1453.イラク戦争とイスラエル



下記分析を行いました。私は以前イスラエルのメーカから輸入の仕
事をやっていてテルアビブに3週間ほど出張で滞在したことがあり
、イスラエルについては大変関心をもってます。イスラエルの視点
からイラク戦争を考えると色々見えてきます。


イラク戦争とイスラエル

現在のイラク情勢は、イスラエル建国から、再度考察、分析する必
要がある。第一次大戦後の中東の石油利権をめぐって、英米は対立
する。

米国は現地勢力のうちサウド家を援助したが、英国は現地諜報員ト
マス・E・ロレンス大尉(いわゆる「アラビアのロレンス」)の進言に
基づきハシム家を推して、両者は死闘を展開。結果は「ロレンスが
負け」サウド家が勝ってサウド家のアラビア、サウジアラビア王国
が誕生した。

なお、米国の二大政党制は共和党=反ユダヤ、民主党=親ユダヤ、
親英国という真相がある。

英国は17Cの二度の革命により、実質共和制であり、19Cの
VictorianCompriseによりユダヤ人に政権参画の道を開いた。ユダヤ
人によりコントロールされていたのである。そのイギリスが第二次
大戦後、失った中東利権を埋め合わせるため米国民主党トルーマン
を操り建国したのがイスラエルである。パレスチナの地は石油はで
ないが地政学上の重要性はある。

一般には差別されたユダヤ人が2000年ぶりに樹立した約束の地とい
われるが、ユダヤ人は英国や米国で優雅な生活を行っていたのであ
るから、欧州で差別されたのなら、米国に行くとい手があったはず
だ。実際アインシュタインを始め多数のユダヤ人はそうしている。
イスラエル建国の真の理由は英国の失った中東利権の埋め合わせと
いえよう。その証拠に、南米に建国することを主張したシオニスト
もいたのである。

このイスラエルの存在が、次第に英米にとって、お荷物であること
がはっきりして来た。数度の中東戦争はテロを生み、不断の援助が
なくては維持できない国であることがわかったのだ。唯一反共防波
堤としての位置づけもソ連崩壊により失せた。つまり、英米のユダ
ヤ人を除いて、イスラエルは完全に存在意義を失ったのである。
湾岸戦争ではイスラエルに軍事反攻を許さず、安全保障の観点から
イスラエル無用を証明した。それでも民主党クリントン政権は存在
意義を失ったイスラエルを延命させるべく、オスロ和平合意を結ば
せ、一時的な安定を得るかに見えた。

しかし、ブッシュ政権により、事態は一変する。すなわち、共和党
保守派のブッシュはイスラエルに冷淡であり、シャロンとパレスチ
ナの衝突を黙認した。つまり、イスラエルの支持を明確にしなかっ
たのである。イスラエルはその建国以来、米国の援助なくしては存
立できないし、それを主導してきたのは民主党である。ブッシュ政
権では、イスラエルの存立は不可能だとの危機感をイスラエルがも
ったとしても不思議はない。そのような中で起きたのが911である。

ここからは、あくまで、私の推測であるが、まず考えるべきは、米
国におけるイスラム教徒の人口増加である。現在でも総人口の2%
しかいない在米ユダヤ人は徹底的な民主党に対するロビーとマスコ
ミ操作によりイスラエルへの支持政策を取らせているが、今後50年
から100年のスパンで考えると、対イスラム人口比から影響力を行使
できなくなる可能性を考えたとしても不思議はない。ちなみにフラ
ンスでは1割近くをイスラム系住民が占めている。アメリカでこう
なった場合、親イスラエル政策は不可能になるだろう。イスラエル
においてもユダヤ人とパレスチナ人の出生率の差から、戦争がなく
ても、将来はユダヤ人単独の国家での維持は不可能との試算もある。
さらに、燃料電池の開発や、中東以外の油田への依存率を上げるこ
とにより、長期的にアメリカがイスラエル、中東をともに見捨てる
可能性が非常に高いのだ。

つまり、911による対テロ戦(ユダヤ系ウオルフォビッツ国防次
官補が主導)は将来にわたり、アメリカが中東から足抜け出来なく
したうえで、周辺国を直接支配し、イスラエルの生存を確保するこ
とを目的とするイスラエルの陰謀ではないかといえる。

ここまで考えると、イスラエルの安全保障が世界情勢を考える上で
、最大の問題であり、それは長期的には、絶対に維持できないとい
う結論が得られる。そこで、イスラエルをどうするかと考えた場合
、全ユダヤ人約500万人を全て日本に引き取り、領土の一部を割譲し
、東エルサレム共和国を樹立すべきと考える。

彼らが有する世界中の情報を手に入れることができればメリットは
金銭では計り知れないほど大きい。日露戦争はかって、この提携が
、上手く機能したことを物語る。当時、戦費調達に困っていた日本
政府は高橋是清蔵相が先頭に立って、海外の銀行に資金援助してく
れるよう働きかけたが、アジアの小国、日本をどこの国も相手には
してくれなかった。そんな時、唯一当時のお金で2億ドルもの債券を
引き受けてくれたのがアメリカにある投資商会クーン・ローブ社の
ヤコブ・H・シフであった。ドイツのフランクフルト出身でユダヤ
人のシフは、ロシアで迫害されるユダヤ人を救うため、ユダヤ人弾
圧国家であった帝政ロシアと戦う日本に同調した。更に、上述のよ
うに、金融資本主導のイギリスが日英同盟締結から、情報の面で全
面的に日本を支援したことはいうまでもない。第二次大戦における
、杉原地畝のビザ発給も彼らに感謝されている。世界上のユダヤ人
やイスラム教徒、アングロからの資金提供もありえ、これを年金の
原資とするのである。日本と世界を同時に救うにはこれしかない。
私案は、日本に「東エルサレム共和国」を独立して樹立し、イスラ
エルのユダヤ人を全て引き取り、その上でイギリスを動かし環太平
洋連合設立し、海洋資源開発とオーストラリアへの移住から南極を
伺うというものです。

日本近海の海洋資源は環太平洋連合の共同所有にして、連合樹立の
触媒にします。
イスラエルのユダヤ人を受け入れることで全世界のユダヤNWを利用
できます。数兆円の資金援助もあるでしょう。これを年金の財源に
あてます。パレスチナ問題の解決にもつながり、欧米からも感謝さ
れるかもしれません。

戦前に河豚計画というプランがありました。陸軍の反対で頓挫しま
したが、上手くいってれば世界史は変わったでしょう。ユダヤとの
連合は日英同盟で前例があります。
SATO,Fumitaka
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イラク戦争によって日本は大きな岐路に立たされている。
これまでの平和憲法・自衛隊という灰色の体制を変えるべきか否か?
 
プラン1 従来通り
平和憲法・自衛隊を維持しつつ日米同盟を堅持(ホンネと建前の使
い分け)基本的に戦争はしない事にするがアメリカの要請に応じて
の自衛隊派遣が行われる。
→ その都度、解釈や方針を建前を壊さないように変えるでしょう
  が・・・。
 
プラン2 平和国家戦略
自衛隊放棄、日米安保の破棄。完全非武装中立を貫く。
各種技能を持った人々で国際人道支援隊を設立。
赤十字よりも危険な地域に積極的に乗り込む、どれだけ犠牲が出て
も決して撤退しない。更に日本本土進行の際は何百万人が虐殺され
ても抵抗しない。犠牲を伴わない平和を期待してはならない。
→ その後、50〜100年かけてスイスのような国際的な信頼を
  築く。
 
プラン3 自立国家戦略
アジアでアメリカの影響力を小さくして日本が独自の国家戦略を展開。
EUに並ぶ第三極を作る為に経済力に見合った軍事力の増強が必要。
国防軍の建設、宇宙開発、核武装、情報機関(日本版CIA)は必須。
→ 大東亜共栄圏パート2です。中韓両国の理解は必要ですが・・・。
 
プラン4 完全孤立
平和憲法・自衛隊アリ・国際貢献ゼロ路線。
→ アメリカに見放され信頼ガタ落ち、自分で生きる力も無い。
 
 
誇り高きニッポンを目指すならプラン2か3でしょうが、難しい選
択です。どちらかというと今の流れはプラン3ですね。偵察衛星打
ち上げや海自の空母(?)導入など。
 
憲法9条は恐らく変わるでしょう。私もそれでいいと思いますが、
9条の理念は貴重です。押し付けられたものとはいえ世界初の「戦
争放棄」の思想は強烈です。無くしてしまう/有名無実化するのは勿
体無い!
社民党が覚悟を決めてプラン2をやってくれれば良いのですが・・・。
皆さんはどう思いますか?
                                       大学生のYより
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アメリカの中東攻略とは、一体何なのであろうか?

石油利権の確保もその理由の一つとして挙げられるが、燃料電池が
実用化の領域に達しつつある現在、石油利権の持つ意味合いも薄れ
つつあると見るのが妥当のような気がする。

領土としての魅力もない不毛の土地を確保しても、経済的メリット
は何もない。
単なる征服欲だけではあるまい。
その先に一体何があるのだろうか?
tanaka
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国際戦略コラムらしい事を  ks_kiyo4

私阪本潔は、イラク開戦の前から米国ブッシュの行動に比の戦争は
イラクだけの問題ではない。何れ第3次大戦の様相になる。なぜな
れば今回のブッシュの言い分は、イラクが原子力の蓄えと世界の不
安を取り除くとか??

私はそうは思わない。米国の各銃器の「航空機・爆弾」等等戦力の
在庫が有り余り至急消費せねば米国の戦力の補充が在庫満杯で生産
「発注」出来なくなる??

「言い過ぎかな」何れにしろ遠きにあらずと思う。イラク戦争は世
界の「宗教戦争」の引き金になると予想して、何回も国際戦略に投
稿している。現に世界各国に飛びして完全に宗教戦争の様相になっ
ている。日本は恐らくイラクへの派遣派兵は出来ないだろう派兵し
ない方が、世界平和のためだ今回の「宗教戦争的様相を」止めるべ
き。それに米国は第3次大戦を望んでおるかも??

それだけは絶対阻止すべきだ。特に日本がいっちよがみするのは国
民は望んでいないはず。小泉自民党・公明党はしかとかみしめる事
だ。

 11.17.pm10.00. ks_kiyo4@yahoo.co.jp 阪本 潔
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件名:隊員の精神改革が必要  

イラク派遣と自衛隊の任務・どっぷりぬるま湯 

 自衛隊の任務は、「わが国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、直接侵略及び間
 接侵略に対しわが国を防衛することを主たる任務とし、必要に応じ、公共の秩序の維持
 に当たるものとする」(自衛隊法第三条)と規定されている。そして自衛官は全員、入
 隊時に宣誓文を記載した「宣誓書」に署名押印をしなければならない。 

 その文面は「私は、わが国の平和と独立を守る自衛隊の使命を自覚し、…事に臨んでは
 危険を顧みず、身をもって責務の完遂に努め、もって国民の負託にこたえることを誓い
 ます」となっている。要するに日本の防衛のために自らを犠牲にし、死をもいとわぬこ
 とを誓うのである。 だが、入隊式などで行われるこの宣誓は一種の厳粛な儀式には違
 いないが、そこには悲壮な姿は見当たらない。それは現在の平和憲法下の日本では、死
 を目的とした職業は、たとえ自衛官といえども原理的にはありえないと考えてきたから
 だ。 

 冷戦のさなか極東ソ連軍の脅威が叫ばれていた頃でも、陸上自衛隊の幹部初級課程の学
 生(三尉)を前にして、私の「将来、日本の有事はあると思うか」という質問に、「あ
 る」と答えた学生は一人もいなかった。自分が幹部自衛官として退官するまでの間、だ
 れも戦場に出ることを考えていなかったし、戦場で死ぬことなどは想定もしていなかっ
 たのである。 

 また近年は長引く不況を反映して、特別職国家公務員の自衛官は安定した職業であるか
 らという理由で、自衛隊に就職した隊員が実に多く見受けられる。感覚的にも安定志向
 の一般公務員となんら変わるところがない。これは明らかに自衛官の本分を履き違えて
 いると思うが、防衛庁は一昔前まで、「愛される自衛隊」などと自衛隊のソフト・イメ
 ージづくりに懸命となって、自衛隊は“オイシイ職場”ということをしきりに吹聴して
 いたのである。このように自衛隊は平和と安全のぬるま湯にどっぷりと浸かってこれた
 のだ。 

公のための死生観 

 ところが、ここに至って自衛隊を取り巻く環境は様変わりした。イラク復興支援特別措
 置法に基づき、政府はイラクへ自衛隊を派遣する方針を固め、初の陸上自衛隊の戦時派
 遣が行われようとしている。際限なく続くテロ攻撃にもかかわらず、小泉首相は「世界
 の平和のため、やるべきことはきちんとやる」と述べ、イラクの復興人道支援で積極的
 に取り組むことを表明したのである。 

 その意味するところは自衛隊の任務の拡大であって、自衛隊はわが国の防衛のみを主た
 る任務とするのではなくなったということだ。自衛官は世界の平和のために命を捨てる
 死生観を持たなければならず、その使命感の次元を切り替えるためには、改めて服務の
 宣誓をし直す必要がある。日本のためにではなく、外国のために命を捨てることを潔し
 とする、精神上の大きな変革を伴わなければならない。自衛官にとってもはや死は避け
 られないものになったのである。 

 イラクに派遣される自衛官が死亡した場合の弔慰金を最高一億円に引き上げるらしいが、
 犠牲者の遺族にただカネを払えば済むという問題ではないのだ。また武器使用基準の変
 更もなく、現状のまま危険を承知で海外の死地に赴かせることは、自衛隊員の名誉を傷
 つけることになり、政府の背信行為にほかならない。これでは自衛官は敢然と任務を果
 たすことができないであろう。 
(外交・安全保障フォーラム主任研究員・柚留廣文 ) 世界日報 ▽掲載許可済です
Kenzo Yamaoka
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件名:「新聞批判」 イラクはゲリラ戦だ  

田中 良太さんからのメールを転送します。
----------ここから原文----------
 ◆イラク=戦争継続の事実を報じていない!

 「イラクでは、首都バグダッドでテロや襲撃事件が相次いでいる上、南部の都市
ナシリーヤでも、きのう、爆弾テロと見られる爆発が起きて、イタリア人兵士やイ
ラク人に多数の死傷者が出ました。
 政府はこれまで、サマーワ周辺は、治安が比較的安定しているとしていましたが、
爆発が起きたナシリーヤは、サマーワの東およそ百キロにあり、自衛隊派遣への影
響は避けられないとして、年内の派遣は難しいという見方が出ています」
 以上はNHKのニュース原稿の一部である。ネットの「NHKニュース速報」で
13日正午前に流された「イラクへの自衛隊派遣/年内困難の見方」というタイト
ルの原稿である。
 イラクで起きる事件は「テロ」であり、イラクは「治安が悪い」というのが、N
HKの統一した用語なのだろう。「テロ」「治安」という用語を使っているのは、各
新聞社も同じことのようだ。
 ほんとうに「テロ」であり「治安」でいいのだろうか。治安維持にあたる機関は
警察である。イラクで「テロ」とされる現象に対応しているのは米軍なのである。
軍が遂行するのは、「戦争」である。つまりイラクで行われているのは、「戦争」だ
といってもいいのである。そうなると「テロ」と呼ばれる事件は、ゲリラが行って
いる戦闘行為といえるだろう。
 以下のようなニュースも流れている(「朝日新聞」11/16 23:59)
 <タイトル=武装勢力訓練地帯へ長距離ミサイル発射 イラク米軍部隊>
 <イラク駐留米軍によると、米軍部隊は16日、バグダッド郊外から約200キ
ロ北のキルクーク周辺にある武装勢力の訓練地域に向け、地対地ミサイル「ATA
CMS」1基を発射した。同ミサイルの発射は5月の大規模戦闘終了後初めて。
 ATACMSは射程300キロ前後の長距離ミサイル。人工衛星によって精密誘
導され、スカッドミサイルと同じ程度の射程と破壊力を持つとされる。AFP通信
によると、今回の攻撃には約230キロの弾頭が搭載された。
 米軍は最近、米軍への攻撃が続くイラク中北部の「スンニ派三角地帯」やバグダ
ッド周辺で、武装勢力に対する掃討作戦を強めている。F16戦闘機やAC130
地上攻撃機などを投入し、精密誘導弾を含むハイテク兵器も使っている。
 米中央軍のアビゼイド司令官は8日、この地帯を訪れ、部族長らに「抵抗が収ま
らなければ、圧倒的な軍事力で攻撃する」と警告していた。今回の地対地ミサイル
の使用は軍事力を示威する戦術とみられる。>
 「スンニ派三角地帯」などというところは、ゲリラの拠点だとみていい。そうい
う地帯をミサイルで攻撃することを、「治安維持活動」と呼ぶことはできない。朝
日のニュースが伝えているのは、ゲリラ戦の一場面なのである。つまりイラクで起
こっている事件は「テロ」ではなく「ゲリラによる攻撃」である。「イラクは治安
が悪い」のではなく、「イラクは、戦争継続中」なのである。
 新聞社でも放送局でも、しばしば「用語統一」というのをやる。同じ現象を表現
するのに、二つ以上の言葉が用いられては困るからである。
 イラクの事態を表現する言葉がいつから「テロ」「治安」となったのだろうか? 
今年4月11日、ブッシュが「サダム・フセイン政権崩壊」を宣言、同14日には
米英軍が中部のティクリートを制圧、米英軍はイラク全土を掌握した。これで戦争
は終わったというのが米英側の基本認識で、以後「課題は戦後復興」という発言を
展開していく。日本の新聞・テレビもそれに沿って用語統一を行って「テロ」「治
安」という用語体系に切り替えたと思われる。
 しかしサダム・フセイン政権は、それほどもろくなかった。米英軍にとって「全
土制圧」と見えたのは、サダム・フセイン側が戦闘のスタイルを切り替え、ゲリラ
戦に突入しただけではないか……。いま有力になっているのはこうした認識である。
 新聞社の用語統一のさい、関係各部のデスククラスが集まって協議したりする。
こういうとき政治部の代表は、「日本政府の用語体系は『テロ』『治安』となってい
る。しかし現場を取材しているのは外信部さんだから、外信部の決定に従います」
というべきだというのが私見である。新聞社在社中はそうしてきた。
 一つの事実をどう呼ぶかを決めるのは、あくまで現場を見ている記者であるべき
で、米国大統領とか、日本政府とかであるべきでない。そこで譲って、「力ある者」
の呼び方に従うというところから、「官報化」「ご用新聞化」が始まる。イラクの現
状を深く知っているわけではない私がいうのもおかしいが、イラク戦争は継続して
おり、第2幕のゲリラ戦が激しく戦われているという認識に切り替えてほしいもの
だ。
 イラクの「ベトナム化」という言葉も使われるようになっている。しかしこれは
誤解を招く言葉である。ベトナム戦争は、少なくとも米国の認識としては、米ソ代
理戦争だった。当時のベトコン(南ベトナム民族解放戦線)が、北ベトナムを通じ
てソ連の軍事援助を受けていたのも、否定できない事実であった。
 これに対して米国側は、「反共の防波堤」としてSEATO(東南アジア条約機
構=54年結成、米英仏豪、ニュージーランド、タイ、パキスタン、フィリピンの
8カ国、パキスタンは72年に脱退)を持っていた。ASEAN(67年結成、タ
イ、フィリピンのほか、インドネシア、マレーシア、シンガポールの5カ国)は、
軍事的側面を排除しながらも、反共の防波堤の一つであった。
 いま中東で、ゲリラ戦を戦っているアラブ民族主義者(サダム・フセイン政権は、
アラブ民族主義政党=バース党から生まれた)に対する「防波堤」はない。アラブ
民族主義が挑んでいるゲリラ戦とみると、イラクとイスラエルという二つの戦線を
持つと考えるべきだろう。
 もともと2001年9月11日の「同時多発テロ」として始まったのが、今回の
戦争である。テロに応えて、米ブッシュ政権はアフガニスタン戦争・イラク戦争と、
二つの戦争を仕掛けた。さらにイスラエル軍による戦争を全面的に支持している。
 こうした戦争の構造上、アラブ民族主義の側は、戦線をどこにでも設定できる。
現に、「東京でテロ」という「予告」も行われている。南ベトナムに戦線が限定さ
れていたベトナム戦争とは、この点でも異なるのである。
 戦争をしている双方の政権は、互いにもたれ合っているといえる。典型的なのは
イスラエルの強行派政権で、パレスチナ過激派によって支えられているといえる。
PLO(パレスチナ解放戦線)内部で、穏健派の支配が確立すると仮定するなら、
イスラエル政権も穏健派にならざるをえない。
 この例をもって考えるなら、ブッシュ政権は、アラブ民族主義過激派と相互依存
している。イラク、イスラエルでのゲリラ戦が続くとともに、世界中いたるところ
で大規模テロが起こることこそ、ブッシュ政権の論理にとっては望ましい。
 しかし米国の世論は、もはや厭戦気分である。ブッシュ戦争が、「戦争の論理」
を強化するばかりで、イラクからの撤兵のタイミングをつかめないなら、次期大統
領選での敗北は必至だろう。「イラク戦争を仕掛けたのは間違いだった」と認める
ことなく、撤兵できるかどうかも疑問である。「撤兵するも地獄、しないも地獄」
という袋小路に追いつめられているのが、ブッシュ政権の現状だろう。
 ブッシュ政権が袋小路に追いつめられている事実をいちばん冷徹に見つめている
のが、ニューヨーク・東京などの株式市場で資金を運用しているマネー・ゲームの
主役たちであろう。今週に入って、世界同時株安の様相を呈している。ブッシュの
アメリカの崩壊を見越して「先売り」に走っているということではないか。
 米国は「上昇」「勝利」を続けてきた国だから、「敗北」に弱い。ベトナム戦敗北
以後の米国は、アイデンティティー・クライシスに陥ったといえるほど、社会的な
亀裂が目立った。
 9・11テロ以降、米国の至る所で多数の星条旗が登場した。米国アイデンティ
ティーを強調する行動で、ベトナム戦争のときにはなかった現象だ。星条旗を振る
ことに象徴される「アメリカ精神の鼓吹」が激しければ激しいほど、敗戦のショッ
クは大きいと見るべきである。
 ブッシュの戦争の敗北によって、米国は「ポスト・ベトナム化」する。その落ち
込みの規模は、ホンモノの「ポスト・ベトナム」よりはるかに大きい。こちらの未
来予測こそ確実だと見なければならないのではないか。
Kenzo Yamaoka
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件名:『イスラエルのシャロン首相の真意』  

イスラエル軍によるパレスチナ人への攻撃が続いている。「イスラエルでのパレスチナ人
によるテロが続いている。そのテロをパレスチナ自治政府が取り締まっていないからだ。」
そうイスラエルは「説明」している。テロの背景にあるのは、もちろん占領の継続である。
そして、占領を終わらせるための交渉が停止されたままになっているのも、パレスチナ人
の絶望感を深めている。確かにイスラエルのシャロン首相は、交渉再開の条件として7日
間の平和を求めている。7日間テロがなければ交渉を再開しようと「提案」している。

 しかし、シャロンは本当は交渉を望んでいない。交渉が意味するのはイスラエルの少な
 くとも占領地の一部からの撤退であるからだ。シャロンは占領地からの撤退は望んでい
 ない。交渉の開始をできる限り引き延ばし、その間にテロへの報復を名目にしてアラフ
 ァトの自治政府の支配の基盤となっている治安組織を叩く。それがシャロンの作戦のよ
 うだ。パレスチナ暫定自治政府のアラファトは、直属のフォース17を含む幾つもの治安
 組織を相互に競わせて自らの支配を維持しているとされている。イスラエルは、このア
 ラファトの支持基盤を組織的に攻撃しているようだ。PLO(パレスチナ解放機構)の中
 での最大派閥として知られるファタハの施設も目標とされている。ファタハは、もちろ
 んアラファトが同士と共に1960年代にクウェートで創設した組織である。アラファトが
 PLOで1960年代末より常に主導権を握ってきたのは、アラファトの率いるファタハがPLO
 内での最大派閥であるからだ。ファタハへの攻撃は、アラファトの支持基盤への攻撃で
 ある。
 
 イスラエルはアラファトの生命を狙いはしないとエジプトに保証したと報道されている
 が、アラファトのヘリコプターや事務所を攻撃している。支持基盤ばかりでなく、その
 威信をも同時に攻撃している。アラファトを政治的に生きる屍にいようとしている。パ
 レスチナ暫定自治政府を弱めれば、ヨルダン川西岸とガザに分断され、しかも西岸に散
 在する自治地域をつなぐ力は、更に弱まってしまう。パレスチナ人が地理的のみならず
 政治的にもバラバラになってしまう。やがてパレスチナ人をまとめ代表する勢力が存在
 しなくなるだろう。つまり、イスラエルはこうした攻撃を続けて、パレスチナ側には交
 渉の対象となる勢力を消滅させてしまう。そうなれば、交渉への国際的な圧力が強くな
 ろうとも、「交渉の相手が存在しないのだから、交渉をしたくても不可能なのだ。」そ
 うシャロンは抗弁できるようになるからだ。そして占領地の支配を永続化する。それが
 シャロンの真意だろう。(高橋和夫 たかはしかずお/国際政治学者)
Kenzo Yamaoka
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件名:反ユダヤ主義発言で波紋  

ドイツ、保守系野党CDUの議員・CDU、愛国心の解釈を模索へ
 ドイツの保守系政治家がこのほど、ユダヤ人を「加害者民族」扱いする発言をしたこと
 で党から除名された。ドイツでは戦後、反ユダヤ主義の言動がタブー視されているだけ
 に、ユダヤ人に関する言動には細心の注意が必要となっている。(ベルリン・豊田 剛
 ・世界日報)
 ドイツ統一記念日の十月三日、保守系野党、キリスト教民主同盟(CDU)のマルティ
 ン・ホーマン連邦議会(下院)議員が地元ヘッセン州の選挙区で演説した内容が後に明
 らかになり、大問題となった。

 「ロシアの共産革命時に、多数のユダヤ人がロシア秘密警察の幹部や銃殺隊として活動
 した。その点ではユダヤ人も加害者民族。ドイツ人とユダヤ人が“加害者民族”と言い
 たいのではなく、ドイツ人に対してのみ犯罪者扱いをすることは正当性を欠く」という
 部分が問題とされた。

 ホーマン議員の問題発言は、ユダヤ人団体や中道左派与党のみならず、内部からも大き
 な反発を受けた。メルケルCDU党首は「発言を受け入れられない」と述べ、今月初め
 には同氏を下院の内政委員から外すことを決めた。

 独最大のユダヤ人団体であるユダヤ人中央評議会や少数与党の「緑の党」はCDUの決
 定を「不十分」とし、議員資格のはく奪を求めた。ホーマン氏に対する態度表明があい
 まいとして、CDU執行部への批判が日増しに高まっていた中、CDUは十四日、下院
 議員の賛成多数で除名を決定した。

 ホーマン発言は、連邦軍幹部の共感を呼んだ。ラインハルト・ギュンツェル連邦軍特殊
 攻撃部隊(KSK)総司令官は、ホーマン議員に手紙を送り「わが国の真実に関してま
 れに見る勇気ある素晴らしい発言。国民の大多数の意見を代弁している」とエールを送
 ったことがホーマン氏の証言で明らかになった。この件で、シュトルック国防相(社民
 党)は同司令官の解任に踏み切った。

 しかし、ホーマン氏の演説の全体を読めば、ナチス・ドイツの行為を正当化するもので
 はなく、ドイツの愛国心と自負心を鼓舞したい気持ちが分かる。同氏は「メディアは発
 言の一部だけを強調し、あたかも反ユダヤ主義であるかのような印象を与えた」と怒り
 を表明した。

 両氏の発言からは、ドイツが戦後補償に真剣に取り組んでいるにもかかわらず、半永久
 的に「加害者」としてのレッテルを張られることへの抵抗が見え隠れする。戦後ドイツ
 では、政治家が常にユダヤ人に気を使った言動を取ることが求められている。

 CDUのある議員は「ドイツでは真実を言うことができない。いくら黒でもユダヤ人が
 白と言えば、それに従わないといけないのか」と述べるなど、ホーマン問題に関してイ
 ライラを隠しきれない。閣僚経験のあるユルゲン・メレマン議員も、イスラエル批判を
 繰り返したことで、リベラル右派の自民党から除名されている。同氏は今年六月、自殺
 で人生の幕を閉じた。

 ホーマン議員の除名が決定した日の有力日刊紙には、CDUの右翼議員が連名で「ホー
 マン議員にチャンスを与えよ」とする意見広告が掲載された。十四日付ウェルト紙によ
 ると、ホーマン氏の除名動議を歓迎する割合は54%にとどまり、世論の意見は二分して
 いる。

 反ユダヤ主義問題は、ベルリンのホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)祈念碑の建設にも
 頭をもたげている。同祈念碑の落書き防止用塗料を提供している世界最大の特殊化学メ
 ーカー、デグサの子会社が、ホロコーストで使われた毒ガス「チクロンB」を製造して
 いたことが先月末に分かり、祈念碑の建設がいったん中断した。

 同社は戦後、どの企業よりも熱心に戦後補償に加担しているだけに、六十年前の問題を
 現在に適用させることが適切かどうかで議論が分かれていた。祈念碑建設委員会は十三
 日、建設にデグサの関与を許可する決定を下した。歴史的なわだかまりをなくすための
 勇気ある一歩といえる。

 今後、CDUでは月末に東部ライプチヒで開催される党大会を視野に愛国心の解釈につ
 いて模索する予定だ。

 ▽約8割がユダヤ人に好意的・世論調査
 ホーマン下院議員とギュンツェル連邦軍特殊攻撃部隊(KSK)総司令官の発言は、ド
 イツで反ユダヤ主義が根強く残っているかのような印象を与えた。そこで、十日付ウェ
 ルト紙が公表した反ユダヤ主義に関する調査によると、約八割がダヤ人に対して好意的
 な印象を持っていると考えていることが分かった。
 調査は、ベルリン自由大学の反ユダヤ主義研究所と世論調査機関エムニードの協力で行
 われたもの。「ドイツ人に反ユダヤ主義的傾向がある」との意見はわずか12%で、85%
 が「ユダヤ人が隣近所に住むことは問題ない」と答えている。

 「ユダヤ人が世界に影響力を持ち過ぎている」との考える割合は25%と少数派。イスラ
 エルの政治への批判意見が65%と最も多い一方で、ユダヤ人社会やユダヤ教信仰に対す
 る否定的な意見は少ない。ドイツに反ユダヤ主義感情はなく、むしろ反イスラエルと言
 った方が適切だ。

 EUがこのほど発表した報告によると、イスラエルを世界平和の脅威と考える意見が最
 も多く、北朝鮮やイランを上回っていたことからも分かる。

 ホーマン氏の発言に触発されたのか、キリスト教民主同盟(CDU)議員から反外国人
 感情をあおるような発言が相次いでいる。連邦議会のニッチェ議員は「イスラム教徒が
 CDUに投票するよりも、彼らの腕が腐れ落ちた方がましだ」と発言した。トルコ人な
 どイスラム系移民のほとんどが中道左派の社民党に投票する現状を嘆いてのコメント。

 続いて、フィッシャー下院議員が、移住者が増加傾向にある旧西独各都市の状況を「恐
 怖のシナリオ」と描写した。ドイツが移民と融合しきれていない現状に、保守系政治家
 はいら立ちを隠せずにいる。▽掲載許可済です
Kenzo Yamaoka


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