1431.権力構造と政治について



権力構造と政治について検討しよう。   Fより

政治の権力は、その国家予算の分配を変更する権限のことである。
そして、その予算と周辺業務をある勢力に多く分配するために、
政治活動を行う。しかし、ある勢力だけでは多数の支持を得ること
が出来ないために、利益相反でない他の勢力と協調して、政治権力
を取りに行く。その他大勢の浮動票も必要であるので、その浮動票
層にも利益が行くような政策を打ち出す。

しかし、メインの勢力は自民党も民主党も透けて見えている。
自民党は、農村票と中小企業経営者であり、経団連などの大企業は
より増しという程度で自民党を応援している。
民主党は、労働組合、よってサラリーマンをその支援母体としてい
る。普通に見ると、これでは民主党の圧倒的な勝利に見えるが、
自民党は公明党の票(800万票)を得ることによって、政権を維
持している。公明党が自民党に着いたために立正佼成会(200万
票)は民主党に鞍替えしている。

公明党は創価学会が支援母体であり、創価学会のメンバーの主だっ
た層は、小さな自営業者を中心にしたどちらかというと、低所得者
層である。このため、公明党が自民党と組んで最初に求めたのが、
地域振興(信仰)券で町の小さな商店に金が落ちることであったこ
とでも分かる。

このように権力を取ると得な層が明確化しているが、国民にはこの
事実を大企業批判の共産党以外は隠そうとする。たとえば、民主党
は農村票も必要であるので、農村の振興を掲げることになるが、農
村の高い農産物はサラリーマンの利益と相反する。自民党もサラリ
−マンなどの浮動票を確保するために、小泉さんや安部さんのパー
フォーマンスを繰り広げる。しかし、農村・自営業者とサラリーマ
ンは製品価格の面で利益相反の関係にある。自由貿易の面でも利益
の相反を起こす。

税金もサラリーマンや大企業に厳しい内容であり、自営業者や農村、
低所得者層に甘いのが今の自民党・公明党連立政権であるからで、
民主党になるとサラリーマンの重税から農村・自営業者への税金の
過重が増えることになる。このように支持層でそれは判断できる。

いい悪いの問題ではなくて、支持層への配分の問題であるから、そ
うなるだけで、政治の持っている根本の問題である。有限の国家予
算を全員に分配できない。

もう1つ、公明党と共産党の支持層は同じ自営業者や低所得者の層
にあり、この争奪戦をしているので、両者の非難合戦は壮絶になる。
自民党の野中さんと公明党も同じ低所得者層が支持母体であり、
本来はあまりいい関係ではないはずであるが、野中さんの政治力で
押さえていたが、野中さんが引退でどうなりますか。

このような分析を日本の政治評論家はしなさ過ぎで、このためこの
ような事実を国民が知らないだけである。
今は、サラリーマンの数が他の階層より断然多くなっているので、
サラリーマンや大企業の支持が今まで以上に必要になっている。
この観点から日本の改革が必要になっている。しかし、その改革を
すると、今までの自民党の支持層である中小企業や農村が利益を失
うことになり、抵抗が起きているのです。

自民党の小泉首相は都市近郊の選挙区であり、都市市民を選挙基盤
にしているために、この事実に自民党の中では一早くに気が着いて
いた。しかし、抵抗勢力の自民党政治家は、選挙区が地方であり、
今までと同じ支持層であるためにこの事実に気が着かない。

自民党といえども、サラリーマンの利益を無視できない。そうしな
いと、いつかは政権を手放すことになり、農村や中小業者は今以上
の損をすることになる。小選挙区制と都市市民増加で、農村人口が
選挙区を弄っても、過半数をとれない。しかし、都市市民はこの事
実を知らないため、選挙の棄権が多い。よって民主党が勝つことも
できない。公明党は組織票であり、低得票率であれば、その力を発
揮する。

さあ、選挙結果はどうなりますか??
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奥田氏「経団連の政策評価、自民があっている」 
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20031030AT3B3000430102003.html
 東北経営者大会に出席するため山形市を訪れている奥田碩日本経
団連会長は30日、同市で記者会見し、28日に公示された衆院選にか
らんで「経団連の優先政策事項に照らして自民党があっている。民
主党とは若干違う」との認識を改めて強調した。
 経団連では来年からの政治献金関与再開に向け、9月に政党の評価
基準となる優先政策十項目を発表して評価作業を進めている。奥田
会長は「郵政や道路公団の民営化など両党の政策に傑出した差はな
いが、いくつか違う点がある」と指摘。その一方で「公約をどれだ
け実行に移せるかを見極めていきたい」と慎重な姿勢ものぞかせた。
 (11:01) 

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