1549.プーチン独裁のロシアへ



プーチンがとうとう権力を全て奪取した。この影響を検討しよう。
                Fより

ユコス社長のホドロコフスキーを昨年10月25日に、横領・脱税等7つ
の容疑で逮捕した。このホドロコフスキーは、プーチン政権の閣僚
たちを買収していた。このためカシヤノフ首相は反プーチンと見ら
れていた。

この反プーチンの閣僚を辞めさせるために、全閣僚を電撃解任した。
ロシアの大統領選挙が始まっている。日系のハカマダさんも候補者
の1人であるが、ほとんどプーチンが当選するであろう。この選挙
を戦う上にも、ソ連崩壊時にぼろ儲けして、国民に評判の悪い新興
財閥の勢力を駆逐し、国民の支持を強固にしたようである。

しかし、プーチンはロシアの放送局の全てを国営化し、かつ検察当
局は元KGBや内務官僚であるためにプーチン派である。プーチン
の息が掛からないのが経済官僚であるが、そこも元KGBや元ペテ
ルブルグ市の官僚たちで構成するプーチン派がとって変わるでしょ
うね。

エリチィンから権力を委譲されてから4年でプーチンの独裁体制が
確立した。プーチンは今後、どこに行くのであろうか??
プーチン自体は愛国主義者であり、ロシアの再興を目指している。
ロシアの市場主義が極端に振れたので、その戻しをまずやるはずで
、このときにKGB人脈が大いに役立つでしょうね。これに対して
米国はクレームを付けるが、聞かないと思う。

中央アジアと元ワルシャワ条約国である東欧に米軍が駐留して、ロ
シアは軍事的には米国の足元にも及ばない。ロシアは現時点、米国
に楯突くことはできないし、反米国家を支援することもできない。
米国の対テロ戦争にロシアも賛成している。兵器を反米国家に供給
しているが、それも崩されている。

対米国に対してロシアは核兵器しか防衛手段が無い状態になってい
る。米国との戦争をロシアから起こすことは無いが、米国・イスラ
エルが通常戦争を仕掛けても、ロシアは核戦争にすると言っている。
ハルマゲドンの最後に核戦争が起きると預言書は言っているが、そ
の可能性があるということになる。

ロシアは世界一の石油産出国になっている。この石油企業であるユ
コス社は、米国との関係が強かった。このため、ホドロコフスキー
逮捕時にパウエルはロシアのプーチンに民主主義を崩壊していると
非難した。しかし、プーチンはその後もどんどん民主独裁化の方向
になっている。

石油産出国2位のサウジとも友好関係を築き、石油を戦略商品とし
ていくようである。このためにも米国に石油会社を買収されないよ
うに手を打ったようにも感じる。

ロシアは欧州との関係も模索している。ロシア自体はEUに加盟し
たいがEUサイドや東欧は、昔のソ連の面影があるロシアに警戒感
を持っている。特にロシアの経済上の潜在的な実力は大きい。石油
資源、金資源、その他の資源を大量に持っているロシアが立ち上が
ると仏独の経済を仰臥する可能性もある。そして、今でも欧州は、
石油をロシアに依存している。

ロシアは日本や欧州の資金を得て、地下資源の開発をしたいはず。
日露関係は、北方領土返還があるために上手く行っていないが、本
来的には相互補完的になっている。日本はロシアからの石油や金が
ほしいし、ロシアは資金が必要である。

ロシアは、EU、日本と協力してシベリア開発を指向するでしょう
が、中国には警戒感を持ってみているようですね。この意味でも日
本とロシアは組みやすい。そしてプーチンも親日的である。しかし
、EUは中国市場が欲しいために中国に靡いている。
インドと中国、ロシアは米国の外様として連合を今は組んでいるが
、米国幕府が崩壊する時点で欧州や日本とどう組んでいくかを問題
になっている。

米国崩壊をしないように一国主義から欧州との関係を見直している
ため、ロシアの出番はまだないが、米国の一国主義がそのままであ
れば、ロシアと欧州連合の目が出てくるので、ロシアにとっては残
念であったろう。このため、今後どうなるかは米国次第だ。
中東の石油支配を米国は志向しているが、ロシアの石油は米国支配
を受けない方向にプーチンは持って行き、資源外交ではロシアが主
導権を持っていたいのであろう。

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ロシア大統領、全閣僚を電撃解任(nikkei)

 【モスクワ=栢俊彦】プーチン・ロシア大統領は24日午後、予定
外のテレビ演説で、カシヤノフ首相をはじめとする全閣僚の解任を
電撃的に発表した。旧エリツィン大統領の側近グループを排除する
ことで自らの権力基盤を一段と強化するとともに、3月14日の大統領
選を待たずに2期目の国家運営に向けた強い意志を国内外に示す。

 同大統領は首相代行にフリステンコ副首相を任命。憲法の規定に
従って二週間以内に新たな首相候補を指名し、下院の承認を求める
。その他の閣僚は新首相が閣僚名簿を作成するまで任務にとどまる。

 プーチン大統領は内閣総辞職の理由を「大統領選後の政策に関す
る方針を明確に示すため」とし、自前の内閣を組織する狙いを明ら
かにした。 (01:36) 
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EU、拡大めぐりロシアと対立(nikkei)

【ブリュッセル=刀祢館久雄】5月に予定する欧州連合(EU)の東
方拡大を巡り、EUとロシアが対立している。中・東欧諸国との貿
易関係が従来より不利になると懸念するロシアが、EU拡大に伴う
新たな協力協定への署名を拒否しているためだ。EUは23日に開い
た外相理事会で対応を協議。ロシアに改めて受け入れを迫る構えだ
が、打開のめどは立っていない。

EUはロシアと1997年に政治・経済・通商関係を包括する「パート
ナーシップと協力協定」を発効させている。5月に中・東欧などの10
カ国が加盟するのを受け、新たな文書に署名するようロシアに求め
ている。外相理で改めて無条件の受諾を呼び掛ける方針だ。ロシア
は新規加盟国にEUの基準が適用されることで、関税率が上昇した
り、安全基準が厳しくなったりしてロシア製品の輸出が阻まれると
批判。EU側にリストを突き付けて対応を要求している。 (20:23) 


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