1291.情報社会の通貨について



情報化社会が来て、資本主義時代の通貨に再検討が必要。Fより

情報化社会が来て、経済の機構も変更しないといけないような感じ
がする。この検討には公文俊平先生の「新情報文明論」が参考にな
る。
http://www.glocom.ac.jp/proj/kumon/i_civil/index.html

内容はリンク先で見て欲しいが、情報社会が一般的になると、今ま
での商業主義経済から知識主義経済になる。国民の関心が、市場か
ら智場に移りいく。この智場の中心的な存在がインターネットなの
であるが、ここでの商的な取引は、得た情報に対する感激としての
投げ銭のような感覚での取引なのであろう。この通貨もどきには、
利潤を追い求めない。金利などという概念もいらない。

今までがどうしても物的な豊かさを得るために、貨幣的な側面が多
く、多額の投資に対する見返りとしての利子が必要であった。
智としての情報には、お金の投資はいらない。どちらかというと、
時間とアイデアが必要である。それと智の蓄積であろう。これらは
個人の力と時間的なゆとりが必要となる。今までの資本主義のよう
な再投資のための多額の投資は必要がない。
個人が生活できる資金と、アイデアを会話できる友人が必要なだけ
である。

一方、資本主義は今、崩壊の崖淵にいる。金本位制を離れたドルは
輪転機で印刷するだけで済むため、米国は経常赤字の垂れ流しをし
ている。日本は、本来、経済実力があり、円はドルに対して強いは
ずが、米国への輸出ができないと、ドル・円相場を維持するために
その垂れ流されたドルを大量に保有する。いつか米国はこれができ
なくなり、世界に蓄えられたドルが米国に戻る時が来る。このとき
は米国の崩壊であろう。しかし、これはここでの議論ではない。

このため、そのドルを買う円札を、これも大量に印刷して、市中に
放出している。しかし、世界の情勢は放出された円の増加をインフ
レにしない。ここで、日本の円も大量に放出されていることを注意
が必要。
インフレになぜならないか??中国やインドの安い労働力により、
全体的な物価が下がっているためで、今後もベトナム、スリランカ
などの労働力が国際市場に参加するので、価格的なインフレの問題
はない。

このため、先進諸国はすべて同じ問題を抱える。同じ商品をいつま
でも先進諸国では作れない。先進諸国と発展途上国では労働賃金が
余りにも違いすぎて、同一のものを作るなら、途上国になってしま
う。このため、古い商品に価値がない。新しさに価値があることに
なる。

そして、この新しさはどんどん劣化する。言い直すと新しさの価値
は時間と共にその価値を減らしていく。金額的表現であると、マイ
ナス金利により金額は劣化して、その価値は、物としての最小限度
の価値で止まる。これは知的情報と同じ理論になる。知的情報も古
いと、価値がない。時間と共にその価値は劣化する。昔は紙という
物理的価値で止まるが、インターネット上の情報ではほとんど無価
値である。このため、情報を創造しない多くのHPは、他人からす
ると無価値と思われている。

その価値を表す表現が、金額的な表現であると、生み出された時点
が最高金額で、どんどん劣化する金額表示になる。これを物的な表
現をすると、マイナス金利の通貨となる。今までの資本主義では、
プラス金利の通貨社会であるなら、今後の智的情報社会では、マイ
ナス金利の通貨が似合っているように感じる。精神的な充足感を得
る単位としてマイナス金利の地域通貨と同様であろう。

このように、資本主義も知識主義になると、金利の考え方も違うの
です。どうか、このような理論を経済学者は作り、日本を変えて欲
しい物である。どうも、今の経済運営の考え方が違うように感じる。

ヒットラー政権下のシャハトの経済政策を実行するように準備して
ほしい。そして、もう米国国債は、買うのを止めるべきである。
勿論、日本の財務状況でムダな公共事業をする余裕はない。


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