1322.世代相剋の崩壊がもたらすもの



件名:世代相剋の崩壊がもたらすもの  

 若年層に媚態ふりまく旧世代、歴史は切断され伝統は枯死する・
克服経てこその創造的発展

 わずか二カ月の間に、六本木ヒルズに一千万人の老若男女が押し
かけ、大企業の株主総会もシャンシャンと無事終了。成果主義万能
のトップダウン経営にはますます拍車がかかろうとしている。

 有事法制、三位一体方策、骨太方針も定まり、イラク支援・復興
関連の法律も成立に向かって走り出し、株価は一万円台をめざしつ
つある。デフレ・不況の嘆き節も影をひそめようとしている。めで
たしというべきか。

 しかし、内実はどうか。資産劣化やテナントバブルに目を閉じ、
メガバンクの病根を見過ごし、IT産業が激烈な国際競争に負けよ
うとしていることにもノホホンとし、依然として、この「国のかた
ち」は不透明ではないか。国民も金銭欲と物質欲に眼をギラつかせ
、私的幸福の追求のみに熱中している。殺人事件もみな金銭がらみ
の暴力と情欲のはけ口となっているではないか。「楽して金持ちに
なりたい」と若者はうそぶき、爪先立っている。

 もっと異常なのは、いつの世にも世代間のギャップと対立はつき
ものなのに、わが国にはその抗争と葛藤が存在しないということで
ある。つまり、新旧世代間の異質性に基づく認知のための争いがな
くなってしまったのだ。和気アイアイとか、価値観の柔軟な共有な
どとほめたたえてよいものなのか。

 歴史は「正反の両者」が拮抗し、血みどろの克服過程を経てこそ
創造的発展を成しとげることができる。伝統的な先例を遵守する
世代と現在・未来を優先志向させる世代とが価値観をめぐって激し
くしのぎを削るとき、そこに新たな文化が継承性を保って誕生する。
それが不在であれば歴史は切断され伝統は枯死する。インターネッ
トが、いかにサイバースペースの上にオンライン・コミュニティー
をつくりあげ、そこにどっぷりとつかって価値観の共有が可能にな
ったと讃美しようとも、それは人間としての運命共同体の崩壊であ
ることは間違いない。 

「大人」たるべき位置を放棄 

 事実、家族全員がケイタイを持ち歩き、コミュニケーションの
すべてがサイトで処理されて、相互に扶助し互酬する交流が失われ
る時、その家族は実質的に無と化している。
 クリックで結合している家庭などというものは、バーチャルなチ
ャット(おしゃべり)を交わしているだけの趣味クラブにすぎず、
人生などという代物ではない。だが、それでよいのだと旧世代は若
年層・中年層に媚態をふりまき、己に蓄積されている歴史認識や経
験知を握りつぶし、世代共生を謳歌している。

 一方で伝統と歴史の復元と学習の必要性を叫びながら、他方で
メカトロニクス社会で電脳中毒に陥り、共同体の弱体化と欲望肥大
の増殖に明け暮れして「幸せ」だという。それがわが国の偽らざる
実相ではないのか。

 年輩者や人生の先達が大人だといわれるのは、双肩に過去という
歴史を担っているからであり、だからこそ歴史の告発者にも正しい
認定者にもなれるのである。それを放棄して歴史に無知な世代と物
流や情報交流していればよいというのでは、一国の歴史と文化は風
化してしまう。

 先日、あるテレビクイズで五十代の男性技術者が「日清・日露・
第一次・第二次の各大戦のうち大正時代の戦争はどれか」と問われ
、長い間立ち往生していた。これが世にいう「大人」なのである。
情けないといえまいか。

 そのような歪みは、岩波書店から刊行され朝日新聞が労作と推奨
している『ねじ曲げられた桜』という著書にもあらわにされている。
著者は在米日本人の象徴人類学者。要旨は、桜に対する日本人の美
意識が明治以降、国家ナショナリズムと軍国主義に悪用され国家イ
デオロギーの再生産に利用され美化されてきたという「象徴の恐ろ
しさ」を告発することにある。その例証として帝国陸軍の記章は「
星と桜」、海軍は「錨と桜」。
 「靖国神社の桜」「同期の桜」の歌曲、国語教科書の「サイタ 
サイタ サクラ」がとりあげられている。そして「散る桜」に戦死
のイメージありという。さらに、新渡戸稲造がその著『武士道』で
大和魂を桜花になぞらえていると批判している。 

精神性を伝える年輩者となれ 

 しかし、桜花の高雅優美さや散りやすさを愛で愛好する精神性は
西行法師の詩歌をまつまでもなく、万葉集のころより梅・紅葉と共
に日本人の人生美学の中に息づいており、飛花落葉は仏道悟得にも
擬せられている。新渡戸は西欧のバラ讃美と対比して「我が桜花は
美の下に刃をも毒をも潜めず」とバラの下に隠された刺(とげ)に
清澄爽快なしと論じている。

 なぜ、桜がこのように歴史的歪曲のなかに投じられてしまうので
あろうか。それは年輩世代が正しく日本人の歴史意識やその心根・
美感を伝えようとしないからではないか。
 桜見物者の青壮年に嫌われようともこの花と国民性の一体化した
民族精神を語ることをせず、共に酒に酔い、大和心の倫理性と桜受
容の見事さを忘却して、単なる観賞者に堕してしまっているからで
あろう。その自覚を旧世代がもたねば国は滅びる。
(評論家  高瀬 広居  世界日報)

▲世界日報から掲載許可いただいています。
Kenzo Yamaoka
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件名:2008年の第2の通貨  

吉田繁治さんからのメールを転送します。
----------ここから原文----------
※友人、知人、同僚、部下、上司、取引先への転送は自由です。
<<あなたと、チームの、知識とスキルのブラッシュアップを>>

おはようございます、鬱陶しい梅雨もあけそうな気配です。
今日(火曜日)は、日経平均で1万円を一瞬超えたことが、テ
レビのニュース速報になっていました。

現金なもので、経済は回復へ向かうという論調が登場しています。株
価は、企業の未来の利益を、マーケットが評価する唯一のモノサシで
はあります。

しかしこのモノサシは、今は巨額になっている国際投機資金で、いか
ようにも伸びたり縮んだりするので、これだけを見て、マクロ経済が
好転するとは言えません。国際投機資金は、短期の利を狙うものだか
らです。

はっきりしたことは2項です。

(1)不動に見えていた日本の個人マネーは、郵貯や銀行預金を離れ、
海外逃避も含め、動きたがっていることが証明された。動くことが
可能な個人マネーは、100兆円くらいはあるでしょうか。
(2)きっかけや呼び水があれば、大量に、パニック的に動く。

生保の解約、郵貯・銀行預金の取り崩しの可能性があります。今起こ
っている国債の売却難は、その前兆のような感じを受けます。

財務省の金融政策には、個人マネーが郵貯、銀行、生命保険に固定さ
れるという大前提があります。もう、そうではないとの認識に変える
必要がありますね。

最初に、この株価上昇がどんな内容と意味をもつのかを考察します。
次は、テーマである<第2の通貨>です。

論証風ではなく、随想風に書きます。

※配信の40時間遅れをお詫びします。

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    <Vol.157  2008年の第2の通貨 >

【目次】

(時事経済)
 1.株価上昇の内容と意味
 2.裏腹の長期金利上昇

(本論)
 3.近未来の確定環境
 4.店舗の外見は変わらない
 5.激変するのは「個客」との関係
   ;実質賃金が上昇しない中で、第2の通貨が浮上する
 6.商品は見ているが「個客」を見ていなかった近代小売業

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■1.株価上昇の内容と意味

今週号の米ビジネスウイークに、世界の企業の、株価時価総額の上位
1000社が出ています。それを見れば、なぜこの時期に、国債投機資金
が、日本株を狙ったか、わかります。

▼PBR

株価純資産倍率(PBR:Price Book Value Ratio)という指標がありま
す。企業の純資産、つまり、負債を引いた残りの純資産額に対し、株
価の時価総額が何倍になっているかを示すものです。純資産は、大ざ
っぱに言えば、会社を、今清算したときの残りを示すと見ていい。

私はいつもPBRに着目しています。

例えば、総資産が100億円、総負債が80億円なら純資産は20億
円です。(純資産のマイナスが債務超過です)

その企業の株価時価総額(株価×発行済み株数)が40億円なら、株
価純資産倍率は2倍になります。

時価総額で世界のトップの、1000社の優良企業のみで国際比較し
てみます。国の平均ではなく、時価総額で世界の1000社に入るト
ップ企業であることを意識しておいて、以下のPBRを見て下さい。

▼世界の時価総額上位1000社の、国別PBR

                  株価純資産倍率(PBR)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
米国の時価総額上位  488社合計      3.4倍
ドイツ         35社        2.1
フランス        48社        2.4
英国(純資産赤字を含む)77社        0.7
イタリア        24社        2.5
カナダ         41社        2.3
オーストラリア     27社        2.4
シンガポール       6社        1.6
香港          18社        2.6
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
日本         129社        1.2
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
                      (03年5月)

米国の上位488社の株価は、純資産に比較して3.4倍で買われす
ぎであり、それに比較すれば日本上位129社は、約三分の1の1.
2倍です。西欧並の2倍、日経平均で今の5割高の15000円くら
いであってもおかしくはない。

国内の悲観論の行き過ぎと、小泉構造改革への海外の投機筋からの評
価の低さがあったことがわかります。

今回の株高(30%上昇)では、買いは海外筋からのものであり、ネ
ット売買の個人が追随しているのはご存じですね。

米国株に対する警戒が、GDPで2位でありつつも最も安い日本の株
へ資金を向かわせたと見ています。しかし、理由が何であるにせよ、
株価の上昇は、民間経済を好転に向かわせるのは紛れもない事実です。

問題は、債務過剰の国家財政と、債務超過の民間企業です。

▼国際投機資金

認識しておくべきことは、国際投機資金の動きが、その国の経済の全
体を時に引っ張り、時につぶすということです。ファンドマネジャー
のパニック的な動きがあれば、実体経済とは無関係に、経済の高揚や
波乱が起こることです。

膨らんだ投機資金の、長期での終局がどうなるか? マネーがマネー
を買うことの実体は、共同幻想による信用の数字の膨張や縮小にすぎ
ないのです。

投機マネーが、通貨発行体の国家を信用せず、商品先物を含む実物の
資源に向かえば、一瞬でインフレになります。

今の瞬間は、投機資金が、米国・西欧・日本の株を買い、その額を2
0%から30%くらい膨らませています。

■2.裏腹の長期金利上昇

株価が上昇する一方で、日本の長期金利の急上昇と、低利の国債の売
却難、国債価格の下落が生じています。日本政府と日銀の信用の下落
を意味します。

日本の金融は、多額の国債発行の結果、あちら(民間経済)を立てれ
ば、こちら(国家財政)が立たずという矛盾を、すでに組み込んでい
ます。

株高によって国債離れが起こって、その結果、長期金利が上昇すれば、
日銀は現在87兆ももっている国債を、増額引き受けすることにな
る。政府は借り換え債を含めれば、年100兆円以上の国債を発行し
ます。

▼速攻の決定

財務省は、国債価格の下落(長期金利上昇=国家信用の下落)を見込
んで、日銀の保有国債については、評価損が出る時価評価をしないこ
とを、瞬間の速攻で決定しました。(7月7日)

日銀が、国債価格下落で債務超過になると困るからです。
会計制度の任意操作を、小手先のごまかしと言いますね。

財務省は、自分たちが会計制度を任意にいじり、実体を隠せば、経済
はどうにでもなると思っているフシが見えます。まさに懲りない人た
ちです。

金融機関が国債を嫌って、長期金利の上昇が続けば、どうなるか? 
債務超過企業の倒産と、国家財政の破綻(はたん)です。経済原理で
そうなります。インフレとは金利の上昇でもあるのです。

日銀の国債を時価評価しないという発表は、政府自身が、日銀までが
債務超過になると宣言したことに等しいのです。

金融で無限信用をもつとされる国家というものが何であるか、マネー
の根本性格が問われるのが8月以降でしょうか。 ここが終局への序
曲にもなる、国家信用の揺らぎです。

ここを通過できるかどうか。金利の上昇があれば、国債を多額にもつ
銀行や生保のみならず、国家財政をも破綻させます。

【同じ器】
米ドルはどうか? 米ドルの世界散布を支え、ドル価値を維持してい
るのは日銀と日本政府のマネーです。つまり、ドルの信用を支えてい
るのも日本(=本源は1400兆円の個人金融資産)です。

(注)90年代後期からはドルリンクの中国も加わっています。

日銀信用の低下から円の信用が揺らぐことは、ドルの信用が揺らぐこ
とと同じです。ドルと円は、日本政府の円高を嫌いドルを買う固定政
策によって、同じ器の中にあるからです。

【金利上昇の意味】
国債が過剰の時の高金利は、まず国家財政を破綻させますから、平時
とは逆に、国家の信用が裏付けである通貨の価値の下落を意味してい
ます。これが今の金利上昇です。

今の金融は、最初はドルの散布で、次は円国債で膨張しすぎていて、
全く平常時ではないのです。

判断指標は、長期金利です。更に上昇するなら、日銀の国債購入とマ
ネー増発に拍車がかかる。これは、円の価値の更なる下落です。どう
か、これを注目しておいて下さい。

大手優良企業は、海外からの利益が50%以上であるところも多く、
いよいよ国家信用を超えました。例えばトヨタのほうが日本国より信
用される時代に変わっています。

他方で、資本注入までして国家が援助する国内金融機関の信用は、根
底で下落しています。一時的な救済だと多くの人が見ています。
<財務省−日銀−金融庁>の国家政策への不信を意味します。

名目金額を維持している個人預金が動けば、日本経済は、針金のよう
に細い綱渡りのナローパスを通過します。

以降は、メインテーマの<第2の通貨>です。
舞台は急転し、2008年という5年後の流通です。

■2.近未来の確定環境

以降では2008年を想定します。最初にほぼ確定している近未来の
環境からです。

▼(1)30億人の近代工業化

ほぼ確定している近未来とは何か。外的要因では中国の日用品領域の
生産と供給での勢力拡張です。

内陸部10億人(農村部失業2億人)の安価な労働の供給を受け、沿
岸部3億人のテイラーイズムの近代工業化が拡大します。10億人の
日本を含むOECD諸国の消費財の継続的な価格低下圧力になります。

今年からウォルマートは、日本とコンテナ便でわずか2日の上海に、
大規模な集荷センターを稼働させ、米国・欧州・日本・アジアへの供
給基地にします。

開発輸入のユニクロモデルを、基礎日用品の全域に拡大する狙いをも
もつと想定していいでしょう。大量の追随者が出ます。

中国モデルでの近代工業化は、インドを含むアジア全域に拡大する方
向へ向かいます。東欧・ロシアを含めれば30億人の世界が近代工業
化での輸出経済のモデルを競うことになります。

▼IT技術爆発

2005年を起点に、インターネットはブロードバンド化への質的転
換が起こり、通信の激変をもたらします。例えば、つなぎっぱなしの
高精細なTV電話がどこにでも安価に実現します。これは、商品選定
やバイヤーの世界出張を補うものにもなります。

同時に無線LANのモバイル端末が普及し、情報量の少ないバーコー
ドに替わって商品にICチップ(RFID)がつくようになる。

加えて、オーダーメードで高価であった業務ソフトウエアでは、SA
P風の汎用ERPや、パソコンサーバーを使う統合パッケージソフト
の低価格化が進行します。

例えばマイクロソフトのコマースサーバー2002は、顧客と商品購
買歴を関連づけて自動分析し、アマゾン風のターゲットマーケティン
グを数百万円という驚くような安価なソフトで、実現するものです。

以上のIT・通信での4つの技術要素は、顧客と店舗への需要起点か
らの商品供給のロジスティクス、商品情報の取得、商品構成の方法に
、質の変更をもたらすものです。

▼(3)可視化するロジスティクス

従来の店舗とメーカーの取引は、お互いの在庫や販売が見えないこと
を前提にしていました。

トヨタが開発する新グローバルシステムに見られるような、部品調達
・生産・販売工程のすべてを連結するサプライチェーンは、2008
年になると大手企業の占有領域ではなくなります。

グローバルロジスティクスの可視化は、e-Market Placeに接続し、共
同化する方法での大グループ化を生むことになります。チェーンスト
アは、横での密度化と、製品流通の縦でのグループ化へ向かいます。

ロジスティクスの可視化は、映像的に言うなら、今日ICチップをつ
けた商品が新型のPOSを通れば、その商品の補充予定日が店舗のモ
バイル端末の画面に即座に表示されるという感じです。

判断すべきは、その商品を発注するかどうかです。可視化された個品
ロジスティクスを実現する要素技術は開発済みです。あとは利用のみ
という段階にあります。

PCとPCアプリケーションが驚異的に低価格化したのが90年代で
したが、これからは、業務ソフトウエアの低価格化と普及の時代を迎
えます。

以上の、近未来の環境の3要素、(1)30億人の近代工業化、
(2)IT技術爆発、(3)そしてグローバルロジスティクスの可視化は
確定したものと見なければなりません。

■3.店舗の外見は変わらない

店舗と連結されるバックヤードは5年で激変することが想定されます。
e-Commerceへの変化は、BtoBの領域で起こります。顧客が店舗に
買い物に来ることは主流であり、接客風景も変わりません。

BtoC(企業対顧客)でe-Commerceが主流になることはない。
総購買の20%以上にはならない。80%は店舗購買です。

BtoCの面で起こる目立った変化は、生活の基礎財である共通コモデ
ィティの低価格化と、個人の価値観によって購入されるライフスタイ
ル財の増加です。現在の傾向は、拍車がかかって加速すると見なけれ
ばならないのです。

店舗戦略は2種になります。
(1)共通コモディティでのウォルマート風な地域寡占化と、
(2)ライフスタイル財での専門化です。

店舗はどちらに重点を置くか、選択を迫られることになります。

■4.激変するのは「個客」との関係
   ;賃金が上昇しない中で、第2の通貨が浮上する

激しく変化するのは、店舗と「個客」との関係です。大切なことは、
「個客」と店舗の、信頼関係を含む長期的な関係になる。

注意深く見れば、すでにそうした傾向が生じています。今<[個客]
−[購入店]>の固定化が進行しています。店舗側が、気がついてい
ないだけです。レストランも、ブランド商品も同様です。

だれでも来る店舗は顧客数を減らしています。顧客がすでにそうした
購買行動を取っています。「大衆」を前提にしたマスの広告や特売が
効果を減らしている原因でもあるのです。

これは、顧客別に特定便益の提供、特定サービスの提供を、第一義的
に優先する戦略にすべきであることを意味します。

ロイヤルカスタマーが獲得する「ポイント」は、国家が発行する共通
通貨に対し「巨額の第2の通貨」になって浮上します。ここから、先
進国の賃金が上昇しない中で新しい経済が生まれます。

(注)現在の航空会社の、マイレージの総価値、約2兆円は、その先
駆けでしょう。

今、マイレージプログラムやホテルの割引に見られるものよりもっと
進化しサービス面で総合化した個人向けの特定便益とサービスの提供
が、店舗の競争優位において中核要素になります。

POSで記録したのは商品の販売記録でした。2008年のPOSの
記録は、<「個客」−商品>の購買歴です。

これによって商品構成と調達の方法が変わります。特定のロイヤルカ
スタマーを対象にした品揃えが、商品の共通要素とロジスティクスの
経済性を獲得できるような、ポストモダニズムへの変化が起こります。

いわば「個品」が量に結びつくという、近代経済の逆転が起こるので
す。One-to-Oneがグループ化され、経済性を獲得します。これは近代
マーケティングの前提の逆転でもあります。

顧客側から見れば、特定店で商品購入をすることが、第2の通貨(付
加的な所得)を得る方法になる。


匿名の大衆への一律のディスカウントという近代手法ではない。

特定客ディスカウントで、ポイントとして第2の通貨を獲得すること
が、店舗選択と購買行動を左右するようになります。合理化利益を、
特定客に還元する新しい経済モデルです。

■5.商品は見ているが「個客」を見ていなかった近代小売業

▼(1)POSイデオロギー

どこの店舗でも、品目別の売り上げは、毎日、毎週記録し、発注と在
庫管理のデータにしています。ところが、「個客」別の年間売り上げ
を記録できている店舗が何%あるでしょうか。

POSは流通の近代化マシンでしたが、それには「POSイデオロギ
ー」とでもいうべき前提があります。1年に100万円を買う「個客」
も1万円の「個客」も同じに扱うということです。

流通の近代化は顧客を匿名と見て、差別しない「定価」で売るという
ことでした。前近代の流通は富裕な小数の特定客対象であり、近代化
は賃金労働者の大衆化だったからです。

▼(2)特定化サービスと顧客還元

しかし今、多くの店舗で、「個客」の生涯価値(LTV:購買額の予
測累計)を計算すれば、上位5%のロイヤルカスタマーで、40%以
上の売り上げであることがわかるでしょう。

ここから、すでに顧客のほうからは特定の店舗を求めているという意
味を読み取らなければならないのです。

以上のことから導かれる近未来戦略は、2つです。
(1)共通コモディティ領域での地域寡占化、
(2)またはライフスタイル財での「個客」特定化、固定化です。

低価格化するコモディティ領域は40%未満でしょう。ハイサービス
化するライフスタイル財の部分は、60%を超えます。スイスのプラ
イベートバンクのような、特定サービス請負業のモデルがあらゆる業
種で大きくなるでしょう。

90年代の世界的なディスカウントの到達点は「顧客満足」でした。
これが共通ビジョンだったと言えます。2008年に向かっては、
「特定化サービス」と「顧客還元」が新たなビジョンになるでしょう。
雇用はサービス化によって増加します。

▼国家という古い制度枠

本稿では、現下の金融情勢から、5年も一挙に跳んで、2008年の、
新たな流通経済を描きました。

数年の中間項をオミットしたのは、混乱のカオスの時期を通過するか
らです。ここ数年は、約半年ごとの回り舞台のような、変化でしょう
ね。国家によって生き残ってきた古いものが、滅びるプロセスを経過
します。

今はまだ抵抗が激しい官僚制度の変更も、国家財政の枯渇で変わらざ
るを得ないのです。そうでないと、すでに、50%の利益を海外で稼
ぐようになった国際優良企業は、活動の拠点を海外に移転させるから
です。これは、水が流れるように自然な原理ですね。

保険の解約マネーも、郵貯も銀行預金(以上が本源的な貯蓄)も海外
に逃げるようになれば、呼び戻す対策が、必然になるからです。

しかし方向は国家経済の20世紀ではない。国家の制度が遅れている
だけです。経済統合、通貨統合、税制を含めた制度の共通化に向かう
ユーローを見ればわかるでしょうね。ユーローは中国を含むユーラシ
アを視野に入れています。

インターネットのブロードバンドが、それを促進します。人的な国境
はあっても経済の国境はなくなる方向です。それ故にこそ、米国の中
華街のように、地域文化はますます個性化する。人工的な制度や会計
の壁がなくなるだけです。

今は米国の幕藩体制です。江戸がワシントンでしょう。
この幕藩体制は、まずユーラシア大陸で崩れます。
通貨投資も分散の時代になるからです。

しかし米国が滅びるわけではない。ドル基軸を守るための勝手な強権
を発動できなくなるだけです。

中国とインドの浮上はそうした意味をもちます。

see you next week!!
Kenzo Yamaoka
==============================
ちょっと気になる点があります。
■ オイルマネーはユーロ買いを手控え
この6月24日にサウジアラビアの中銀総裁が”ドルの下落は一巡
した”との見解を示しました。サウジアラビア投資庁は4月下旬か
ら6月にかけて約300億のドル売りユーロ買いを行っていました。
今回、米国の景気底入れとの認識と共にドルが安定するとの見解を
示していることは、もちろん、ユーロ圏の経常黒字幅縮小という
経済要因のほか、米国の中東和平へのコミットメントなどからみて
ドルから資産を逃避させる必要が減ったことを意味しているものと
考えられます。またこれら中東諸国としては、資本財や消費財を
欧州から多く輸入しているために、ユーロ/ドルが大幅に動いた場合
には予想外の損失を被ることとなります。そのため、経済的要因か
ら、ユーロも保有しなくてはならないのです。確かに、イランだけ
は米国と強く対立していますが、他のイスラム圏の国々をシーア派
のイランと同列に置くことは難しいのではないでしょうか。
■ トタルは秘密資金の供給を続けた歴史をもつ国営企業
なお、トタルフィナエルフ(社名を変更してトタル)の役員ですが
、BNPだけではなく、フランスの国内派銀行、ソシエテ・ジェネ
ラルやベルギーのジェネラリ銀行などの関係者も名前を連ねていま
す。欧米の経済界ではよく見られることです。
トタルフィナはミッテラン元フランス大統領が盟友コール前ドイツ
首相への選挙資金として地下献金を行った際にパイプに使われたこ
ともある、フランスの元国営企業。その独占的地位を利用して、
石油製品の価格差で巨額の隠れ資金を作り出し、フランスの対外工
作費を賄っていたことは、欧州では知らない人はいないのではない
でしょうか。
■ 独仏枢軸という奢りも欧州対立の根源に
また、欧州の対立の隠れた要因として、独仏枢軸という二大国が
EUの主導権を握るというスタンスを強く打ち出したことを忘れる
わけにはいきません。今年1月にエリゼー条約40周年祝賀の席上
で両国首脳は共にEUの指導的役割を担うとの意思表示を明らかに
したことがあげられます。このような独善的な姿勢は、スペイン、
イタリア、デンマークは大変な不快感を覚え、元々親米的だった
東欧と共に8カ国所管を発表しました。

出村
==============================
 自民党小泉総理の政治の貧困を訴える、

今日7/9又しても少年「12歳」の殺人が確立した警察もご苦労様何年
経っても比の手の犯罪が増えるばかりアメリカも少年殺人事件一般
社会人の殺人事件もう世界的傾向だ、

日本では引ったくり女性を狙った殺人弱者を狙った事件
特に最近金がらみの事件、昔「サラ金」と言って無謀な金貸しが
とり取立てでひどい社会問題になつた、

でも当時の内閣がなんとか法律を立法して「サラ金」なる物を警察と
法規制で取り締まったもう何年前か40年もなるかな今の小泉総理
も20歳前後では失礼だが知っているかな、

勿論今の内閣の人達も「サラ金」で企業の働き手か随分苦しめられた
、勿論貸し手の銀行から暴力団に渡る金を当時内閣上げて取り締ま
ったため一時的におさまりこれはバブル前バブル期間中の出事今日
は銀行の金余りが、

おかしな金貸しに流れその下の暴力的金貸しに銀行の資金が流れる
仕組みが現在の暴力金貸しになってひ弱な市民が驚くべき金利で自
殺するはめになっている、

今の内閣諸氏は昔の「サラ金」なる物を知っているかな
おそらく聞いていても年齢的に実際を知らないと思う
これ等の事は例えての事で先の少年殺人事件通り魔てき
殺人事件等暴力金貸し等々今の法律では直ちに取り締まれないかも
知れないが其れを総理として一言国民に訴えてこそ総理大臣と思う
構造改革だとかそれも必要だがそれ以外の事が数え切れないぐらい
有るはず、

総裁選公約が郵政民営化3年を公約しそれに協力できる者
を内閣の人選とする、

馬鹿にするな先に列挙した様に今一番大事な国民が一番感心の有る
ことを国民に訴えてこれを少しでもなくす事を
考えてこそ内閣と思う列挙した事より郵政民営化の方が
大事か答えて欲しいこの投稿は各政党にも投稿する。

小泉自民党よ総裁選とかよりもっと大事な事を忘れていませんか考
えてくれ。毎度の暴言失礼します。

  03.07.09.pm9.15. 阪本 潔 ks_kiyo4@yahoo..co.jp
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12歳の中学生が4歳の幼児を墜死させた事件は、日本には、やれ
ばできる犯罪がいくらでもあるのに、これまで誰もやってこなかっ
たという慣習が、とうとう壊れてきたことを物語っている。
泥棒にしても、置き引きにしても、欧米より日本では発生率が少な
かったのではないか。
それは、衆目があったから、自分の内部に規律があったから。
いまの日本社会には、社会としてもつべき凝集性、粘着性がない。
さらさらの、希薄な人間関係しかない。
これもグローバル化のおかげだろうか。
さびしいことだ。
でも、今の若者たちは、かつての日本が心配りに満ちた暖かい人間
味のある社会だったことを知らない。
それを教えてあげるのが、大人の義務なのだが、それができる大人
がいない。

「お前が私を発見していなかったなら、お前は私を探さないだろう」
(Tu ne me chercherais pas, si tu ne m'avais deja trouve. イエス
・キリストがパスカルに語った言葉)

蒼風
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はじめまして。突然ですが、僕の地理の先生が言ってたこ
とを思いだしました。国際・外交記事のアジア系のバングラデシュ
・パラオの国旗について・・・・日本国の日の丸は中心には無いと
習いました。真実を知りたいので、出来れば、お返事下さい。
ありがとうございました。
alucard
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(Fのコメント)
どなたか回答をお願いします。意味は、日の丸の旗で、赤い丸が中
心にないのかどうか??そして、その理由。


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