1392.S子&国井コラム



件名:グローバリゼーションと地域通貨・・・S子 

グローバリゼーションの波及により90年代半ば以降、日本経済は
混迷をきわめている。企業の多国籍化により私たちはより安価なも
のを手に入れることができるようになった。その反面、国内産業の
空洞化は著しく加速している。

企業の倒産やリストラの進行で、いまや実質失業率は8%にまでの
ぼっている。派遣社員、パート、フリーターの増加で労働の質と
賃金低下で、国民の生活はより厳しい。経済不安が社会不安をまね
き犯罪が急増、凶悪化している。

戦後未曾有の経済不況にあって、人やもの、お金がより流動的にな
るグローバリゼーションの波及が果たして私たち国民に良い効果を
もたらしているかといえば、私は疑問である。というより、むしろ
グローバリゼーションは私たちにマイナスの効果をもたらしている
のではないか。

日本の多国籍企業は東・東南アジアに進出、とりわけ中国に生産拠
点を置き、企業は私たちに安価な商品を提供している。経済不況下
、私たちが安価な中国製品を買えば買うほど国内産業はますます空
洞化するという矛盾をひき起こしている。

市場経済を生きる多国籍企業にとっての追求は利潤のみである。
利潤を追求するがために多国籍企業はボーダレスに国境を越え進出
してゆく。こうしてできあがったボーダレスな商品を私たちは買っ
ている。メイド・イン・チャイナという商品が中国製だとわかって
も、それが中国のどの地域の工場の誰の手によってつくられたもの
なのかは、私たちにはまったく見えてこない。

結局グローバリゼーションの落とし穴は人やもの、お金がボーダレ
スに動くことにより、最終的には希薄化してゆく個人にあるのでは
ないか。個人が希薄化してゆけば隣同士の連帯や地域に生きる人々
の共同意識さえも生まれてこない。

私の住む地域では複数の個人業者が集まり、毎週定期的に「市場」
を開いている。地元でとれた新鮮な魚や野菜、果物、それらを利用
してつくられた手づくり食品等を市場では地域住民に提供している。

そこでは生産者の顔も見える。購入者も安心して商品を買うことが
できる。商品を購入し満足が得られたなら、また次の日曜日に市場
へ出かける。そこで親しくなれば商品のつくり方を教えていただく
ことも可能になる。

「市場」を起こした個人業者同士の連帯、個人業者と購入者との連
帯がそこで生まれる。継続してゆくことでひとつの信用もできる。
信用ができることにより、そこに留まる人とものとお金がある。
全てがうまく循環してゆく。小さな地域だから目に見えて大きな進
展はないが、私にはボーダレスにならない人やもの、お金が重要で
あり、結局は最終的にそれが地域を守ってくれると私は思っている。

最近話題になっている金利が目減りする地域通貨も、ボーダレスに
ならない人やもの、お金を生み出し、その地域の経済や社会、生活
を守る砦となる。

今日、世界経済の根本をなしているものはお金である。お金が全て
ではないが、お金がなければ生活しづらい環境に私たちは置かれて
いる。しかし、今日実体経済と実体なき経済の動きが逆転し、個人
の労働にみあわない価値をお金が生みだしているという矛盾がある。

働かずして一瞬のうちに飛びかう巨額の実体なき経済がある一方で
、生活保護を受けている人間より収入が低い労働者の実態や企業に
奴隷のようにこきつかわれ過労死してゆく労働者の実態がある。

私たちはバーチャルな二面性をもつお金という矛盾した価値の中を
生きていることを知る。そうしてお金に対する信用が今大きく揺ら
ぎはじめている。

日本経済の未曾有の不況と社会不安から多発する犯罪をみれば、グ
ローバリゼーションは世界により多くの貧困層を生みだし、地域の
経済、生活、文化を破壊しているにすぎない。グローバル化により
希薄化してゆく個人の増加からは連帯や共同意識は生まれず、地域
はますます人、もの、お金が空洞化してゆく。その空洞化してゆく
地域を守ってくれる最後の砦は、地域通貨であると私は思っている。

貯蓄はあっても先行き不安のためにお金を使えないでいるデフレ経
済下の日本では、金利が目減りする地域通貨は有効である。賃金の
2〜3割を金利が目減りする地域通貨にすれば、確実にその2〜3
割分のお金は地域に還元される。お金だけでなく人、ものも還元さ
れ地域の活性化につながる。

今まで外に向かっていた個人の目が地域内へと向かい、改めて地域
の良さを見なおすことにもなる。そこから隣、近所の連帯や地域の
共同意識が芽ばえる。ボーダレスにならない人、もの、お金が連帯
や共同意識をさらに強固なものにする。

グローバリゼーションによりボーダレスな動きをみせていた人、も
の、お金が地域通貨の発行により少しでも留まることになれば、
このようにさまざまな利点が生じてくる。

グローバリゼーションは私たちに世界を知る大きな手がかりを与え
てくれはしたが、結局個人を希薄化してしまった。人は人とのつな
がりの中で生きてはじめて人として心豊かに生きることができる。
21世紀は戦争の世紀だと言って暴力を肯定し不安をあおり暗いも
のにするのでなく、人が人として心豊かに生きることのできる明る
い世紀としたい。

参考文献 
「経済」 7月号  p117 「資本のグローバリゼーションと南北問題」
「経済」 10月号 p12  「日本の労働者――その労働と生活」
          p48  「豊かさの条件」からみた日本社会
          p144 「激動の移行期にある世界経済」
新日本出版社
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(Fのコメント)
経済大国日本は、地域と地球全体の2つの視点が必要になっている
。ネット上や企業ではグローバルな感覚で、仕事も社会も進むが、
生身の人間は所詮、地域の実体的な繋がり無しには、生きてゆけな
い。この2つのバランスをどう取るかを検討する必要がある。

日本はグローバルでも勝っている。中国製の日本メーカ品や日本製
の日本メーカ品、日本製の米国メーカ品があり、この分野でも日本
が伸びている。それは映像処理のLSIチップを日本が独占してい
るためであろうと思う。LINUX用の安価なCPUチップも日本
製が多いように感じる。高級なCPUチップはまだ、米国製が多い
が、周辺チップにいい物を出しているようだ。

しかし、日本の地方経済は中国の人件費に負けて、汎用品の工場が
撤退したために、低迷しているのも事実です。この活性化は東京か
らUターンできる定年退職者を狙う必要があると思う。この人たち
は今後一大勢力になり、かつ年金や退職金を持っている金持ちです
から、農業をしたいと地域にお金を落としてくれるはずです。
また、私の周りを見ても、地元に帰り、農業をしたいと希望してい
る人が多い。このため、農業や林業などの職を、都市住民にも解放
する方がいいと思うし、都市住民を引き寄せるインターネットなど
の通信環境を整備することが必要です。
それに付加して、地域通貨をすることがいいと思うのですが??
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私も最近、EM菌の利用をし始めました。
商工会の婦人部がEM菌の講習会をしてくれました。
講師は、IT関連企業に従事しておられたそうですが、親が高齢に
なってきたので、退職して、農業をされておられる方。 
自身の所有地2町歩と借地が2町歩の農地を経営しているとのこと
。数千万年の収益を上げているとのこと。
親が農協職員であったので、大量の農薬と化学肥料を使った作物を
食べていたのであまり丈夫でなかった。今は、EM菌を利用した有機
農業をしている。小学校の総合学習で農業を教えているとのこと。
 
EM菌は、菌が眠った状態のEM1号があって、それに糖蜜と水を加え、
20度から40度の温度で、活性液を作る。
この活性菌を同講師から、2リッター、300円で販売して貰って
いる。
 
この活性液で、米のとぎ汁醗酵液を作り、野菜にかけたり、入浴剤
にしたり、リンスにしたり、洗濯、トイレの掃除、排水溝に流した
りと。
 
講師によるとダイオキシンも環境ホルモンも分解するとのこと。私
は、嬉々としてEM菌を使用しています。
 
EM菌は、phが3から3・5で酸性度の非常に強いものである。
よって、殺菌作用も強いと思われる。排水溝のぬめりが消えるのも
解る。風呂の蓋のぬめりも生じない。これは、酵素の所為なのか?
 
米のとぎ汁醗酵液は、米のとぎ汁の他、パスタ、マカロニ、うどん
、そうめん等の茹で汁でも可能なのだが、そこに活性液を入れて(
活性液の割合は、10%程度でも、結構出来る。適当である。)
やはり20度乃至40度の温度で3日間、醗酵させるのである。
夏は、比較的作り易い。使い終わったお風呂に入れておけば良いの
です。
 
講師の話で、とぎ汁醗酵液は、人柄が影響する。先生と子供では、
子供の方が良いものが出来る。・・・・・?学校で教師との軋轢で
もあるのかなぁ?教師は、意外と排他的な所があるから。広島県で
民間企業出身の校長が自殺した事例もある。私も何か良いものが
出来ないような気分になってしまった・・・・・(~_~;)
 
また玄米食では、身長が伸びないと。・・・・・?(*_*)?有機農法
でない玄米は、胚芽に有害物質が含有して危険。白米食をしている
割には、御自身は結構、標準より低いんじゃないんでしょうか。私
は、3人の子供を玄米食で育ててきたが特別、低い子もいないのだ
が・・・?データーでもあるのだろうか?
 
しかし、講師は、知識を出し惜しみする。専用のバケツを買って、
生ゴミ利用は、印刷物を配布してまで説明しているのに、専用バケ
ツの他の利用法を途中までしか教えて呉れない。うまく醗酵できて
いるかどうか解らないのに教えられないと。
 
もう、活性液は、買いに行かない事にしよう。自分でEM1号から作
ってみよう。味噌も麹菌を薬局で買ってきて、麹を作っている。出
来るかもしれない。
 
私は、玄米、菜食を心がけている。今日は、サンマを頂いたが、魚
を食べるのは、月に何度もない。特に獣肉を食べるのは、皆無であ
る。蛋白源は、大豆である。尚、玄米は、完全栄養食である。
 
肉食は、環境破壊を来す。我が家の近辺に牛や豚の畜舎があるが、
汚物は、河川に垂れ流しになっている。家庭からの排水は、多額の
公費で事業は、ほぼ、完了しているがこれでは、家庭からの排水事
業の意義があるだろうか。私は、この排水事業に参加していない。
 
汚物の垂れ流しは兎も角、大量の飼料の製造には、自然破壊を伴っ
ている。それに肉は、自然食ではない。飼料には、大量の薬物が添
加されている。成長ホルモン、抗生物質、その他病気の予防薬等々。
屠殺の何ヶ月か前には、薬は、添加しないと言うが、それで問題は
解決するのだろうか。
 
テレビで松阪牛を見目麗しい女性が取材していた。畜舎から牛が連
れ出されていますと。今度の場面は、同じ畜舎の前でハイ、これが
お肉ですとお皿に盛られた肉を持っている。もう、遣り切れない。
 
私の子供の頃は、牛で田を耕していた。飼料は、畦道の草を刈った
り、稻藁を押し切りで刻んで与えられていた。毎日、ブラッシング
をしてもらっている姿も覚えている。
牛小屋をそっと覗いたことがある。家畜商と農家の人がぼそぼそと
話し合っていた。そして牛は、体にお酒をかけて貰っていた。色鮮
やかな首飾りをして貰って、家畜商に連れて行かれていた。鮮やか
な首飾りのはし切れが落ちていた。私は、それを拾い上げた。謂い
知れない悲しみが込み上げてきたのを覚えている。
 
agriculture と culture、語源はラテン語なのでしょうか。もしご
存知の方があったら、教えて下さい。cultureは、cultivate耕すか
ら、来ている様な気がする。農業は、文化。しかし、現在の農業は
、文化と言えるのだろうか。
 
鈴木大拙の“一鍬”と言う墨跡があります(勿論、印刷)。
この意味を知りたいと思っている。
「露堂々」「平常心」これは、仏教者であれば、直ぐ通じる。
ツァラトゥストラが“大地に忠実であれ!”と叫んでいる。
 
私は、裁判を始めて、もう彼是20年になろうとしている。始めの
頃は、3枚複写で手書きをしていたが、腱鞘炎になってしまった。
それから、急遽ワープロに変えた。
機械に弱い私が期日も迫ってきているのに、死にもの狂いで取り組
んだ。折角、作成した文書が消えてしまって、脂汗、ジトジト。右
寄せ、センタリングを押し、画面を見て、“キャー”と叫んでいた。
アメリカに留学していた娘が情報伝達にパソコンを薦めるので、
これも急遽、購入。まだWindows95である。パソコン歴は、あるが
、上達は、していない。
この歳で、パソコンを利用をしている人は、少ないかもしれない。
今風と古風について、これは年齢とは関係ないと思います。生活に
根ざしたものは、今風。生活感覚のないものは、古風になってしま
うのではないでしょうか。
文明が進化すると現実生活と乖離していくのではないでしょうか。
 
俳人の宇多喜代子(1935年生)さんが黛まどかさんを古風と評
しておられました。作品には、普遍性がなくてはならないと言うよ
うな事も言っておられた。
國井明子
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Akiko Kunii
email: takunii@d1.dion.ne.jp
URL: www.d1.dion.ne.jp/~takunii
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(Fのコメント)
EM法のHPが沢山あるので、講師に聞く前にネットで調べたら、
どうかと思う。GOOLEで、EM法と入力すると沢山、HPが出
てくる。
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今晩は、還暦を迎えた國井明子です。
私、伊勢神宮へ行った事がないのですが、
伊勢神宮には、彼方此方にダビデの星があるって、本当ですか。
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Akiko Kunii
email: takunii@d1.dion.ne.jp
URL: www.d1.dion.ne.jp/~takunii
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(Fのコメント)
カゴメ紋ですね。ありますよ。どうも伊勢神宮には大きな秘密が、
あるように感じますね。広隆寺の弥勒菩薩は、キリストのことのよ
うな気もしますしね。秦氏は景教徒であるようですので、広隆寺に
ある仏像は、景教に関係しているように感じますが、このように紐
解くと、日本の古代は面白くなる。
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件名:Re: お尋ね  

いつも関心を持って記事を拝読させていただいております。特に
国際社会と神道(古神道)が同じテーブルに出てくることに魅力を
感じます。私自身も比較宗教の研究を幾分しておりますので、今後
の展開が楽しみです。

今回、お尋ねいたしたく思いますのは、神道、特に古神道の学びを
実践も含め深めたいと考えておりますが、何か良いとっかりがあれ
ばお教えいただければ有難いのですが。また、今回の記事にありま
した、世界的にも活躍されておられる神道の研究家とはどなたなの
か、お名前を教えていただければ有難く思います。小林美元氏の古
神道の本は読み、感銘を受けたところです。

宜しくお願いいたします。

植村
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(Fのコメント)
神道と自然の聖なる次元
http://fuku41.hp.infoseek.co.jp/150813.htm
をアクセスしてみてください。

欧米の大学に神道を研究している人たちがいます。これは日本の神
道とユダヤ教や拝火教、ヒンズー教が関係しているために、その関
係を注目して研究している研究者もいるみたいですね。

日本研究をしていると、どうしても神道に研究がいくのでしょうね。
日本の神道研究は、歴史的な広がりが不足しているように感じてい
る。NHKでシルクロード上の国家興亡史をやっていますが、この
同じ道を神道や文物が生き介したように思う。

この観点からの研究が、あまりされていないように思う。


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