1550.日本外交の方向



日本外交をどうすればいいのであろうか??  Fより

ロシアや欧州、米国、中国などの関係が揺れ動いている。このよう
な国際情勢時に、日本はどのような外交をすればいいのであろうか
考察したいと思う。

緒方さんがいるため、日本外交は今かつてないくらい視野を広げた
外交が出来るようである。世界のトップ層と緒方さんが交渉できる
ために、裏の外務大臣を抱えているような状況になっている。

このような恵まれた外交環境にある今、日本はどういう外交を展開
するのがいいのであろうか??

アザデガン油田の開発をイランとの交渉で手に入れたが、シェルが
日本との共同開発に参加しないと表明して、仏トタルに共同開発を
持ち込んでいる。しかし、採算の目処が立たないようである。この
ことからも日本は資源獲得はあまり得意ではないですね。

今回のイラクの水道支援も日本の自衛隊が作った後の事業は、欧州
の水道会社がするしかないようで、日本の会社は受託できない。
日本には水道事業自体が全て公共事業であるため、他国の水道事業
を運営できる会社を持っていない。復興支援の後の事業設計を間違
えている。

植民地支配をしていない日本は他国の水道事業を民間会社が請負う
体制が確立していない。そして同様に、米国も水道事業を請負う会
社は持っていないようだ。米国も帝国主義的な植民地を持った経験
が無いために、イラク実効支配もできなくて欧州に支配の支援を依
頼している。植民地支配をする帝国主義を米国もできないようだ。
英国学者からはチャントまじめに帝国主義をしろと米国にクレーム
がついている。

このようにイラクに水道を作るのは日本で、儲けは欧州というよう
なことになる。他国の統治や事業を行うにも準備が必要で、日本が
他国を占領して支配した経験が、戦後無かったために、準備ができ
ていない。資源獲得でも日本は準備不足である。日本には油田の掘
削機械の会社や掘削会社がないために油田開発でも資金の提供しか
出来ない。このように軍事的な活動の裏にビジネスがあると思うこ
とである。

日本は自動車や工作機械やAVなどの製品を開発製造して、世界か
ら資金を得ている。この日本が資源外交や他国支配をしても、過去
の経験が無いために、失敗する可能性が大きい。

資源確保の中心がエネルギーであるが、このエネルギーも日本は技
術力でカバーする方がいい。太陽電池や風力発電などで、このよう
な技術力でカバーをする限り、地政学リスクを受けない。油田を得
ようとすると他国と領土獲得の競争になり、最悪は戦争になること
がある。このようなことは欧米やロシア、中国に任せて、日本は秀
でた技術力で国際的な製品を作り、全世界を市場にする方がいい。

日本が資源獲得や他国支配のための国際的な競争に巻き込まれるの
は得策ではないように感じる。イラク復興といっても、その裏には
欧州と米国の駆け引きがあり、そこにはビジネスが動いている。
しかし、日本はそのようなビジネスチャンスがなくて、多くを欧州
や米国に取られているだけである。ひも付きのODAを欧州や米国
は非難するが、ひも付きではないODAのほとんどを欧米企業が受
注している。そういうものなのです。このように欧米露は帝国主義
的な資本主義、市場主義なのです。

日本のODAでも日本サイドの準備が必要で、NGOなどの人的な
支援にシフトして、日本化する必要がある。それと日本は資源外交
の柱を資源開発から、資源の安定供給確保にシフトしていく必要が
あるように感じる。

アザデガン油田も石油公団が開発を行うのでしょうが、採算性が悪
いと、今までの石油公団を同じで膨大な不債を抱えることになる。
これが日本のガンである。採算性を意識しない官僚機構が事業をす
るために、問題を起こすことになる。

日本は基本的に日米同盟を基軸にして、その上で八方美人外交でい
いように感じる。資源を得ようと無理して敵を作ることは無い。
勿論、北朝鮮のように日本国民を拉致した国家が問題を解決しない
でいる時には応分の制裁を与えるべきと思うが、中国やロシアと問
題を起こす必要は無い。

日本の使命は、日本の援助で世界を助けることである。支援による
地域社会の安定や経済発展を促すことである。地域経済が安定すれ
ば、日本の商品を買ってくれるはずである。ここに日本らしさがあ
ると思う。本当に相手の経済成長を願うODAはあまりない。欧米
は資源を得るためのODAであるために、相手国を略奪経済化する
結果になっている。

日本を支えているのはトヨタなどの国際企業の活躍であるから、そ
の国際企業を助けるのが日本外交の中心的なテーマのはずで、トヨ
タは中国でもロシアでもビジネスをしているために、外交的に不味
い状態することは一番いけないことである。その日本企業の商品を
相手国家が買えるように経済を成長させることが重要なのです。
このいい例が中国でしょうね。日本の企業が復活したのは、中国へ
の輸出が急上昇したことによっている。

もう1つ、日本が八方美人外交ができる状況になっている。国際情
勢も敵・味方が分からない状態になっている。米国とすべての国が
味方のような状態だ。ロシアや中国も米国とは敵の関係ではない。
このような情勢では、日本は資源も値段変動問題であるため、長期
安定的な供給をお願いする契約をロシアや仏トタルやインドネシア
と結ぶことが必要ですね。

日本は米国を見過ぎているために、日本の利益を損なっている場合
がある。米国は中央アジアに進出して、カスピ海の石油を狙ってい
ることが分かる。この目的でグルシアも親米勢力下にしている。
ソロスの動きも、どうもカスピ海油田の開発に焦点を当てている。

このようなことを読むと、ロシアは米国とケンカはできないが、石
油資源の争奪を繰り広げる可能性が高い。このためロシアのプーチ
ンはロシアの石油会社を米国に買収をされないように、ユコスを防
衛したように思う。

ここで日本がロシアと石油供給契約を結べば、このケンカによる思
わぬ利益を日本は享受できる可能性がある。ユコスの石油を米国に
輸出しているが、その販路がなくなると、意外と安く日本に供給し
て貰える可能性があると思う。このように世界情勢を読んで手を打
つ必要があるのです。

日本の政治家は国内問題というより、自選挙区民の問題が大きくて、
国際問題に意識を割く事が出来ないようだ。このため、間違えた対
応をしているように感じる時がある。外交は貴族などの暇人が長期
に世界を見ている必要があり、日本の政治家ができる分けがない。
また、割と暇な大学教授がするべきであるが、この教授があまり現
在の世界情勢を調べていない。どうしようもない状況になっている。

このために、経済界が外交を提案して、外務大臣には世界で活躍す
る日本人や世界企業の日本人を据えた方がいいように感じる。トヨ
タの奥田さんのほうが、世界のトップ層と付き合っているはずで、
世界の情勢を知っている。このように日本の外交を考えると、議員
出身の大臣より経済界の人を大臣にする方が日本の利益になると思
う。勿論、緒方さんが大臣としては一番、日本の利益になるように
感じるが。


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