1269.米国金融界の変調



米国の金融界がおかしい。その検討。   Fより

つい最近、YHさん、地域通貨の大家とお会いしたが、どうも米国
経済がおかしいという話になった。C銀行が2002年末現在で、
世界のデリバティブ取引1京7000兆円にも達する総額のうち、
3分の1を保有しているとのことである。J銀行など数社で3分の
2に達するほどの集中化が米国で起きている。

そして、バフェットに続きグリーン・スパンまでも信用取引の透明
化をしないと、大変なことになると5/8に発言している。このた
め、米国金融界は大騒動になっている模様だ。バフェットは無視で
きても、グリーンスパンは無視できない。

何かの事実を知って話をしているはず。グリーンスパンはこの演説
で、デリバティブ取引での失敗で経済がおかしくなる責任を逃れて
いるとの観測もある。

もし、C銀行のデリバティブ取引が焦げ付いたら、大変なことにな
る。LTCMのような危機では済まされない。そのC銀行のデリバ
ティブ取引額5600兆円の一割でも560兆円と日本の発行国債
より大きい。デリバティブでの1割の損など、いつでも起こりうる
ことである。

世界N位の民間銀行としても、その損失をカバーできない。そうす
ると米国政府が金融保証をすることになるが、個人預金は保障する
が、銀行間取引までは保障できない。このため、世界の企業や銀行
のデリバティブ取引や預金が飛ぶことになる。

今、デリバティブ取引は巧妙になって複数連動になっていて、その
歯車が狂うと、その影響が全デリバティブ取引に直ぐに連動し、
かつ、世界に飛び火することになる。もちろん、J銀行にも飛び火
する。最悪、倒産になる可能性もある。

米国政府は、C銀行を支えるために5兆ドルものドル通貨を印刷す
ることになる。この通貨の増刷はドル暴落になるし、日本の銀行も
ドル暴落とデリバティブ取引損失で倒産の可能性が高くなる。この
保障も日本の円札を大量に印刷して支えるしかない。

日米で同時ハイパー・インフレの到来になるし、日銀が大量保有し
ている米国国債も紙切れになってしまう。このため、ドルからユー
ロに資金が移動している。

このコラムは日本のハイパーインフレを防止しようと、始めたので
すが、米国の銀行崩壊によるハイパーインフレの可能性は止めるこ
とができない。いつ起こるか、それは責任逃れをするグリーンスパ
ンとC銀行の腕に掛かっているが、秋口まで持つかどうかだとYH
さんは言う。私はYHさんの意見が違うことを願うしかない。
現時点、C銀行は損失を帳簿上で見えなくしているようだが、いつ
かは公表せざるをえない。

米国上位の銀行が倒産するのですから、米国経済はハチャメチャに
なるでしょうね。この事態に救いのオペレーションができるのは不
健康な日本ではなく、比較的健康な欧州しかない。

この頃、パウエル国務長官がイスラエルが嫌う平和のロード・マッ
プを頑張っているのも、欧州の意向に従わないと米国経済崩壊時に
助けてもらえないためではないかと思うほどである。

欧州のエスタブリッシュメントは明らかにロードマップを要求して
いる。米国ネオコン潰しであるが、これに対してイスラエルは欧州
にも核ミサイルを打ち込むぞと脅しを掛けている。

イラク戦争に勝ったのにイラク統治機構からネオコンと同盟してい
る軍人が排除されるなど、再度、欧州連携の国務省が権力を奪い返
してきている。どうも米国が変な動きなのですが、その理由も解明
できる。

そして、とうとうイスラエルもロード・マップに合意せざるを得な
い状態になっている。反対に米国の敵であった仏シラクはイラク復
興に全面的に関わると、パウエル長官がフランスでシラクと会見後
に発表する。何かが変。

このため、欧米の意見調整を行うパリで開催中のビルダーバーク会
議では議論になっているはずなのです。ラムズフェルドも出ている
が、勇ましい話がでてもいいのに、ほとんどの内容が公開されない。
この会議内容をお知りの方は、その一端でもいいのでお教えくださ
い。勿論、非公開にします。

もし、日米の通貨崩壊が起きたら、このときはワイマール体制で、
経済が破滅したドイツを短期間に復興したヒットラーの経済政策が
有効になる。それを実践したシャハトの経済学で、短期間にドイツ
経済を立て直した秘密は、通貨の変更を行って、実質金利をマイナ
スにしたことによるのです。500万円までは、無料で交換して、
それ以上の金額には手数料を取るのです。こうすると金利0%以下
と同じ効果が出る。ここは地域通貨の大家からの入知恵です。

この通貨変更を3年に1回程度を数回やると、地域通貨と同じよう
な効果を及ぼすことになる。しかし、この政策は、老人には惨いこ
とになるでしょうね。このサイトを見ているご老人は資産価値を防
衛する対策を打ってくださいね。

そして、これをすると、通貨の信用力がなくなるためにYHさんは、
金本位制ではなく商品バスケット本位制を導入する必要があると。
為替交換は意味をなくして、商品連動の通貨になる。これは仮想経
済から実体経済への変更を行うことである。

この商品バスケットとは株の日経平均と同じ考え方で、商品群の平
均値である。この平均値と通貨を連動して通貨の信用を担保するの
です。崩壊後の次の日本の経済政策を立てる必要があるのですが、
崩壊後の経済戦略を立てることができる人は、今の政府にいるので
あろうか??

もう1つ、心配なのが、米国の悪あがきである。ブッシュとしては
大統領再選を果たしたいので、国民の目を経済から逸らす可能性が
ある。もちろん、逸らす方向は戦争でしょうね。イランとの戦争?
北朝鮮との戦争?

732−2.ケインズ学説の限界について
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/kak3/1312032.htm

Remarks by Chairman Alan Greenspan
Corporate governance
At the 2003 Conference on Bank Structure and Competition, 
Chicago, Illinois 
(via satellite)
May 8, 2003


コラム目次に戻る
トップページに戻る