1532.不文憲法のすすめ



  不文憲法のすすめ 
     三重県 水屋神社宮司・鈴鹿国際大学教授 久保 憲一

日本国憲法の前文の杜撰さは改めて述べるまでもない。また本文に
も今や多くの空文,死文が散見される。まずあの第九条である。
これは諸弊害の根源である。なぜならこの規定は制定当初からこれ
まで全く守られたことがない。

次に、わが国ではほとんど間題にならない規定がある。例えば第十八
条の奴隷的拘東・苦役からの自由。これらは奴隷制度の存在しなか
ったわが国にはほとんど意味がない、合衆国憲法修正十三条の単な
る引き写しである。また精神的自由としての第十九条の思想・良心
の自由,第二十条の信教の自由,第二十一条の集会・結社・表現の
自由,通信の秘密,検閲の禁止などは,信教の自由や表現の自由と
重なり、今やはとんど独自の意義を有しない。

また社会変化に伴い今日充分対応できなくなった規定もある。例え
ば集会・結社・表現の自由の規走は十八、九世紀の社会においては
価値ある精神的な自由であった。しかし今やほとんど現実的ではな
い。以上はほとんど憲法上不要である。もし必要が生ずれば一般の
法律規定等の対応で解決する。

紙幅の関係上これ以上述べられないが、要するに成文憲法は今の日
本には必要ない、現行憲法では日本の伝統的家族観、社会道徳観な
どを完全に崩壊させてしまい、弊害の方がむしろ多すぎるのではな
いかと思う。この際、我々は「日本国には成文憲法が絶対に必要」
という固定観念を捨ててはどうだろうか。

「奪権の証文」「契約書」としての憲法
周知の通り、絶対王政に対する市民側の反抗として近代デモクラシ
ーが生まれたのは、一六八八〜九年のイギリス名誉革命、一七七六
年のアメリカ独立革命および一七八九年のフランス革命の三大革命
によってである。

まずイギリスについてであるが、この国には成文憲法は存在してい
ない。ただ国王から権力を剥奪した重要文書、つまり多くの「奪権
の証文」は存在する。その主なものとして「大憲章」( マグナ・カ
ルタ) 一二一五年、「承認なき課税」一二九五年、「権利請願」
一六二八年、「政体書」一六五三年、「権利章典」一六八九年、
「王位継承法」一七〇一年、「議会法」一九一一年、「性別による
欠格の除去に関する法律」一九一一年、「最高裁判所法」一九二五
年、「ウエストミンスター条例」一九三一年、「国務大臣法」
一九三七年、一九六四年改正、「インド独立法」一九四七年、「国
民代表法」一九四九年、「貴族法」一九六三年などが有名である。
これらの重要文書が蓄積され、今日の「不文憲法国・イギリス」の
政治社会ができあがっているのである。

次に、アメリカについて。この国はもともとイギリス植民地であっ
た。しかしイギリス本国の施政その他に反対し、一七七六年に独立
宣言を発し、建国した。そして憲法は、本国での経験から、一人ま
た一部に政府権力が独占、集中されることを嫌い、可能な限り市民
の自由を確保することを目指した。そして地方にも最大の自治を認
めた。それゆえ今も憲法解釈をめぐりあらゆる場所で熾烈な権限獲
得の戦を生んでいる。例えばアメリカ大統領と連邦議会は自己の権
限を可能な限り拡張解釈し、しばしば衝突してきた。連邦政府と地
方政府の間でも同様である。加えて、多民族から成り立つ社会とも
なれば、憲法典が実用的なルール、すなわち「契約書」を必要とす
るのも当然である。

「スローガン( 理念) 」としての憲法
日本は世界でも比類なき「広義の意味における法治国家」である。
その証拠に、わが国の社会秩序はイギリスやアメリカに比べてもは
るかに安定、今なお犯罪率も極めて低い。しかしわが国の「法」は
、必ずしも成文憲法のみを意味しない。日本の政治社会秩序は、
一片の成文憲法や法律だけで成立していない。更に重要な伝統、慣
習およびしきたりにも依拠している。

また歴史的に革命を経験していないわが国では、人々は憲法典をア
メリカのごとき契約書やイギリスのごとき権力を国王から奪い取っ
た証文とは見ていない。わが国の憲法典は「十七条憲法」以来、天
皇が下し、天皇や他の為政者が率先垂範する徳目列挙型「スローガ
ン( 理念) 憲法」である。「明治憲法」や「日本国憲法」が欧米風
成憲法であっても為政者はそれらを国民との契約書、奪権の証文と
は見ない。事実、首相は、彼の憲法上の諸権限を実際にはあまり効
果的に行使して来なかった。むしろ「重大な決意がある」と解散を
仄めかしただけでその座から引きずり降ろされた首相もいる。目下
、首相権限を強化する動きもあるが、憲法上の首相権限がたとえ強
化されても、それを首相が効果的に使用するとは限らない。むしろ
突然怪しげな宗教団体の教主のごとき独裁者が現れ、その規定を悪
用する事態が生まれないかと危惧している。

また日本国民も(法律家など専門家は別として)憲法典を単なる政
治理念、政治スローガンにしか見ない傾向がある。たとえば護憲を
主張する人々も、政争の具として、「戦争放棄」「主権在民」「基
本的人権」などの文句をキャッチフレーズとして連呼し、憲法の内
容を真剣に吟味していると思えない。実際「護憲論者」といわれる
人々も憲法を必ずしも尊重し、主張しているわけではない。なぜな
ら、制定後もはや半世紀が経ち、最貧国から世界一、二の富裕国と
なり、わが国を取り囲む情勢も一変したにもかかわらず、また条文
の矛盾点が当初から多く指摘されているにもかかわらず、制定以来
、現行憲法は一字一句修正されていない。護憲論者とはむしろ現状
無視の「憲法軽視論者」ではないか。ともかく目下、憲法「不改正
世界新記録」を日々更新中である。実用的ルールとして憲法改正を
頻繁に繰り返す欧米人には全く理解しがたい現象であろう。「日本
人は、キリスト教、その他何事についてもそうであるが、外来文化
の原理・原則をあまり吟味せず、自分に都合良く解釈し、実効をあ
げる。この政治社会風土こそが『外来憲法』を半世紀以上も維持さ
せた」のかもしれない。それゆえ余程の外圧が加えられない限り、
また誰もが知覚する国家的危機や災難が生じない限り、日本では永
遠に憲法改正されないこともありうる。あえて皮肉を言わせていた
だくと「日本国憲法制定百周年奉祝式典」も夢ではない。

世界に冠たる法治国家・日本
周知のごとく、日本はアメリカのように多民族からなる国ではない
、ほぼ単一民族から成り立つ国とみてよい。したがって同一民族同
士の共通認識‘暗黙理解が数多く存在する。アメリカのように一々
ありとあらゆる取り決め事項(契約)を必要としていない。

再度言う、私は、日本国憲法はあまりに矛盾・問題点が多過ぎるの
で、この際、弊害の多発し、このままだと『読売憲法試案』以下に
改悪されそうな気配の現行憲法を思い切って廃棄し、日本国を不文
憲法国に変えてはどうかと提案したい。不文憲法支配については先
輩国イギリスより決して「ヤワ」ではない、犯罪件数の圧倒的に少
ない日本の方がむしろ安定しているのではないかと思う。実際、阪
神大震災においてロシアや韓国などが驚嘆の報道をしたほど被災者
は粛々と行動した。
山口県青年神職会会報「わかかえで 43号」(平成15年12月15日発行)
                      より転載

水廼舎學人/久保憲一
電子メール アドレス :mizuya-s@ma.mctv.ne.jp
水廼舎の日本学
http://www.simcommunity.com/sc/jog/mizuya
水屋神社
http://www.ma.mctv.ne.jp/~mizuya-s/
http://www2s.biglobe.ne.jp/~mizunoya/
国際戦略コラム(久保教授コーナ)
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/index.htm
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件名:日本のBiodefenceについて(政治的な面)  

いつも興味深く拝見しております。
フランスで医学研究に携わっています。専門はエイズの免疫病理、
ワクチンです。

2004年1月号のnature review immunologyに日本の免疫研究の
perspectiveが載っていました。

http://www.nature.com/cgi-taf/DynaPage.taf?file=/nri/journal
/v4/n1/abs/nri1259_fs.html

筆者の名前は外国人のようですが、アドレスは横浜の理研になって
いて、どうも筆者は日本にいる人のようです。今年、横浜の理研に
アレルギーと免疫のセンターができるようで、筆者はそこの所属の
ようです。acknowledgement が日本人になっているので、日本の基
礎免疫研究者の意見も入っていると読んでもいいのかもしれません。

彼の主張の主旨は「日本の免疫研究は基礎の領域では優れているが
、臨床へのフィードがない」ということだったと思います。
「Biodefence は日本の免疫研究者の話題にならない」とも書いてい
ました。そうかもしれません。

日本のウイルス学についてもそういうところがあるように思います
。日本だとBiodefence は感染研ぐらいしかないと思います。HIVを
とっても日本でオリジナルなワクチンの研究をしているラボは多く
ありません。どちらかというと分子生物学で、HIVのいくつかの遺伝
子の機能解析などをやっていますが、分子生物学としては終わって
いる印象があります。

例えば、トライアルに入ってるエイズのワクチンプロトコールに日
本のスタデイはありません。アメリカとフランスぐらいです。筆者
は、この問題の原因の一つとして、「Biodefence を重要と考え、
プレッシャーをかけるグループや政治家が日本にはいない」という
ようなことを書いていたと思います。HIVに限らず、他のウイルスで
も、そのような印象がありますが、日本人そのものがあまり脅威と
感じていないのではないかとも思います。政治的な面で何かコメン
トをいただけると幸甚でございます。

MI@パリ大学
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(Fのコメント)
日本政府や日本人は、あまり生物学的な薬品に思い入れがない。
どちらかと言うと、機械的な現象や電子的な現象に目が行って、ト
ライアルに長期間を有する薬品や生物学的な事業に目が行かない。
生物を遺伝子的に改造するという意識が八百万の神々の領域を侵す
ような雰囲気を感じる。このため、生物はいつか死ぬ。これを操作
するのは、あまりしない方がいいと感じるのでしょうね。

日本がすべての分野で世界をリードすることは止めた方がいいため
、この分野は欧米に任した方がいいかもしれないですね。製造技術
となると日本の林原などが、出てくることになるが。
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件名:^^誤字訂正^^  
^^
『民主』ならんと欲すれば『挙国一致』ならず、『一”心”同体』
ならんと欲すれば『自由』ならずの、”ハムレット”的?矛盾をど
う解決するのか?

(^_^)永遠の課題でしょう^^
dfj12912
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日本の交通規制について
rx-79
日本の交通違反は非現実的な規制が多く、社会に役に立っていると
は思えません。
 
高速道路の速度規制は大体20kmからそれ以上の速度が実際の平
均値です。もちろん、ドイツのように無制限というのは起伏の激し
い日本では不可能でしょうが、急カーブや下り坂などの場所を除け
は120kmかそれ以上でも問題は無いでしょう。
 
一般道も、歩行者が路上に入る心配の無い大きな幹線道路では80
km制限でも問題が無いように思います。
 
駐車違反に関しても同様で、交通の妨げになるような場所以外での
駐車は解禁すべきです。交通量に比べて明らかに駐車スペースが少
なく、また有料である為に交通の妨げになる場所、ならない場所に
無関係に駐車されることが少なくありません。
2時間くらい無料で駐車可能な公共駐車場の整備を行うべきです。
 
当コラムでも警察に対する敵意を一般国民が持つ事のないようにす
べき、とのご意見がありましたが私は全面的に賛成です。
 
多くの人が利用していながら、クルマの存在は日本社会で真に市民
権を得ているとは言えない状態故、法改正の議論が無かったのでは
ないかと思います。インターネットのお陰で直接国民の意思が伝え
られる環境が整った今こそ、関係省庁や国会議員のHPに積極的に
自分達の希望を伝えるべきでしょう。
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鳥インフルエンザと使える核兵器 S子
アジアで鳥インフルエンザが拡大の一途にある。ベトナムでは感染
した鳥の大量廃棄処分がおこなわれる一方で人への感染も拡大して
おり、事態は深刻化している。目に見えないということが余計に人
を恐怖に陥れる。この鳥インフルエンザ、SARS、エイズは人為的な
ものではないかという情報もあり、佐々木敏氏はこれからはこうい
った目に見えない生物兵器を使ったネガティブウォーに突入するの
ではないかとも言っている。

米国が先制攻撃をしかけたイラク戦争ではテロの多発で、米国は泥
沼状態に陥っている。その状態を見てメディアや世論からはイラク
のベトナム化が聞かれるようになった。事実米国もそれを恐れ多国
籍軍をイラクに送り、自国兵士の死を削減しようとしている。
そして日本もとうとう自衛隊がイラク入りしその仲間入りを果たそ
うとしている。

こうしてみると、今年になって急に出てきたアジアの鳥インフルエ
ンザは、長期化してゆくイラク戦争にいらついた米国が、ベトナム
戦争というトラウマから逃れるために、ベトナムにも致命傷を負わ
せる必要があったのだろうかと私は推測しているが、考えすぎか。

それともうひとつ。これも私の推測の域でしかないのですが、ブッ
シュ政権になってから米国は「使える核兵器」の開発を推進してい
るようだ。従来の核では国家間の外交抑止力にはなっても威力が大
きすぎて、というか地球規模に拡大することが懸念されて、使用で
きなかった。それを中規模なものにして戦争に使えないかというも
のらしい。

そこへキッシンジャーが奇妙な発言(予告)をしたという情報を見
つけた。キッシンジャーによれば「4月を過ぎると、反米テロは沈
静化する。」らしい。彼は米国の内部情報を知っているので予告は
お手の物だろう。佐々木敏氏は3月14日〜29日の間にイラクで
何かが起こるのではないかと言っている。私はこの間に「使える核
」が使用されるのではないかと非常に気になり心配している。
イラクへ派遣された自衛隊員に被害がでなければいいがと私は思っ
ている。

http://www.akashic-record.com/y2004/mar.html
「3月14日〜29日の死闘」佐々木 敏

http://tanakanews.com/e0127nuke.htm
「核兵器をばらまいたのは誰か」 田中 宇
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★ 表題: 「国益の内容について」
 031216       担当: 福井龍生 f9lcl@yahoo.co.jp


◇ かって田中角栄総理が、5億円相当の賄賂を米国企業から受領
したとされる事件は、国内的に不適正(違法)な行為であったとし
ても、国際関係で見ると米国から日本へ「富の移動」をもたらして
おり、「国益」に合致していると言えます。

◇ 「国益」は、抽象的・精神的・道徳的なものではなく、具体的
・現実的・実利的なものとして理解するのが明解で、「経済的利得
・権益」に該当しない国家国民の「得」は、それぞれに適する概念
で表現したいものであります。
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
  上記、御意見は、1度ならず、私は読んだように思います。然し
、これに対する反対意見は、私は読んでいません。
 
  この御意見には、相当の勘違いがあると思われます。
  5億円の賄賂は、ロッキード社から受け取ったものであったとし
ても、賄賂は、公正な商取引を阻害するものであって、政治家らが
受け取った金額は、飛行機代金に上乗せされるものです。つまり、
日本の田中角栄らが受け取ったお金は、日本のお金です。国益では
なく、国害です。

  結局、賄賂を論ずるのに、抽象的・精神的・道徳的でも何でもな
いのです。切実な現実そのもので、私達の現実生活に反応してくる
。正しく、国益を害する物であります。賄賂こそ、社会悪の極致で
す。

  事実を正確に見つめて頂きたい。権力に寛容にも思えます。
  公職選挙法違反に票の買収があります。この買収資金は、立候補
者の資金でしょうか。結局、買収によって、不必要な公共事業が実
施され、税金の無駄遣いが行われることになります。結局、買収資
金は選挙民のお金なのです。
 
  佐賀県で保険金詐欺事件ありました。夫と愛する子供を殺してし
まった女性がいました。私の得た情報では、この事件の発端は、夫
の不倫相手の夫から、犯人の女性は、慰謝料の請求をされたことに
あります。
  このような理不尽な要求を拒絶すれば、済んだことです。執拗に
要求されれば、警察に告訴すればいいことです。それをアルバイト
に行っていた飲み屋の博打狂のお客の男に相談している。

  結局、この男に引き摺られ事件を起こしてしまっている。犯人の
家からは、この男の買った数億円のハズレ馬券が出てきたそうであ
る。何故、ここまで彼女は、落ちて行かなければならないのか、哀
れでならない。
  この事件を競馬協会を儲けさせてやったと言う人は、いない筈で
す。
  
  政治家の犯罪には、厳しくあるべきです。如何なる犯罪よりも重
いものであることを知るべきです。
  偶々、田中角栄がアメリカに嫌われたことで、事件が判明したが
、権力者の犯罪が事件として、取り扱われることは、極、稀である
と思う。腐敗は、闇の奥深く葬り続けられている。
  今の日本の悲惨な現状を見れば、明らかである。三権及び、政官
行の癒着は、抜き差しならぬ日本の状況を招いている。政治の腐敗
が元凶である。
  北朝鮮やイラクのフセイン政権を嘲笑しているが、そんなに笑え
る程の国でもないのではないか。  
國井明子


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