1319.戦争理由の崩壊



米国は間違った大量破壊兵器開発の証拠で、イラクを攻撃したこと
を認め始めた。    Fより

ブッシュ政権はとうとう、イラク戦争はブッシュが神からの指示で
始めたことで、戦争の理由であった大量破壊兵器などの開発をイラ
クがしているという証拠は全て捏造でしたと。

ラムズフェルド国務長官もイラク戦争を始めた理由は、ブッシュか
らの指示であり、始めるための新たな証拠はなかったと。

また、CIAにチェイニー副大統領が圧力を掛けて、イラクがウラ
ンを購入したという証拠を捏造させたと報道されているが、この
CIAの捏造をテネットCIA長官の責任に転化させた。それだけ
チェイニーの力は政権内に浸透している。テネットは切れるが、
チェイニーは切れない。

イラクがウランを購入したという証拠はライスがCIAに要求して
出させたと仏ルモンド紙は言っている。早い段階で、フランス情報
部は米国の戦争理由の捏造を知っていたようだ。
このため、シラクが強硬に反対したのだろう。シラクはローマ法王
にも米国の捏造を知らせた感じがする。ローマ法王の戦争反対も、
事実があって行っていた。

このような報道を受けて、ブッシュの支持率が急落している。
イラク戦争の理由は捏造で、イラクで毎日1名から2名の米軍の兵
士が殺されている。この戦争は何であったのかという疑問が出てき
た。米国は志願兵制度に変化している。このため、ベトナム戦争と
違い、兵士を送り出すことができない。現時点の15万人の兵力を
イラクに長期に駐留させていると、他の戦争はできないし、兵力の
増強もできずに、他国の兵員を使う必要が出てくる。

しかし、軍事行動では言語の問題がでてくる。英語をできないと米
軍と協調的に軍事行動ができない。英軍と米軍は会話可能であるた
め、軍事行動を一緒にできる。インド軍の兵士は英語での会話であ
り、米国は期待していたはずであるが、捏造とブッシュが認めたた
め、急遽、派兵延期になった。

イラク戦争が米国国内問題になりそうである。民主党は、この問題
を大事にして、ブッシュへの支持率を落とすことを考えている。
イラクに米軍が何時まで居ることができるか疑問。

このため、イラク暫定評議会を作り、米国から権力を移して、この
評議会が権力を握り、米軍の代わりにイラク軍を作り、そして、
米軍は撤退するしかない。なにかベトナム戦争時の米国撤退のスト
ーリーと同じようなことになってきた。

ベトナム化の様相がそれだけ色濃く出てきたのであろう。恐らく、
イラクから2年以内に撤退するか、イランに戦争を拡大するような
気がする。ブッシュが再選されるとイラン戦争に拡大、再選されな
いと撤退となるのであろう。

始めはスンニ派のイラク人たちが立ち上がったが、だんだんシーア
派の南部でも、テロ事件が起こってきている。中部の町ファルー
ジャでは米軍は撤退した。このように米軍が劣勢にある。

日本はそれでも、イラク派兵ですね。気をつけてください。自衛隊
の英語教育もしてくださいね。日本人は米軍から攻撃を受ける可能
性もありますよ。この時、英語ができるかどうかで事態は全然違う
ことになる。今の現地米軍はぴりぴりしているので、危ない。
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<ブッシュ大統領>支持率急落59%に イラク戦争への疑問増加

 ブッシュ米大統領の支持率が過去18日間で9ポイント急落し、
59%になったことが12日発表された。5月1日の戦闘終結宣言
後もイラクでの駐留米兵の死傷者が増え続けていることが影響した
形で、「イラク戦争は戦うに値しない」と疑問を示した人は7ポイ
ント増えて40%に達した。(毎日新聞)
[7月12日19時9分更新]
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ウラン偽造文書] ブッシュ政権直撃、CIAの責任で幕引きも
2003 年 7 月 12 日 
http://news.msn.co.jp/newsarticle.armx?id=520257
 イラクの核兵器開発の証拠とされた文書が偽造だった問題がブッ
シュ米政権を揺さぶっている。11日には、今年1月の大統領一般
教書演説に「イラクがアフリカからウランを入手しようとした」と
の文言が盛り込まれたことについて、テネット米中央情報局
(CIA)長官が自身とCIAの責任を認めた。民主党はCIAだ
けでなく、大統領やチェイニー副大統領ら政権中枢の責任を追及す
る方針だが、米メディアからはブッシュ政権は長官が責任を認めさ
せることで問題の幕引きを狙っているとの見方も出ている。
【ワシントン斗ケ沢秀俊】

 テネット長官は声明で「CIAは一般教書演説の内容を認めた。
私は容認した過程に責任を負っている」と述べ、自分自身とCIA
の責任を強調した。

 声明発表の数時間前、アフリカ歴訪中のブッシュ大統領は「私は
情報機関によって明らかにされたことを演説した」とCIAの責任
を示唆。ライス大統領補佐官(国家安全保障担当)は「CIA長官
が演説から取り除くよう語っていたら、(ウラン購入の件は)演説
から姿を消していた」と長官を批判した。

 こうした動きを受けた長官の異例の声明は「大統領と政権がイラ
ク戦争開戦前、国民と議会をミスリードしたかどうかの論争を終わ
らせようとするブッシュ政権の努力の一環」(12日付ワシントン
・ポスト紙)と受け止められている。CIAとテネット長官に責任
を負わせ、問題を終息させようとしているとの見方だ。

 だが、米メディアの多くはウラン購入情報が流された初期の段階
からチェイニー副大統領が関与していたとみており、疑惑はさらに
拡大する可能性がある。

 民主党の有力議員は相次いで、この問題を追及し始めた。04年
大統領選候補者指名に名乗りを挙げているグラム上院議員は「ブッ
シュ大統領の信頼性への疑問は日々強まっている」と指摘した。
ダシュル民主党上院院内総務は「非常に重要な問題だ。我々は(開
戦前に)謝った情報を提供された。全ての事実が調査されなければ
ならない」と徹底究明を求めている。
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ブッシュがCIAに責任を転嫁(仏ルモンド=抜粋)
阿修羅より

仏ルモンド紙は金曜日、「ジョージ・ブッシュがCIAに責任を転嫁」
と題する記事を掲載した。記事によると、

「イラクがアフリカ圏の国からウラニウムを購買しようと試みたと
する部分を、大統領の演説から削除するよう情報機関がホワイトハ
ウスに助言したというCBSテレビの木曜日の報道を、大統領とライス
国家安全補佐官は二人とも否認した」

「ライス補佐官は、明るみに出たこうした疑惑からブッシュ氏を守
るために、前もって大統領は故意にアメリカ国民を騙してイラクに
軍事行動を仕掛けたのではないと強調していた。ブッシュと同じく
、コンドレッツァ・ライスは、演説のこの部分はCIAによって証明さ
れており、CIAは大統領の演説を有効と認識していたと確言し、“
もしCIA長官が演説からこの部分を削除するように言ったならば、そ
うなったであろう”と、ウガンダへ向かう大統領専用機の中で記者
団に語った。

こうした議論にも関わらず、ライス夫人は、ホワイトハウスはジョ
ージ・テネット長官を”絶対に“信頼しており、”私は誰をも非難
しようとは思わない“と付け加えて、テネット氏を情報機関のスー
パー長官として留まるべきだと評価するのである。

http://www.lemonde.fr/article/0,5987,3222--327569-,00.html
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攻撃前の「新証拠」なかった=イラクの大量破壊兵器−米国防長官

 【ワシントン9日時事】ラムズフェルド米国防長官は9日、上院
軍事委員会の公聴会で証言し、イラクの大量破壊兵器開発に関して
「劇的な新しい証拠」を発見したため、イラク攻撃に踏み切ったわ
けではないと説明した。 (時事通信)
[7月10日7時3分更新]
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Re: 国際戦略コラムno.1309.是非善悪の基本
"頭の弱いブッシュをけしかけて戦争を始めた"のは、キリスト教原
理主義者達と言うより、ネオコン・タカ派の軍部でしょう。
そして、”戦争”そのものも、軍需産業・軍部と密着状態の米共和
党にとっては、政権を取った際の、恒例の公共事業のような物だと
も捕らえる事ができます。 

あの戦争時、”高度技術に裏付けられた”、”ピンポイント攻撃”
などと謳う「ハイテク兵器」は、実際には、これによって多くの誤
射・誤爆で多くの自軍兵士を殺傷した、全く使い物にならない代物
で、このような軍需産業企業が中途半端な開発途上の兵器を試す実
験としてや、古くなった在庫劣化ウラン弾を大量廃棄するための
ごみ捨て場として、あの戦争が行われているようにも見られます。

 ブッシュ政権にとっては、お得意様の軍需産業に対し、その目的
を十分に果たした上、自分の利権の筆頭である石油のおまけもある
ので、自国の貧民層の従軍兵士が何人殺されようとも、利益の方が
大きいと捕らえているのではないでしょうか?

キリスト教原理主義については、米政権は彼らを政治に利用したに
過ぎないと思います。彼らは宗教を信じ込んで行動しているわけで
すから、極東アジアのどこかの国で連立政権を取った、どこかの宗
教団体のように、集票マシーンとしてブッシュに利用されたとしか
考えられません。
 しかし、彼らも信心深さから利用されただけではなく、きちんと
政府を相手に取引を行っていた後も見受けられます。

彼らキリスト教原理主義との取引があったからこそ、戦争を行った
後、彼らの主張する中絶禁止法案が取り上げられ、果ては21世紀の
現代に石器時代が蘇ったテキサス州裁で、同性愛者の自宅内での性
行為の全面禁止法令を認めるなどのキリスト教原理主義に基づいた
動きが活発化しているのではないでしょうか? (ちなみにこの同性
愛者の性行為禁止令については、違憲として連邦最高裁で却下され
ています。)

”彼らは戦死者の遺族に対して、どのように申し開きをするつもり
でしょうか?”現在の米国では、誰も戦死者の遺族に申し訳ない等
という思考は、ほんの少しも存在しないと見えます。そのほとんど
が、愛する祖国のために命を捧げた英雄だと謳っているのです。世
界大戦時の大日本帝国もびっくりの徹底的な情報および思考操作が
あの腐った大国では行われていると見られます。

それどころか米国はキューバのグアンタナモ基地にて、勝手で一方
的な軍事裁判を今まさに開始しようとしています。 アフガニスタ
ンやパキスタン、イラクから、タリバンやテロリストの疑惑を楯に
、非人道的に強制収用した種々多様な国籍の人々を米軍の論理だけ
で裁くと言います。この裁判には陪審員もなく、容疑者は自らで弁
護士を呼ぶ事も許されず、軍から一方的に押し付けられた弁護士が
つくだけ、そして、判決は米軍高官数人が下すと言う。この裁判で
提示される証拠物件は、軍及び米諜報機関の機密であるため、裁判
の内容は一切公表されず、挙句の果てには、裁判の行われるグアン
タナモはキューバ内にあり、米国内ではないので、米国憲法の保障
する人権保護に関する条項は一切適応されないのです。

このような、ただただあきれるばかりの状態が進行していく中で、
米政府は、国際刑事裁判所へ米軍部の人間を訴えたら、米国政府は
次回からの軍事支援の一切を停止すると自国の「米軍人保護法」を
世界各国に押し付けるべく、脅しをかけているのです。このゆすり
のような所業を行う理由として、”海外で平和維持活動などに当た
る米兵らがICCに不当に訴追される恐れがある”などとしていま
すが、これだけ非人道的な事をしておいて、訴えられない方がおか
しいし、それだけの事をしていると言う自覚があるからこそ、この
ようなゆすり行為で、軍人達をむやみに保護しているだけなのでは
ないでしょうか?

米国の正義も彼らが唱えるテロ戦争もくず同様だと見られてもなん
らおかしくありません。しかし、ご安心下さい。日本は国際刑事裁
判所には最初から署名していません。きっと、ブッシュ大統領はご
満悦だろうと思えば、最近、かの政府はイラク復興に際し、日本に
もゆすりをかけていました。

- 日本の支援案に不満 米「もっとできるはず」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030704-00000120-kyodo-int

- 「最悪の時期」と通告 米、イラン油田で日本に
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030703-00000198-kyodo-int

それでなくとも、米は、日本のエネルギー確保の最後の切り札とな
ってしまったイラン油田開発計画について、いちゃもんをつけてい
るだけでなく、日本国民は、米の都合で可決させられた”有事法”
やら”特措法”に疑心いっぱいのはずです。

自分で勝手に始めて、勝手に戦争終結を宣言した後、さらにかの地
のベトナム化を加速させているイラク情勢に日本が一体どんな支援
をする筋合いがあるのか、軍事しかとりえがなく、人非人のような
行動しかしていない国家が、日本をここまで愚弄する権利があると
はどうしても思えません。 

日に日に怒りが増していくのにこのまま日本は何もせず、唯々諾々
としている悲しみにくれる今日この頃です。

草々
古賀
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今回のコラムを拝読させて頂きました。
以下にご発表された内容について、いかんとも納得のできない
事が見られましたので、私なりに疑問をぶつけて見たいと思いました。
不躾で大変失礼だとは承知の上で、メール致しました。 
単なる無知で無学な一般市民が感じた感想に過ぎません...
 
> ◇ 米大統領は、「戦闘」終結宣言はしましたが、「終戦」宣言で
> はありません。サダーム政権は事実上倒壊し、イラク国土は米英軍
> の占領統治下ですが、国際法上は戦争継続状態にあります。
> 
> ◇ 大量破壊兵器もサダームフセインも、本当に発見できていない
> 場合が、もちろん、あり得ます。しかしながら、私がもし米国大統
> 領ブッシュなら、大量破壊兵器かサダームのいずれかを発見してい
> ても、すぐに公表しません。発表時期は、次の大統領選挙にとり、
> 最も有利な時期に発表して米国国民を喜ばせ、再選を確実なものと
> します。
> 
> ◇ サダームの側近で秘書兼ボディガードが米軍に拘束(逮捕)さ
> れており、サダームの動勢が全然不明とは、考え難いです。大量破
> 壊兵器の内、核兵器は「無」の可能性が相当高いですが、化学・細
> 菌兵器は、過去にクルド族に対して毒ガスが使われており、「有」
> を予想したいです。
 
=>先日サダムフセインの映像といわれるビデオが、中東メディアのアルジャ
 ジーラから公開され、最近になり、CIAは、この映像は本物であると
 断定しました。サダムが生存し、アラブ世界に反米を訴えていると言う
 事になります。
 
 もし、上記の推測が正しく、米大統領がサダムを捕らえた事実を隠し
 ながら、このような事態が起こっているのだとしたら、米国の意図は、
 むやみに戦争状態を延期させ、米国民の注意を自国の経済低迷から
 そらそうとしているか、自身への国内での高支持率状態を引き伸ばそう
 としていると言う事意外にどんな推論が立つのでしょう? これも、自身
 の再選を模索してのポーズだとするならば、何のために戦争をして、何の
 ために人々が殺されなければならないのでしょうか? 
 誰のための政治なのか、まるで幼稚な日本の政治を見ているようです。
 
 特定の理由を掲げ、戦争を宣言した後、どのような理屈を展開しようとも、
 戦闘終結できるような状態であるとは考えがたく、その上、戦闘終結宣言
 だけを行ったは良いが(その宣言方法その物にも適切であったかどうか大きな
 疑問を抱かずにはいられませんが...)、現地での治安維持 活動が益々
 困難を極めている中で、イラン情勢の混沌さは、意図的に越している訳で
 はないとしても、戦争状態を継続しようとしている姿勢は、自国国民を煙
 に巻こうとしているのか・・・果ては、国民を愚弄していないと言い切れるの
 でしょうか?
 
 最初の湾岸戦争が始まる以前のイラン・イラク戦争で、化学兵器が使用
 され、その際のずさんな使用方法で、イラク国内の罪もない人々が多く
 殺された事は、広く理解されています。 これは、前回の湾岸戦争が始まる
 前に既に明らかになっていた事実です。 その後、国連の安全保障委員会
 ・兵器査察が有効に作用していたはずです。 しかし、その有効性や存在
 意義までも否定し、実際に当地で大規模爆撃と侵略と言う大量破壊を
 行って置きながら、当該兵器について、何一つ提示する事のできない状態
 は、既にここで推測されている「有」を否定するに余りあるとはいえないので
 しょうか? 少なくとも、現段階においては、国連査察の有効性を否定した
 事実は、大国の(軍)力学によって誤りであるとすら見なされる事はないので
 しょうか? 
 
> ◇ 日本は、憶測で行動するより、世界の情勢を見守ることが賢明
> です。米国を中心とする「海洋国家群」を疎遠にすることは、現日
> 本国益にとり、絶対避けるべきです。「大陸国家群」(China等)
> は、言葉は別として、本当の「頼り甲斐」と成り得ません。全方位
> 外交・どの国家とも親しくは、理想的ではあっても、現実的ではあ
> りません。
 
=>政治とはどこの世界でも虚偽に満ちているのは確かです。 しかし、それは、
 各方面の人々の種々雑多な利益を互いに主張し、審議するための健全
 な民主主義を念頭に置いて行う事であれば問題はありません。 
 現在行われている事は、あまりに限られた人間の利益のために、あまりにも
 広範囲で、多くの人々が経済や生活の面だけでなく、その生命の犠牲まで
 も強いられている現状です。
 
 仰るとおり、日本は今まで通りの、八方美人・長いものには巻かれろの外交
 だけでは、到底生き残れません。 そして、仰るとおり、世界の動きを自分
 の視点で見つめる必要があります。 今までのように大国の動向だけで全て
 を判断しては、一緒に地獄に落ちるだけとなる不安が日増しに大きくなります。
 
 しかし、世界の情勢を見守ると言うのは、”本当に頼るべき相手(大国)を
 見極める”のではなく、自身の身の振り方、自分の意思として、(国際)社会
 へどのように働きかけるべきかを見極めるために状況判断する必要があるはず
 です。 何時までも、”何処かに守ってもらおう”、”お金を積んで、安心して
 生活ができるシェルターを与えてくれる大国を選ぼう”と、言う概念を思考回路
 から完全に切り離さない限り、日本と言う国家としての明日はないと考えます。
 
 現実的とは一体どういうことなのでしょう? 現実問題として、一番手っ取り
 早く簡単だから、今まで通り、占領国に頼っていれば良いと言う事にも聞こえ
 てきます。
 
このコラムが米国利益を優先してかかれたものなら、以上の私の疑問は全て
不必要だとは思いますが...
 
草々
古賀
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件名:Re: 国際戦略コラムno.1315. --- イラク派兵。これは、現代
における、踏み絵なのだろうか?  

"イラク派兵。これは、現代における、踏み絵なのだろうか?"と疑問提起
されたまとりさんのご意見に、この先、日本人としての存在意義すらも
失いかねない空虚な悲しみを感じながら、本当に同意の思いで拝読させて
頂きました。

現在までも、米は力ずくで数々の”踏み絵”を様々な国に突きつけています。
自国政府と自国軍がこれまで行ってきた非人道行為を棚に挙げ、キューバ、
グアンタナモ米軍基地にて、テロリスト疑惑で収容されている英国籍および
豪州国籍の囚人6名について、完全機密主義および刑法や米国憲法すら
適応されない軍事裁判にかけると、ホワイトハウスは、今月3日に発表して
います。

この発表を前に、国際刑事裁判所(ICC)に署名している35カ国について、
米国は、今後の軍事支援の停止を決定しています。 「米軍人保護法」を
一方的に押し付ける形で、米国との2国間協定に応じなかったためなのです
が、これなどは、軍事力の弱い小国に、大国による人権無視・大量殺戮から
身を守る手段であったICCを槍玉に挙げ、究極の選択をさせるだけでなく、
世界倫理を守る法を踏み倒すための準備と言う、一石二鳥の踏み絵であった
と言えるのではないでしょうか。
日本は大国の顔色を伺っていたため、最初からICCには署名すらしておらず、
何を逃れたかのように見えましたが、別の形・・・イラン油田開発事業の凍結、
イラク派兵と言う、2つの踏み絵を突きつけられた格好なのではと見ています。

イラク侵攻を全面的に支持し、その実現に手を貸し、肩を並べ、タッグを組んで、
実際にイラクへ侵攻を行った同盟国、英・豪州国籍を持つテロ容疑者を、この
同盟国に引き渡し、国際法は大国の利益から考えて無視するとしても、それぞれ
の同盟各国の法を持って裁こうと試みる事なく、人間の尊厳すらも保障しない
米軍事(恐怖)裁判を強行しようとするのも、同盟国、英や豪州に対する”踏み絵”
だとするのなら、この大国の”対テロ戦争”とは、一体どんな意味を持つのか疑問
です。

同コラムにも一部記事が紹介されていましたが、イラク南部では、地方の
治安維持のためのイラク人による現地警察を始動してからすぐ、英兵士との
理解不足から戦時中でなくなった人数よりも多い6名の兵士が犠牲になって
います。  イラクでは集団的な抵抗はない。と言う意見もありましたが、
小規模でも、イラク各地で米兵への抵抗は引き続き発生しており、数日置き
にこちらでも死傷事件が報道されている事は事実です。
それでなくとも組織を形成する抵抗勢力も全く制圧されておらず、何を持って、
ゲリラが起こっていない場所へ派兵するなどと寝ぼけた事を言っているのか、
全く理解に苦しむ限りです。 これこそ、平和ボケ日本の真骨頂なのかもしれ
ません。

本来の平和国家としての日本の存在意義を捻じ曲げて、”派兵”と言う”踏み絵”
を踏んで、同盟国だと安心しても、英・豪州の二の舞になる懸念は拭い去れません。
所詮、独裁軍事政権は、自国の軍事的利益のみ・・・政治も選挙も軍部および
一部の人間が権力を保ち続ける目的のためにのみ動いており、その目的のため
には、人間の尊厳すら踏みにじっているようにしか見えません。

政治とは、恐らくどこの世界でも虚偽に満ちているのは確かです。 しかし、
それは各方面の人々の種々雑多な利益を互いに主張し、審議するための健全な
民主主義を念頭に置いて行う事であれば問題はありません。 現在行われている
事は、あまりに限られた人間の利益のために、あまりにも広範囲で、多くの人々が
経済や生活の面だけでなく、その生命の犠牲までも強いられている現状です。

日本は今まで通りの、八方美人・長いものには巻かれろの外交だけでは、到底生き
残る事はできません。 そして、世界の動きを自分の視点で見つめる必要があります。
 
今までのように大国の動向だけで全てを判断しては、一緒に地獄に落ちるだけとなる
不安が庶民には日増しに大きくなっています。

しかし、世界の情勢を見守ると言うのは、”本当に頼るべき相手(大国)を見極める”の
ではなく、自身の身の振り方、自分の意思として、(国際)社会へどのように働きかける
べきかを見極めるために状況判断する必要があるはずです。 
”何処かに守ってもらおう”、”お金を積んで、安心して生活ができるシェルターを与
えて
くれる大国を選ぼう”と、言う概念を思考回路から完全に切り離さない限り、日本と言
う
国家としての明日はないと考えます。

草々
古賀
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件名: Re.米国の信念  

私も最近クリントン時代に戻ったかのような錯覚を覚えます。

SARS問題での台湾のWHO加盟が取りざたされた時、アメリカが「一つ
の中国」に理解を示したのを思いだします。先のサミット時にも
ブッシュ大統領は胡錦濤国家主席との会談に於いて「人権問題」等
について全く言及がなかったとも聞きます。

ネオコンの牙城「新アメリカの世紀プロジェクト」(PNAC)の論文
が中国を「最終決戦の相手」と規定しているのは有名ですね。田中
宇氏のメルマガ
http://tanakanews.com/d0617neocon.htm

にもあるように米政権内での政策のブレも感じます。

ロシアについてはイラクと違いイランに関して利害がないからでは
ないでしょうか?
ホメイニ革命後、アラブ諸国内でもイランは異質な国であったし、
友好関係にあったパキスタンやタリバン政権のアフガニスタンが米
国の友好国となった今、完全に孤立しているのではないでしょうか?

西側でイランと例外的に友好的な(ビザなし入国を認める等)日本に
対して、圧力がかかるのは自然であると思いますが、イランは現在
、穏健な民主化の過程にあるとも言え、イスラム革命やイラン・イ
ラク戦争、イスラエル問題とも一定の距離を持っていた大石油輸入
国の日本が、慌ててイラン非難の踏み絵を踏むのが得策かどうか、
私は若干の疑問を感じています。
umdhrs@mti


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