1340.日本外交の考え方



日本外交を考えたい。   Fより

米国の外交政策が2つに割れている。パウエルの国際協調派とラム
ズフェルドの強硬派である。このように米国政権内での抗争が外面
に見える状況である。このコラムは、早い段階から米国のパウエル
を押して、日本の外交をするべきであると主張している。

米国の政権内で、ときどき方針が変動する理由も、この2派の主張
が違い、ブッシュが選択する政策も2者の主張のどちらかを、ただ
選択しているからであると思える。

しかし、この2者の主張は、ほとんどお互いに相容れない政策であ
る。このような左右に大きく振れる政策を持つ状態にある最強国に
どう対応するのがいいか、それが日本外交が考えねばならない点な
のである。日本の評論家でこのような視点で、日米関係を見ている
人が居ない。著名な評論家たちは反米か親米の立場で物を言ってい
る。単純すぎる。

米国政権に着いて行くと、言っても米国ブッシュの言うことが日に
日に違う可能性がある。その時々で2者の主張を取り入れるためで
、ブッシュ自身は、時々強い思いも出るが、ほとんどの場合は、ラ
イスやチェイニーが決めているようだ。

そのチェイニーの態度が大きく変化してきている。ここに注目する
べきで、米国はイラク戦争までは、強硬手段を選択していたが、
イラク復興で躓いてからは、チェイニー自体がパウエルの国際協調
外交に復帰してきている。

日高さんもネオコンの主張を代言していたために、北朝鮮対応で米
国の動向を読み違えていた。この日高さんと同様にネオコンの主張
を代言しているのが、日本の評論家で、そのため、戦争への道へと
誘導するという危ない方向に行っていた。しかもチェイニーなどの
動向を誤解していた可能性がある。

米国の2派の動きを正確に掴んで、平和外交の日本の方向にパウエ
ルと組んで、米国政権を誘導したほうがいい。それが、日本の外交
の戦略である。日本は米国との関係が強いのであるから、反米は基
本的にありえない。米国無しに日本外交は今のところ無い。

しかし、米国政権内部の入り込み、日本と協調できる勢力を作り、
かつ政権中央にその意見が採用されるように首相も一致協力してい
くことが重要であろう。
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イラク派兵について、こう考えるべきだと思う。
まず、自衛隊(日本軍)というものについて、他人ごとと思わず。
日本に<徴兵制>があったならと考えることだ。

 その上で、自分の<子供達>・<夫>・<恋人>あるいは<孫>
や<自分自身>が、イラクに派遣されるという状況を想像してみよ
う。
 
 さて、あなたは、今回の派兵に賛成するだろうか?

 わたしは、すべての危険を避けよとも、避けられるとも思わない。
すすんで、自己の生命の危険に省みず、なされねばならぬこともあ
るからだ。カンボジア内戦が終わった時、日本のNGOの方が、平和構
築のために参加して、射殺され、亡くなられたた事件があった。

御家族は嘆かれた。しかし、その方の父親(たしか、商社勤務であっ
たと思う)は、会社を辞めると、息子の意志を継いで、NGOの活動に
身を投じたのだ。
 私は、それを聞いた時、感涙で、思わず息が止まった…。
 
彼等の手は、銃も刀も握らなかったが、武士の魂は持っていたのだ
と思う。

 今回のイラクの事案は、裏の事情がありすぎる。利権の臭いが濃
すぎる。我々は、誇りをもって、また、自分の子供に、聖なる使命
だから、兵士として行きなさいと説得できるだろうか?
 今回の戦争には、<アメリカの事情>が、あまりにも優先されて
いないだろうか?

 自衛隊が、もし派遣されるならば、私は、彼等に対し後ろめたい。
彼等に、生命の危険と、任務の困難を求めるだけの<根拠>を与え
られるだろうか?
<人>を殺す、正当な理由を見つけてやれるだろうか?

 また、「これが、イラクの為になる最善の方法ですよ。」
と言い続ける政府に、<仮面>を感じないだろうか?
威勢だけつけた、詭弁に醜さを感じないだろうか?
まだ、イギリス・ブレアの苦悩の方が誠意が感じられる気がするの
は、なぜだろう。

 はぐらかしで、説明責任もまっとう出来ないようなことで、私達
の子等は、命令され、「殺し」・「殺され」に行くのだろうか?

 是非、身内の事として感じて欲しい。自分自身が、送り込まれる
と仮定してもらいたい。

 もし派遣されるならば、軍服の背中の首筋あたりと、ヘルメット
には、15センチ程の大きな<日の丸>を付けて行ってもらいたい
。<日の丸>は、白と赤で視認性がいい。
文字どうり、日本を背負って行って欲しい。
アラブ圏で、日本の評判は、決して悪いものではなかった。もしか
すれば、それが、隊員を救うかもしれない。
しかし、撃たれたら、それは、積み上げてきた<日本の信用>が撃
たれたのだ。そう覚悟しておくことだ。

 政府は、「寄らば大樹の蔭」という政策方針なのだろう。
しかし、本当の<大樹>が何であるか、解かっているか疑問だ。

                    まとり
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件名:防衛省設置で士気高めよ  

参院防衛省設置推進国会議員連盟事務局長・中川義雄自民党参議院
議員に聞く

自衛隊の扱いを国際水準に
 国連平和維持活動(PKO)はじめ各国軍隊と協力した自衛隊の
国際貢献活動が増えたことなどから、自衛隊の所轄官庁の防衛庁を
省に格上げする動きが与党内で強まっている。議員立法で防衛省設
置法案が提出されている衆院の解散が近づく中で、参院防衛省設置
推進国会議員連盟が十日に総会を開き、新体制で防衛省設置に取り
組む方針を決めた。そこで新たに同議連事務局長に就任した自民党
の中川義雄参議院議員に聞いた。
 (政治部・窪田伸雄、早川俊行・世界日報)

 ――防衛省設置を求める理由は何か。

 「最大の理由は、国連平和維持活動(PKO)などで自衛隊が海
外に派遣される機会が多くなってきており、派遣される自衛隊員に
プライドと士気を持ってもらうことだ。

 わが国の防衛庁は、ジャパン・ディフェンス・エージェンシーと
いう英訳文になっている。世界の中で、国防を司る官庁を『エージ
ェンシー』と『庁』の扱いにしている国を私は知らない。海外に行
って国際交流したり、幹部同士で名刺交換したら、所轄官庁がエー
ジェンシーというのでは、派遣された自衛隊員の士気に影響すると
考えている。

 イラク特措法も制定され、今度はイラク復興に行く。やはり、自
衛隊に国際舞台で胸を張って国のために働いていただくために、
所轄官庁に国際水準の扱いにした名前を付けなければいけないと思
っている。

 また、今の防衛庁は内閣府の外局で、予算編成の際の予算要求権
もない。防衛庁と自衛隊の組織、防衛予算の規模から見て、内閣府
の下の庁の位置付けでしかないのはおかしい」

――二〇〇一年の省庁再編では防衛庁の省への格上げは見送られ
   たが。

 「〇一年省庁再編の前に、環境庁が環境省になるか、防衛庁が防
衛省になるかの二つが大きな問題になった。環境庁が環境省になっ
たことは結構なことだ。だからといって防衛庁がそのままでいいの
かという疑問は、国民の多くの人が抱いたと思う。やはり、国会と
してそれに応えるのが当然だ。参議院としてもしっかりと受け止め
ていきたい」

――衆院では防衛省設置法案が議員立法として提出されたが、
   成立しないままだ。参院の議連は、具体的な動きに出るのか。

 「参院の立場から衆院のことを言うのは控えたい。だが、衆院議
員の任期そのものも来年に迫り、解散も近いと言われている。衆院
の議案は解散総選挙になると廃案になってしまう。

 解散で衆院に提出された法案が廃案になる状況が強くなっている
ので、参院からの提案も視野に置いて百人近い議員が賛同して議連
に参加していることは事実だ」

世界の安保に責任持つ国に

――秋の臨時国会で参院から提出する可能性もあるのか。

 「可能性と言えば、あるということだ。ただ、国防という国の基
本にかかわる法案だから、秋の臨時国会よりは次期通常国会で提案
するのがふさわしいと思う。衆院にも仲間がいるので、また衆院か
ら提案するということならばそれでも結構だ」

――参院から法案が出されるとしたら、衆院の議員立法と同様か。

 「今は具体的にそこまで細かく考えてはいない。防衛省を設置し
、防衛大臣を置くというものだ」

――与党三党での協議はまとまる見通しか。

 「わが党の考えがまとまったら、与党三党で協議することになる
と思う」

――〇一年再編の時は、公明党は慎重姿勢だったが、足並みはそろ
  うか。

 「情勢も変わっている。理解を得るように努力すべきだ」

――国連安保理の常任理事国入りをわが国は目指しているが、その
  際も、防衛省設置は有利になると考えるか。

 「そうなるだろう。国連安保理の中でも平和維持軍などの計画が
議論になる。そういう時に胸を張って出ていくぐらいの国でなけれ
ば、世界の中の安全保障に責任ある国とは言えない」

――国際水準というと、「セルフ・ディフェンス・フォースィズ」
  という自衛隊の英訳も世界にない名称だと思うが、それを軍と
  しての位置付けを明確にすることも今後の検討課題ではないか。

 「国際的に自衛隊を軍と見ていない国があるのかなと疑問に思う
。やはり、ほとんどの人は軍と見ているのではないか。海外各国の
日本大使館に自衛隊から防衛駐在官として派遣されているが、各国
の武官と肩を並べて軍の国際行事などに参加している。ただ、憲法
上の制約があるからいろいろな言い訳を国内でしているわけで、外
に向かったら、もっと誇りを持てるようにしないといけない」
▲世界日報・掲載許可済みです。
Kenzo Yamaoka
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国際戦略コラム御中

国際戦略コラムを読み始めたものです。
一つおたずねが有ります。国際戦略コラムのサイトにアクセスし、
目次のタイトルをクリックしても、文字化けして、諸氏の論評等を
読むことが出来ません。何か良い方法があればお教え下さい。
宜しくお願いいたします。

河内謙策
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(Tより)
WINDOWSのパソコンであると想定して、対応策を書きます。
IE(WEBを見るツール)のバーに「表示」があり、そこをクイ
ックします。すると、「エンコード」があり、そこをクイックする
と、「日本語(シフトJIS)」があり、そこをクイックしてみて
ください。
すると、正常に表示するはずです。


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