1373.<無我>と木村コラム



呼吸法でこの戦時を乗りきる・・・S子 

世の中の動きが速い。インターネットや携帯電話の普及が、その要
因にあるのは誰もが周知だろう。世界のいたるところで起きた出来
事、事件、戦争等は、私たちの知りたいという欲求有無に関係なく
情報としてどんどん流入してくる。

世の中の流行の移り変わりも速く、次の流行までの間隔も短くなっ
ている。より新しい変化を私たちが常に求めているからなのだが、
私たち自身がその変化についていけないほど、現在の世の中の動き
は速すぎる。

日本は現在、目に見えない敗戦色の濃い経済戦争のただなかにある
。経済不安、社会不安から犯罪が増加の一途をたどっている。マス
コミがそういう犯罪を煽るような報道をしており、なおさら犯罪は
増えるといった悪循環まで引き起こしている。

今日の日本ほど歴史的に見て、大きな転換期にさしかかっているの
はそうないだろう。動乱の世に生きることの困難さを、誰もが感じ
ているのではないか。大人も子供も不安であることに変わりはない。

しかし、そこで大人が不安でいると、敏感な子供はすぐに不安を察
知し子供自身が不安定になる。少しでも私たち大人がこころ安定で
いれば、子供に不安な思いを抱かせずにすむ。子供から不安なここ
ろをなくせば、犯罪に走る子供も減る。

実は私自身も最近不安におそわれ、この不安を取り除くために以前
よりやっていた瞑想でこれを乗りきろうとした。ところが、瞑想を
やればやるほど私の中で不安がますます増大していった。深みには
まって抜け出せない自分をみた。

自分では解決の道を見つけられないと思った私は、その道の先生に
相談した。すると意外な答えが返ってきた。「こころがマイナスの
状態にあるときには瞑想はよくない。むしろマイナスがマイナスを
呼ぶことになる。そういうときは、瞑想を止めて呼吸法をするほう
が良い。」

呼吸法とは呼吸を整え息を長くしてゆくものだ。(長息)わかりや
すく言えば、深呼吸を持続してやるようなものである。そのときに
意識をひとつのことに集中すると、呼吸法もらくにできる。人間の
意識と呼吸は完全に一致しているので、ひとつのことに意識が集中
すると、呼吸もそれに合わせて止まるようになる。本質的には呼吸
法はこれだけである。

私はこの呼吸法を自己流でやっている。畳の上であお向けになり全
身の力を抜いて呼吸法をしている。私にはこのやりかたが合ってい
たのかもしれない。しばらくしてこの呼吸法をやりながら私は不思
議体験をした。

結局私の場合、この不思議体験に私の意識が集中することにより、
私の中で不安は徐々に消えていった。こころでこころをコントロー
ルすることは難しいが、そこに呼吸法を介することでこころをうま
くコントロールすることができる。

しかし、私の呼吸法は自己流でしかない。私は心配になり再度先生
に尋ねてみた。 

「流派やヨガ、禅、気功など呼吸法のしかたはそれぞれ違う。しか
し本質的な部分では同じものである。大切なことはまずなんでも始
めてみることだ。呼吸法は例えれば山登りのようなものである。頂
上へいく道はたくさんあるが、上へいくほど同じところを目指して
いるというのがわかってくる。」

不安が解消された今私は、そのときどきの精神状態により、瞑想や
呼吸法をうまく使って日々を乗りきっている。「動」の世に生きな
がら「静」でいられる自分自身を見いだすことは幸福であると私は
思う。

人生は平坦な道ばかりではない。むしろ人生はさまざまな困難に出
会うことのほうが多い。特に現在の日本の戦時状態では、平常心で
いることのほうが難しい。年間3万人以上もの戦死者をだしている
ことは異常である。

人生において困難や障壁を乗り越える対処は、人それぞれだろう。
呼吸法は誰でも気軽にひとりで即簡単に始められる。私のように
自己流でもいいからまずは始めてみることだろう。それから本格的
な呼吸法をみにつけたいと思えば、いろいろな流派、ヨガ、禅、気
功などの呼吸法を習得すればよい。

呼吸法をすることで少しでも苦しみや悲しみが緩和され、よりよい
人生を送ることができるなら私は幸いであると思っている。
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(Fのコメント)
ヨガ・瞑想・呼吸法とS子さんも相当な行者ですね。
基本は、自分に忠実な人生を送ることでしょうね。人は皆、神と繋
がっている。自分の中に神がいる。自分の欲が、その神とのチャネ
ルを邪魔している。このため、この自欲を一瞬忘れて、神との会話
をするのが瞑想や座禅です。

座禅で意識空白の時に、一瞬に悩んでいた問題の解決策が気が付く
ことが多い。一週間の原稿の構想も、寝ながら座禅と同じ意識にし
て考えることが多い。日常生活の中にこの意識を入れると悩まなく
て済むことになる。
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<無私>と<無我>        まとり

  「無私」と「無我」には、違いがあると、ある本で言っていた。
もともと「我」というのは、「我思う、故に我あり。」に言い表さ
れるように、個としての<存在>の自覚であり、世界の中で、<中
心点>を持つ作業であった。
そして、<分けること>による、霊性の自立であったのだ。
そして、「無我」とは、自分を形成する円の輪郭を無くす作業だっ
たのである。そうすることによって、世界=我(われ)(ブラフマ
ン=アートマン)梵我一如の思想を得ていく。しかし、あくまで、
<中心>は残り、「天上天下唯我独尊」として、世界と展開する自
己につながる。そこには、多様多数の中心の存在というきわめて、
高次の概念があった。

しかし、日本では、この概念は「無私」の方へ動いた。
無私とは、私利私欲を離れることで、<公>あるいは、<大きな集
団>への溶融的な所属を意味した。ある意味では、儒教的な<忠>
の概念が入っている。
「則天去私」にしても「無私」の概念を用いて、<天>に帰属せし
めたものだったのである。だから、そこには、自分という<中心>
を確立させるということは、強い意味を持たなかった。

日本人が、「無我」より「無私」という方を選ぶ気は良く分かる。
「無我」は、仏教的アナーキーの原理を含むのに対し、「無私」は
あくまで社会的だからだ。日本人の無自覚な所属感は、社会を安定
したものにしてきた。そして、<農>を基盤とする社会生活に良く
合った。
が、同時に、思考を<叙情性><直感性><共感性>へ、押し流し
もしたのである。
(禅者のみは、直感性と無我の本質を理解しえた。)

しかし、わたしも、<知>で考えたものに、<情>として違和感が
残った時は、<情>の方を選択するだろう。また、それを正しい選
択だと思っている。
不幸は、「無私」とした自身を帰属させるべき価値観の方が、崩壊
していることにある。
「敗戦」は、如実に価値の崩壊を生み、信ずべき世界をもたらさな
かった。(あるいは、左翼的と言われる人々は、マルクス主義にそ
れを夢見たのだろうか?)
現代が、「欲望の拡大」と、それを実現させる手っ取り早い方法と
しての「金」のみに価値観をおけば、人は、どこにも、所属するこ
となどできないのである。

その不安定さが、社会を揺らすことになるのだろう。
「無我」に至らなかった日本人は、「無私」のよすがすら失ってい
るのである。

                     まとり
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旧日本道徳の根幹は恥の文化       umdhrs
   
日本の道徳は「恥」を晒したくないと言う事で支えられていました。
後ろ指をさされ、笑いものになりたくない。と言う恐怖からお互い
の行動を監視・抑制していたのです。

忠臣蔵では生き恥を晒すよりは尊厳ある死を選ぶ事が賛美され、戦
時中には「非国民」と呼ばれる事を極端に恐れました。
しかし、それは日本が閉じられた小さな共同体であり、共同体に常
識と言う法を越えた共通認識があったから維持されたのです。
その意味で江戸幕府の採った鎖国政策は正しかったと思います。

それに対して欧米は古くはソクラテスも言う所の「悪法も法」の法
治主義です。アメリカの大量殺人犯の親が顔を隠しもせずにTVのイ
ンタビューに答える番組を見て驚いた覚えがあります。鴻池大臣と
は違い、法的責任に問えない以上、親に責任はない、との理屈が正
論として通っているのでしょう。
陸続きで多民族が暮らす世界では情緒的コンセンサスは期待出来ず
明確なルールによって支配される必要があったのでしょう。
そのルールは神の意思の解釈に根拠を求められるかもしれません。

日本は明治以来、西洋的法治国家となりました。太平洋戦争とは無
関係に「恥」の崩壊はいずれおこったと思いますが、「一億玉砕」
から一夜にして恥も外聞もなく「ギブミー・チョコレート」に変化
すると言うコメディが「恥」の崩壊を促したかもしれません。
いずれにしろそれはアメリカの戦略と言うより日本人の自己崩壊です。

慎み深い日本の道徳が「恥」と言う曖昧な基準で相互監視されてい
た結果だと言う原点を見落としては、道徳の論議は全くの空論であ
ると思います。
そして、「日本人なら分かるはず」と言う幻想にかられた、単なる
ノスタルジーを語るのが現代日本の道徳論の大半であり、それは
もはや無意味な議論であると指摘しておきたく思います。
根拠も理由もない唐突な愛国論など何をいわんやです。

道徳の復権と過去を結びつけるのはもはや無意味です。是非建設的
な議論を求めたいものです。
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(Fのコメント)
恥の文化が日本の文化であると規定しているが、日本の貴族・武士
階級の文化で、一般庶民はそのような習慣は無いようです。江戸期
に寺子屋の教育で道徳を教えた当たりから一般庶民に浸透し始めた。
本格的な普及は、明治に武士の思想を軍事的な目的で教育してから
で、このとき昔から日本全体が恥じの文化であるとしたのです。

海外に出て見ると分かるが、世界における日本の位置付けが不安定
であることを知ります。世界2位の金持ち国の日本人が、日本企業
人としてビジネスでは話せるが、個人的会話ができない。特に世界
情勢や「日本とは」と問うと、それに対して反応が無い。日本とい
う国に自信が無い。どんな小さな国の人でも、自国の自慢をする。
それがない。なさすぎ。

私のような日本の説明すると、そのような日本人を見たことが無い
。カナダ人のようだ。と言われた。このカナダ人のようだとは、
うるさい・ガタガタいう人という意味であまりいい意味ではないよ
うであるが、ホーム・パーティにも呼んでいただいた。

このように日本人は何か歪であると思われている。そのため、普通
家族的なパーティにも呼ばれない。このため、日本人が自国に自信
を持つことが重要であるのと、寄って立つ日本行動・文化を説明で
きることが必要でしょうね。

道徳は行動の美意識と繋がっているために、再興するのが難しいが
現代風な美意識を元にした道徳観を構築する必要があるであろう。
法体系だけでは秩序は守れない。個人個人が法体系以上の行動規範
を持って行動することが重要です。この基盤は作る必要がある。
それが道徳ですね。昔の論語の現代版が必要でしょうね。
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件名:凶悪犯罪の急増/「治安の危機」  

凶悪犯罪の急増/「治安の危機」に素早く対応せよ
 凶悪事件が相次いでいる。容疑者が外国人で事件直後に出国して
いて捜査を難しくしているケースも増え、日本の治安悪化の主要因
の一つとなっている。検挙率ついに50%割る

 例えば、韓国人の強盗グループに襲われたとみられる東京・世田谷の住宅街で今年一月
 下旬の早朝、会社社長宅で社長が殺害された事件。元日本語学校生の中国人の逮捕状が
 出ている五月に東京・北区のマンションでスナック経営の女性が殺害された事件。中国
 人留学生らの関与が明らかになっている福岡市の一家四人殺害事件。

 犯罪を目的に来日する不良外国人による凶悪犯罪の急増は、先に警察庁がまとめた今年
 上半期の犯罪統計でも明らかになっている。治安回復は喫緊の課題だ。

 石原都知事が治安対策担当の副知事に現役の警察官僚を任命したことは、極めて適切な
 対応といえる。日本は今、こうした犯罪の変質、凶悪化の波の中で、深刻な社会不安を
 呼び起こす手前にまで来ているといっても過言ではない。

 問題はその性質上、警察だけで手に負えるものではなくなっていることだ。外務省や税
 関、入国管理当局など関係各省庁が緊密な連携による取り組みで、外国人の犯罪抑止に
 適切な手を打たなければならない。

 警察庁がまとめた今年上半期(一−六月)の刑法犯罪は、百三十四万件弱で過去最悪の
 昨年同期より0・9%(約一万二千五百件)減と、上半期では八年ぶりに減少している。
 検挙率も辛うじて20%台を回復した昨年に続いて21・7%(1・6ポイント上昇)となり、
 数字の上では踏みとどまったと言えなくもない。

 だが、それは早計だ。「ひったくりや路上強盗などの街頭犯罪の減少で認知件数は減っ
 たものの、重要犯罪の増加は予断を許さない」(警察庁)厳しい状況であることに変わ
 りはない。

 上半期の重要犯罪の殺人、強盗、放火、婦女暴行などは一万一千三百四件に上る。昨年
 同期比で16・6%(千六百八件)も増えた上、上半期の統計を取り始めた一九八九年以
 降の最悪、初の一万件突破だ。これに対する検挙件数、検挙人数はともに同8%前後増
 えているものの、犯罪自体の急増にはとても追い付かない。検挙率も、史上最悪の48・
 6%とついに50%を割った。重要事件の半分が解決しない現状は、まさに治安の危機そ
 のものである。

 この大きな要因は、外国人犯罪と少年犯罪の急増と、この両者に絡む暴力団の存在だ。
 特殊用具を使用したピッキング盗の約七割は来日中国人による犯罪とみられるが、日本
 の暴力団と組んでの犯罪を重ねるうち凶悪化していることも治安悪化の要因となってい
 る。

 こうした外国人犯罪では、“ヒット・アンド・アウェー”方式で犯行と身をくらます国
 外逃亡を繰り返すので、捜査当局もなかなか捕捉が困難である。

 佐藤秀彦警察庁長官は、昨年の就任に際し「治安の回復」を最重要課題に挙げ、「事件
 に強い警察の確立」を打ち出した。それには、入管当局や外務省など関係機関、自治体
 などとの緊密な連携を強め、情報の共有など素早い対応体制の構築・強化が求められる。
  

警察官の大幅増員を図れ 

 また、中国など関係国の警察当局との連携強化を図り、国外に逃亡した犯人の「代理処
 罰」を求めるなど、犯罪者の跋扈(ばっこ)を許さない国際協力にも力を注ぐ必要があ
 る。さらに、絶対的に不足が指摘されている警察官の大幅な増員は政治の重要な責任だ。
(世界日報)▼掲載許可済です。
Kenzo Yamaoka
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『亜空間通信』654号(2003/08/29)
【酸化ウラン・セラミック・重金属・毒性の検索で2年前発行パンフ発見に想いなか
ば】

 私は、丁度一週間前(2003/08/22)、ことが重大だから、やむを得ずの覚悟で、しか
し、実は、「憎まれ愚痴」屋としても、非常に辛い想いを噛みしめながら、以下に抜
粋する内容の通信を発した。

http://www.jca.apc.org/?altmedka/2003aku/aku652.html
『亜空間通信』652号(2003/08/22)
【劣化ウラン弾批判運動が疫学知らぬと驚き電網調査でさらに驚く似非紳士朝日の重
罪】
[中略]
8月21日(木)第78回いろりばた会議にご参加を
 イラク反戦と劣化ウラン弾について、最新情報も含めて、山崎久隆さん(劣化ウラ
ン研究会代表・たんぽぽ舎運営委員)が8月21日(木)の第78回いろりばた会議で話
します。ご参加下さい。会場:たんぽぽ舎 時間:18時30分〜21時 資料代:800円
 上記の会での「劣化ウラン研究会代表」の報告は、非常に詳しかった。とりわけ、
劣化ウランの重金属としての化学毒性は、劣化ウランの放射能の毒性の数倍という研
究もあるとのことで、わが長年の主張の新たな裏付け情報の存在が確認できたことに
なり、この点は久々の収穫だった。
 ところが、集会が終わってから、その講師に、「重金属毒性に関する疫学的な研究
はないのか」と聞いたところ、彼は「疫学」の意味を正確には知らなかった。若いか
ら仕方がないが、彼一人の問題ではなくて、「劣化ウラン研究会」などという運動が、
ここ十年は続いているのだから、そのどこでも、特に、重金属毒性の疫学的研究の必
要性を痛感する議論はしていなかったと推測できる。私は、偶々でもあるが、不当解
雇撤回闘争の時期に、水俣病と呼ばれた有機水銀中毒患者とその家族の闘いを身近に
知り、一緒に闘ったから、こういう「難病」とか「奇病」とされる病気に関して、医
学の基本でもある疫学が持つ意義を、実感として知っていた。劣化ウランの場合にも、
この調査が不可欠である。これなしには説得力がないので、いささか驚き、以下の電
網検索を実施した。結果は予想通りだった。
 
全言語のページから劣化ウラン、重金属、化学毒性、疫学を検索しました。約17件
中1-10件目・検索にかかった時間0.12秒
[後略]
 
 要するに、劣化ウランそのものについても、説得力のある疫学的な調査研究はない
のであり、ましてや重金属毒性については、ほとんど医学の基本の疫学的調査研究ど
ころか、議論すらが行われていないのである。
 
  この状況では、似非紳士朝日などに、口先だけのお得意の「調査報道」をさせる
ように追い込む世論は形成できない。その後、私自身は、地元問題など野暮用続きで、
かなり遅れたが、昨夜、上記の講師の話の中に出てきた2つの重要と思われる鍵言葉
の検索を、追加して実施した。

 上記の例会で配布された印刷物には記されていなかったのだが、口頭の説明では、
戦車などに着弾すると超高温を発して燃焼する劣化ウランは、各種の酸化ウランとな
り、水溶性ではないセラミック状に固まるので、人間の体内に入った時、体液にとけ
込んで循環し、排出されることなく、肺などに止まり、化学的毒性を発揮し続けると
言うであった。これは初耳であった。私は、前回の例会で、同じ講師が、重金属は小
便や汗などで体外に排出されるから長期間の毒性はなくて、放射能の方が半減期が長
いから危険という主旨の説明を聞いたのだった。

 結果は、以下のごとく、「想い半(なか)ばに過ぐ 」結果となった。政党でもメディ
アでもなく、首都圏の東京でもなくて、大阪の市民運動の方が先に、この問題を調べ、
2年前にはパンフレットを発行していたのだった。私は、即刻、電話して、2冊のパン
フレットを注文した。郵便振替用紙を同封して、すぐに実物を郵送してくれる約束で
ある。

全言語のページから酸化ウラン、セラミック、重金属、毒性を検索しました。 5件
中1 - 5件目・ ・検索にかかった時間0.04秒
http://www.jca.apc.org/mihama/index.html
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会
http://www.jca.apc.org/mihama/pamphlet/pamph_d_uran.htm
パンフレット
『劣化ウラン弾−被害の実態と人体影響』
A4版 70頁
頒価700円
送料240円(冊子小包)
第1刷 2001年4月
第2刷 2003年1月
目次
○増刷にあたって
○はじめに
○劣化ウラン弾による被害の実態と人体影響
○[翻訳資料]湾岸戦争帰還兵と劣化ウラン(ロザリー・バーテル博士)
○中国新聞「知られざるヒバクシャ-劣化ウラン弾の実態」嫡要
○BNFLが劣化ウラン弾を製造していた
○[解説]劣化ウラン弾とはどのようなものか
本文目次
 米帰還兵の間での被害
(1)約43万人の米兵士が汚染地帯へ投入され、退役兵士の約45%、26万人以上もが
健康被害を訴え、医療を要求している。
(2)多くの帰還兵が、癌・白血病、免疫不全や極度の慢性疲労等、様々な疾病、深
刻な後遺症に苦しめられている。
(3)それだけではない。戦争後に産まれた子供達の間で先天性の障害が多発してい
る。
(4)同盟国イギリスでも約3万人の兵士が汚染地帯に投入され、8千人が健康被害
を訴えている。
(5)30万人以上の兵士とその家族の訴えが因果関係の最大の証明である。
(6)劣化ウラン弾を製造する兵器工場周辺でも住民被害が発生している。
(7)20万から30万人の兵士が劣化ウランに被曝した。
(8)アメリカ政府・軍当局には、疫学調査・実態調査を実施し、医療と補償を行う責
任がある。
 イラクにおける深刻な被害の実態
(1)湾岸帰還兵の何倍も何十倍も深刻なイラクにおける劣化ウラン被害。
(2)戦場となったイラク南部では、癌・白血病が3〜7倍に増加している。
(3)戦争後産まれたイラクの子供達の間で先天的障害が多発している。
(4)先天性障害の多発、癌・白血病の増加について多くのイラクの医師達が証言し
ている。
(5)劣化ウランはすでに1万人以上の癌患者を生み出した。
(6)癌は被害全体の氷山の一角に過ぎない。劣化ウランは50万人以上の乳幼児の死
亡の最大の原因の一つである。
コソボ・ボスニアでの被害
(1)コソボ・ボスニア現地でも癌・白血病の増加が人々を襲いはじめている。
二つの地域、四つの集団で同一の被害−原因はただ一つ、それは劣化ウランである。
劣化ウランの危険性とその影響を知悉していたアメリカ政府と軍。
(1)「低摂取量の長期影響は癌を引き起こし、一方、高摂取量の短期影響は死をも
たらす」−軍のSAIC報告書は、湾岸戦争開始半年前に、すでに劣化ウランによる
被害の発生を予言していた。
(2)弾道学研究所(BRL)の報告でも軍は劣化ウランによる人体影響と汚染を知っ
ていた。
(3)さらに英国原子力公社(UKAEA)は「50万人を死亡させる」と警告。
(4)米英政府と軍当局は、劣化ウランの危険性を十分知った上で大量使用し、敵兵
士と現地住民を被曝させたばかりか、自国兵士をも被曝するにまかせた。確信犯的な
犯罪行為という他ない。
(5)劣化ウラン弾を使い続けることに固執するアメリカ政府・軍当局
劣化ウランはどのようにして人々を被曝させ、環境を汚染したか。
(1)総量320?dの劣化ウランがイラクに対して使用された。
(2)イラクで使われた劣化ウランの総量は英国原子力公社の評価で700万人の死亡、
NRCの年摂取限度では45億人分となる。
(3)劣化ウラン弾は目標に当たると激しく燃焼し、70%が酸化ウランのエアロゾル
となる。
(4)エアロゾル化した劣化ウランは風に乗って広範囲に拡散する。
(5)微粒子となった劣化ウランの約50〜90%は非常に小さく、呼吸と共に肺の中に
侵入する。
(6)肺に入った劣化ウランの微粒子は肺組織に付着し、長期間残留する。
(7)長期に渡る慢性的被曝
(8)セラミック形態の劣化ウラン粒子の長期残留性−生物学的半減期の長期化
(9)経口摂取による劣化ウランの体内への取り込み
(10)傷口からの劣化ウランの吸収
(11)危険なのはエアロゾルだけではない。破片からベータ線も重大な影響を及ぼす。
(12)長期にわたるイラク、ボスニア・コソボの汚染
重金属としての毒性と、アルファ放射能としての毒性の二つの複合した毒性を発揮す
る劣化ウラン
(1)重金属としての劣化ウランの毒性
(2)アルファ放射能としての劣化ウランの毒性
細胞と動物実験のレベルで明らかになりつつある放射能・化学的毒物としての劣化ウ
ランの生体への影響
(1)劣化ウランは癌・白血病を引き起こす
(2)劣化ウランの生殖と胎児への影響
(3)劣化ウランが引き起こす脳・神経系への影響
(4)劣化ウランの免疫系への影響
[後略]
http://www.jca.apc.org/mihama/pamphlet/pamph_d_uran_hajimeni.htm
パンフレット
『劣化ウラン弾−被害の実態と人体影響』
はじめに
1.年初早々、欧州のメディアは一斉に、コソボ・ホスニア従軍兵士の間での白血病
死の多発を報じた。これを引き金に、劣化ウラン弾と「バルカン・シンドローム」問
題が焦点化し、欧州全体を揺るがすような大きな政治問題へと急速に発展した。また、
バルカン帰還兵の間での被害の発生は、すでに先行して起こっているイラク現地と湾
岸戦争帰還兵の間での健康被害の実態にも光を当て、その原因が劣化ウラン弾にある
ことを裏付ける強力な証拠となった。

 アメリカはイラクに対して320?とも700?ともいわれる膨大な量の劣化ウランを使用
した。イラク南部の何十万、何百万もの住民が、エアロゾル化した劣化ウランの微粒
子、劣化ウランに汚染された食物や水からの被曝の脅威にさらされ続けている※。癌・
白血病、免疫不全、神経系疾患をはじめとした様々な疾病が多発している。特に子供
達の間で、先天的異常という深刻な被害が発生している。癌に限っても、すでに1万
人以上のイラクの人々が劣化ウラン弾が原因で死亡したと推定される。劣化ウランと
「制裁」による乳幼児死亡数は50〜60万人にも上る。イラクと旧ユーゴに対するアメ
リカ・NATOの侵略戦争は、重大な環境破壊を引き起こし、今でも子供達を殺し続
けている。許し難い戦争犯罪である。

※:4月15日のサンデー・ヘラルド紙は、ミドルセックス大学のニック・プリースト
教授によって行われたボスニア・コソボでの研究について報じている。調査の結果、
住民の尿中から劣化ウランが発見された。プリースト教授は劣化ウランが食物連鎖の
中に入り込んでいる可能性を指摘している。

2.アメリカ政府・軍当局とNATOは「劣化ウランの放射能は弱く安全」「こんな
に早く白血病が出るはずがない」と因果関係を一切否定、国連もグルになって隠蔽工
作に狂奔している。3月13日、国連環境計画(UNEP)は、劣化ウラン弾被害を改め
て否定する現地調査報告書をとりまとめた※。マスコミ報道も2月をピークに、一旦
は収まったかに見える。しかし、現実の被害そのものが消え去ったわけではない。帰
還兵と支援団体、欧米の反核、反原発、環境諸団体は粘り強い闘いを持続している。
「騒動」の大きさは、この問題の広がりと深さを示している。事あるごとに再燃し、
被害の実態の解明につれ、アメリカとNATOの戦争責任を問う声はさらに大きなも
のへと成長していくに違いない。

※:「空爆地点で汚染を発見したが低レベルであり、人体影響はない」これがUNE
P報告書の結論である。これに対して3月23日のWISEニュースコミュニケの記事
は、調査の欺瞞性を鋭く批判している。エアロゾル化した劣化ウラン弾はすでに広範
囲に拡散してしまっている。それにもかかわらずUNEPは、攻撃があったとされる
地点のみに限定した汚染調査しか実施していない。また調査地点の数も、攻撃があっ
た112地点のうちのわずか12%、11地点のみであった。しかも11地点のうち7地点は
敷設された地雷のために完全には調査されなかった。完全に調査することができたの
は、すでにNATOによってクリーンアップされた地点だったのである。汚染が見つ
からないのは当たり前である。

3.劣化ウラン弾とは、原発で使用する核燃料の製造過程で生み出された廃棄物=劣
化ウランを金属ウランに加工し、砲弾化したものである※。装甲貫徹能力に優れ、し
かも「ゴミ」の再利用であるがゆえの低コストから、アメリカは、対戦車砲弾をはじ
めとして、装甲、巡航ミサイル=トマホクまで、ありとあらゆる兵器に劣化ウラン
を大量使用している。冷戦後のアメリカの対途上国侵略戦争は、この劣化ウラン弾の
大量使用を前提条件としている。湾岸戦争然り、ユーゴ空爆然りである。劣化ウラン
弾による戦争は、放射性物質による大量無差別殺戮であり、「もう一つのヒロシマ」
=新しい型の核戦争に他ならない。

※:劣化ウラン弾は、ウラン濃縮の過程で大量に生み出される核のゴミを原料として
いる。天然ウラン(ウラン235:0.7%)を濃縮して核燃料(ウラン235:3〜5%)を作る過
程で、天然ウランよりもウラン235の含有率が、0.2〜0.3%と低いウランが副産物と
して大量に生み出される。これがいわゆる劣化ウランである。1kgの核燃料を作るの
に、5〜10kgの劣化ウランが廃棄物として作り出される。濃縮業務のトップリーダー
であるアメリカは、50万?もの劣化ウランを蓄積している。そして、この溢れかえる
劣化ウラン=核のゴミ問題の行き着く先が、核廃棄物を砲弾化し、環境中へバラまく
という常軌を逸した「処分」方法なのである。末期状態の原子力は、その非人間的な
本質を、よりグロテスクで陰惨な形で体現し始めた。

4.核のゴミの軍事転用という側面からも、また放射能による被害という点からも、
劣化ウラン弾問題は私たち反原発運動に携わるものにとって、重大な関心事である。
年初以降私たちは、海外報道を中心に情報を収集し、海外の諸団体が明らかにしてき
た諸事実、良心的な科学者、研究者が提起している新たな知見を学び取ることに努め
てきた。
 作業を開始してみて驚いたのは、欧米の反原発諸団体や、ロザリー・バーテル博士
をはじめとする戦闘的な科学者・研究者が、劣化ウラン弾問題に精力的に取り組み、
劣化ウラン弾の製造と使用の禁止、環境の回復、被害者への補償・医療と全面的な調
査の実施という要求を掲げ、アメリカとNATOに対する厳しい批判を展開していた
ことである。欧米では、劣化ウラン弾問題を結節点の一つとして、反原発運動と反核
平和運動との結合関係がより一層強固なものへと成長している。

5.調査の過程で、BNFLが劣化ウラン弾の製造に深く関与していたという事実が
明らかになった。その内容については美浜の会ニュース61号に記載した通りである。
グリーン・アクションと共同でおこなった4月2日の第2回交渉の中で関西電力は、
「BNFLに問い合わせたところ、過去に劣化ウランを国防省に納入したとのこと」
と、すでに明らかになっている事実関係については認めた。兵器以外の使い途はない。
劣化ウラン弾製造へのBNFLの関与は明らかである。しかし関電は「劣化ウラン弾
として使われたかどうかについてはBNFLに確認していない」と逃げ回り、とにか
く「我が社は平和利用の側面でBNFLとつきあっている」の一点張りであった。まっ
たく無責任極まりない居直りである。

6.追及の結果さらに、関電と劣化ウラン弾のより深い結びつきが明らかになった。
日本は核燃料製造のための濃縮の大部分を、米国USEC社(民営化されたDOEの
濃縮部門)に委託しているが、その結果生じた劣化ウランを、不要物としてアメリカ
に「ただで譲渡している」ことを関電は認めたのである※。米国の劣化ウラン弾の原
料はこのUSEC社が供給している。「ただ」で譲り渡した関電・日本の核のゴミが、
劣化ウラン弾の原料として混入し、使用されている可能性は否定できない。それにも
かかわらず関電は「すでにアメリカに所有権を移転しているので関知しない」と居直っ
ている。しかし「知らない」ではすまされない。アメリカが劣化ウラン弾の製造・使
用国であることは周知の事実である。関電のやっていることは確信犯的な犯罪的行為
という他ない。これが関電の言う「平和利用」の実態なのである。劣化ウラン弾問題
は、BNFLの犯罪的性格を暴き、関西電力の加担と無責任を追及し、まずは、プル
サーマル計画を断念へと追い込んでいくための批判材料の一つという実践的な意義を
持っている。

※:ウラン鉱石から取り出されたウランは気体である六フッ化ウランに転換され、濃
縮工程にかけられる。そして一部は燃料用の六フッ化ウランとなり、残りは使い途の
ない六フッ化劣化ウランとなる。燃料用の六フッ化ウランは再転換されて二酸化ウラ
ンとなりペレットへと加工される。一方、六フッ化劣化ウランは、ボンベに詰められ
濃縮工場の敷地内に野積みされている。関電はオーストラリア、アフリカ等からウラ
ン鉱石を調達し、主としてアメリカに濃縮役務を委託している。関電所有のウラン鉱
石から関電の燃料を作る過程で副産物として生み出された劣化ウランは、当然関電の
所有物であるが、それを関電はアメリカに「ただ」で「所有権を移転」=譲り渡して
いるのである。

7.また、劣化ウラン弾問題は、低線量被曝の危険性を新たな見地から検証し直す必
要があるという極めて重大な問題を提起している。アメリカ政府・軍当局とNATO
は口を揃えて「理論的にありえない」「従来知見では説明できない」として、被害を
全否定している。従来の知見の一面化、悪用が彼らの常套手段である。確かに、劣化
ウラン弾による環境と人体への影響は、ICRPがオーソライズしているような低線
量被曝に関する現在の知見の延長線上からは想像することもできないような大きさと
深さを持っている。多くの点が未解明である。しかしだからこそ、現実の被害に即し
て、低線量被曝の危険性に関する知見をより正確にし、豊富化していくことが必要な
のである。それこそが真に科学的で責任ある態度である。劣化ウラン弾による深刻な
被害の解明は、ゴフマンをはじめとする良心的で戦闘的な科学者・研究者達が警告し
続けてきた低線量被曝の危険性、プルトニウムやウランなどのアルファ放射能の危険
性、特に内部被曝の特別の危険性を裏付けることになるだろう。さらに劣化ウランの
問題は、プルトニウムやウランの内部被曝による被害という点で、セラフィールド、
ラ・アーグ等、再処理工場周辺での白血病等の被害、アメリカやオーストラリア、イ
ンドなど、ウラン鉱山周辺での被害、人形峠での被害の解明にもつながっていく問題
である。

 それだけではない。この問題は、東海臨界事故の被曝影響評価とも結びついている。
なぜなら中性子線は、体内を貫通し、その時はねとばされた陽子は、アルファ線と同
様の影響を生体に及ぼす。外部被曝であっても、内部被曝と類似の効果を引き起こす。
これが中性子線の特徴であるからだ。

8.本パンフレットの目的は、まず第一に劣化ウラン弾による被害の実態を、事実資
料や証言に即しながら明らかにすることである。さらに、良心的な医師や科学者、研
究者の最新の知見を整理し、人体と環境に対する劣化ウランの恐るべき毒性を科学的
に論証することを目指した。なぜならBNFLと関電の犯罪性をより一層リアルな形
で暴き、批判するためには、被害の実態とその全体像を明らかにする必要があるから
だ。そして被害とそのメカニズムの解明は、低線量被曝の危険性を明らかにする作業
の一環でもある。
(1)まず、湾岸戦争帰還兵、イラク現地、ボスニア現地での被害の具体的実態につ
いてまとめた。苦痛を訴える数多くの被害者が現に存在するという事実こそが因果関
係の最大の証明である。
(2)次に、アメリカ政府と軍当局が、劣化ウラン弾の危険性を、具体的な形で知悉
していたという事実について述べている。被害者と支援団体の調査が明るみに出した
軍の報告書がそのことを明らかにした。これこそ、劣化ウランの危険性と被害との因
果関係を証明し、彼らの隠蔽工作を暴く動かぬ証拠である。「長期健康リスクが使用
継続に対する圧力を生み出すかも知れない」ことを恐れる政府と軍は、劣化ウランの
危険性を知りながら、イラクと旧ユーゴ地域にまき散らしたばかりか、自国兵士にす
ら警告を与えず、防護策を講じず、被曝するにまかせたのである。
(3)劣化ウランによる被曝と人体影響について述べている。
戦場で使用された劣化ウラン弾がどのように環境を汚染し、被曝を引き起こしたのか、
そのメカニズムについてまとめた。
水銀やカドミウムと同じ重金属としての強い化学的毒性と、放射能としての毒性とい
う二つの毒性を併せ持ち、この複合した作用を及ぼすという、劣化ウランの毒性の多
面的な性格と、二つの毒性の相乗的な作用の可能性について一項取って触れている。
劣化ウランを用いた試験管内での細胞実験とマウスを用いた動物実験が、発ガン、神
経系への影響、免疫系への影響、胎児の発生異常といった劣化ウラン被曝に特徴的な
症状、人体影響を再現するという最新の知見についてまとめた。基礎研究のレベルで
はあるが、90年代後半の新たな研究が、劣化ウランの毒性と、被害の因果関係を証明
しつつある。
(4)以上を踏まえた上で最後に[?]では、先に少し述べたように、低線量被曝と
ウランの危険性に関する現在の知見を、被害の実態に即して再構築する必要性がある
のではないかという問題を提起し、まとめとした。

9.また、今回の作業の出発点ともなったロザリー・バーテル博士の論文『湾岸戦争
帰還兵と劣化ウラン』を翻訳資料として収録した。不溶性のセラミック形態の劣化ウ
ランダストの長期残留性、劣化ウランの化学的毒性と放射能の複合した毒性など、劣
化ウランの人体影響の全面的な解明から、ICRPと政府側見解への批判、そして具
体的な被曝調査の項目と手法の提起に至るまで、第一線で活躍する専門家であると同
時に、反核の闘士としての氏の、私たちが規範とすべき戦闘的姿勢が貫かれた論文で
ある。
 さらに、中国新聞に掲載されたシリーズ『知られざるヒバクシャ-劣化ウラン弾の
実態』の嫡要資料を収録した。このシリーズは、被曝者、被害者の貴重な証言をベー
スに、劣化ウラン弾の非人道性、被害のリアルな実態に迫っている。そして末尾は、
劣化ウラン弾製造へのBNFLの関与を証明する資料とその解説である。
 このパンフレットが、原発に反対する運動、被ばくに反対する運動、反核・平和運
動の一助になれば幸いです。
2001年4月−チェルノブイリ事故15周年を前にして[後略]

さて、次なる問題は、この大阪の市民運動が、東京の市民運動と連携しているかどう
か、である。以下の検索をした。

全言語のページからたんぽぽ舎 "劣化ウラン弾"、美浜の会を検索しました。 約9
件中1 - 5件目 ・検索にかかった時間0.32秒

 どうやら、双方は互いに電網宝庫リンクを付けているようであるが、連携は十分で
はない。。どなたか、アメリカの破落戸の手を、ふんじばるために、まずは、「劣化
ウラン・リンク集」でも作って下さらんかな。

  以上。
木村愛二:国際電網空間総合雑誌『憎まれ愚痴』編集長
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『亜空間通信』653号(2003/08/25)
【2周年911真相未解明911死者の数倍民間人アフガン・イラクで殺害に狷介孤高の憤
激】

 本日(2003/08/25)は最早、8月の最後の週の始めである。一週間後は9月1日である。
私は、夏の前から、しきりと焦り、911事件の2周年を目前にしながらも、またもや、
「真相解明は未だし」云々をしなければならないのかと、思っていた。さらには、あっ
という間に夏も過ぎ、ああ、また夏が終わるかと、ため息をついていた。それがつい
に、かねてからの覚悟の「狷介孤高」の宣言に至るほどの憤激として、腹の底から突
き上げてきたのである。
 
 さる8月21日には、朝10時からの総務委員会で、昨年来の2度目の提出のわが陳情の
口頭陳述を行い、その「の廃棄と事件の真相究明に関する陳情」を、「継続審議」に
持ち込むことに成功した。その件は別途、詳しく報告する予定である。
 
 私は、自分の地元での戦いをも重視している。act locallyとして位置付けている。
古くは、「修身・済家・治国・平天下」の基本の「済家」および「治国」の位置付け
である。
 
 これはもともと、儒教の教えであろうと思っていたが、電網検索で確かめると、以
下の文章が出てきた。

南山大学図書館紀要
http://www.nanzan-u.ac.jp/TOSHOKAN/shokai/Kiyo/kiyo7/kiyou11.htm
宋学は儒教の正統主義、 修身・斉家・治国・平天下の理、 思弁主義を特徴とする

http://village.infoweb.ne.jp/?fwjf1833/jukyou.htm
思想としての儒教は、漢の滅亡後形式化し停滞したが、北宋時代(960〜1127)に新
儒教(宋学)という形で再び活性化することとなった。南宋の朱子(1130〜1200)は、
宋学を朱子学(理学)にまとめ、同時代の陸象山(1139〜1192)や明の王陽明(1472
〜1528)は、陽明学(心学)を興した。

 徳川幕府は明・清で官学の位置にあった朱子学を統治思想として導入した。これが
現在の敗戦後の日本で、反体制側から、日の丸、君が代とともに、目の敵にされてい
る「修身」の原型である。しかし、これは、社会生活と政治の基本原理であって、最
後の「平天下」は、天下を平和にするの意味なのだから、大いに推奨すべきなのであ
る。
 
 上記の武蔵野市議会の唖然たる決議、「アメリカ合衆国における同時多発テロ事件
を糾弾する決議」を推進した日本共産党は、最近、「修身」が「不可」以下の「フカ
イカ・セクハラ政策委員長辞任」によって、正体を暴露したばかりである。これも実
に機嫌の悪くなる話であった。

 閑話休題。そこへ、いくつもの911関連情報が飛び交う中、当のアメリカの独立系
電網雑誌で、911事件に関しての鋭い分析を放ち続けていた『反撃』(counterpunch)
に、8月23日付けで、格好の記事が現れたのである。このなかなかに要を得た英語の
名文が、わが「腹の底から突き上げてきた」憤激の契機となったのである。つまり、
アメリカの現地発の怒りの名文が、押さえに押さえていたわが日本式の憤激の塊の上
の圧力蓋を、ドカンと、吹っ飛ばしてしまったのである。

『反撃』の自己宣伝の文句は"America's Best Political Newsletter" out of
Bounds Magazineである。あえて意訳すれば、「『アメリカ最良の政治ニューズレター
』言論統制の枠外の雑誌」でもあろうか。

 手許の安物英和辞典には、out of bounds[英]=[米]OFF LIMITSとある。off
limits[米]「立ち入り禁止の」という意味の形容詞である。この文字列の掲示板は、
戦後、アメリカ兵相手の「お店」の前に立っていた。小学生だった私は、「お店」
(具体的な意味はあえて書かない)の表示だと思っていた。
 
 以下、要所のみに簡単な日本語の意訳を付す。

http://www.counterpunch.com/krieger08232003.html
August 23, 2003

So Many Deaths, So Few Answers

数え切れない死者に対して、あまりにも少ない答え

The Second Anniversary of 9/11

911事件の2周年記念日

By DAVID KRIEGER

As we approach the second anniversary of the terrorist attacks of 9/11, it
is important to take a hard look at the direction our country has taken
since these tragic events occurred.

わが国が取ってきた進路に対して厳しい目を向けることが重要である。

The United States has attacked Afghanistan and driven the Taliban regime
from power. In the process, we killed some 3,000 to 5,000 civilians, more
than died at the World Trade Center and Pentagon. The US has not been able
to locate and capture Osama bin Laden, the suspected mastermind of the 9/11
attacks. Reports from Afghanistan are that the US-backed regime there
controls little more than the city of Kabul, and warlords are in control of
the rest of the country.

アフガニスタンを攻撃して、世界貿易センターの死者よりも多い3,000から5,000の民
間人を殺した。
主犯容疑のビン・ラディンの所在は不明で逮捕できていない。

The United States has also attacked Iraq, but with neither evidence of a
link between Iraq and the 9/1l terrorists, nor with the sanction of the
United Nations. The US preventive war against Iraq killed some 6,000 to
8,000 civilians, about twice as many as died at the World Trade Center and
the Pentagon. Since this war, it has come to light that in making its case
for war, the Bush administration used false intelligence to inflate its
claim that Iraq posed an imminent threat of using weapons of mass
destruction against the United States.

イラクを攻撃したが、911との関係も、国連の制裁との関係も定かでない。911の倍
の6,000 から8,000の民間人を殺した。攻撃の口実の大量破壊兵器疑惑も嘘だった。

The US has not been able to locate and capture Saddam Hussein or the Taliban
leader, Mullah Omar. Nor have any of the purported weapons of mass
destruction, which supposedly made the Iraqi threat so imminent, been found.
There is a strong sense that the Iraqi people are opposed to US occupation
of their country, and American soldiers are being killed on an almost daily
basis. Most recently, saboteurs have also been attacking the Iraqi oil
pipelines. 

イラク人がアメリカの占領に反対し、米兵が毎日殺されていることは、強烈な問題と
なっている。パイプラインも破壊されている。

In addition to the price in American and Iraqi lives, the occupation of Iraq
is costing US taxpayers nearly $4 billion each month, adding to the over
$450 billion projected deficit in the US budget this year. There is no clear
plan for US withdrawal from Iraq, and the administration will not predict
how long American troops are likely to remain or how much the occupation is
likely to cost in total. US corporations, with links to the Bush
administration, are being given lucrative contracts to rebuild Iraq's
infrastructure and manage its oil production.

アメリカ人にとってもイラク人にとっても、占領の負担は大きい。米軍の撤退もしく
は占領継続の計画は不明確である。

We still have no authoritative public report on the intelligence failures
that led to 9/11. No one has been dismissed and no blame has been laid at
the feet of the intelligence community. The impression from the Bush
administration is that the lead up to 9/11 was just too difficult for the
intelligence community to handle, due to the paucity of communication within
and between agencies and the need to actually connect some dots. The
families of the 9/11 victims, along with the rest of the American people,
are still waiting for clearer and more complete answers to why our
intelligence failed so dramatically.

 あれだけの劇的な事件、911の「事前察知に関する情報機関の失敗」についても、
公式の権威ある報告はない。

In a Congressional study related to intelligence failures, much of the
important information has been kept from the American people by the Bush
administration, including 28 pages on the role of Saudi Arabia. The Saudi
leadership and members of Congress have pleaded that this information be
released to the American people, but to no avail. Senator Richard Shelby
(R-AL), former chair of the Senate Intelligence Committee, stated, "My
judgment is 95 percent of that information could be declassified, become
uncensored so the American people would know."

すべてが闇に包まれている。

Since the war in Afghanistan, the United States has held prisoners,
including US citizens, in a manner that defies the Geneva Conventions on the
treatment of prisoners. The administration, aided by the Congress, has
instituted the USA Patriot Act, which restricts the civil liberties of all
Americans. The administration has put forward further legislation that
provides even more drastic restrictions on our liberties.

逮捕者も多数である。愛国法など、市民の私的権利の抑圧も進んでいる。

The trends do not bode well for America. In two years, the country has
engaged in two wars, at least one of which was clearly illegal under
international law. The administration has engaged in a clear pattern of
deception. Our wars have killed at least three times the number of innocent
civilians as died in the 9/11 attacks. The individual thought to be
principally responsible for 9/11 remains at liberty, while the liberties of
Americans have been restricted. The goodwill with which America was held
throughout the world in the aftermath of 9/11 has been squandered. We are
viewed by much of the international community as bullies who use military
force in defiance of international law and make our own rules when it suits
us. 

アメリカの戦争は違法である。

Our soldiers continue to pay the ultimate price for the arrogance of this
administration. Mr. Bush, in the safety of the White House, challenged the
militants attacking American troops in Iraq with the rash and taunting
remark, "Bring 'em on." This remark drew many negative responses from the
troops stationed in Iraq and their families.

ブッシュ政権の傲慢の付けを米兵とその家族が払わされている。

Two years after 9/11 Americans do not appear to be safer from terrorist
attacks than they were before 9/11. We have a new bureaucracy, the
Department of Homeland Security, and a system of color-coded warnings, but
these do not seem to be effective barriers to terrorist threats. There is no
reason to believe that terrorists hate America because they envy our way of
life, as Mr. Bush says, and every reason to believe that terrorists oppose
our political and economic policies, particularly in the Middle East.

To end the threat of terrorism, the United States needs a return to decency
and the values that make this country strong. We need to reconsider the
morality, legality and consequences of our policies. This would require a
major reversal of the Bush administration policies that have cynically used
9/11 in seeking to achieve its ideological goals of global military
dominance, control of oil, and financial gain for an elite few. On the
positive side of the ledger, there are increasing signs that Congress, the
media and the American people are awakening to the dangers of these policies
and vocally and actively opposing them. It is none too soon to reassess and
reverse the path we have taken since 9/11.

911以後のアメリカの進路を逆に向けるべきである。

David Krieger is president of the Nuclear Age Peace Foundation. He is the
editor of Hope in a Dark Time (Capra Press, 2003), and author of Choose
Hope, Your Role in Waging Peace in the Nuclear Age (Middleway Press, 2002).

筆者は、『暗闇の時代の希望』の著者である。

He can be contacted at: dkrieger@napf.org.

 この著者も、この電網宝庫雑誌も、日本における私と、わが電網宝庫と同様に、少
数派であろう。
 
 しかし、そんなことは大した問題ではない。たとえ少数でも、理解者が増えれば、
私は、それで満足なのである。
 
 似非紳士こと朝日新聞の読者の数などは、歴史の長い時空から見れば、吹けば飛ぶ
よな、汚れた砂粒にしか過ぎないのである。
 
わが主義、「狷介孤高」には、以下の説明がある。

 http://www.geocities.co.jp/Bookend-Akiko/1373/ko-jien02/page20.html
狷介孤高(けんかいここう) 自分の意志を固く守って、人々から離れ品格を高く保っ
ていること。俗世に超然としていること。

 私は、この上に、「憤激」の雷雲を呼び寄せるのである。
 
 以上。
木村愛二:国際電網空間総合雑誌『憎まれ愚痴』編集長


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