1304.イラク情勢と日本



イラクの泥沼化が明確になっている。その検討。  Fより

米英軍のイラクでの死者が増加している。それも南部・北部・バク
ダッドともに犠牲者が出ている。抵抗運動が組織化されている印象
も受ける。イラクの民主化という当初の目論みは、ほとんど消えて
なくなっている。

戦争の理由は大量破壊兵器と民主化であったが、どちらも達成して
いない。大量破壊兵器は発見できていないし、フセインの独裁政治
でもイラク人がその権力機構を占めていたが、現時点でイラク統治
に関与できているイラク人はいない。独裁主義より悪い他民族によ
る植民地支配になっている。この意味からも、戦争の正当な理由が
なくなっている。もしくは消滅している。このように最悪の事態に
なっている。

3月2日のコラム「イラク戦争の結末は」で述べた通りに、ベトナ
ム戦争化となり泥沼化してきた。石油の積み出しも、パイプライン
を各所で爆破されて、順調には行っていない。米国の没落を心配す
る必要が出てきている。それより、この戦争を企画したネオコンの
評価は米国でも低下しているが、逆に政権内では、ライスまでが、
米国一国主義、帝国主義の意見となり、ネオコン的な意見になって
いる。このため、政権内でパウエルが見えなくなっている。本当に
、これでブッシュの再選は大丈夫なのであろうか??
1186.イラク戦争の結末は(3月2日)
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/k5/150302.htm

もう1つ、米国の経済は下降している。IT機器の輸出も20%以
上ダウンしている。このため、FRBも金利を下げた。グリーンス
パンも楽観論を言っていられなくなっている。ドル安の方向になっ
ている。

しかし、米国国民はブッシュ支持68%で、イラン侵略戦争支持は
56%と国民自体も政権と同じようにネオコン化しているように感
じる。米国全体に怖さを感じる。

特に北朝鮮ではなく、イランへの侵攻が行われる可能性が高いよう
に感じる。中国への日本軍の侵攻と同じ意識が、国民と政府に感じ
られる。ゲリラ戦の継続ができる理由はその補給であり、その補給
を止めれば、ゲリラ戦は止まると考える。そして、通常戦争は必ず
勝つと思うと、通常戦の戦いの方がゲリラ戦より簡単であるから、
そちらを選択したくなる。この感情がありありと見える。

今、アフガニスタンも同様にカブールしか米軍は押さえていない。
北部同盟とタリバンが支配地を広げている。何のための戦争であっ
たか、イラク以上に問題が大きい。この抵抗運動の1つにヘクマチ
アル派がいるが、そのヘクマチアルはイランの保護下にいるようで
ある。この意味からもイランの原子力発電所問題は、核よりイラク
、アフガンの米英抵抗勢力の根拠地と思っているために大事にして
いる。非常に危なさを感じる。

北朝鮮は日本と韓国、中国など周辺諸国が親米的であるため、その
国家の危機になるようなことはしないはずであるが、ライスのロン
ドンでの演説には、恐ろしさを感じている人が多いのではないかと
思う。北朝鮮の日本にいる工作兵が何をするか十分に押さえていな
い。ノドン・ミサイルより、この工作兵が問題である。

日本も国家情報局と特殊部隊が必要であると、国民の安全を考える
とおもうがどうか??今、スパイと北朝鮮特殊部隊を探索する必要
がある。米国と北朝鮮が戦争すれば、韓国も日本もその戦争に巻き
込まれる。米国を牽制するために、米国との北朝鮮政策協議会を作
り、いやいやながらもイラクに自衛隊を派兵するようだ。

そうなら、どうか重装備で行って下さいね。イラクは戦場ですよ。
イラク国民への医療や福祉の支援活動をできる状態ではない。
そうすると、どちらかというと治安維持活動になり、それ自体ゲリ
ラ兵との戦闘を意識する必要がある。この意味する所は重装備が必
要となる。そもそも、日米安保は集団自衛権であり、米軍との協調
のために戦闘地域へ自衛隊を派遣するとしないと全体整合性がとれ
ない。それができない所に日本の問題、左翼の影響がある。それを
日本が克服することが必要であろう。
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米国で高まるイラク泥沼化の懸念(仏リベラシオンweb版=概略)

6月26日の仏リベラシオン(web版)は、「米国で不安が増大して
いる」というニューヨーク特派員の記事を掲げた。「イラクの戦後
を表すのに morass(泥沼)という新しい言葉が登場した」で始ま
り、30年前のヴェトナム戦争時に語られた言葉 quagmire(沼地
)と対比し、「イラクは一種の新たなヴェトナムになるのか」と問
いかけている。

ABCテレビ網とワシントン・ポスト紙が行った世論調査の結果を
紹介し、「米国人10人のうち7人が、ワシントンがイラクの平和
を維持するために長い期間と高いコストを払わされることを恐れて
いる」と。また「44%の人が、戦後の米軍兵士の犠牲者数は
《inacceptable》(容認できない)と考えている」と論評し、一般
のアメリカ人はブッシュが大量破壊兵器を発見しようがしまいが、
それよりも、この数週間毎日のように殺されている米軍兵士のこと
に関心を抱いていると解説。火曜日、国防総省の記者会見で、マイ
ヤー参謀総長は「同盟軍が遭遇しているレジスタンスの状況を見直
さなければならないだろう。レジスタンスが組織されたものである
とは100%定かではない。だが再検討するつもりである」と強調
した。

戦後への準備なしに戦争開始を決めたことについて、米政界での不
満の声が日増しに高まっている。月曜日、イラクに関する定例公開
会議で、上院議員の多数が、アメリカはイラクに最低5年は留まら
ざるを得ないだろうとの危惧を表明した。また彼らはブッシュに、
アメリカの軍事介入に関するすべての真実を語り、作戦のすべてに
かかる概算費用を明らかにするよう求めた。

26日のリベラシオン紙には、「GIのモラルが低下している」と
いうバグダッド特派員の記事もある。疲労と暑さと倦怠と、それに
今は待ち伏せ襲撃で、米軍兵士はうんざりし、荒っぽくなっている
という。占領軍がイラク市民に禁じた武器の回収を始めたころに気
候が変化した。米兵が朝早くからイラク人の家に押し入り、家族に
銃を向け、手荒いやりかたで女性の身体検査まですることを、イラ
クの人々は非難している。酷暑の中を重装備で、汗だくでパトロー
ルする米兵たち、その多くが今や口にする願いは「故郷へ帰ること
」だという。
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ライス補佐官がシラク大統領の多極世界構想を攻撃=平和に役立たぬ 
2003 年 6月 27日 
http://news.msn.co.jp/articles/snews.asp?w=503910
【ロンドン26日】ライス米大統領補佐官は26日、ロンドンの英
戦略国際研究所(IISS)で講演し、シラク・フランス大統領の
多極世界構想は決して平和を推進してこなかった抗争の理論だと攻
撃した。

ライス補佐官は国際問題と安全保障の専門家たちを前に、「我々は
前に多極理論を試してみたことがあったが、第1次、第2次両大戦
および冷戦につながった」と強調し、国際関係における多極理論を
ノスタルジックに追求しようとする人たちの動機に疑問を感じると
述べた。〔AFP=時事〕
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<核開発問題>単独武力行使も辞さず ライス米大統領補佐官

 ライス米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は26日、ロン
ドン市内での講演後の質疑で、北朝鮮とイランの核開発問題につい
て「多国間の形での解決が望ましいが、米国は(あくまで)解決を
求めている。行動しないのは解決とならない」と述べ、単独の武力
行使も辞さない姿勢を示した。

 ライス氏は「(イラク戦争のような)米国製の解決を望まないな
ら、国際社会は北朝鮮とイランの問題を解決する方法を見つけなけ
ればならない」と述べた。

 ライス氏は「脅しには全く効果がなく、国際的な義務に違反すれ
ば、代価を払わなければならないことを北朝鮮は認識しなければな
らない」と警告した。

 イランについては「北朝鮮とは段階が異なる。今、国際社会での
意思統一を目指しており、ロシアともよい協議を行った」と述べ、
国際社会の枠組みでの解決が可能との認識を示した。
(共同)(毎日新聞)
[6月27日1時30分更新] 
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英兵攻撃受け、6人死亡 イラク南部 (ASAHI)

 イラク南部の主要都市バスラの北約160キロのアマラで24日
、英軍部隊が何者かの攻撃を2度にわたり受け、6人の英兵が死亡
し、8人が負傷した。うち3人が重体という。ロンドンの英首相府
報道官が発表した。AFPなど複数の通信社によると、2度目の攻
撃は、1度目の攻撃現場の近くで警戒任務にあたっていた空挺(く
うてい)部隊が撃たれ、救出するため派遣されたヘリコプターが標
的にされたという情報もある。 

 BBCなどによると、5月1日のブッシュ大統領による戦闘終結
宣言後に米兵は約50人死亡している。英軍は、イラク戦争中のバ
スラ包囲戦で死傷者を出したが、終結宣言後に英軍兵士が攻撃で死
亡したのは初めて。攻撃したのが何者かについては不明。 

 イラク北西部などでは、フセイン政権の残存勢力の民兵集団によ
るとみられる米軍への攻撃が続いているが、南部は反フセイン感情
の強いイスラム教シーア派が多く、比較的治安は良好とされてきた
。バスラなどでは英軍は防弾チョッキなども使用しない状況もあっ
たという。 
(06/25 01:32) 
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56%が米軍のイラン攻撃賛成=ブッシュ大統領の支持率68%
−世論調査

 【ワシントン24日時事】24日付の米紙ワシントン・ポストは
ABCテレビとの合同世論調査結果で、イランの核兵器保有阻止の
ため米軍の軍事行動を支持すると答えた人は56%で、反対は38
%にとどまったと報じた。また、ブッシュ大統領の支持率は68%
で、前回4月の調査より3ポイント下がったが、高率を維持してい
る。 (時事通信)
[6月24日17時5分更新]


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