1599.イラク戦争の今後



スンニ派のファルージャの戦いとシーア派のサドル師が立ち上がっ
たことにより、イラク戦争は大きくその様相を変えた。この検討。
                  Fより

米国の戦闘会社社員4名がファルージャで殺されて、かつ引き回わ
された事を見て、米国は懲罰のためにファルージャの成人男性を皆
殺しするためにファルージャを包囲した。しかし、この行為と同時
に、とうとうサドル師が反米で立ち上がり、イラクのスンニ派三角
地帯に戦闘が閉じていたのが、それ以外のシーア派の中南部も戦闘
地域になってしまった。

そして、シーア派の戦闘組織にはビスボラのメンバーがいるために
外国の民間人を拉致し始めた。これはレバノンでビスボラがやって
いたことである。ビスボラは中東で唯一イスラエル軍に勝利した軍
組織である。米軍の行動の裏にはイスラエルのアドバイスがあるこ
とが知られているが、この行動に対抗するのがレバノンでのビスボ
ラが実施したイスラエル対抗処置である。

このビスボラに指導されたシーア派が立ち上がったために、米軍だ
けでは統制できなくなっているが、米英軍以外は、戦闘に参加する
はずがない。韓国軍、イタリア軍は基地から出ない処置をしている。
それより、スペイン・ポーランド・ニュージランド・ウクライナな
どは、6月以降は撤退すると言っている。

米国はイラク国軍を創設したが、ファルージャで米軍が行う民衆虐
殺に参戦を拒否して、脱走兵が20%以上いるとのこと。この脱走
兵はファルージャの民衆サイドに駆けつけて米軍と戦うようだ。
このようにイラク軍も米国の役には立たない。

このため、このシーア派のビスボラに影響力があるイランに仲介を
米国は頼んだが、イランと関係あるサドル師とビスボラでもその仲
介を拒否せざるを得ない。米国の条件が武装解除であるために、受
け入れられない。

このため、米軍を増強する必要が出てきている。2万人の増強をす
ると言っているが、他国が撤退するとその穴埋めも必要になる。
このため、他国軍をイラクに留めていくために、国連主導にイラク
暫定政権が統治するとブッシュとブレアは言い始めた。しかし、時
すでに遅し。イラクの混乱を見て、かつ米軍の残虐行動でゲリラ戦
になると見て、他国軍は戦場から離脱する方向になっている。

誰もそのような国連を使うマヤカシに誤魔化されない。このため、
イスラエル軍を米国は使うしかない。このため軍参加の条件である
イスラエルのヨルダン河西岸の入植地を認める条件を飲んでいる。
しかし、イラクに直接イスラエル軍を派遣すると、アラブ諸国が反
発するため、一度イスラエル軍人をユダヤ人の個人として米軍に参
加させるような方法で、対応するような気がする。この逆を第4次
中東戦争時に実施して、イスラエル軍に米軍のパイロットを戦争に
参加させて、形勢を逆転させたことがある。

暗黙の米・イ連合軍を結成するようだ。米軍はイラク統治では20
万人以上必要と言った日系人のシンセキ前陸軍参謀長の予測が当た
っている。このシンセキさんを退役させたラムズフェルド国防長官
は、イラク戦争で米国を不利にした責任を取るべきであるが、ネオ
コンたちの意見でそうしたために、責任を問えない。

イラク全土でゲリラ戦になると、英米軍以外は引き上げるべきであ
る。この2ケ国で、ありもしない大量破壊兵器があるとして戦争を
始めたためにイラクが不安定になったのであるから、その責任を取
るべきである。侵略するべき理由もなしに小国を崩壊させ、かつ民
生の安定を崩壊させた責任が米国・英国にはある。

イラク国民の自由を確保すると言って、イラク成人男性を皆殺しす
るのであるから、戦争の大儀も完全に無くなっている。現時点でフ
ァルージャでは罪の無い子供や女性を含めて600人以上が米軍に
殺されている。死体は市内のサッカー場に集められているという。
テロと民衆の区別が着かないためであるが、とうとう米軍をイラク
の敵とイラク民衆は認識したようだ。

シーア派とも戦争になり、米国の拠って立つ基盤が少数のクルド人
以外にイラクにないことになる。これでは点と線しか確保できなく
、ベトナム戦争より悲惨なことになる。ベトナムでは40万人の軍
を派遣できたが、このイラクには15万人しか送れない。これでは
民間に委託できる治安の安定がないと、補給線の確保ができない。
そして、補給が無く戦死者が多数出ると、ブッシュは10月の大統
領選挙に勝てない。

究極は米軍自体が撤退である。これをすると内戦になるが、それも
仕方が無いかもしれない。イラクはイラクの国民に任せた方がいい。
ベトナム戦争時のソンミ虐殺と同様なファルージャ虐殺が起きて、
もうイラク民主化が幻想であることが、イラク民衆に知れ渡ってい
る。イラク民衆の蜂起が全土で起きるために、米国の敗戦が確定的
になった。

人質が解放されるまでは撤退と言えなかったが、解放されたので、
状況を見て日本の自衛隊も撤退するべきであろう。戦闘が頻発して
いる間は、基地以外の活動は中止して、そっとしている方がいい。
復興支援で行っているのであり、戦闘に参加するためではない。

ハルマゲドンの米英イ連合軍敗戦という次の幕が切って落とされた
。混乱の中東。どんどん終局に近づいていく。
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イラクで国連警護の多国籍部隊編成へ・米大使表明(nikkei)

 【ニューヨーク16日共同】ネグロポンテ米国連大使は16日、国連
安全保障理事会の公開協議でイラク情勢について報告し、6月末の主
権移譲後にイラクで活動する国連要員の安全を守るために、多国籍
からなる警護専門の特別部隊を新たに編成するとの米国の意向を表
明した。 

 ブッシュ米大統領は16日、ワシントンでブレア英首相と会談し、
イラクでの国連関与を今後拡大させていく方針で一致したが、国連
は外国人人質事件や反米勢力との武力衝突などイラクの不安定化を
懸念している。 

 このため、安全面で具体的な支援策を示し、イラク復興への本格
的な取り組みを促す狙いだ。新部隊の編成については、近く安保理
で採択される可能性が高い新決議に盛り込まれる見通し。 

 大使によると、この部隊は米軍主導の多国籍軍の指揮下には入る
が、イラク国内の治安警備に当たる他の部隊とは別個に活動。米国
が中心となり各国に部隊への参加を呼びかけるという。 (07:38) 
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イラク暫定政権づくり、国連主導に方針転換 米政府 (ASAHI)

 米政府は16日、6月末の主権移譲後のイラク暫定政権づくりに
あたり、米政府が人選した現在のイラク統治評議会は解散し、政権
の主要な顔ぶれについては国連が改めて任命するという国連側の提
案を受け入れることを表明した。イラク入りしている国連のブラヒ
ミ事務総長特別顧問がまとめて提案した。統治評議会の拡大を軸と
する、これまでの米政府の方針を大きく転換するものだ。 

 ブッシュ大統領は16日午前(日本時間同日深夜)、ホワイトハ
ウスでブレア英首相と会談した。終了後の共同記者会見で大統領は
、「ブラヒミ提案を歓迎する」と述べ、国連が暫定占領当局(CP
A)と協力して「イラク国民に広く受け入れられる」暫定政権の指
導者を人選することを受け入れる考えを明らかにした。 

 両首脳は、新たな国連安保理決議の採択を目指す方針で一致。
それに加えて、6月30日期限の主権移譲の実施▽CPAの解体▽
主権移譲後も米軍などの駐留の継続▽05年1月の選挙実施−−な
どの方針を改めて確認した。 

 米軍を攻撃している武装勢力についてブッシュ大統領は「過激派
(の試み)は、失敗に終わる」と述べ、制圧する方針を改めて強調
した。 

 こうした方針転換の背景には、イラク駐留軍と武装勢力との衝突
が全土に広がり、外国人を対象とする人質事件も相次ぐなど治安が
極めて悪化していることがある。国連が前面に出て暫定政権づくり
を進めない限り、事態の沈静化と主権移譲プロセスの進展は難しい
と判断したとみられる。ただ、治安状況が改善しないなかで国連が
どこまで役割を果たせるか、米英と協力した形での国連の役割をイ
ラク国民が支持するかどうかは、不透明だ。 (04/17 02:21) 
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入植地存続を容認 米、中東政策を転換

 【ワシントン14日共同】ブッシュ米大統領は14日、イスラエ
ルのシャロン首相と会談後、国境線画定などイスラエルとパレスチ
ナの最終的地位交渉では、ヨルダン川西岸に「イスラエル人口の集
中した新たな地域が存在する現実」を考慮すべきだと強調、一部入
植地の存続を事実上容認する姿勢を示した。
 米歴代政権は国境線画定などは当事者間の交渉に委ねるとの立場
だった。イスラエルによる西岸の併合に道を開く今回の大統領の意
思表示は、米国の従来の中東政策からの大きな転換と言える。
 パレスチナ側は「ブッシュは入植地を正当化した最初の米大統領
だ。受け入れられない」(クレイ自治政府首相)と激しく反発して
おり、和平の行方はいっそう不透明となった。
 ブッシュ大統領は、首相が提唱するガザ地区や一部西岸からの「
一方的撤退」を「歴史的で勇気ある行動」と評価。パレスチナ難民
の帰還問題ではイスラエル領内への帰還に否定的な見解を初めて明
確にした上で、西岸での分離フェンス建設も最終交渉に影響しない
との認識を表明、首相の主張をほぼ全面的に受け入れた。
(共同通信)[4月15日12時26分更新]
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各国NGO、イラクから次々と退避 (ASAHI)

 イラク国内の戦況や治安の悪化を受け、日本国際ボランティアセ
ンター(JVC、熊岡路矢代表)は15日、バグダッドに駐在させ
ていた日本人スタッフを隣国のヨルダン・アンマンに一時退避させ
ることを決めた。紛争地や災害地に医師・看護師を派遣しているフ
ランスの「メドゥサン・デュ・モンド」(世界の医療団)も同日ま
でに、イラクに派遣していたスペインとフランスの支援チームが国
外に退去、残るギリシャチームの医師も近く退去する。人道支援に
取り組むNGO(非政府組織)が次々とイラクから離れつつある。 

 一時退避するJVCスタッフは、今月5日にイラク入りし、現地
活動を再開したばかりの原文次郎さん(40)。JVCはイラクで
二つの子ども病院への医薬品や医療器材の供給を続けてきた。17
日からは、ファルージャからの避難民家族1230世帯に米などの
食糧1週間分を配布する予定だったが、これらの事業は現地人スタ
ッフや独仏のNGOの協力で予定通り続けていくという。 

 このため、東京から新たに佐藤真紀さん(42)を派遣して原さ
んと合流させ、後方支援態勢を強化する。熊岡代表は「今月初めか
らのファルージャ周辺などでの戦闘の拡大などで安全確保のための
検討を始めた」と説明。相次ぐ日本人の誘拐など治安の悪化も決断
を加速させたという。 

 メドゥサン・デュ・モンド日本支部は「人道援助が理解されず非
常に残念だ」と話している。 
(04/16 00:25) 
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サドル師が姿現す 礼拝で米軍のナジャフ進攻牽制 (ASAHI)
 
 AFP通信によると、イラクのイスラム教シーア派強硬派指導者
ムクタダ・サドル師は16日、中部クーファのモスクで行われた金
曜礼拝で、「占領軍の(シーア派聖地の)ナジャフ進攻を絶対に許
してはならない」と訴えた。ナジャフでシーア派強硬派と占領軍と
の大規模な衝突が起きた4日以降、同師が公の場に姿を現したのは
初めて。 

 同師は、クーファから約5キロ離れたナジャフに立てこもってい
ると伝えられていた。16日の礼拝後は再びナジャフに戻った可能
性がある。 

 米軍は約2500人の兵力をナジャフ周辺に集め、シーア派強硬
派との間で緊張が高まっている。同派最高権威のシスターニ師も
16日、ナジャフやカルバラへの米軍進攻に対し、「強硬な反撃が
あるだろう」と牽制(けんせい)した。 (04/17 11:17) 


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