1360.イラク情勢と日本



国連現地本部の自爆テロを検討する。   Fより

イスラム原理主義者が全面に出てきている。シリアから来たテロ・
リストであると米軍関係者は言っているし、アンサール・イスラム
と言う人もいるし、木村愛二さんはサウジからの要員が実行したと
の見解である。どちらにしても、イスラム原理主義者(スンニ派)
のテロリストが実行したようだ。

今までの米軍に対するテロは旧フセイン政権の官僚・軍の残党が起
こしていたテロであるが、この国連に対するテロはイスラム原理主
義者と違う。2者間の連携ができたような感じであり、このような
状態にイラクがあることで、アナン事務総長もPKO(平和維持軍
)ではなくPKF(多国籍軍)を派遣するしかないと言っている。

国連も戦争状態だと認識を変更したということである。このような
イラク情勢でIMF、世銀はイラクから撤退するようであり、かつ
国連も規模を縮小する方向である。

福田官房長官も今のイラクに自衛隊を送ることがしないと表明した。
日本もイラクが戦闘状態であると認識したようである。このコラム
では、そうなると警告してきたが、やっと政府も認識したようであ
る。

このイスラム原理主義者に資金を提供しているのは、アルカイダで
あるし、そのアルカイダに資金を提供しているのが、サウジアラビ
アの富豪を中心としたイスラム教の喜捨である。年収の5%程度の
喜捨をするようであるから、相当な金額が集まっているはず。この
すべてがアルカイダに提供されるわけではないが、30%程度でも
大きな額になる。

このため、世俗主義であるフセイン政権官僚たちと、イスラム原理
主義者(スンニ派)が結びつくと金の補給が出来て、戦闘が激しく
なる。これにイランから資金を提供されているシーア派のゲリラが
結びつくと、イスラム対米国の全面対決の様相になる。

アフガンでもタリバンの攻勢が激しくなっている。アフガン東部の
州の幾つかは既に実質支配がタリバンになっている。このため、パ
キスタンを介して米軍もタリバンと交渉を開始しているようだ。
イランは核を放棄しないと宣言しているが、米国は非難行動を取っ
ていない。パレスチナでは、ハマスなどの過激派が停戦を破棄した
。このようにイスラエルと米国のネオコンにとって、試練の時が来
ている。北朝鮮もこの時を攻勢を掛けている。しかし、やり過ぎる
と、イラクの後に北朝鮮征伐になるため、どこかで妥協するしかな
い。

国連のPKF派遣が上手く行かないと、米軍(ネオコン)を助けに
イスラエル軍がイラクに出動する可能性もあるような気がする。
そうすると米・ユダヤ連合軍対イスラム・ゲリラになる可能性が大。
これと、対決の図式が明確になり、まさにハルマゲドンの構図にな
る。

もう1つ、ブッシュの支持率が急落している。特にラテン系の米国
民からの支持率が急落しているようである。これはイラク派遣の米
軍に占めるラテン系国民の比率が高いためのようですね。この米軍
のイラク派遣軍人が、メールで米国国内の親族に無意味な戦いをし
ていると訴えているようだ。この情報をユダヤ(ネオコンの味方)
が押さえているマスコミは取り上げないが、じわじわとラテン系の
人たちの間で浸透しているようである。

反戦的な主張をしている大統領候補のディーン民主党上院議員が、
支持率を上げているが、どこまでブッシュを追い詰めることができ
るが問題である。しかし、反戦を言い始めた候補者が出てきた。

国連で決議してアラブ諸国中心の国連派遣軍にして、統治もアラブ
中心の構成にして、普通選挙を早く実施してイラクの民主主義的な
政府を樹立する方向で、日本は資金援助することを申し出た方がい
い。イラク国民のことが考えているだけで日本の無私な心を理解し
てもらう必要がある。世界が日本の無私な心を見ている。
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400字で斬る国際情勢ニュース(441)
◆アンサール・イスラム◆
(2003/08/21)
 ロケット弾や機関銃による米英軍攻撃から一般民間施設、国連諸
機関への無差別テロへ―。8月19日、デメロ国連事務総長特別代
表以下多数を殺害し、在バグダッド国連機関・機能を壊滅状態に追
い込んだテロの背後には、イスラム教スンニ派から構成される過激
テロ組織「アンサール・イスラム」(Ansar al-Islam 、イスラムの
支援者)が見え隠れする。

 「アンサール・イスラム」は、イラク北部のクルド人地区を拠点
とする過激組織で、イラク・クルド人、ヨルダン人、モロッコ人、
パレスチナ人、アフガン人などで構成され、総兵力は約700人。
対イラン国境近くのハラブジャ一帯を根拠地とする。今年4月に米
軍の掃討作戦で打撃を被ったが、強硬分子はなお健在。

 「アンサール・イスラム」は自派支配地域では独自のイスラム法
を敷き、美容院や女子の学校教育を禁止するなどアフガンの旧タリ
バン政権と同様のイスラム国家樹立を目指している。ビンラディン
率いるアルカイダの資金援助を受け、アフガンから逃れてきたアル
カイダ・メンバーやアラブ・アフガン義勇兵を多数受け入れている。

 「アンサール・イスラム」の指導者については、同組織と過去激
しく衝突してきたクルド愛国同盟(PUK)筋は、エジプトもしく
はシリア出身と見られる元アラブ・アフガン義勇兵、アッシャフィ
イと名乗る男だとされる。

 小火器と違い、自動車爆弾を使ったものは大量の爆発物を必要と
することから、熟練した要員が必要。今年3月の豪州カメラマンを
爆殺したイラク北部のテロ、ヨルダン大使館爆弾テロも「アンサー
ル・イスラム」の仕業である公算が極めて大きい(了)
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世銀、IMFもイラク撤収=爆弾事件で 
2003 年 8 月 21 日 

【ワシントン20日】世界銀行と国際通貨基金(IMF)は20日
、国連バグダッド事務所がトラック爆弾で爆破される事件が起きた
イラクから職員を撤収することを決めた。ただし両機関は、引き揚
げは安全上の予防措置で、恒久的な撤退ではないと述べている。

イラクの世銀職員15人のうち14人は国外、主としてヨルダンの
アンマンに移る。職員の1人が国連事務所爆弾事件で行方不明にな
っている。IMFの職員4人はアンマンに引き揚げた。爆弾事件で
IMF職員、コンサルタント各1人が入院している。
〔AFP=時事〕
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<国連事務総長>イラクへ多国籍軍派遣の可能性示唆

 【ニューヨーク高橋弘司】バグダッドの国連事務所爆破テロ事件
を受け、アナン国連事務総長は22日、ニューヨークの国連本部で
英国のストロー外相と会談しイラクの治安対策などについて協議し
た。アナン氏は会談後、国連安全保障理事会は「治安対策強化に向
け結束している」と述べ、多国籍軍派遣に道を開く新決議案が採択
される可能性を示唆した。

 記者会見でアナン氏は多国籍軍派遣について「安保理内の大半の
メンバーは、どれだけ多くの国々が参加できるのか、国連の役割を
拡大できるかに関心がある」と述べた。その上で国連が主導した
平和維持部隊が展開する可能性については「ブルーヘルメット(
国連平和維持部隊)はその能力を持っていない」と否定し、多国籍
軍派遣が妥当との考えを改めて示した。だが、決議案には、治安面
だけでなく政治、経済面での役割拡大が盛り込まれることが重要と
の注文を付けた。(毎日新聞)
[8月23日1時42分更新]
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イランは核技術を放棄しない=最高指導者が言明 
2003 年 8 月 20 日 

【テヘラン19日】19日のイラン国営IRNA通信によると、
同国の最高指導者アリ・ハメネイ師は18日夜、イランの大使会議
で演説し、米国などからの圧力でイランが自らの核技術を放棄する
ことは決してないと強調した。ハメネイ師は、イラクに核技術の放
棄を要求する米国および一部西側諸国の姿勢は不適切、不当で抑圧
的だとし、イラン・イスラム共和国は決してこの要求を受け入れな
いだろうと述べた。

ハメネイ師は、イランの原子力科学はイラン独自のものであり、
平和目的だと述べると同時に、イランは宗教的原則に基づいて、決
して大量破壊兵器を使用しないと付け加えた。

イラン外務省のアセフィ報道官は18日、同国の核施設の抜き打ち
査察を認めるかどうか引き続き国際原子力機関(IAEA)と話し
合っていると述べ、厳格な査察を規定する核拡散防止条約(NPT
)の追加議定書の調印についてはまだ合意していないことを明らか
にしている。〔AFP=時事〕


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