1298.米国ヘッジファンドの動き



米国ヘッジファンドは大損をしている。その検討。  Fより

米国ヘッジファンドの損が嵩んでいる。日本株のポジションを変更
する必要がある。今まで米国ファンドは「日本株売り」の位置にな
っているが、日本の平均株価9000円と上げ方向になり、「買い
」という逆方向になっている。

この日本株上げへの手を打ったのは欧州系のファンドで、米国のヘ
ッジファンドは日本株の下げと読んで、そのヘッジを受けてしまっ
ている。このため、大きな損を抱えた。巨額の損を3ケ月後に清算
することになる。このヘッジファンドに巨額の資金提供をしている
のが日本の銀行、年金資金や米国の大銀行である。勿論、C銀やJ
銀の子会社もこのヘッジの仲間であり、それもヘッジの2/3は大
銀行の子会社が取引している。

このため、急遽、ヘッジファンド幹部が日本に来て、日本のポジシ
ョンをどうするか検討するようである。日本の景気に隙あれば、
日本株売りを大々的に行い、欧州勢を大損させて、自分達は逃げる
ことができると考えているようだ。

しかし、日本の復活は確かな感じがする。ここでも議論しているよ
うに、日本の技術者の根性・努力が、世界的にも売れる物を創造し
始めた。カシオの復活、キャノン、シープ、三洋、松下のAV系と
その陣容は厚い。FOMAも復活して、カメラ・ビデオと携帯の
融合形で、勢いを増している。

日本の銀行の手持ち株が9000円以上になり、不良債権の損より
株の利益が増え、自己資金が8%以下になることは今後ない。
りそな銀行は寸での所で、公的資金が入ってしまい、国有化された
が、もう2週間後であれば、国有化は必要が無かった。ここでも
日本の銀行の不良債権問題は、その位置付けが低下する。破綻懸念
先の内、公共工事がなくなる建築業以外は立ち直る方向である。

このため、欧州勢は米国勢に日本株でダメージを与えたようだ。
これに対して、米国はイラクの債権放棄が必要と、フランス、ドイ
ツ、ロシアや日本が損をする経済戦争を仕掛けてきた。しかし、
日本の損分(三菱商事)を新規工事で補填するとか、ロシアの石油
採掘を保障するとかで、欧州分以外の損分は保障している。この債
権放棄の狙いは欧州である。

これに対して、欧州はアラブ諸国の石油代金をユーロ建にするなど
、ドルの基軸通貨を脅かしている。ドルが世界通貨から脱落すると
ドルの垂れ流しができなくなり、米国の経済は待たない。この面か
らも、欧州は米国と競合関係にある。

そして、米国ヘッジファンドの日本株の損は、それ以上になってい
るはずである。経済戦争の熱戦が欧米間で始まっている。そうしな
いと、欧州勢が日本株を大量に買うことはない。株高に釣られて、
日本の個人株主も参入し始めたために、米国ヘッジファンドの負け
は見えている。さあ、どうするグリーンスパンとC銀行。
==============================
▼急報/今、米大手ヘッジファンド最高幹部が大挙来日中?! 
[Yen Dokki!!]

ストラテジストの宮島秀直さん(HidenaoMiyajima/Strategist)に
よると、米国の大手ヘッジファンド(グローバル・マクロ3社、
グローバル・オポテュニティー6社、ロング・ショート型4社、コン
トラリアン2社など合計20社を超える模様) の最高責任者又はCIOク
ラスの幹部が、今週初めから来週半ばに掛けて多数来日中だ。彼ら
の目的は、「自民党幹部、財務省、日銀幹部および、大手都銀、電
機・精密・通信各社会社経営陣への面談、アナリスト同伴訪問」だ
と言う。

<狙いは、日本株買いを促した日米「口約束」の確認> 背景には
、先日のレポートにも述べましたように、今回のヘッジファンドに
よる日本株買いが、米国政府及び財務省高官からの「高度政治情報
」であったことが関係しているようだ、と言う。 「りそな銀行に続
く特別支援が9月に、最大手行クラスに対して行われる」「日銀は
更なる戦略的な緩和策、市場活性化策を検討中」「8月−9月には
予想以上の補正予算が提出される」・・・・・といった内容の口頭
情報(口約束)が米国政府、財務省からリークされたと語るヘッジ
ファンドも実際に在り、「その真偽を確認すべく来日した可能性も
高い」と見ている。 訪問先の自民党議員の中には従来のような大原
議員のようなOBクラスではなく、第一線の金融政策担当者が並んで
いることからも、「今回の訪問のアポイントには米国政府自体も絡
んだ可能性がある」と考えている。

<日本株投資戦略を大きく見直しなら、相場環境は激変> 前回、
これだけの規模でヘッジファンドが日本を訪問したのは、99年3月以
来だった。(当時の詳細は、著書「ヘッジファンドの興亡」を参照)
。 その後、ヘッジファンドの潤沢な資金(一時、外国投資家総売買
高の60%をヘッジファンドが占めた)によって日経平均が20000円を
目指して上昇した。このことから、今回も、多数の幹部による来日に
よってヘッジファンドの日本株投資戦略が大きく見なおされ、投資
規模拡大の決定がなされた場合、「これまでの日本株相場の環境要
因、および変動条件には大きな変更が生じる可能性がある」と言う。 

http://www.yen-dokki.com/


コラム目次に戻る
トップページに戻る