1357.日本の左翼と右翼とは



日本での左翼と右翼の区別が分からなくなっている。  Fより

このコラムでは、古神道の考え方をお話しているが、この考え方は
共産主義・社会主義を捨てた元左翼の人たちの環境問題や平和の概
念とよく似てきている。このため、今後の日本の左右の分離軸を明
確化しないと、左翼がどうのということを論じることが難しくなっ
ている。

米国での左右は、右翼は自由主義で、小さな政府を目指し、左翼は
福祉社会を目指すために、大きな政府を志向すると規定しているよ
うだ。この指標を日本でも使うことが考えたが、それでは説明でき
ないことが多い。

このため、左右の判断を日本の自立に則して考えた。日本を自立さ
せることを考える人、古神道(かんながら)の道を行く人が右翼で
、米国や外国に依存して生きていくことを目指す人、私利私欲な心
(唐心)を是認する人を左翼としてはどうかと思う。米国や中国へ
の態度や自衛隊などの安保問題で、この軸が明確化する。

日本の武道は受身に強いのが特徴である。その意味では日本は海外
侵攻ではなく、自衛のための軍隊であるべきである。しかし、無条
件な平和はありえないと思う。それ相当な備えをする必要がある。
このように考えるのが右翼である。国連などに依存した単純な平和
主義や米国依存の侵略戦争主義が左翼である。

対米関係では、親米的で米国依存症な人が左翼、親・反米的でも
日本を中心に考える人が右翼、しかし、反米的でも中国やロシアに
依存する人は左翼であろう。

利権政治を肯定する田舎の公共事業、公営事業を盛んにする主張す
る人は左翼で、民間活力を重んじて自立自存を目指す、国に依存し
ない人が右翼であろう。右翼とはライト・ウエーで正しい道という
意味である。

このように考えると、左翼と右翼の違いが明確化すると思う。今ま
で右翼と思っていた有名な評論家が左翼になるが。
==============================
★グローバル・ピース・キャンペーン★
OPEN-J BOOMERANG 365【デニス・クシニッチの原稿完成】

◆きくちゆみ◆
広島・長崎・イラク・コソボ・アフガニスタンの共通点は何でしょ
うか?
いずれも、米国による核攻撃を受けたことです。広島はウラン原子
爆弾、長崎はプルトニウム原子爆弾、イラクとコソボとアフガニス
タンは劣化ウラン弾と劣化ウラン兵器。

どの兵器も、戦争が終わっても放射能の威力で無差別に人々を殺し
続けることが共通しています。劣化ウランは原爆のように派手では
ありませんが、それが高燃焼して酸化劣化ウランになると、バクテ
リアよりも小さい粉末になり、空気中に浮遊し続けます。目に見え
ず、においも味もない微小な酸化ウランを呼吸で体内に取り込むと
、不溶性であるため(金属の劣化ウランは水溶性)体内にとどまり
、α線がその周辺を細胞2個分の半径で照射し続けます。

劣化ウランの半減期は45億年。半減期とは放射能の強さが半分に
なるまでの時間のことで、その影響がなくなるには、その10倍の
期間を待たなくてはなりません。もちろん、その前に人は死んでし
まいますが、数年以内にα線を浴び続けた細胞は突然変異を起こし
たり、癌化する可能性が高いのです。卵子や精子の遺伝子情報も狂
います。今後、大量に劣化ウランが投下されたイラクやアフガニス
タンでは、心身ともに健康な子どもが生まれにくくなってしまうの
です。

イラクやコソボの住民やその戦闘に参加した英米兵士の間では、
すでに多くの重度先天性障害を持った赤ん坊が生まれています。
アフガニスタンはこれからでしょう。

先日8月6日の広島の秋葉市長のスピーチは素晴らしいものでした
。小泉首相が小さく色あせて見えました。秋葉市長は日本のデニス
・クシニッチだ、と思ったぐらいです。彼のスピーチは広く海外に
も転送されたようで、私のところへも海外の友人から関連記事のメ
ールが回ってきました。
http://www.city.hiroshima.jp/shimin/heiwa/heiwasengen.html
(日本語の秋葉さんのスピーチのURL)

今年は私も8月6日は広島へ行き、とうろうでピースマークを作る
のに参加するつもりでしたが、石川県で講演が入り、そちらへ行っ
ていました。講演は加賀市江沼郡の教職員組合が招いてくださり、
小学校と中学校の先生方が200人も聞いてくださいました。

演題は「アメリカの戦争の尻拭いをしに、イラクへ自衛隊を送って
もいいのですか」というものでした。私はもちろん、いけないと思
う、理由はたくさんあるけれど、最大の理由は劣化ウランの被曝か
ら誰も逃れられないこと、そのことを自衛隊員が知らされていない
ことだ、と話しました。自衛隊員はイラクの人々を助けるためでは
なく、占領軍の支援のために武器を持って派遣されます。今米軍兵
士に起きていることが自衛隊員にも起きるのは、間違いありません
。攻撃されることも、あるいは自衛隊員がイラクの人々を撃たなく
てはならないことも、あるでしょう。

そして自衛隊員が無事帰国した後、イラクから帰国した米兵の間に
起きている「原因不明の」健康被害に見舞われることは、確実でし
ょう。多くの兵士が湾岸戦争で無事帰国した後、癌や白血病や腎臓
疾患などで亡くなりました。その数1万人以上。湾岸戦争では米軍
に犠牲者はほとんど出なかったということで、大勝利とされていた
のですが、13年たった今、湾岸戦争従軍兵のおよそ3割にあたる
22万人が深刻な疾病を抱え、働けない状態になっています。
戦争で亡くなった兵士はわずか百余名でしたが、帰国後に病気で亡
くなった兵士は、その100倍にもなるのです。恐ろしいことです
。このことは、小泉首相も防衛庁長官も、知らないでしょう。

日本は自衛隊ではなくて、世界最高の被曝治療のできる民間医療チ
ームと医薬品や食料品を送り、また劣化ウランのクリーンアップチ
ームを派遣することなどが、本当の国際貢献だ、と話しました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(Fのコメント)
イラクに従軍した兵士の奇病が劣化ウランではないかと疑われてい
ることは確かですが、米国政府はこのことを認めていない。

しかし、劣化ウランの問題は確かにあると思うし、将来、大問題に
発展する可能性が高いようだ。
==============================
戦略的政策の勧め        虚風老 

家庭用燃料電池・風力発電・太陽光発電等、自家発電に環境省が補
助金を出すと言う話じゃ。04年度の予算で、3億円?を要求する
という。
 桁が違っとらんかね? 年度を越えて、3000億位用意すれば
いいんじゃ。そうして、申し込みの早い順とし、3000億円を使
い切るまでとするかの。
そうすれば、早いもの勝ち的な駆け込みでの設置競争が考えられる
し、後年になれば、必ず、価格が下がってくるから、早く付けるこ
との不満も軽減できる。
新エネルギー産業が立ち上がる呼び水にはなるし、エエネルギー問
題の方向性にもインパクトを与えられるじゃろう。

 財源? 特定使用目的公債という手もあるじゃろう。もちろん
「0」金利・名義自由でな。後々には、炭素税に近いものからの償
還になるかの。
いずれにしろ、これは、国家戦略政策のキーたる案件じゃよ。原発
につぎ込む金額のことを考えれば、はるかに有用じゃよ。
                        虚風老
==============================
アメリカを叩きのめすには、200年掛かるが、最も有効なのは、目減
りする通貨を発行して、日本を世界一の経済成長大国にする事であ
る。
そうすれば、直ぐにもアメリカ・中国を追い越し、北朝鮮を圧倒す
る事が出来る。
内藤 晃一
==============================
件名:中東和平ロードマップの展望  

東京国際大学教授、渥美堅持氏が講演
過激派の矢面に立つ2人の首相/強硬派が反発−イスラエル/アラ
ファト議長も反意−パレスチナ/アラブの関心は低下/焦点はサウ
ジの社会不安

 イラク戦争が終わると同時に米国主導の中東和平が動きだした。
シャロン・イスラエル首相とアッバース・パレスチナ自治政府首相
は、それぞれの過激集団を抑え、五十年来の難問であるパレスチナ
独立国家を建国、さらにはイスラエル・パレスチナ共存体制を確立
できるか。世日クラブ(会長=杉本儀一・杉本興業株式会社代表取
締役会長)の第五十四回「明日の世界と日本を考える講演会」は
このほど都内で開かれ、渥美堅持・東京国際大学教授が「中東和平
の行方−ロードマップは実現するか」と題して講演した。
 以下はその講演要旨である。

 米英がイラクを攻撃した最大の目的は、フセイン政権の排除にあ
った。その理由は、将来、膨大な石油がある湾岸諸国で反政府運動
が起こった時、フセインがそれに介入しかねず、そうなると米国を
はじめ世界に衝撃を与えるからだ。

 しかし、それはかなり乱暴な論理なので、米英はイラクの大量破
壊兵器をテロと関連付け、その除去を大義名分とした。パウエル米
国務長官が国連でイラク攻撃を宣告した時、その証拠写真を見せた
のは苦肉の策だ。あれだけ鮮明なトレーラーの写真がありながら、
その行き先が不明なのはおかしい。

 しかし、当時の米国民には、あの写真を見せるだけで十分だった
。9・11テロに対する復讐(ふくしゅう)に向かっていた国民感情
は、フセイン政権を倒すことで溜飲(りゅういん)を下げ、大量破
壊兵器があるかどうかは大した問題ではなかった。

 そもそも、イスラム過激派とフセインとの関係は論理的にあり得
ない。フセイン政権は世俗政権で、イスラムとは関係ないからだ。
イラクはエジプトと同じで宗教国家ではない。一方、ビン・ラーデ
ィン率いる集団はイスラム根本主義で、彼らとフセイン政権が共闘
することなど考えられない。正気に戻った米国民はイラク戦争の大
義名分に疑問の声を上げ始めているが、あの機を逃すとフセイン政
権を取り除けなかったことは確かだ。

 中東政治の底流には世俗政権とイスラム政権との対立がある。
サウジアラビアはイスラム政権だが、世俗政権を志向する勢力が台
頭し、国王の交代期に反政府運動を起こす可能性がある。サウジア
ラビアの騒乱は湾岸諸国全体に及び、世界的に石油の供給システム
がおかしくなる。

 フセイン政権が取り除かれたことで、進展したのが中東和平だ。
ブッシュ米大統領は昨年六月、イラク戦争のシナリオを書き始めた
。その前月の五月、国防省はテロ報告書を発表し、米政府はテロ撲
滅を政策の基本に掲げた。新中東和平案ロードマップ(行程表)の
目的はパレスチナ国家の樹立よりも、イスラム過激集団の排除によ
るテロ撲滅に重点が置かれた。

 ロードマップが提出されると、イスラム過激集団は反発し、自爆
テロを展開し始めた。日本のマスコミは、これで和平は挫折すると
報道した。しかし、ロードマップを突き付けた相手はパレスチナ自
治政府であって、イスラム過激集団ではない。

 近代中東世界の政治の流れには二つあり、一つは汎アラブ主義で
、第一次世界大戦前後に生まれたアラブナショナリズムだ。その流
れがイラクやエジプトの世俗政権で、一時的に社会主義制度を導入
した。

 アラビア語を話す人たちをアラビア人というが、彼らにはアラブ
意識は全くない。アラブにはイスラム以前に部族社会があり、国家
意識よりも部族意識の方が強い。

 中東では七世紀まで部族間の紛争が繰り返されてきた。そこから
脱却するため部族を超える意識を持たせたのがイスラムだが、部族
意識はなくならず、今も両方が継続している。そこで使われだした
「アラブ」は彼らの理想的世界のことで、アラブナショナリズムが
政治の大きな流れになった。

 それに対して、イスラムの復活を目指す流れが起こり、その旗手
がサウジアラビアのサウド家だ。「ワッハーブ」というイスラム法
学で中東世界を再統一する。こうして中東には相反するベクトルが
働くようになった。

 パレスチナでも、自治政府はアラブナショナリズム、ハマスやイ
スラミックジハードなどのグループはイスラムで、彼らは全く相い
れない。ロードマップに自治政府がサインした時点で、イスラム過
激集団にはイスラエルと同じ敵になった。しかし、これが中東和平
への近道だ。

 六月三十日にイスラム過激集団が声明を発表し、三カ月間自爆テ
ロを停止するとしたのは、彼らが問題の真意を悟ったからだ。この
ままでは抹殺されるので戦術を転換し、出来上がった後のパレスチ
ナ国家を乗っ取り、パレスチナ・イスラム共和国に変えることにし
た。かつてのエジプトのように、ゲリラ戦を展開することになろう
。もっとも、末端では跳ね返り分子がテロを繰り返すかもしれない。

 米国とイスラエルは、世俗政権のパレスチナ国家をつくろうとし
ている。選挙をし、議会を開き、憲法には政教分離と民主主義の原
則がうたわれる。自治政府はイスラム勢力を爆発させないよう、神
経質になっている。

 パレスチナ自治政府のアッバース首相は声明で、ハマスの形は残
すとした。過激性を抜いてしまうということだが、それは不可能だ
。エジプトでさえ過激派は抹殺するしかなく、その生き残りが、
9・11テロを起こした一人だ。アッバースは年内にも暗殺されるか
もしれない。

 ロードマップは、シャロンがイスラエル首相になった時からの入
植地の撤回を求め、彼は入植地の破壊を始めたため、ユダヤ強硬派
の反発を招いている。つまり、イスラエルでも過激派と世俗政権の
対立を生み出し、シャロンも暗殺の危機にある。さらに問題は、シ
ャロン以前の入植地や国境線、難民、エルサレムの帰属問題だが、
ロードマップはそれらに触れていない。

 非常に狭い範囲だが、パレスチナ独立国家ができると、イスラエ
ルとの間でシャロン以前の問題について長い交渉が始まるだろう。
米国は、そうやって両国政府にげたを預ける。援助はするが、それ
以上の問題は自分たちで処理しろということ。矢面に立たされるの
はシャロンとアッバースだ。

 これまで、パレスチナ政府の資金はすべてアラファトの口座に入
っていたが、ロードマップでは今後、パレスチナ財務省が一括管理
すると決めている。これにアラファトは反発し、アッバースを追い
落とそうとするに違いない。イスラム過激集団と手を握ると非常に
難しくなる。

 パレスチナ問題の解決には、パレスチナ国家とイスラエルが共存
するしかなく、それ以外に選択肢はない。アラブ諸国はこの問題に
以前ほど真剣ではなくなっている。アラファトがイスラム過激派と
組むと、アラブはさらにパレスチナを見放すだろう。イスラエルと
しても、早く紛争をやめないと、経済がもたないという問題がある。

 日本ではアラブとパレスチナは一枚岩のように思われているが、
アラブ人はそれほど純粋ではない。アラブにおいてパレスチナ問題
は、国家建設の道具とされてきた。第一次大戦後、英仏は中東を
二十数カ国に細分化した。反乱の拡大を防ぐためで、実際、反英闘
争は連帯性を持たなかった。そこで第二次大戦後、アラブはアラブ
の統一を叫び、その象徴になったのがイスラエル建国で発生した
パレスチナ問題だ。ところが、今やアラブはそれぞれ建国を果たし
たので、パレスチナ問題は単なる地域問題になった。

 今後、パレスチナ自治政府とイスラム過激集団との間で取引が行
われ、巧妙にパレスチナ国家を立ち上げるだろう。イスラエルは
それを承認するが、問題はその後に起こるイスラム過激集団の反政
府運動だ。非常に狭い地域なので、それがイスラエルに飛び火し、
パレスチナとイスラエルの国家間の戦争に発展する恐れがある。

 パレスチナ国家にどこまで軍事力を持たせるかは、最後までもめ
る。イスラエルが抑えられる範囲内で認めるだろうが、問題はアラ
ブ諸国との相互防衛条約だ。イスラエルは孤立化を図るが、パレス
チナ国家はシリアやエジプトと相互不可侵条約を結ぶだろう。

 中東に対する世界の関心は、今やサウジアラビアに移りつつある
。石油で豊かになったサウジアラビアは、多くの若者を海外に留学
させたが、帰国した彼らに働く場所はなく、社会不安が生じている。
彼らはサウド家に対して教育や政治の窓口を開放し、イスラムの枠
を外すよう求めている。最近の一連の爆破事件の背景はアルカイダ
ではなくそうした国内問題だ。サウジアラビアにとっては近代化へ
の避けられない試練といえる。

 そこで米国はイラク戦争の前に、サウジアラビアからの撤退を宣
告した。同国は現在も米国の最大の石油輸入先だが、国内に動乱が
起こると危険なので、依存度を下げようとしている。

 米国は湾岸戦争からサウジアラビアに駐留していた実戦部隊を
イラクに移動させた。地政学上、中東の中でイラクは最も戦略的価
値が高い。イラクに空軍基地を持つと、北は中央アジアから南はア
フリカまでカバーでき、サウジアラビアから全軍を引き揚げても同
国を防衛することができる。

 米国がイラクに求めているのは石油と空軍基地だ。しかし、異文
化に対するイラク人の反発は強いので、早く暫定国家をつくり、
石油省を立ち上げ、国防安全保障条約を結んだ上で軍隊を引き揚げ
ないと、元も子もなくなる恐れがある。

 (一部敬称略)
 渥美堅持 昭和13年北海道生まれ。拓殖大学政経学部卒業。エジ
プトのアズハル大学留学。現在、東京国際大学教授。(財)昭和経
済研究所アラブ調査室室長。共著書は『中東の地政学』『サダト以
後の中東のゆくえ』『中東の近未来をさぐる』『イスラーム教を知
る事典』『イスラーム過激運動―その宗教的背景とテロリズム』
など。(世界日報)
 ▲掲載許可済です。
Kenzo Yamaoka


コラム目次に戻る
トップページに戻る