1403.海外情勢について



海外情勢の中心は覇権国家・米国の動向である。  Fより

米国の動きを見ると、国連のイラク決議も止まっているし、北朝鮮
問題でも、硬直状態にある。このようなこう着状態の中でブッシュ
の支持だけがどんどん下がっている。膠着状態に対して、北朝鮮も
経済援助がないと経済が息詰まるために、いろいろな脅しを掛けて
、米朝2ケ国会談を実現しようとしているが、米国も動けない。

韓国は、北朝鮮から脅されて、米国と代理交渉をして、かつ北朝鮮
に経済支援を行っている。韓国は戦争になることを援助で防止した
いようであるが、北朝鮮と米国の関係が問題であり、北朝鮮も米国
も譲歩の態度が見えないために、無意味に成っている。

北朝鮮の問題は2つの方向しかない。1つが戦争になることで、在
韓米軍は、前線から南下して戦争になっても、時間的な余裕を持っ
ている。もう1つが交渉で解決する道であるが、こちらは次の6ケ
国協議を行い、米国と北朝鮮の両方が合意することであるが、道が
遠い。反対に、どんどん北朝鮮は脅しのレベルを上げている。

イラク問題では、米国CIAはイラクに大量破壊兵器はないと、イ
ラク戦争の原因を否定した。このため、ブッシュの支持率が下落し
ている。来年の大統領再選で民主党の候補にもチャンスが出てきた。
反対に、ブッシュとしてはイラク出口戦略を本格化しないと、本当
に負ける。イラク展開の米軍が毎日1人以上殺されている。これで
は持たない。

このため、国連のイラク支援が必要であるが、イラク決議で米国は
イラク主権回復を明記しないため、国連安保委員会の支持を得られ
ない。この決議が通らないと、世界からPKFはイラクに来ない。

このような情勢にあることを日本のマスコミがあまり言わないのは
怠慢ではないかと思うが???
勿論、日本も国連決議が通れば、堂々とPKFに参加する必要があ
る。国連が拒否したイラク侵略した、かつ米国でも正当性が疑問視
されている米軍の支援は、日本としてもどうかと思う。もし、民主
党が次期政権になると、選挙中イラク侵略を批判するので、日本は
イラクに陸上自衛隊を派遣しても、次期政権からは何も感謝されな
いことになるように思う。ここはブッシュの要請に航空自衛隊や海
上自衛隊の補給支援と200名などの少人数の自衛隊の派遣で済ま
したい所ですね。復興資金の援助も国連決議が条件とした方がいい
ように思うが??

ロシアは米国と交渉して、利権を得ているし、中国は北朝鮮の問題
で米国に貸しを作っているため、イラク問題で反対しても米国から
の反撃はないと思っている。

イスラエルはイラクに親米・親イスラエル国家がほしい。そうすれ
ば、シリアやパレスチナの力を削減することができる。このイスラ
エルが米国のネオコンを動かして、ありもしないイラクの大量破壊
兵器を宣伝して、イラク侵略を正当化した。このため、国連でイラ
クの民主化が早いと、反米・反イスラエル国家になると思っている。
このため、国連の関与を反対している。

欧州中心部は米国からの経済的な締め付けが大きくて、経済的な損
失が多い。このため、米国に表立って反対できないようである。

このため、表面的には世界は何事も無く、何も解決しないような状
態にある。
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北朝鮮「核燃料棒8000本の再処理完了」 (nikkei) 

 【ソウル=山口真典】北朝鮮の外務省報道官は2日談話を発表し
「使用済み核燃料棒8000余本の再処理を成果的に終了した」とした
うえで「(抽出した)プルトニウムを核抑止力を強化する方向で用
途を変更させた」と述べた。プルトニウムを核兵器製造に利用する
考えを示したもの。次回の6カ国協議に向け核問題の緊張を高め、交
渉を優位に進める狙いがあるとみられる。

 朝鮮中央通信の報道を朝鮮通信(東京)が伝えた。北朝鮮は7月に
8000本の再処理完了を米国などに通報したが、メディアを通じて発
表したのは初めて。核燃料棒8000本を再処理すれば、核爆弾5―10個
分のプルトニウムを抽出できるとみられる。

 談話について韓国外交通商省報道官は2日夜、「対話の雰囲気を損
なう憂慮があり遺憾に思う」との論評を発表した。同時に「韓国政
府は北朝鮮が状況を悪化させる措置を取らないよう強く要求する」
と述べ、米国と協力して北朝鮮の核開発状況を監視していく方針を
示した。 (20:00) 
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イラク大量破壊兵器未発見、米外交に内外から疑念 (nikkei) 

 【ワシントン=秋田浩之】イラクでの大量破壊兵器発見が難航し
、ブッシュ米政権の軍事・外交路線への疑念が一段と強まる雲行き
になってきた。米兵死傷者数の増加から、世論調査では対イラク開
戦が誤りだったとする意見がほぼ半数に拡大。2日に政府調査団が同
兵器は未発見との中間報告を議会に提出したことも追い打ちをかけ
そうだ。政権にとって、イラク情勢は来年秋の大統領選へ向け重荷
となりつつある。

 中間報告は「大量破壊兵器は未発見」と認める内容。イラクで大
量破壊兵器の捜索にあたっている米政府調査団の団長を務めるデビ
ッド・ケイ中央情報局(CIA)特別顧問が2日、提出した。ブッシ
ュ大統領は同兵器の脅威などを理由に対イラク開戦に踏み切っただ
けに、未発見に終われば開戦決定の正当性も崩れる。同日のラムズ
フェルド国防長官の記者会見では未発見を巡る責任をただす声が噴
出した。 (07:00) 
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2003年10月04日(土) 
イラク新決議、米修正草案 アナン事務総長が批判 占領統治、
治安改善望めず
(SANKEI)
国連調査団バグダッド派遣へ
 【ニューヨーク=内畠嗣雅】イラクに展開する多国籍軍を創設す
る国連安全保障理事会の新決議をめぐり、国連事務局をまじえ、理
事国の案文をめぐる交渉が二日、本格化した。米国が提示した修正
草案に対して、アナン国連事務総長ははっきりと不満を表明。非常
任理事国(十カ国)からは、新決議で役割を強化される国連の意向
は無視できない、との声が出ている。

 二日の交渉は、非公開協議のあと、安保理全体と事務総長による
昼食会、非常任理事国だけの会合、「共通点が多い」(王光亜・中
国国連大使)というフランス、ドイツ、ロシア、中国の四カ国など
、さまざまな組み合わせで行われた。

 アナン事務総長は昼食会のあと記者団に対し、「これは占領だと
いうイラク人の考えをなくし、抵抗を止めなければならない。なぜ
、アフガニスタンのように(主権を持ち国際社会の支援を受けて憲
法制定などを進めることが)できないのか」と修正草案を批判した
。事務総長は数カ月での主権移譲を構想しているが、修正草案では
、占領統治が当面、維持される。

 事務総長は同時に、治安状況の調査のためアハティサーリ前フィ
ンランド大統領が率いる調査団を週末、バグダッドに派遣すること
を明らかにした。二件のテロで職員の大規模な撤退を余儀なくされ
ているにもかかわらず、国連は役割強化への準備を進めている。

 非常任理事国のチリのムニョス国連大使は「事務総長の(昼食会
での)発言には説得力があった。国連事務局がこれでは治安が改善
されず、イラクで活動ができないという決議なら意味がない。修正
草案は文言の調整だけでなく、根本的に変える必要がある」と述べ
た。多国籍軍創設の新決議は、各国を部隊派遣に突き動かすもので
なくてはならない。そのためには、採択は全会一致か、それに近い
形が求められ、非常任理事国の意見も重みを持つ。

 一方、パリー英国大使は「(修正草案には)必要な要素がすべて
含まれている」と指摘、ドラサブリエール仏国連大使は「(米国に
)聞きたいことがたくさんある」と述べるなど、両国は相変わらず
の反応だった。各理事国は修正草案を本国で検討し、六日午後の非
公開協議で、再度話し合う。


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