizens like this willing to do」につながってはいるが、以下の拙訳、
「危険を喜んで身に引き受ける軍人をイラクに派遣していることをも大いに誇りに思
うべきである」、「very proud of the soldiers that you are sending to Iraq
that they are willing to take that risk.」にもつながっており、それこそが、老
練な外交官、元軍人としてのパウエルの真意だったのである。

------------------------------------------------------------
MR. KANEHIRA: In the history of the modern nation, it is said every
government has an obligation to protect their own citizens. Some people in
Japan are saying that those who are kidnapped are willing to take risk and
they were expected to assume the responsibility for their own act. What is
your comment?

SECRETARY POWELL: Well, everybody should understand the risk they are taking
by going into dangerous areas. But if nobody was willing to take a risk,
then we would never move forward. We would never move our world forward.

And so I'm pleased that these Japanese citizens were willing to put
themselves at risk for a greater good, for a better purpose. And the
Japanese people should be very proud that they have citizens like this
willing to do that, and very proud of the soldiers that you are sending to
Iraq that they are willing to take that risk.

But even when, because of that risk, they get captured, it doesn't mean we
can say, "Well, you took the risk. It's your fault." No, we still have an
obligation to do everything we can to recover them safely and we have an
obligation to be deeply concerned about them. They are our friends. They are
our neighbors. They are our fellow citizens.
------------------------------------------------------------

 以上の「軍人」「soldiers」に関するパウエルのコメントを、しっかりと念頭に置
いて、以下のような、金平茂紀の日記を読んで頂きたい。

------------------------------------------------------------
http://www.smn.co.jp/kanehira/
Updated:April 17, 2004

テレビ報道の世界に入ってもう28年目になった。この仕事の現場にいて、つくづく感
じることのひとつは、テレビというメディアの途轍もない影響力の増大と、それと反
比例するかのような、中身の劣化・幼稚化だ。それは日本だけのことではない。メディ
アの劣化。その国のメディアの品質は、その国の国民のレベルを最も端的にあらわす
指標だ。ダメなテレビはダメな国民のありようを映し出している。そして、もちろん
情報の送り手たちのダメさも。送り手側が、その劣化に抗するには何ができるだろう。
愚直なようだが、テレビというメディアを、「現場」にいながら<自己検証>してい
く作業が肝要だと思っている。この「現場」にいながら、という点が、とてもとても
大事なのだ。企業としてのメディアの中で「現場」にこだわる人間は、今や絶滅危惧
種のように減り続けている。視聴者や第三者によるテレビ評論の類いは、大部分が、
クズをクズと罵る同類のたぐいで、テレビに(さらに視聴者にも)何ものももたらし
はしないだろう。
 さて、今の僕の取材「現場」は、たまたま、アメリカ・ワシントンのホワイトハウ
スから徒歩5分の場所を起点にしている。ここに記しているのは、そこでの、日誌、
雑記、雑録だ。これらの記述が<自己検証>にどれだけ資するかは全く未知数だが、
やれることから始めようと思う。正直言って、僕は、インターネット空間での情報流
通自体にも、大いに疑問を持っているような旧世代の人間だ。にもかかわらず、人の
薦めもあって、2000年あたりから、情報を送り出す側の「日誌」的な情報を発信して
きた。すると、さいわいなことに、そのことから非常にプラスの効果を得られた(よ
うに思う)。この個人マガジンも、これまでの試みの延長だと思っている。乞ご意見、
ご助言。

金平茂紀(かねひら・しげのり)/在米テレビ記者/直通メールアドレス
→kanehira@smn.co.jp


04月15日(木)[パウエル長官のある種の雰囲気にたじろぐ]

いくつかの偶然が重なって、今日、パウエル国務長官の単独インタビューがとれるこ
とになった。その日に、何というか質問の主題に関して大きな動きがあった。イラク
の日本人人質事件の3人が解放されたのだ。イスラム聖職者協会に1本の電話が入り
「今日釈放する」と通告されたという。その後の事態の推移の早いこと。アルジャジー
ラで解放された3人の映像が流れ、あれよあれよの急展開。その情報を整理する間も
なく、国務省でいつのまにかパウエル長官の前にいた。何しろ時間制限がきびしく、
せいぜい4〜5問の質問時間しか許されていない。秒刻みのスケジュールと言われる人
物である。まいった。それとパウエル氏の醸し出しているある種の雰囲気を前にして、
緊張のあまり、2番目の質問を失念してしまった。何とか立て直して質問を続けたが
冷や汗もの。面白かったのは、パウエル氏が人質になった市民(Japanese citizens
who were willing to put themselves at risk for a greater good,for a better
purpose)を日本人は誇りにこそ思うべきであり、決してとがめてはならない、と言
い切ったことだ。日本に蔓延している「軽率」「自己責任をわきまえろ」論との何た
る隔たりか。インタビューまでの待ち時間に、一緒に国務省の控え室で待っていたカ
ナダのテレビ局のボスやイタリアのテレビ局の人と話したが、もし政府の人間が、公
の席で人質になって困難な状況にある自国民を非難するような発言をしたならば、そ
の人物は職位を解かれるだろう、と言っていた。国情の違いか。今も、CNNのラリー
キング・ライブに米民間人人質の家族が生出演して、視聴者に心情を切々と訴えてい
る。2人の不明邦人の消息の方が気がかりである。というのは、ある種の政治的な主
張をもったグループに連れ去られたのならば、今回のように解決の糸口もあり得るが、
強盗・追いはぎ・ものとりの類ならば、とても危ないからだ。時間が過ぎる。
------------------------------------------------------------

 以上のどこかに、「軍人」に関する記述があるだろうか。私は、念には念を入れて、
何度も読み直したが、その片鱗もないのである。これは、重大な曲訳なのである。

 このままでは、ほんに間抜けな自称平和主義者の日本人は、もしかすると次期米大
統領になるかもしれないパウエルに、すっかり惚れ込んでしまって、親米主義、拝米
主義に転向してしまうかもしれないのである。だからこそ、私は、無知蒙昧な烏合の
衆に嫌われるのは、いささかも恐れずに、憎まれ愚痴を叩くのである。

 以上。
木村愛二:国際電網空間総合雑誌『憎まれ愚痴』編集長


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