1466.日本の対応と米国の対応



米国の要請でどうしても日本の自衛隊を派遣するとしたら、日本が
最低でも付けなければならない条件はなにか?を検討しよう。
                    Fより

自衛隊の派遣は基本的には反対であることが、何べんもこのコラム
で明言している。戦争前の4月にイラク侵攻後ゲリラ戦になると、
予測していたが、その通りになっている。情報の分析をしている私
FやYSさん、コバケンさんの意見が正解であることが、だんだん
分かってきたと思う。まず、そこを日本政府や親米評論家は認める
べきだと思う。

そして、この米国の間違った戦略をフランス・ドイツと共同で是正
する必要があると主張した。米国の間違えた戦略の結果、日本も大
きな被害を受けることを知って欲しいのです。親米でも、言うべき
ことは言うべきなのです。

一方、私Fも親米であり、反米は今の日本ではやってはいけない戦
略であることを知っている。ここが反戦家たちと違う。その意味で
は親米保守派である。断じて反米的な伝統的保守派でもない。
また共産主義や社会主義は大嫌いであるから左翼でもない。これも
このコラムを見ていただければ分かる。

来年の選挙はブッシュ政権が継続して、そして、5年後の選挙で当
選する可能性が高いヒラリー・クリントンも対テロ戦を支持してい
るので、当分、米国のテロ戦は続くと覚悟する必要があるのです。

しかし、テロ戦でも今回のような領土を侵略して、ゲリラ戦になる
ような強強度紛争戦略ではなく、低強度紛争戦略に移行するはずで
ある。この方策をリアリストたちは主張している。

米国から強い自衛隊の派遣要請がきている。この要請を断ることが
できない。国内は派遣反対になっている。それでは、どうすればい
いのか??

米国の要請は、補給ラインの確保、地域の治安の確保であろうが、
日本が協力できるのは補給ラインの確保で、治安確保は難しい。
このため、海上自衛隊と航空自衛隊を出すべきだと言ってきた。

しかし、米国の要請は陸上自衛隊の派遣ですから、まだ十分に米国
の要請を満足していない。しかし、今のような状況では、自衛隊が
駐屯している地点は、平時は治安が確保されていても、自衛隊が行
くことで戦場になる。ゲリラが狙ってくる。ここを認めて、行くな
ら戦場に行くと覚悟して、装備を充実するべきだと主張している。

しかし、今の状態は、基地より外に行動ができないレベルにある。
このレベルが下がらないと、行っても基地以外に出てはいけないこ
とになり、イラク人との接触もできない。どこにゲリラがいるかわ
からないからである。

やはり、イラクのシーア派がイラク暫定政府で重い位置を占めない
とその地域での安定は図れない。この面で米国に要求するべきで、
かつできるなら、フランスやドイツなどが派遣できる国連派遣軍を
構成するように条件を出して欲しいものである。

イラク人の希望が適う、イラクとしての正義ある戦いにしないと、
このゲリラ戦は収まらないように感じる。そして、逆に今のままで
の正義感のない戦争で自衛隊員が死ぬのは、日本国民の理解を得ら
れない。

もう1つ、気になるのは黙示録で、日本軍はハルマゲドン直前に、
中東に来る記述がある。どうも1歩1歩、ハルマゲドンに近づいて
いるのであろう。座禅をすると、このような神からの啓示があり、
涙が出てくる。本当に日本は中東に行くのか??
もう1度、日本の指導者は考え直して欲しい。
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主権移譲で米側巻き返し イラク、シーア派権威に

【バグダッド5日共同】イラクを占領統治する米国主導の連合軍暫
定当局(CPA)からイラク側への主権移譲の方式に異議を唱えた
イスラム教シーア派の最高権威アリ・シスタニ師に対し、CPAは
5日までに巻き返しに出た。両者の主導権をめぐる「綱引き」は、
今後のイラクの政治と宗教界の関係を占う試金石にもなりそうだ。
 イラクの暫定統治機関、統治評議会と米国は11月15日、間接
選挙で暫定政権を来年6月までに樹立、主権を回復することで合意
。しかし、直接選挙なら国内で多数派を占めるシーア派が優位に立
つのは確実で、シスタニ師は間接選挙による合意に難色を示してい
た。
 米政府はイラクで絶大な影響力を持つシスタニ師の主張を一時、
検討したようだが、米紙は、CPAのブレマー文民行政官がこのほ
ど、先の合意内容の履行で統治評議会の多数派工作に成功したと報
道した。(共同通信)
[12月5日16時26分更新]
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件名:『国家正義か、国家の私益か』  

「対米従属」と化す国益論・中長期的な国家戦略不可欠

 軍事的には一段落したイラク情勢だが、わが国の論壇では今なお
このイラク戦争に対する見方で熱い論議が続いている。 

 米国が「開戦」の最大の理由としていた「大量破壊兵器の脅威」
も、いまだに同兵器が発見されていない状況も、そうした論議に拍
車を掛けているのだろう。つまり、戦争の正当性や米英支持をいち
早く打ち出したわが国政府の方針、突き詰めれば米国との関係、距
離感をどう図っていくかという問題に帰着する。それが、また今行
われているイラク新法の審議にも反映している。 

 9・11テロで顕著になった対米観をめぐる保守派論壇の「ねじ
れ現象」は、ますます混迷の度を濃くしているといえよう。 

 「中央公論」七月号で松本健一氏は「国家正義か、国家の私益か
」と題して、わが国外交の方針を決定する際の、いわば“指針”と
なっている「国益」論に鋭いメスを入れている。 

 例えば今回のイラク戦争でも、政府関係者や保守的な政治学者が
「国益を考えれば」米国を支持すべきだと口をそろえて言う、その
場合の「国益」は、あたかも不動の国家正義を代理しているかのよ
うにみえるが、実は国家エゴ、国家の私益にすぎないのではないか
というのだ。 

 こうした「国益論」には大きく二つあって、一つは、今は米英(
アングロ・サクソン)が覇権国家なのだから、その判断に従ってい
けば損はないと主張。もう一つは、わが国にとっての脅威は北朝鮮
であり、それに対処するにはどうしても米国の軍事力(圧力)が不
可欠で、それには米国を支持することが日本の国益になるという主
張だ。 

 前者は、日本が国際法上の主権国家であることを放棄して覇権国
家に従属することをがえんじた発想であり、後者は、政治的リアリ
ズムに立脚しているようにみえながら、その実「自分の国は自分で
守る」という現代の国民国家の最低限の要件を忘却した発想、と切
って捨てている。 

 両者は結局、対米従属せざるを得ない日本政府の立場を代弁して
いるだけで、「国民=国家の自己主張としてのナショナリズムとは
無関係」と手厳しい。 

 では松本氏のスタンスは何か。「国家が存続するのは、その国益
を保持しようとする政策によってではない。国家正義を保持するこ
とによって、はじめて存立が許される」。 

 その具体的なイメージは今一つ明確ではないが、戦前の滅私奉公
を裏返した「ミーイズム」が現代日本にはびこった結果、今や近代
ナショナリズムの要件としての「一身独立して一国独立す」(福沢
諭吉)という、ネーション(国民)の自立がどこにも見られない、
と松本氏はいう。 

 いわば、現在の国益論は「たんに国民を置き去りにして国家的威
信をふりまわすか、逆に国家の主体性に目をつぶって目前の利のみ
を追い求める浅ましさとなって現れる」というわけだ。 

 この点は重要な指摘であって、政府・与党の政策立案者にとって
も、対米支持を唱える保守派知識人にとってもジレンマとなるテー
マだ。 

 9・11テロ、今度のイラク戦争へのスタンス、そして将来あり
得る北朝鮮有事といった事態に対する判断、決断にあたっては、国
家としての主体性、自主性を貫くのが原則だが、今の目の前の緊急
課題にいかに遅滞なく誤りなく国のかじ取りをするか。これまでそ
うした相克の中で、政府・与党が「泥縄式」に対応したツケが今、
回ってきている。そこに伝統的保守派の不満、批判が噴出している
のだ。 

 安易な国益論を振りかざして泥縄式的処理を正当化するのは避け
ねばならない。そのためにも、集団的自衛権、憲法のあり方に始ま
り、中長期的な国家戦略・デザインを構築する政治プログラムが不
可欠となろう。(世界日報 編集委員 黒木正博)
Kenzo Yamaoka
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件名:ユダヤ人の心つかんだ福音派  

ブッシュ政権に強い影響力・イスラエル政府も支持重視
 過去二十年、イスラエルと福音派との関係は拡大してきた。イス
ラエルと米国のユダヤ人は、右派が持つ宗教政策に警戒心を抱いて
きたが、福音派の政治・経済的支援を評価するようになったのだ。
その結果、両者の友好関係は、インティファーダ(パレスチナ人の
反イスラエル民衆蜂起)に直面するイスラエルにとっていっそう重
要なものとなった。

 昨年十月、三千人の福音派信者がエルサレムを訪問し、小旗を振
りながら通りを行進した。この三年間、世界で最も悲惨なテロが行
われてきた場所だ。防弾のバスに乗り込み、占領地の入植地を訪ね
た。

 その大部分は、自らをキリスト教徒シオニストと考えるプロテス
タントの根本主義者で、ユダヤ人のイスラエル帰還、ユダヤ国家の
再建は、イエス再降臨の前触れと考えている。聖書の言葉を文字通
りにとらえているのだ。(F注:黙示録のハルマゲドンのことです
よ。)

 「イスラエルが、アブラハムに約束された土地すべての権利書を
持っていることは疑いようがない。この土地は、ユーフラテス川か
ら今のガザの少し向こうの『エジプトの川』までにあたる」。エル
サレムのインターナショナル・クリスチャン・エンバシーの広報担
当、ダビド・パーソンズ氏は、定期刊行物「エルサレムからの言葉
」でこう述べている。

 ユーフラテス川はシリア北部からイラクにかけて流れ、イスラエ
ルで最も強硬な右派政党でも、イスラエルの境界線をそこまで広げ
ようとは言っていない。

 米国のユダヤ人と福音派のつながりは、一九八〇年代初め、共和
党が力をつけた時に深まった。

 「キリスト教徒とユダヤ教徒の国際フェローシップ」の会長でラ
ビ(ユダヤ教教師)のエヒエル・エクスタイン師によれば、ユダヤ
人は大部分が民主党支持のリベラルで、公民権に関心を持ってきた
ため、福音派がユダヤ人を改宗させ、米国のキリスト教徒にしよう
としているのではないかと懸念していた。

 イスラエル外務省高官は、変化が表れ始めたのは、米国の右派が
リベラルの影響力に対抗し得るようになってからのこと、と言う。

 パーソンズ氏によると、世界中に四億から五億人の福音主義者が
いる。そのうち数千万人が親イスラエルだ。イスラエル外務省高官
は、八千五百万人の福音主義者がイスラエルを支持しているとみて
いる。これは、世界中のユダヤ人人口の六倍以上だ。

 ブッシュ大統領と米政権への影響力を持つことから、福音派の政
治的支持は極度に重要となった。

 福音派の刊行物「エルサレムからの言葉」は、ブッシュ大統領は
「信仰的な提言には心を開いてくれる」と記している。

 イスラエルが、二〇〇二年にヨルダン川西岸を再占領したとき、
ブッシュ大統領は、撤退を強硬に主張した。そこにキリスト教徒シ
オニズムが割って入り、ホワイトハウスに数万人が電話をかけ、電
子メールを出し、手紙を書いた。大統領が再占領を非難することは
なくなった。

 福音派はそれ以外のところでもイスラエルを支持してきた。

 エンバシーの財務担当責任者、ティモシー・キング氏は、太平洋
のミクロネシアとマーシャル諸島を「感化した」、国民の90%は「
親イスラエル」だ、と語った。これらの島々ははるかかなたにある
ようだが、国連での表決でイスラエル側に立つのは、米国とミクロ
ネシアだけであり、その支持は極めて重要だ。

 イスラエル輸出協会のラヘラ・ワインストック氏によれば、最近
、国際キリスト教徒商業会議所はイスラエルの輸出促進を手助けし
ている。

 寄付をする人もいる。エクスタイン師の見積もりによれば、エチ
オピア移民にバスの運転を教えたり、アルゼンチン移民の子供たち
のための保育施設に資金提供したり、ユダヤ教超正統派のグループ
、ハバドが運営する貧困者のための給食施設を支援したりと、さま
ざまな計画に約一億jの寄付金が使われた。

 ユダヤ人も少しずつ態度を変えてきた。エクスタイン師は福音派
との関係を理由にシカゴのイエシバ(ユダヤ教の宗教学校)の研究
室を追放されたときのことを苦々しげに思い出していた。そのよう
な時代は終わろうとしている。

 イスラエル人は支持してくれる人たちがあまりいないことを分か
っている。米国のリベラル派や欧州の人々の多くは、イスラエルを
入植者と思っているからだ。

 外務省筋は「どんな友人も受け入れる」としている。

 だが、福音派は布教に関しては慎重だ。エルサレムにある施設の
待合室には、ユダヤ教のメノラー(七枝の燭台)とショファール(
角笛)が置かれ、幕屋を受けるモーセの像もある。だが、十字架は
ない。

 「改宗を強要すれば、反発される」とキング氏は言う。また、最
終的にはユダヤ教徒が自ら、真のメシアを受け入れるようになるこ
とは明らかだ、と強調した。

 左派政党メレツのヨシ・サリド氏は、福音派の方針を非難、また
右派のイスラエル人に対しては、政府の占領政策を支持してくれて
いる、というだけの理由で福音派の方針には目をつぶっている、と
こき下ろした。

 だが、米国ユダヤ機関会長会議のマルコーム・ホーンライン副会
長は、「福音派の言うことすべてを受け入れる必要はない。(ユダ
ヤ人はキリスト教をいずれ受け入れ、でなければ滅びる、という考
えに関して)終わりの日が来た時に考えればいい」と指摘した。
  (世界日報)▽掲載許可済です
Kenzo Yamaoka


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