1339.北朝鮮の核問題解決か?



北朝鮮問題に前進があったので、それを検討。  Fより

前回の1333.イラクの現状と北朝鮮
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/150727.htm
で述べたように、パウエルが北朝鮮との戦争を回避するべく、「北
不可侵」文書化の用意を表明して、北朝鮮も2国間協議を優先させ
るより、多国間協議でも実を取る方が有利であると悟ったようだ。

9月上旬にロシアを含めた協議が北京で行われるであろう。この場
で北朝鮮は、核の廃棄を条件として不可侵、経済援助などを要求す
ると思う。韓国はすでに開城の工業団地や鉄道建設などの経済援助
を約束している。その履行に移るだけである。

日本は今まで経済援助、国交回復などの交渉をしていないため、北
朝鮮は拉致問題解決も含めて、その見返りの期待値が大きいと思う
。しかし、日本に取って、北朝鮮への国交回復での経済援助の見返
りが見えない。日本を敵視した状態で経済援助をしても、友好促進
とは逆効果になるし、北朝鮮には日本に取って有利な大きな利権も
ない。

ロシアは日本・韓国との鉄道接続で大きな利権を獲得できるし、
韓国は釜山をユーラシア横断鉄道の起点とできるため、貨物輸送の
一大ターミナルになる可能性がある。釜山駅は、釜山港の横にある。
このため、港の貨物取扱量も増えることになる。間釜連絡船で鉄道
を繋げば、観光客需要も見込める。この経済的な効果は、中韓露朝
には大きい。しかし、日本はその恩恵をあまり受けない。

日本人が鉄道で、ユーラシアを横断できるのはロマンを掻き立てる
が、数週間をかけた観光をできる人たちは、老年層しかいないよう
な気がする。それより、韓国・北朝鮮の鉄道が安定的な運用ができ
ると日欧間の貨物輸送に大きな効果があるのでしょうね。米国の横
断鉄道のような何百両の貨車をデーゼル機関車で引くような運用が
できれば、運賃も安く出来て、日本にも大きなメリットが出てくる
可能性がある。このような面に経済援助を絞り、北朝鮮に対応する
のがいいような気がする。

米国は北朝鮮との関係を正常化したら、在韓米軍はグアムまで下げ
る可能性が高い。もう1度、北朝鮮が瀬戸際外交をした時でも、米
国への脅しにできない配置にするはずである。もう1度瀬戸際外交
をした時は、冷静に先制攻撃で戦争を遂行することになるか、韓国
・日本を見殺しにするでしょうね。米国人が死なない限り、地域紛
争ですから、核で同一民族同士殺し合いもしかたがないと米国は切
り捨てる可能性がある。

日本では、横須賀にある乾ドックは必要であり、第7艦隊の基地は
残すが、沖縄の海兵隊はやはりグアムに撤退もありえる。日本も
ノドンの射程距離にあるため、瀬戸際外交を防ぐためには、そうす
る可能性がある。

このため、米国に日本防衛の期待が出来なくなる可能性があり、日
本は北朝鮮に対応したミサイルシステムを整備する必要が出てくる
。先制攻撃もできる法律体系にすることも必要である。ならず者国
家が周辺にあるので、その国家に対応した国家防衛システムにしな
いと、日本と日本人の安全は確保できない。世界のシステムで防ぐ
というのは妄想である。すでに、国連はご存知のように機能してい
ない。

北朝鮮の現状を改善するべく、一時的には北朝鮮は核を放棄するが
また、経済援助を必要になると、核開発をする可能性が高い。金正
日には2度目のドジョウもいたことになる。この外交に味を染めた
可能性が高い。こうしないためには、北朝鮮をどう監視するかが今
度の課題でしょうね。
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北朝鮮、核問題で6カ国協議を支持 ロシアに伝達 (ASAHI)

 ロシア外務省は31日、北朝鮮が核開発問題でロシアを含む6カ
国による多国間協議を支持すると伝達してきた、との声明を発表し
た。北朝鮮の朴義春(パク・ウィチュン)駐ロ大使がフェドートフ
外務次官と会談した際、本国指導部の決定としてロシア側に伝えた
という。 

 声明によると、「北朝鮮指導部はロシアを含む6カ国で朝鮮半島
の困難な現状を協議することを支持し、その実現に向けて積極的な
努力をしている」としている。ロシアは「北朝鮮の建設的な決定を
歓迎」した。 

 米国との2国間協議を強く求めていた北朝鮮に対し、韓国と日本
も加えるべきだとする米国の主張を、中国が仲介する形で多国間協
議の可能性が模索されていた。 

 北朝鮮と深いつながりのあるロシアは、自国を加えた6カ国によ
る多国間協議の開催を主張。ロシュコフ外務次官は先週、北朝鮮が
米中との3カ国協議に引き続いて韓日ロ3カ国が加わる2段階方式
の多国間協議に基本的に同意した、と明らかにしていた。9月前半
に北京で開催されると語った。今回、北朝鮮が「支持」を表明した
ことで、6者協議が実現する見通しが強まったといえる。 

 しかし、声明では、6カ国協議が2段階で行われるのか、韓日ロ
がどういう形で協議に加わるのかなど、開催の前提条件に関する詳
しいことは言及されていない。 (08/01 00:08) 
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北朝鮮に先制攻撃も ロシア紙報道

 【モスクワ31日共同】31日付ロシア紙イズベスチヤによると
、ロシア太平洋艦隊高官は個人的見解として、北朝鮮が核ミサイル
発射の準備に入れば、米ロが協力して先制攻撃する必要があると主
張した。
 高官は、ロシアにも十分な先制攻撃の能力があるが「米国が攻撃
して、ロシアは情報提供にとどまるのが望ましい」と語った。また
、先制攻撃によってのみ、核兵器の使用を防げると述べた。
 北朝鮮攻撃の準備は整っているのかとの質問には、回答を避けた
。(共同通信)
[8月1日1時28分更新]
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2003年08月01日(金) 
米国務長官 「北不可侵」文書化の用意 「多国間対話に可能性」
(SANKEI)

 【ワシントン=樫山幸夫】パウエル米国務長官は三十日、北朝鮮
が求めている不可侵の確約について、条約化は否定しながらも、何
らかの文書化に応じる用意のあることを明らかにした。
 パウエル長官はロイター通信との会見で、不可侵の保証に関し、
「現時点では具体的な方法を明言できない」としつつも、「条約な
ど(議会の批准を必要とする)法的手段はあり得ないが、この問題
を処理する方法があると思う。現在、いくつかの方法を検討してい
るところだ」と述べた。

 米国による不可侵の保証は従来、北朝鮮が強く求めており、多国
間対話を受け入れる場合の条件の一つとされている。

 アーミテージ国務副長官が一月に日本人記者団と会見した際も、
条約化は否定しつつ「交換公文や公式声明などで文書化する方法が
ある」と明確に述べた経緯がある。

 国務省のバウチャー報道官も先に、同様の認識を表明しており、
パウエル長官の発言はこの方針を改めて確認し、北朝鮮を多国間対
話に引き出す狙いとみられている。

 パウエル長官は北朝鮮との多国間協議については、「明確な可能
性があると思う。二週間前に中国の外務次官と会談し、われわれの
提案を北朝鮮に伝え、先方からの回答を待っているところだ」と述
べ、北朝鮮の受諾に明るい展望を示した。
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すべての懸案、解決の用意」=北朝鮮

 【モスクワ1日時事】タス通信が平壌発で報じたところによると
、北朝鮮外務省スポークスマンは1日、核問題をめぐる6カ国協議
(米朝中日韓ロ)について、「われわれは米国とのすべての懸案を
、対話を通じて外交的に解決する用意がある」と言明した。
 同スポークスマンはまた、協議では核問題を正面から討議する意
向であることを確認した。 (時事通信)
[8月1日21時11分更新]

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