1536.欧州の勝利と今後



欧米対決で米国の敗北と今後のイラク・世界情勢を検討しよう。
                      Fより

1月30日に米国副大統領のチェイニーがバチカンのローマ法王に
面会に行った。30分程度待たされた後面会ができたが、今までの
カトリック教神父に対する振舞いを謝罪して、今後欧州と協力して
、世界平和に貢献すると言ったはずである。

国連と欧州、バチカン、米国リアリストたち保守本流は一体で米国
ネオコンが主張する一国主義に反対していた。この欧米対決は米国
の完敗で欧州と国連が勝った。
国連はイラク選挙やイラク暫定政権の構成を決定することになり、
英仏独は合同軍を創設して欧州が世界の安定に寄与することで合意
したようである。

英国は米国の同盟国から、予定の行動として仏独のEU連合に乗り
換えたのです。日本はまだ米国の属国であるが英国はEUの一国に
なっている。ユーロにも参加するはずである。
米国はとうとう本当の同盟国としては日本しかない状態になってい
る。

このため、ご褒美としてハリウッドの映画会社を動かし、「ラスト
・サムライ」などの日本賛美の映画を作り始めた。議会でも日本に
感謝する決議がさせれている。日本が離れると米国には本当の味方
がいないことになる。韓国は反米親中ですから米国は信用していな
いし、豪州は英国と行動を共にする。

「大中東圏」と米国ブッシュは宣言したが、この宣言には米国一国
主義での行動は無く、欧州と共同して行動すると言う。ネオコンの
主張である「大中東民主化」であるが、このように米国一国主義は
崩壊したのである。本来は、この中東の石油を押さえて、欧州の経
済覇権の野望を挫こうとしたのですが、それができなくなってしま
った。

今後は欧州と協議をしてから行動になる。欧州はソラナ・ドクトリ
ンでこのサイトを読んでいる人は知っているが、テロの行動を否定
しているし、世界世論が容認する条件で中東の民主化を支持してい
るというより、中東にEU圏を広げて影響力を持とうとしている。
このため、イラクへも関与する姿勢であるのだ。

そして、もう1つのことが米国は志願制の軍になっているが、その
再任率が40%以下になっている。このままにすると米陸軍は崩壊
することになる。どうしても、NATO軍にイラク治安維持のメイ
ンを移さないと、イラク統治さえもできないことになる。イラクの
統治は、外交問題評議会(CFR)で提案されているように、3分
割で連邦制になるのでしょうね。クルド、スンニ、シーアの3地域
に主権を分割する。

もう1つ、基軸通貨ドルとユーロの戦いであるが、これはユーロの
上昇を引き起こし、円などの介入に比べて上昇率が高いために、
輸出等に影響し始めていた。このため、この戦いも欧米は止めるこ
とにしたようだ。適時介入するし、米国の財政赤字をこのままにす
ることは無いと思う。欧米金融戦争を回避して、グリーンスパン議
長も積極的に発言をしている。

米国と欧州の仲直りは、どこまでできるかは分からないが、英国は
米国からEUに舵を切り、イスラエルも米国から欧州の主張を取り
入れた政策に変更している。このイスラエルとEUを結び付けてい
るのが、アスナール・スペイン首相とソラナですが、田中宇さんの
イスラエルのEU加盟は知らないが、イスラエルもEU向きの政策
に変更している。

ロシアはユーロ圏参加を表明しているようであるが、ここでロシア
をEUに加盟させるのは、仏独だけでは主導権をロシアに取られる
可能性があり、英仏独の三国同盟を締結して、その上でロシアの加
盟許可をする方向であるようだ。その前にトルコのEU加盟が実現
するはずである。ソラナ・ドクトリンでもある大中東民主化構想に
トルコも賛成している。中東戦略のキーがトルコであるから絶対に
そうなるでしょうね。トルコの軍事力と宗教としてのイスラム教と
マレーシアのマハディールのように欧米に逆らわない欧米的な民主
主義を実現させていることでしょうね。

そして、EUを中心としたGPS(ガリレオ)に中国などの参加も
あり、ユーラシア全体の交通網を整備するであろう。これには米国
は手が出ない。しかし、これは非常に大きな需要を作ることになる
。日本の土木会社も参加してはどうですか??

世界的な経済成長をしているのは、中国、インドであり、それにつ
いでロシアですから、この中国、インド、ロシアの経済成長に伴う
物資の需要が大きいのです。この需要に世界は目を向けているので
す。勿論、米国企業もその中にいるが、一番チャンスを物にしたい
のが経済成長がない欧州企業とイスラエル企業であろう。日本企業
も中国の需要に期待している。本来、敵の要素が強い国家群の経済
成長が大きいために、敵にできないか味方に引き入れている。

このため、心配なのが敵と味方が第1次大戦前夜と同様に見えにく
くなっていることです。現在は米国の軍事力が強大で、幕府制度が
あるのでいいが、この幕府制度が崩れると、秘密協定がどこにある
か分からないために、疑心暗鬼に世界はなるでしょうね。

しかし、世界経済としては、ITの次の新しい分野を見つけないと
大変なことになる。日本と欧州は環境をITの次の分野として京都
会議で決定したのに、米国が拒否したために不発の状態になってい
る。この環境を持ち出さないと、世界的な経済需要ができないと思
うがどうであろうか。この環境では日本の「もったいない精神」が
有効に作用するはずである。「もったいない精神」はどこからでて
きたのであろうか??それを追求して、今後の社会を見通してみよ
う。

次回からは当分、日本の古神道と環境技術の関係を見たいと思う。
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英仏、合同の軍事部隊の創設を計画=英FT紙
http://news.goo.ne.jp/news/reuters/kokusai/20040210/JAPAN-137606.html
 [ロンドン 10日 ロイター] 英国とフランスは、欧州の防
衛力を高める戦略の一環として、合同の緊急対応部隊を創設する計
画だ。フィナンシャル・タイムズ(FT)紙が報じた。 

同紙によると、この計画は今週、欧州連合(EU)首脳らに提示さ
れる。英国防省は、この報道は憶測によるものだ、として、これ以
上のコメントを差し控えた。 

この計画では、必要があれば国連の指揮下で1500人規模の部隊
が、1カ月以上継続しない地上任務に対して15日以内に対応する
ことが可能になる。 
両国政府は、この計画が、アイルランドのEU議長国の任期が終了
する6月30日までにEU加盟国すべてによって承認され、
2007年までにこの部隊が稼動を開始することを望んでいる。
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米大統領、「大中東圏」の民主化促進計画を策定へ=米紙 
[ロイター]

 [ワシントン 9日 ロイター] 9日付の米ワシントン・ポス
ト紙によると、ブッシュ政権は、1975年に旧ソ連や東欧の民主
化につながったヘルシンキ条約を模範とし、「大中東圏」における
民主化促進計画の策定を進めている。
 同紙が米国および欧州高官が語ったとして伝えたところによると
、同計画は、アラブ諸国および南アジア各国に広範な政治的改革を
促すとともに、各国が人権問題に対する義務を負い、経済改革を導
入することを目指すという。

 一方、この計画に協力する西側諸国は、民主化促進計画対象国の
政治的取り組みおよび援助を拡大し、世界貿易機構(WTO)への
後押しするとともに、安全保障を促進する、という。

 同紙によると、この計画は6月に米ジョージア州で開催される主
要国首脳会議(サミット)で発表される予定で、米政府当局者は欧
州の主要国とすでに交渉を開始した、という。
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2004年02月12日(木) 
自衛隊のイラク派遣 米議会上下両院「感謝」 日米同盟強化への
大きな寄与
(SANKEI)

 【ワシントン=古森義久】日本の自衛隊のイラク派遣は米国議会
では日米同盟強化への大きな寄与として感謝されているという反応
が、同議会上下両院の補佐官たちによって表明された。
 ワシントンの大手シンクタンクのヘリテージ財団が九日に開いた
米国議会の対アジア政策に関するセミナーで、日本の小泉政権が国
内一部の反対を抑えイラクへの自衛隊派遣に踏み切ったことへの議
会の反応について、下院国際関係委員会共和党スタッフのデニス・
ハルピン補佐官は「ヘンリー・ハイド国際関係委員長がすでに言明
したように、同委員会としては日本のこの措置を国際テロ抑止やイ
ラク人道復興だけでなく米国の対外安全保障政策への貴重な協力と
して大いに歓迎し、感謝するという対応を示した」と述べた。

 下院国際関係委員会の民主党スタッフのピーター・ヤオ補佐官も
「日本政府がこの時期に国内の一部の反対を抑えても自衛隊をイラ
ク復興へと参加させ、米国やイギリスの連合国の暫定統治に協力す
ることになったことには、米国議会全般に強い感謝の反応がある。
日本の今回の動きは、日本が同盟国の米国に安全保障面で時宜を得
た協力をするという日米関係の強化の傾向を反映しているといえる
」と論評した。

 上院外交委員会の共和党スタッフのキース・ルース補佐官は「日
本の自衛隊イラク派遣は上院では日本による日米同盟の強化の措置
としてまず記憶され、評価されるだろう」と歓迎の意を表するとと
もに、日本の今回の措置がこんご米側の政府や議会で、日本への相
互的な前向き、友好の態度を生んでいくだろう、とも述べた。

 こうした共和、民主両党のスタッフたちの自由な討議でも、自衛
隊イラク派遣に対し、否定、批判的な論評がまったくないことが印
象的だった。
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トルコ紙、アメリカの新中東政策を暴露 トルコを柱に据えイスラ
ム圏全域を  間接支配 オスマン帝国復活か
tokyo152001

 6日付のエジプト野党第一党である新ワフド党の機関紙で進歩的
文化人たちに広く読まれている高級紙「アル・ワフド」は、先月一
人のアメリカ人高官が「新中東」なる計画を携えてエジプトを訪問
したと、詳細をターリク・トハーミー記者の署名入りレポートを掲
載した。
 
 この計画をアメリカ人高官たちは、メディアへ漏洩しないように
黙して語らないが、トルコ紙、イェニ・シャファク(日付は未記載
)が先週この計画の一端を流した。すなわち、アメリカがトルコに
提示した「グレーター中東」と題する計画が存在する。ジョージ・
ブッシュ、アメリカ大統領は先週、訪米したラジャブ・オルドガン
、トルコ首相にホワイトハウスで、北アフリカ最西端に位置するモ
ロッコから、南アジア、小アジア、コーカサスを通り、東はインド
ネシアまでまたがるアメリカの新計画を提示した。
 
 同紙によると同計画では、ワシントンはトルコが民主化や宗教穏
健化の普及に中心的役割を演じることを望んでおり、トルコを計画
の柱に据えるという。
宗教穏健化政策として、ワシントンはトルコが宣教者やイスラムの
指導者であるイマームたちを他のイスラム諸国に派遣することまで
提案したという。
 
 同紙は、この計画はイスラエルに有益であり、同国の治安の維持
と同地域のほかの民族の支配に寄与することになると警告した。
 
 重大な問題である。中心柱にトルコを選んだのは偶然ではない。
現在のトルコの前身、オスマン・トルコは前世紀初頭に崩壊したイ
スラム・カリフの国家である。また、トルコから宣教者や宗教家を
他のイスラム諸国に派遣することは、アメリカが以前と同じ地域に
カリフ国家を復活させることを意味する。アメリカは政治的、経済
的、軍事的、及びビジネス上でのトルコの立場を支援するのに留ま
らず、メッカとメディナというイスラムの二大聖地を抱えるサウジ
アラビアや、イスラム学術の殿堂たる世界最古の宗教大学、アズハ
ルを擁するエジプトのような宗教界での伝統ある諸国家が存在する
地域において、宗教的な役割を、アメリカがトルコに与えることを
望んでいるのだ。
 
 以下は、同計画が世界各地に及ぼす影響や、実現の可能性などに
ついて論じている
 
 レポートの執筆者であるトハーミー記者は、偉大な思想家である
マハムード・アミーン・アルアーリム師にこう尋ねた。このような
計画が、実現できると思われますか。
 答えは実現するというものだった。同師曰く、アメリカはイラク
を侵略し、イスラエル支援を継続している。また、イランを脅迫し
、同盟国のトルコさえ脅かしている。トルコは多くのアラブ圏の国
家と友好関係を持っている。計画が示すこの広大な地域は、紛争の
的となっている産油地帯である。ここからアメリカはヨーロッパを
支配できる。
 実際のところ、アメリカはトルコをこのような計画の中心に据え
ようとしている。なぜなら、トルコは世俗国家であり、だからと言
って、このよう世俗国家は必ずしも、反宗教とはならないかもしれ
ないからである。従ってこの計画は実現すると同師は断じた。 
 
 導師は語り続ける。イラクパレスチナで起きていることを観察す
れば、このことは確認できる。アメリカはトルコだけを考えている
のではなく、トルコを北辺の主軸国とし、エジプトを南の要の国と
なるように、エジプトがこの計画に参加することを望んでいる。
沿う、エジプトは世界の要なのだ。ここを押さえた者は世界を押さ
えるのだ。他の多くの国は強硬な姿勢を軟化させてきた。
リビアやヨルダン、イランなどのように。
 
 アメリカの新計画は、我々の独立を滅ぼすことだ。我々が求めて
いる計画は全てのアラブ国家の独立尊重である。しかし、アラブの
願いを破壊し、イスラエルの軍事力によりこの地域を屈服させよう
とする勢力がある。もう一つの新しい軍事力がトルコなのだ。この
地域を支配するために、シーア派とスンナ派、クルド人を分裂させ
ることでイラクをばらばらに打ち砕こうとする勢力がいる。
 
 以上がレポートの主要部分である。
「投稿者」この件はその後アラブ各紙で大問題になっている。


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