1509.日本の戦略議論



国際戦略コラム 御中
江田島です。
 
江田島さんが言うシーパワーでもランドパワーでもなく、ソフトパ
ワーやインフォパワーを持って日本を維持する必要があると主張し
ています。
そうしないと、日本の持てる軍事力(シーパワー・エアーパワー・
スペースパワー・ランドパワー)だけでは世界との貿易や世界各地
にある現地工場を守り、引いては日本の経済を守れないからです。

日本は第2位の経済大国でほとんど世界中にネットワークを持って
いるのですから、その経済権限を守ろうとするには、米国幕府みた
いな国家がいた方が日本にとって得なのです。しかし、米国は崩壊
する危機にあります。

⇒全く同意見です。シーパワー(海洋国家)の本質的価値は情報で
す。つまりソフトパワーなのです。
ランドパワー(大陸国家)の本質は土地支配すなわちハードパワー
です。私はそういう意味で使ってます。

このため、世界の各国との連携や同盟が必要です。米国が崩壊する
と世界的な軍事力は無くなり、経済関係が深くかつ真の友好関係が
築ける国と結ぶしかない。ここではランドパワー国家とかシーパワ
ー国家と分類分けして同盟関係を決めることはおかしいと思います。

特にランドパワーの国を気をつけろという発想は、学者や政治家・
学生・ビジネスを知らない評論家は言うがビジネス、経済権限とし
ては、マイナスになりますよ。経済規模を縮小することになる。

中国との貿易により日本企業も大きな利益を受けています。ロシア
の石油・天然ガスは日本にとって必要です。欧州とは自動車・IT
などの多くの相互ビジネスをしています。この事実を持って日本の
戦略を検討する必要があるのです。

 
⇒そうでしょうか。私は中国ビジネスで失敗した事例を数多く知っ
てます。
 
さらに、根本的に考えるべきことは、個々のビジネスの成否や利益
ではなく、経済的利害関係も政治軍事的緊張関係によって、容易に
反故にされる、つまり差し押さえがありうるというリスクです。
 戦前の日本は英米にこれをやられ、お手上げになりました。
その教訓を忘れて債権債務関係だけで国家関係を理解するべきでは
ありません。中露との連携にはこのリスクが非常に大きくあること
を忘れないで下さい。
中露は本質的に狡猾残忍獰猛な世界観しかもっていないのです。
日ソ不可侵条約の結果を忘れるべきではありません。彼らは、リム
ランド理論に従い、海上封鎖で内部崩壊に導くしかありません。
最近の例では、高句麗の歴史を北京政府は書き換えようとしてます
。統一朝鮮の支配を見据えて手をうってるのです。彼らはこういう
ことを平気で行います。日本とは歴史認識で大きな対立があり、
いいように利用されてます。
 
私が考える戦略は上海、香港の分離独立を仕掛けることです。この
地域はシーパワーの可能性があり、北京に反感をいだいてます。
環境破壊で飲み水にも事欠く北京に抑圧されているのです。何とか
してこちらの陣営に引きずり込みたいものです。最悪でも北京と上
海を内戦のような状況にすることが日本にとってベストです。
 
シーパワーの真髄はこの勢力均衡(パワーバランス)にあります。
イギリスに学びましょう。
 
欧州についても、東西冷戦の頃と、現在では話が違っており、EUは
過去の欧州の帝国の例にならって東方への拡大を指向しました。
すなわちランドパワー化したのです。今回は伝統的なロシアとの対
立、緊張のみならず、アメリカとの死闘がまってます。
さらに、内部にイスラム教徒、東欧の小国、南北格差、経済格差を
かかえ、不安定要因はすごく大きいと思います。
ドイツがフランスに反抗しだしたらもう終わりでしょう。根底はゲ
ルマンとラテンの歴史的な対立です。
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(Fのコメント)
中国の上海財閥とビジネスをしていますが、上海系の江沢民が前国
家主席であった関係から、中央政府には上海出身者が多く、北京と
上海が分離独立するはずがない。今後も分離はないでしょうね。
これは江田島さんの希望であり、現状の状況を無視している。妄想
・希望は日本の戦略を大きく間違えさせますよ。冷徹な分析をして
、希望や望みを言うことは止めた方がいい。

貿易相手国中、日本からの輸出順位は米国を抜き、中国がトップに
なりましたよ。そして、鉄鋼、セメント、化学などの産業が息を吹
き返したのは中国への輸出が原因ですよ。それを無視している。

ダイキンのように冷房機では、大きなシェアを握った会社もあるし
、アサヒのように上海地域で有名になる会社も出てきている。トヨ
タやホンダなど日本車の人気も高い。小型車ではダイハツの車を多
く見かける。中国との合弁企業が製造しているが、中国は日本の経
済上からも無視できないレベルまで来ている。このため、フランス
の内相が中国に行って、反日的な言動をして日本対抗への意識を出
すまで、日本に負けるという欧州の危機感が出てきている。

工場進出では上手く行っていない企業もあるし、大変なようですが
、これは日本だけではなく、米国も欧州も上手く行っていない。
一方日本企業が中国に同化して上手く行っている企業も出てきてい
る。日本人を総経理にしている企業は上手く行っていないが、中国
人を総経理にして、日本人がサポートして影に回っている企業に上
手い行っているものを発見する。工場管理に中国の会社も日本の退
職者を入れている企業がある。

また、米国と中国はイラク戦争が続く間、蜜月の状態で、台湾併合
も米国は容認しているようですね。過去の歴史的なことも重要です
がそれに大きく引きずられて、現状の分析がおかしいように感じる。

ランドパワー国とも国際情勢が変動する時は、結ぶ必要があるとき
には、友好を結ぶべきです。イデオロギー的にランドパワー国を毛
嫌いするのは、戦略の幅を日本自らが狭めてしまい、柔軟な対応を
出来なくさせてしまうことになりますよ。

世界の覇権が変化する激動の時代に、硬直的な思想は禁物です。
米国ブッシュでさえ、毛嫌いしていた中国とパートナーシップを短
期間の間に確立してしまう変化がある。日本の江田島さんのような
硬直的な考え方の人が日本をまた誤った道に紛れ込ますことになり
はしないかと心配です。

ユダヤ企業のことですが、もともと、米国のモルガン商会はロスチ
ャイルド家の米国の出店ですよ。モルガンはIBMなどの米国優良
企業に投資してます。そして、大きくなった投資会社ですから。
このコラムにあるYSさんのビック・リンカーなどの企業研究を読
めば、分かると思います。広瀬隆の本もいいですね。

デビアス社のオッペンハイマーやオーストラリアのマードックなど
も欧州を基盤としている。マードックはネオコンを支援しているが。
軍事系・ハリバートンのような国家企業がネオコンを応援している
が、米国でもソロスやモルガン系、バァフェットのように金融マー
ケットにいるユダヤ系の人はイラク戦争や米国一国主義に反対して
いる。

CFRの機関紙であるフォーリン・アフェアーズでも、ニューヨー
ク・タイムズやFRB議長のグリーンスパンも同様にブッシュの聖
戦に反対しているし、戦争経済は長く続けられないことを知ってい
る。米国金融界は欧州系のモルガンとシティ、バンカメの米国系の
戦いになっている。米国金融界には英国HSBCやUBSなどの欧
州資本なども参入している。

つい最近のイスラエルのシャロンは、米国のネオコンから国際金融
系ユダヤ人の意見に乗り変えている感じがする。この詳しい解説は
田中宇さんがやっている。このようにイスラエルは生き残りの為に
、戦略・戦術を随時変更する柔軟性がある。

それと環太平洋連合は無理です。中国が東南アジアに食い込んでい
る。東南アジアからしても日本は中国の影響を緩和させるための緩
衝材の役割ですよ。日本と同盟を結び、中国と敵対する関係にはな
らない。江田島さんの妄想が大きすぎるように感じる。シンガポー
ルの政治家は中国系ですし、タイも華僑が首相をしているのですよ。
その現実を直視してほしい。インドはロシアと同盟国ですし、その
関係から中国との関係改善をしている。よって、中国と敵対する同
盟はしない。

環太平洋同盟ができたのは共産主義との対決があった1990年ま
でですよ。現在は世界の状況が大きく変化している。敵と味方の区
別が着かないような感じになっている。このような状態になったと
き、日本の戦略を立てるには、各国の情報の分析を正確に行い、適
切な対応を取っていくしかない。状況の変化があり10年も同じよ
うな戦略はありえない。

日本と同盟関係になりそうなのは、豪州、ニュージーランド、フィ
リピン、ベトナムだけですよ。台湾は残念ながら中国との関係を阻
害するので同盟関係を結べない。

日本最大のソフトパワーは、相手国の産業育成を行い、相手国の成
長を助けることができることです。欧米諸国は収奪経済でしたが、
日本は進出相手国の経済成長を道路・港・電力などインフラ整備と
日本企業の工場進出で成し遂げている。

ペルーを見れば分かる通り、フジモリ時代は、日本からフジモリさ
んを助けるためにODAをつぎ込み、かつ企業が進出したが、米国
の手でフジモリさんを追放した後は、ペルーは大きく経済規模を縮
小させている。ペルーが単なる米国の収奪経済圏になったためです
よ。

今後、この事実を発展させて、日本語と現地語のミックス地域を作
り、例えば、日本と現地の両国共有地(FTAを一歩前進した地域)
を指定して、日本人の老年者が日本に居るのと同じ言語環境で暮ら
せる地域を作り、安い物価で暮らせるという理由で大勢住んでもら
い、現地人に日本語教育をしてヘルパーとして雇う。

その地域には日本語学校の他に、日本の小中高等学校を作り、現地
人でも日本語ができれば、入学することができるようにする。もち
ろん、日本の大学入学資格も取れるようにする。

その後、日本語のレベルが上がったら、コールセンタやAPSサー
バなどの保守をしてもらうセンタ等の事業を進出させて、地域経済
を成長させる。そして、工場進出もして日本語で指示できるので、
信頼性の高い製品が製造可能な工場を作るのです。日本文化の質が
高いのは日本語の持っている力ですよ。言霊とも言いますが??
子音と母音の調和が取れているために、繊細な音で優しい。そこに
音としての力があるような気がする。

また、日本語能力テストで一定以上の成績者は日本国籍を取得でき
て、日本で働ける制度にすれば、今後の人口減少や老齢化に有効な
政策かつ拡大日本戦略になる。世界に日本語が広まるし、日本の味
方が増えることになる。また、日本自体の成長は人口減少の為に止
まるが、世界にばら撒かれた日本語経済圏全体では高度な成長を遂
げることになるでしょうね。

このようにすると、日本と同盟関係を結んだ国家が高度な成長を遂
げることになり、世界は我先に日本と同盟関係を結びたいと希望す
るはずですよ。ハードパワーよりソフトパワーを着ける事ですよ。
ハードパワーで相手を屈服させてもゲリラ戦で消耗するだけです。
勿論、日本国家防衛の基本的な軍事力は必要ですよ。しかし、世界
を征服させる軍事力は必要が無い。

478−1.拡大日本戦略(移住・文化戦略)
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/kak3/1303241.htm
458−2.拡大日本の戦略について
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/kak3/1303042.htm
日本語圏世界会議の提案
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/kako/nihgki.htm
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参考
米ソ冷戦や19世紀後半から20世紀前半にかけてのイギリスとド
イツを考えれば理解できよう。19世紀後半、ドイツの工業生産力
はイギリスを抜いた。二度の世界大戦においても、工業力、軍事技
術力に優れ、国内に資源をもつドイツが有利と考えられるが、実際
は大陸内部の国家であり、東西に長大な国境線を有し、二正面作戦
を余儀なくされ敗退した。イギリスは国内資源、工業生産力、軍事
技術力等のハード面でドイツに破れても、島国という地理的条件を
活かした外交、海上支配によって、ドイツに対して敗北を免れ、
かつ、内陸国ドイツの地理的条件が死命を制したのである。なお、
ヒトラーはこれらの要因より、国内のユダヤ人が利敵行為をしたこ
とをもって、ドイツの敗因とした。しかし、真の敗因は東西の国境
線の存在と、この条件を考慮せず周辺国全てを敵に回した稚拙な外
交戦略である。この一事をとっても、国家にとって、地理的条件と
それを踏まえた外交政策がいかに重要かが分かる。         

この事は極めて重大である。何故ならば、冷戦終結後、中露や東欧
諸国を初め、ランドパワーがアメリカのようになろうとして資本主
義を導入しようとしている。しかし、本質的にランドパワーであり
、長大な国境線、膨大な内陸部を抱えるという条件が変わらないか
ぎり、経済システムを変更しても安全保障、社会インフラといった
面での高コスト体質は変わらないのである。アメリカを始めとする
陣営の繁栄の本質は資本主義ではなく、シーパワーとして、海への
アクセス(制海権)を押さえた点にあり、後述する金融資本にフリ
ーハンドを与えたことが理解されない限り、ランドパワーが経済発
展することは難しい。
 
大陸欧州の政権へのユダヤ人の影響ははそれほど多くないと思いま
すがいかがでしょうか。フランスはカソリックだしドイツはナチス
の時代に追放したし。彼等の拠点は英米です。ヘンリー8世を操り
カソリック(反ユダヤの牙城)と手をきらせ、17Cの二度の革命を
背後で指揮し、Cityは英国を乗っ取ったのです。ここから大英帝国
がスタートします。
その後の戦争や内乱はほとんど彼等のシナリオで起こされました。
だから大陸欧州はユダヤ人に操られた英国が嫌いなのです。
 
英国は伝統的に大陸欧州への関与を避ける光栄ある孤立政策をとっ
ていたときが一番栄えてました。根底にはユダヤ人による大陸欧州
のパワーバランス戦略があるのです。リデルハートも百年戦争の歴
史から、「英国は大陸に戦略の幅を狭められるような利権をもつな
」との名言を残してます。日本にとっても大いに参考になります。

参考
なお、戦前の大日本帝国陸軍はマッキンダー理論の亜種である上述
のハウスフォーファー理論に主導されたナチス・ドイツに傾倒し大
陸へのめり込んでいったことが間違いであった。土地などいくら確
保しても不良債権化してしまい、維持コスト(安全保障コスト)が
かかるだけというのはバブルを経験した我々には容易に理解できよ
う。

更に言えば、明治以来、陸上で防衛線を張るという戦略思想のドイ
ツに学び、影響を受けた陸軍は安全保障の観点(イギリスの植民地
支配のような富の収奪が目的ではない)から朝鮮半島併合、満州国
樹立、華北でのシナ事変と言うように、大陸内部へのめり込んでい
くが、これは、防衛線の前方への展開を意味する。後世の視点で冷
静に考えると、シーパワーの観点から、防衛線は対馬に置いて、釜
山港を租借するだけで、優勢な日本海軍により安全保障は達成でき
たのではなかろうか。伝統的なイギリスの国防戦略観を如実に示す
、上述のドレイクの言葉「英国の防衛線は相手側大陸の港の背後に
ある。」を思い出していただきたい。「地政学指導理論の採用を誤
ると国家、民族の破滅を招く」という実例を我々日本人は近代にお
いて持っているのである。この教訓は強調しきれないくらい重要で
ある。

大陸欧州が分裂しているとこのように介入を許すとの反省からEU統
合を指向してます。これは本質的には反ユダヤ統合だと思います。
噂ですが、EU域内の政治家で腐心死を遂げるケースがあります。
一説にはモサドが動いているとも・・・EUはイスラエルが最大の脅
威だということを認識しているのです。世論調査でも出てます。
 
ここまで考えると米国を敵に回してEUと組む選択は難しいのではな
いでしょうか。組むというのは安全保障上の同盟まで含んだ関係を
さします。EUが日本のシーレーンを守ることができますか?ボスニ
アやユーゴに派兵求められたらどうしますか?EUと米間の死闘でア
メリカを敵にできますか?私は懐疑的です。
 
しかし、英国、豪州とは組めます。日米同盟と矛盾しませんから。
米日英豪で連合し、英国を使い豪をとりこみ、みんなで米国を説得
するのです。
米国内のまともな勢力均衡路線派、反ネオコン派との連合です。こ
の連合が失敗し、アメリカを救えなかったら、アメリカから人材を
呼んで日英豪で連携し、シーレーンを守ればいいんです。日英同盟
の先例もあるし。
 
これしか日本には残されていないように思います。
 
国家は戦略的二正面作戦は避けねばなりません。これは鉄則です。
日本の場合、ランドパワーとの提携にはこの問題があります。すな
わち、海陸を同時に押さえるのは無理なのです。
 
例として、大陸国家のロシア帝国は海洋貿易のための不凍港の獲得
のために南下政策を強行し、そのため、内政を満足に行えずロシア
革命の勃発により滅亡の憂き目にあいました。
このような事例は数え切れないほど存在します。
つまり、国家は「戦略的二正面作戦を避けよ」というのが基本姿勢
であり、それは、今現在「二正面作戦」をする能力があったとして
もいずれは破綻するものです。

こう考えると、今のアメリカはこの原則に反しているように思われ
ます。「アフガン戦争」や「イラク戦争」に見られる通り、海洋を
制したアメリカは大陸への進出の度合いを高めています。

欧州を含む北半球は環境的にも今後人類の生存に適さなくなるでし
ょう。そこまで考えるとラストリゾートは豪州です。豪ドルが上昇
してるのは地政学的な生存可能性が高い地域だということを世界中
が認識しだしたからです。近未来、南極を含む南半球の奪い合いが
始まります。下記を参照してください。
 
しかし、江田島さんと同じ部分も多いですね。今後はハードパワー
ではなくソフトパワーが重要だということは、同じ見解ですね。
米国の崩壊が近く、モンロー主義になるであろうと言うことも同一
ですね。
この面と、ユダヤ人との連携も同じですが、英米のユダヤ資本もあ
るが、フランス・ドイツにもユダヤ資本はあることを認識して欲し
いですね。欧州にも貴族階級・資本階級で表・隠れユダヤ人が多い。
この人たちがイスラエル建国を支えたのですし、真の解決のために
イスラエル問題・中東問題で発言している。米国とは異なる回答で
あるが、文化摩擦を経験しているために、現実解に近いと思う。

ユダヤ人の成功者はロスチャイルド家ですが、このロス家はドイツ
が発祥の地で、イギリス・フランスの両家になっている。今はフラ
ンス家の方が優勢で、英国家は仏家に従うと宣言しています。
フランスのトルビバン外相は名前からするとユダヤ系ですよ。

米欧のユダヤ人が割れていると見えるのですが、どうでしょうか。
スマートな欧州ユダヤ人は好きになれるが、陰謀や力で押す米国ユ
ダヤ系ネオコンやシャロン政権は好きになれない。金融界はグロー
バルであり、一国主義は出来ない社会です。この金融界の中心にい
るユダヤ資本家は今のネオコンを嫌っているようですよ。

そして、米英ではイラク占領統治方法が違いますよ。ここでも力で
押す米国とソフトな対応の英国というように植民地支配の経験の差
が出ている。

参考(環太平洋連合の一節です)
アジアを重層的に考え、中国を中心とする大陸アジアとASEANに代表
される海洋アジアを考えた場合、前者をランドパワー後者をシーパ
ワーと考えることができる。

日本の場合ここでいうところの海洋アジア(ASEAN諸国を核とした国
々)を中心とし、日本・オーストラリアを頂点とするシーパワーの
国々と連携した経済圏を構成すべきである。

また、海洋アジアの国々は発展段階こそばらばらであるが、各国と
も今の日本にない可能性を持っている。これらの国々と提携して経
済圏を構成するメリットは非常に大きいと思われる。さらに忘れて
はいけないのはこの地域は親日的な国家が多く中国への対抗の意味
から日本のコミットメントを求めているのである。

距離的な問題は、この圏内はほとんどが海運の使用でまかなうこと
ができる。
時間的には陸運の方が有利だが、コスト的には海運が数段優位性を
もつからである。

一時話題となったシーレーンの防衛問題もオーストラリア及びASEAN
諸国と提携することによって解決することが出来る。

よって、あくまでシーパワーの真髄たる、制海権の保持と交易自由
を死守するという戦略がベストであると考える。注意すべき点とし
て、日本には、歴史的に見てもこの制海権、シーレーンを重要視し
ないことが多々ある。現在も、アメリカの第七艦隊の軍事的プレゼ
ンスに頼ることによって、日本の中東へのシーレーンは安全がどう
にか確保されている状況を自覚する必要がある。湾岸戦争時、日本
のタンカーを護衛したのは米海軍であったことを忘れるべきではな
い。しかしながら、このアメリカ軍のプレゼンスが永続する保障は
ない。上述のアメリカの衰退の章で述べたことが現実化し、日本の
シーレーンを日本の自力で確保しなければならない事態が訪れると
きがそう遠くない時期に訪れる可能性もある。この問題にどう対処
すべきか。戦後の日米安保が日本に提供したサービスとして、以下
の2点が挙げられる。

@)中東産油国からの原油輸送路(シーレーン)確保
A)大陸アジアからの脅威に対する抑止

 戦後、日本はこの点について、在日米軍(第七艦隊)に依存して
きた。今後、永久にこの点が保証されるとは言い切れない。沖縄、
横須賀を核にする在日米軍基地の存在意義はあくまで、アメリカが
アジア全域、更には米国の国家戦略上最重要な中東地域への戦力投
射能力を担保する中継基地なのであり、上記は日本を中継させても
らっている手前、おまけのサービスとして提供していたにすぎない
のである。ここは重要である。在日米軍の兵力構成を見ればわかる
が、日本本土防衛を担うはずの米陸軍は存在せず、空軍、海軍、海
兵隊なのである。いわば槍を置いているのであり、盾は自衛隊が担
うのである。この点が在韓米軍と根本的に異なる。在韓米軍はあく
まで北朝鮮に対抗するための陸軍なのである。

アメリカが上記サービスの提供を停止した場合どうすべきか。取り
うる政策としては以下の通りである。

@)日本は、東南アジア諸国連合(ASEAN)と安全保障関係を結ばざる
    を得ない。
A)東南アジアにおいて、アメリカのプレゼンスが希薄になれば、
    シーレーン支配に関してそれに代わるのは日本しかないという
    認識が一般的になりつつある。
B)インドとの長期的関係を結ぶ。同時にインドネシアと、もし可
    能ならシンガポールとも関係を結ぶ。
W)日本海上自衛隊の増強の第1段階が完了した段階で、シンガポ
   ール(さらに可能ならフィリピンスビック湾にも)にシーレーン
   監視用の基地を設置させるよう交渉する。
X)インドに対し、適切な規模の海軍を開発するよう、援助する。
Y)インド洋に進出し、ホルムズ海峡からシンガポール、日本まで
   のシーレーン全補給線を支配するように努力する。

要点は、日本が一国の独力だけでシーレーンの安全を確保すること
は困難である以上、アジア諸国との海上安全保障体制を確立する必
要があるということである。

この場合、どの国と安全保障体制を組むか、その際の仮想敵はどこ
かが問題になる。

南沙諸島における中国と周辺国の紛争、中国とインドとの関係、印
パ紛争などの国際関係に鑑みると、インドと同盟関係を確立すると
いうことは、必然的に中国とパキスタンを含むイスラム諸国を敵に
回すということにつながる。アジアにおける安全保障体制の確立に
ついても、これらをいかに調整するかという問題が生じる。インド
との軍事同盟は長期的観点から考慮に値するとしても、現時点では
否定的にならざるを得ない。

問題は、日本の海上自衛隊の構成である。朝鮮戦争以来、アメリカ
第七艦隊の補完部隊として、主に対潜哨戒能力を中心に拡充してき
た。独立した海軍力ではないのである。上述のアメリカの衰退とい
う事態が現実化し、海外への米軍派遣が段階的に縮小した場合、第
七艦隊独力による極東から中東にいたるシーレーン防衛は困難にな
り、海上自衛隊、保安庁共同によるマラッカ海峡から日本までの哨
戒、制海権確保が要請されることになろう。近い将来、この海域に
、中国の空母が出現することも想定される。その際、独立して運用
できる海軍力の整備維持の観点から、中規模空母の保有が必要にな
る。空母機動部隊の開発、維持はコストがかかり、カタパルトや早
期警戒機の開発など、技術的な問題も多い。よって、横須賀基地を
母港とし、退役を迎える予定のキティホークをアメリカから格安で
譲ってもらい、試験的に海上自衛隊で運用する。艦名は太平洋戦争
の最高武勲空母にちなみ、「瑞鶴」がいいだろう。更に進んで中国
の核ミサイルに対抗するため、日本の核武装が検討されるようにな
るかもしれない。その場合は潜水艦発射型SLBMしかない。この保持
についてはアメリカの意思が重要である。現時点ではアメリカは日
本に核の傘を提供しているため、日本の核武装に反対であろう。日
米安保を堅持する立場からは時期尚早と判断せざるをえない。日本
の核武装はCTBT体制崩壊をもたらし、小国の核武装に道を開く。
しかし、極秘に潜水艦発射型SLBMを開発し、核恫喝を受けた場合は
核恫喝で応えることも必要かもしれない。日本に核の傘を提供し、
抑止力となる在日米軍基地はアメリカの世界戦略の要であり、かつ
、日本に対するお目付け役として、冷戦期の米軍配置状況を見直し
から911以降の対テロ戦に対応するため、小規模な機動力に富む
米軍を全世界に展開していく上で、海兵隊や空軍力の縮小はあって
も、海軍基地の全面撤退はあり得ないと考える。

結論として、戦略的に台湾、フィリピン、シンガポール、NZ、豪州
そして米国を中心とするNAFTA諸国との連携を重視し、行く行くは
この地域で自由貿易、安全保障上の同盟まで含んだ枠組みを目指す
べきである。更には、上述のシーパワー連合による、海洋開発のた
めの枠組みとしても機能させていかなければならない。注意すべき
は、マハンの頃(19世紀)と異なっており、制海権を取るために
は、制空権、制宙権、制情報権を取る必要があるということである
。この分野は全てアメリカが産業競争力を持っている、知識集約産
業分野(ソフトパワー)であり、現時点では、日本としてもアメリ
カを支えていくしかない。ミサイル防衛もこの文脈で考えるべきで
ある。上述のように、アメリカが経済破綻、戦争の恒常化により衰
退した場合、これらの戦略産業の知識、技術を持った人間を日本に
呼べばいいのである。上述の米系金融資本との提携の真の意味はこ
こにある。

このような経済圏、安全保障体制構築からさらに進んで欧州諸国の
ような政治的に統合された共同体、共同軍を形成すべきか否かに
ついては議論が分かれる。環太平洋圏は欧州のような共通のバック
グラウンド、経済発展程度を有してはいない。よって当面は主権国
家間の同盟のような形を残していかざるを得ないであろう。しかし
、将来的には国家統合まで視野に入れるべきである。

この過程で、上海へのビザ無し渡航、タイ、インドネシア、ベトナ
ムの準加盟から、環太平洋シーパワー連合(Rim  Pac)が成立すれ
ば自ずと中朝露は頭を下げてくる。上海を中心とする地域は長期的
に見て北京と一緒にいるよりこちらの陣営にいたほうがよいという
判断をするかもしれないし、そのように仕向けなければならない。
上海地域は『中国WTO加盟とITビジネスのすべてがわかる(総合
法令出版)』によると、GDPは4551.2億人民元で、上海一市だけで中
国全体の5%にあたるGDPを稼ぎ出している。一人当たりのGDPは3万4600元
で、中国平均の5倍である。

ドル換算ではおよそ4、000ドルとなり、これは1970年ごろの日本の
水準であり、現在のブラジルやポーランドなど、上海はすでに中進
国のレベルに達している。さらに、上海市1、674万人に江蘇省7、438万
人、浙江省4、677万人を加えると、揚子江下流地域の人口は1億3、800万
となり、この地域だけでも日本の人口を越える経済圏となる。

つまり、市場としての中国を見ていく場合、中国全体に目を向ける
のではなく、購買力がある新中産階級が集中している北京、上海、
広東などをひとつの独立した経済圏と見るべきであるという考え方
に立ち、上海の分離独立を画策するのである。

あせって罠にはまるべきではない。制海権は制陸権に勝るというの
は歴史を貫く法則、鉄則であると考える。

さらに環境の問題がある。今後数十年を経ずしてユーラシア大陸内
陸部は環境破壊により、人類の生存が難しくなる地域が増大すると
推定される。例えば、中央アジアのアラル海の2/3は農業用水、工
業用水の使い過ぎによって干上がってしまって、砂漠になってしま
っている。

中国では、北京の北、天安門から70キロの所に砂漠が出現している
。すなわち地球の温暖化に伴って、中国においては砂漠が急速な拡
大を見せているわけであり、北から南へ砂漠がどんどん下へ降りて
きているのである。

研究者の中には、中国では今後50年以内に3千万人の環境難民が発生
すると考えている者もいる。中国の北部一帯は全部地下水の枯渇に
直面しており、北京は既に、59メーター掘らないと地下水が出てこ
ない。どんどん地下水を組み上げているから、年間1.5メートル位
、地下水の水位が低下している。中国の砂漠の拡大スピードは、一
年間に2460平方キロ。これを1秒間に直すと78平方メートルずつ、全
中国で砂漠が拡大している。1998年までに砂漠化した土地の面積は
262万平方キロ。日本の面積の7倍位が、もう砂漠になってしまって
いる。砂漠は北京へ進撃を続けているが、1年間に3.4キロメートル
ずつ進撃している。つまり、天安門まで70キロだから、このままい
くと、恐らく30年から40年で北京は砂漠化するであろうと考える。

このように環境の観点から考えても沿岸部、島嶼部は有利である。

そして最終的には米国の衰退、世界からの退場という最悪のシナリ
オに備えて政治統合、EU軍創設まで踏み込む欧州に倣い、日本民族
生存圏を豪州沿岸部、タスマニア、NZといった地域に確保するので
ある。環太平洋連合はそのための布石になる。

(8)教育改革
この政策の実現に最重要な点はシーパワー足りうる「人」の教育で
ある。日本では内政を初め、教育をランドパワーに握られてきたた
め、シーパワーは少数派であり、排除される傾向にある。このこと
を良く表すのが、平家、海軍、国際派という格言である。しかし、
このままではいけないということは、読者諸兄にはお分かりいただ
けるであろう。よって、英語教育は幼稚園のころから始め、積極的
に異文化にふれさせるべきである。企業の国際部門勤務者に教壇に
立ってもらうのもいい。国家、社会協調して、真の改革とは、この
シーパワー人材を育成することであるという自覚が必要である。
肝心なことは、単に英語ができればよいということではなく、真に
日本の文化、歴史を理解し、正確な日本語、英語を話し、シーパワ
ーの価値観を備えた人材を育成することである。言語は文化の根幹
を成すものであり、単なる意思疎通のツールではない。日本語には
、歴史的に築かれた尊敬語、丁寧語、謙譲語など、他者との関係を
律す語彙が豊富であり、これこそが、日本文化の核心なのだ。母国
言語の正確な使用は文明人として、海外に羽ばたく第一歩であると
の確信の下、一掃の日本語教育改善と大人が責任をもって、正確な
日本語を話すことが必須である。マスコミについてもこの点で大い
に改善の余地がある。言語の乱れは野蛮への道というのは歴史を貫
く法則である。民族は経済の破綻や疲弊では滅びない。しかし、言
語、歴史、文化を失うと、容易に滅びる。よって、日本及び世界の
歴史について真実を教育し、世界を正しく理解するために、地政学
や軍事についての理解を高めることも必要である。

本作がその一助となれば幸甚である。日本人は戦後の左翼偏向教育
により、自国の歴史を歪めて教えられ、結果としてどれだけの機会
損失が生まれたかを考えると、教育の重要性は計り知れない。江戸
時代までの日本についても、再考が必要である。欧米で見直された
菜食中心の生活は、我々の先祖が江戸時代までやってきたことなの
だ。そのおかげで、現代の我々は世界最高の平均年齢を享受できて
いる。近代産業革命以降、進歩の名の下に切り捨てられた古い価値
、歴史と伝統を今一度見直すべきである。社会の建て直しは、この
教育の改革から始まる。

(9)長期スパンでの南半球への移住 
大気中の二酸化炭素濃度が上昇し始めたのは、人類が化石燃料を使
いはじめ、本格的に工業生産を開始した、18世紀末の産業革命以降
のことである。産業は日を追って発展、機械設備の動力源として石
炭を始め化石燃料が消費されるようになった。大気中の二酸化炭素
濃度は、産業革命以前には280ppmv程度であったが、1992年時点で
360pp mvとなり、現状の傾向が続けば、21世紀末には産業革命前の
およそ2倍になると見られる。

化石燃料の消費や森林伐採が原因で二酸化炭素総量の1%を毎年大気
中に放出するようになり、海洋の吸収が追いつかなくなった。

産業革命以前にも、人類は森林を伐採し燃料などに使ってきたが、
それは極めて緩慢なものであった。従って大気中に放出された二酸
化炭素はすべて海洋に吸収されていたと見られる。しかし、産業革
命以来、化石燃料を燃焼し、森林を伐採したため、大気中の二酸化
炭素総量の1%に当たる量を毎年放出するに至り、海洋の吸収が追い
つかなくなった。そのため、急激な二酸化炭素濃度の増加をみるこ
とになったと考えられる。

大気中の二酸化炭素の濃度は、北半球、特に中・高緯度で高く、南
半球で低い。その濃度差は1992年現在で3ppmvである。また、二酸化
炭素濃度は夏に低く、冬から春に高いという季節変動がある。(地
球温暖化監視レポート/1994/気象庁)1992年現在の地球平均の二酸化
炭素濃度は360ppmvであった。(IPCC第二次レポート/1995)

大気中のメタン濃度は、北半球、中・高緯度で高く、南半球で低い
。1992年現在の濃度差は0.11ppmvである。また、メタン濃度は夏に
低く春に高いという季節変動がある。 1992年現在、全地球平均では
1.71ppmvで、大気中濃度の増加のスピードは1983年以降穏やかな減
少傾向にあったが、現在は増加傾向にある。(地球温暖化監視レポー
ト/19 94/気象庁)

人類起源の二酸化炭素による温暖化の脅威は、化石燃料の埋蔵量と
消費スピードからみて、むこう数百年間にわたって続くと考えられ
る。

現在のペースで化石燃料の消費を続けると数十年から数百年後に地
球温暖化による影響が現れる。その後数千年かけて二酸化炭素が海
洋に溶けて二酸化炭素濃度は安定すると考えられ、人類起源の二酸
化炭素による温暖化の脅威は、向こう数百年ぐらい継続すると考え
られる。温暖化の進行を止めるためには今すぐ対策に着手する必要
があるが、環境破壊の影響は深刻であり、最悪のシナリオを想定す
るならば、大規模な戦争がないと仮定しても、北半球で文明的生活
を維持できるのも数世紀が限界であろう。

南半球は人口が北半球に比して少なく、かつ海洋の面積が大きいた
め相対的に環境破壊の影響を北半球よりは受けないであろう。そこ
で私は長期的には南半球への移住を進めるべきであると考える。
具体的には戦略的脅威が少なく、民族問題もあまり存在しない、か
つ資源宝庫である南極にも近い豪州のタスマニア島(タスマニアは
、オーストラリア大陸の南東に位置する島で、島全体が一つの州と
なっている。「乾燥大陸」と呼ばれる本土に比べ、豊富な緑に恵ま
れており、北海道ほどの広さの中に、人口は約50万人。また、島内
には広大な面積の国立公園があり、開発も厳しく制限されているた
め、先進国の中ではもっとも豊かな自然が残っている島とも言われ
ている。自然や気候条件だけでなく、農作物に害を与える病気や害
虫が比較的少ないこともあって、タスマニアはもともと農業に恵ま
れた環境にあるといえる。さらに近年、経済性や効率性のみを重視
した農業のあり方に疑問を持った結果、オーストラリア及び世界各
地からタスマニアに移り、現地で自然と共存する理想の農業を目指
す人々も現 れている。)の土地を可能な限り買収し、国内の失業者
を送り込み屯田兵よろしく開墾させ、自給自足させるのである。
その後数百年をかけ豪州における日本人人口を増やし、実質的に支
配する。そうすると、北半球がどうなっても、その地域で自給自足
が可能になるのである。経済に依存せず、自給自足できることが重
要であり、最後に生き残る秘訣である。経済を絶対視し、金を絶対
的価値と思われる向きもあろうが、終戦直後を思い出していただき
たい。


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